2005年に発表されたスティーグ・ラーソンの小説”ミレニアム”三部作を基に映画化されて大ヒットした、スウェーデン映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(2009)のハリウッド版リメイク。 スウェーデン国内有数の財閥一族の40年前の少女失踪事件の調査を依頼された著名なジャーナリストと謎めいた天才調査員が忌まわしき一族の秘密を暴くまでを描く、監督デヴィッド・フィンチャー、主演ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、ステラン・スカルスガルド、スティーヴン・バーコフ、ロビン・ライト他共演によるミステリー・サスペンスの秀作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・フィンチャー
製作総指揮
アンニ・ファウルビエ・フェルナンデス
ミカエル・ヴァレン
スティーヴン・ザイリアン
製作
ソロン・スターモス
オーレ・センドベリ
スコット・ルーディン
セアン・チャフィン
原作:スティーグ・ラーソン”The Girl with the Dragon Tattoo”
脚本:スティーヴン・ザイリアン
撮影:ジェフ・クローネンウェス
編集
カーク・バクスター
アンガス・ウォール
音楽
トレント・レズナー
アッティカス・ロス
出演
ミカエル・ブルムクヴィスト:ダニエル・クレイグ
リスベット・サランデル:ルーニー・マーラ
ヘンリック・ヴァンゲル:クリストファー・プラマー
マルティン・ヴァンゲル:ステラン・スカルスガルド
ディルク・フルーデ:スティーヴン・バーコフ
エリカ・ベルジェ:ロビン・ライト
ニルス・ビュルマン:ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
アニタ・ヴァンゲル:ジョエリー・リチャードソン
セシリア・ヴァンゲル:ジェラルディン・ジェームズ
ドラガン・アルマンスキー:ゴラン・ヴィシュニック
グスタフ・モレル警部補:ドナルド・サムター
ハンス=エリック・ヴェンネルストレム:ウルフ・フリバーグ
ホルゲル・パルムグレン:ベント・C・W・カールソン
プレイグ:トニー・ウェイ
ハラルド・ヴァンゲル:ペル・マイヤーバーグ
ペニラ・ブルムクヴィスト:ジョセフィン・スプランド
アンナ・ニーグレン:エヴァ・フリトヨフソン
ハリエット・ヴァンゲル:モア・ガーペンダル
ヘンリック・ヴァンゲル(若年期):ジュリアン・サンズ
ビルエル・ヴァンゲル:マーティン・ジャーヴィス
イザベラ・ヴァンゲル:インガ・ランドグレー
グンナン・ニルソン:マッツ・アンデルソン
リヴ:アルリ・ホベール
グレーゲル:アラステア・ダンカン
イサクソン刑事:アラン・デール
ミルドレッド:レナ・ストロンダール
リンドグレーン:アン=リー・ノルバーグ
トリニティ:レオ・ビル
ミリアム・ウー:エロディー・ユン
アニカ・ジャンニーニ:エンベス・デイヴィッツ
アメリカ 映画
配給
コロンビア・ピクチャーズ
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
2011年製作 158分
公開
北米:2011年12月20日
日本:2012年2月10日
製作費 $90,000,000
北米興行収入 $102,515,790
世界 $232,617,400
■ アカデミー賞 ■
第84回アカデミー賞
・受賞
編集賞
・ノミネート
主演女優(ルーニー・マーラ)
撮影・音響編集・録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
スウェーデン、ヘーデスタ。
国内有数の財閥である”ヴァンゲル”の元会長ヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)は、誕生日の贈り物である押し花を今年も受け取る。
ストックホルム。
雑誌”ミレニアム”の共同発行者で経済記者のミカエル・ブルムクヴィスト(ダニエル・クレイグ)は、財界汚職事件の告発記事を書き、ハンス=エリック・ヴェンネルストレム(ウルフ・フリバーグ)に名誉棄損で訴えられて敗訴する。
