再会した高校の同級生の不可解な行動に悩まされる夫婦の不安と恐怖を描く、製作、監督、脚本、出演ジョエル・エドガートン、主演ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール、ティム・グリフィン他共演の心理スリラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョエル・エドガートン
製作
ジェイソン・ブラム
レベッカ・イェルダム
ジョエル・エドガートン
製作総指揮
ジャネット・ヴォルトゥルノ=ブリル
クーパー・サミュエルソン
リュック・エチエンヌ
ドナルド・タン
ロバート・シモンズ
脚本:ジョエル・エドガートン
撮影:エドゥアルド・グラウ
編集:ルーク・ドゥーラン
音楽
ダニー・ベンジー
ソーンダー・ジュリアーンズ
出演
サイモン・キャレム:ジェイソン・ベイトマン
ロビン・キャレム:レベッカ・ホール
ゴードン”ゴード”モズレー:ジョエル・エドガートン
ケヴィン“KK”ケラー:ティム・グリフィン
ダフィー・ケラー:ビジー・フィリップス