失意のブルムクヴィストは社に戻り、愛人でもある共同発行人のエリカ・ベルジェ(ロビン・ライト)に慰められる。
調査会社”ミルトン”。 サランデルは、ブルムクヴィストのパソコンをハッキングしてメールなどをチェックし、”ヴァンゲル”の顧問弁護士であるフルーデや、ヴェンネルストレムにも興味を持ち、彼が、かつて”ヴァンゲル”に籍を置いていたことなどを知り、彼のアパートの建物の内部などを調べる。 その頃、ブルムクヴィストは、フルーデからの連絡を受け、ヘンリックと会うことになる。 ヘーデスタ。 ヘンリックは、評伝の執筆を装いながら、如何わしい悪の巣窟である自分の一族の調査を、ブルムクヴィストに依頼する。 ナチの信奉者だった、兄の孫娘であるハリエット(モア・ガーペンダル)が、一族の誰かに殺され、ヘンリックはその40年間を苦しみ抜いてきたのだった。 1966年9月24日、島につながる橋で大事故が起きた日、16歳のハリエットは、家族や役員達が集まる催しの席で、忽然と姿を消した。 ヘンリックは、何かを伝えたいと言ったハリエットの話を聞かなかったことを後悔し、誕生日に贈られてくる、飾られた押し花をブルムクヴィストに見せる。 4時半の電車で帰る予定だったブルムクヴィストだったが、彼はヘンリックの話に聞き入る。 警察の捜査終了後も、ヘンリックは、ハリエットの件に時間を費やしたのだった。 ヘンリックは、ブルムクヴィストに十分な報酬を約束して、かつての部下ヴェンネルストレムの全てを知る立場で、裁判では負けたものの、記事の内容は正しいことを伝え、この地に滞在しての調査を依頼する。 その頃サランデルは、ヴェンネルストレムのアパートにある装置を仕掛ける。 依頼を受けることにしたブルムクヴィストは、ストックホルムに一旦戻り、エリカに多くを語らずヘーデスタに向かう。 粗末なコテージを提供されたブルムクヴィストは、その後ヘンリックの資料も受取り、彼は、複雑な一族の関係を調べ始める。 ブルムクヴィストは、グスタフ・モレル元警部補(ドナルド・サムター)に会い、ハリエットが、事業の秘密を知っていたことを知らされ、彼女の手帳に記された番号などについて質問する。 ”反社会性パーソナリティ障害”と診断され、精神科病院に収容されたこともあるサランデルは、後見人が脳卒中で倒れたために、弁護士のリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン)の監視下に置かれることになる。 現在の”ヴァンゲル”会長である、ハリエットの兄マルティン(ステラン・スカルスガルド)の家を訪れたブルムクヴィストは、彼の恋人リヴ(アルリ・ホベール)との食事を楽しむ。 マルティンは、橋の事故後に島に到着し、ハリエットの失踪後に、”ヴァンゲル”の衰退が始まったことを語る。 翌日、ヘンリックの姪セシリア(ジェラルディン・ジェームズ)がブルムクヴィストを訪ね、ハリエットのことは、親しかった妹のアニタ(ジョエリー・リチャードソン)に聞くべきだと提案する。 サランデルは、地下鉄の駅で暴漢に襲われ、パソコンを壊してしまい、ビュルマンにそれを買い替えるための資金を求め、彼は、自分の欲求と引き換えに、彼女に小切手を渡す。 ロンドン。 サランデルは、金が必要だと言ってビュルマンの自宅に向かい、そこで彼女はレイプされてしまうが、バッグにはビデオカメラが隠されていた。 エリカがブルムクヴィストを訪ねてくるが、経営危機に陥った社に提携を申し出た、ヘンリックとマルティンとの話し合いが進んでいた。 一族の異常さを知るブルムクヴィストは、エリカの考えに反対する。 ヘンリックとマルティンは、メディアとのインタビューでその件を公にして、ヴェンネルストレムを名指しで批判する。 事件当日のパレードの写真が気になったブルムクヴィストは、現地に向かいそれについて調べる。 ビュルマンの元に向かったサランデルは、彼をスタンガンで気絶させ、拘束して痛めつける。 サランデルは、自分が管理できる銀行口座を作り、偽の面談報告書などを書き、後見人が不要だという手続きをすることを強要し、レイプのビデオをネットに流すと言ってビュルマンを脅す。 それを実行しない場合は殺すと付け加えたサランデルは、ビュルマンの胸に、”自分はレイプ魔のブタだ”とタトゥーを彫りその場を去る。 ブルムクヴィストは、パレードのネガを入手し、パソコンで連続画像にしてチェックし、写っていたハリエットが、何かを気にして自ら身を隠した事実を知る。 聖書の会のキャンプに参加する娘ペニラ(ジョセフィン・スプランド)がヘーデスタに立ち寄り、ブルムクヴィストは彼女の言葉で、ハリエットの手帳に記されていた数字が旧約聖書の”レビ記”からの引用だと気づく。 そんな時、ヘンリックが心臓発作で倒れるが、命には別条なかった。 ブルムクヴィストは、フルーデに助手が必要だということを伝え、自分を調べたサランデルという調査員の存在を知る。 サランデルのアパートに押し入ったブルムクヴィストは、”詳細”過ぎる調査報告やハッキングのことを大目に見て、彼女に、自分が手がけているリサーチの手伝いを依頼する。 それを承諾したサランデルは、死んだというハリエットや、手帳の記述が一致した”レベッカ・ヤコブセン”と”レビ記”の関連などを調べることを知らされる。 サランデルは、1947-1966年の間に起きたレイプや残虐な殺人を調べ始める。 ブルムクヴィストは、コテージに侵入者があったことに気づき、その後、入院中のヘンリックに面会しようとする。 しかし、マルティンの母イザベル(インガ・ランドグレー)にそれを拒まれ、ストックホルムに帰るよう言われる。 マルティンが、ヘンリックとは不仲でもある母の無礼をブルムクヴィストに謝罪し、彼を引き止める。 そこにサランデルが現れ、手帳の5人と他の連続殺人が、”レビ記”と関係していることをブルムクヴィストに伝える。 ブルムクヴィストは、その殺人事件をハリエットが追っていたことと、被害者の全てが旧約聖書に記されている名前、つまりユダヤ人だということをサランデルから知らされる。 ヴァンゲル家には、ユダヤ人を嫌う者がいたのだが、ハリエットの名前は違った。 翌朝、パレードの写真で、ある女性が、写真を撮っていたことに気づいたブルムクヴィストとサランデルは、その線を探る。 その時、ブルムクヴィストは、飼っていた猫が玄関先で殺されていることを知りショックを受ける。 ブルムクヴィストは、古い写真を参考にしているということで老人ホームに向かい、写真を撮っていた女性の所在を知り訪ねて、その時の写真を見て手がかりをつかむ。 サランデルはビュルマンの会い、書類の内容に満足できないと言って、再び彼を脅す。 溺死したヘンリックの兄ゴッドフリードの家を調べていたブルムクヴィストは、何者かに銃で狙われてコテージに向かう。 サランデルはコテージに監視カメラを設置して、戻って来たブルムクヴィストの傷口を手当てする。 その後サランデルは、動揺するブルムクヴィストのベッドに向かい、二人は愛し合う。 翌日、マルティンとフレーデは、ブルムクヴィストが狙われたことを狩猟者の過ちだと言い切り、彼から、調査を続けるために企業の記録を閲覧することを要求される。 フレーデはそれを拒もうとするのだが、マルティンがそれを許可する。 ブルムクヴィストは、企業の情報をべるようサランデルに指示する。 ヘンリックの兄ハラルド(ペル・マイヤーバーグ)が、事件の当日に撮った写真を確認するために、ブルムクヴィストは、彼に面会できるように娘のセシリアに取り計らってもらう。 ハラルドに会えたブルムクヴィストは、マルティンの若き日の写真と、殺害された女性”レーナ・アンデション”の関係に気づく。 企業の資料を入念に調べたサランデルは、マルティンの父で溺死したゴッドフリードが、殺害された女性と関連があることを知る。 しかし、1967年に殺害された”レーナ・アンデション”だけが、1965年に亡くなったゴッドフリードとの接点が見つからなかった。 ブルムクヴィストはマルティンの家に向かい、開いていた窓から中に入り猟銃などを見つける。 そこにマルティンが帰宅し、ブルムクヴィストは裏口から逃げ去るが、彼に気づかれ、散歩に来たことを装い家に招かれる。 同じ頃サランデルも、”レーナ・アンデション”と同じ高校に、マルティンが通い、その校章が付いたブレザーを着た彼が、パレードで写真を撮った女性の写真に写っていた、風船で顔が隠れた青年だと気づく。 マルティンは、ブルムクヴィストの挙動がおかしいために、何かに気づいたことを察し、銃を取り出して彼を地下室に連れて行き拘束する。 ブルムクヴィストから、写真と”レーナ・アンデション”のことを聞きだしたマルティンは、サランデルの命も奪うことも伝える。 コテージに戻ったサランデルは、監視カメラの録画映像に映るマルティンを確認する。 父ゴッドフリードと同じ異常者だったマルティンは、殺人の処置室だったその場で、ブルムクヴィストを殺そうとする。 しかし、そこにサランデルが現れ、マルティンを殴り倒し、ブルムクヴィストを助ける。 銃を手にしたサランデルは、その場から車で逃れたマルティンをバイクで追う。 マルティンの車は橋を渡った所で横転し、サランデルが彼に近づくが、車は爆発する。 翌朝、ベッドに横たわっていたブルムクヴィストは、寄り添って寝ているサランデルに、後見人が必要な理由を聞く。 12歳の時に、父親を殺そうと火を放ったサランデルは、精神障害と判断されたのだった。 サランデルは、地下室で見つけたハリエットの写真を見せるが、ブルムクヴィストは、マルティンが彼女を殺していないと断言する。 ブルムクヴィストは、ハリエットが生存している可能性を指摘し、それを知る者は一人しかいないと語り、アニタの写真を見つめる。 ロンドン。 しかし、アニタは、ハリエットに連絡することもなく動きを見せない。 アニタ自身がハリエットだと気づいたブルムクヴィストは、再び彼女に会う。 ハリエットは、アニタの考えで、彼女の夫と夫婦として出国したのだった。 アニタと夫は事故で死亡したことを伝え、ハリエットは、地下室の写真を見せられ、14歳で父親にレイプされたことをブルムクヴィストに語る。 レイプは日常化となり、殺されかけたハリエットは、酔った父親をボートのオールでなぐり殺し、それをマルティンに目撃されて、その日から、彼女は兄の言いなりになったのだった。 兄妹を預かっていたヘンリックは、マルティンをウスプラの高校に通わせるのだが、パレードの日に、ハリエットは兄を確認して身を隠したのだった。 その後、姿を消したハリエットは、アニタの協力で島から脱出した。 退院したヘンリックは、約束だったヴェンネルストレムの資料をブルムクヴィストに渡す。 ブルムクヴィストは、ハリエットとヘンリックを40年ぶりに再会させて、サランデルと共にその場を去る。 ヴェンネルストレムは、35年前に横領で解雇されているのだが、それでは闘えないと言ってブルムクヴィストは、フルーデに不満を訴える。 しかし、ヴェンネルストレムに興味を抱き、詳しく調べていたサランデルは、彼が、武器、麻薬、ロシアン・マフィアの金を洗浄していた事実を、ブルムクヴィスト共にハッキングで確認する。 それをブルムクヴィストから聞いたエリカは、その協力者がサランデルだと知る。 その後、ブルムクヴィストの記事は”ミレニアム”に掲載されて、ヴェンネルストレムは再び告発される。 サランデルは、投資のためだと言って、ブルムクヴィストから5万クローネを借りようとする。 ブルムクヴィストは、そんな金はないことを伝えるのだが、サランデルは口座の残高を知っていたため、彼はそれを承諾する。 サランデルは、その金で偽造パスポートを作り変装してチューリッヒに向かう。 ハッキングで、ケイマン諸島にあるヴェンネルストレムの隠し資産口座の銀行コードを入手したサランデルは、20億ユーロを送金し、債権に変換させて銀行に預ける。 サランデルはストックホルムに戻り、全ての証拠を消す。 ヴェンネルストレムの悪事は暴かれ、謎の協力者の女性により、彼の資金がスイスの銀行に移され、分散されたことが明らかになる。 サランデルは、何も気づいていないブルムクヴィストに金を返す。 元後見人に会ったサランデルは、立派な友達ができたことを伝える。 ブルムクヴィストは、ヴェンネルストレムがマフィアによって暗殺されたことを報道で知る。 サランデルは、愛も感じ始めたブルムクヴィストへのクリスマス・プレゼントを持参して彼の元に向かう。 しかし、ブルムクヴィストが、エリカと共に出かける姿を見たサランデルは、プレゼントを、その場にあった廃棄ボックスに捨ててバイクで走り去る。
異様な容姿と雰囲気ではあるが、並外れた情報収集能力を持つ、調査員リスベット・サランデル(ルーニー・マーラ)は、弁護士のディルク・フルーデ(スティーヴン・バーコフ)から、ブルムクヴィストの身辺調査を依頼されて報告を済ませる。
...全てを見る(結末あり)
ブルムクヴィストは、駅でフルーデの出迎えを受け、一族が住む島にある屋敷でヘンリックに歓迎される。
アニタに会ったブルムクヴィストは、一族とは疎遠な彼女からも、ハリエットは死んだとしか聞き出せなかっら。
アニタの家を訪れたブルムクヴィストは、マルティンの事故死を彼女に伝え、ホテルで、サランデルがハッキングするアニタのパソコンを監視する。
参考:
・「ドラゴン・タトゥーの女」(2011)
・「蜘蛛の巣を払う女」(2018)
*(簡略ストー リー)
スウェーデン、ストックホルム。
告発記事で訴えられ敗訴した、社会派の記者ミカエル・ブルムクヴィストは、国内有数の大財閥”ヴァンゲル”の元会長ヘンリック・ヴァンゲルから、ある調査依頼を受ける。
それは、ヘンリックの16歳の姪ハリエットが40年前に失踪した事件の再調査だった。
ハリエットが、一族の誰かに殺されたと考えているヘンリックは、その真相解明と引き換えに、ブルムクヴィストを訴えた、グループに籍のあった元部下の、ヴェンネルストレムの情報提供を約束する。
ブルムクヴィストは、早速、行動を開始するが、殆ど接触のない一族の複雑な関係に戸惑い、調査は難航する。
そんな中、ブルムクヴィストは、ある手帳の記述が、旧約聖書の”レビ記”を引用していることに気づき、調査員リスベット・サランデルに助手にする。
天才ハッカーでもあるサランデルは、反社会的で異様な雰囲気ではあったが、彼女の情報収集能力に、ブルムクヴィストは期待する。
そして二人は、1940年代から、この地方で起きた連続猟奇殺人事件が、一族と深く関わっていることに気づくのだが・・・。
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社会悪に立ち向かう正義感あるジャーナリストと、その真反対の人生を歩む、社会不適合者のミスマッチなジョイントが醸し出す異様な雰囲気、彼らが解き明かそうとする名門一族の忌まわしき秘密、鬱陶しささえ感じる極寒の北欧の冬、そして、おぞましい猟奇殺人鬼の残虐性、デヴィッド・フィンチャーは、過去のサスペンス作品のイメージを継承しつつも、全く異質にも感じられる作品に仕上げ、彼の感性を堪能できる作品でもある。
二つの物語が同時進行し、主人公の二人が手を組んでからの、無駄なくスムーズに展開する謎解きゲームは、随所に重要なヒントが隠されていて目が離せない。
北米興行収入は1億ドルを突破し、全世界では約2億3300万ドルのヒットとなった。
第84回アカデミー賞では、編集賞を受賞した。
・ノミネート
主演女優(ルーニー・マーラ)
撮影・音響編集・録音賞
一気に世界のトップ・スターとなったダニエル・クレイグは、他の作品を含めて、”ジェームズ・ボンド”役者のイメージを全く感じさせない、素晴らしい役者に成長したことを証明する好演を見せてくれる。
役柄と言えばそれまでだが、容姿から物腰まで、強烈なインパクトで迫るルーニー・マーラは、彼女一人の物語でも十分に納得できるほどの、体を張った熱演を見せる。
今後、最も期待できる女優の一人だ。
前年製作の作品ではあるが、同年「人生はビギナーズ」(2010)で82歳でアカデミー助演賞を受賞した、ドラマのキー・パーソンでもある大財閥一族の家長を演ずるクリストファー・プラマーは、衰えを知らない重厚な演技でドラマを引き締める。
一族企業グループの後継者、異常者でもあったステラン・スカルスガルド、依頼人の顧問弁護士スティーヴン・バーコフ、主人公の愛人でもある雑誌社の共同発行人ロビン・ライト、ヒロインを弄ぼうとするが、逆に脅される後見人の弁護士ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン、終盤に驚きの真実が判明する一族の一員ジョエリー・リチャードソン、ヘンリック(C・プラマー)の姪ジェラルディン・ジェームズ、ヒロインの上司役ゴラン・ヴィシュニック、地元の元警官ドナルド・サムター、主人公を訴える敵対者ウルフ・フリバーグ、主人公の娘ジョセフィン・スプランド、失踪する少女のモア・ガーペンダル、若きヘンリックのジュリアン・サンズ、一族のペル・マイヤーバーグ、マーティン・ジャーヴィス、インガ・ランドグレーなどが共演している。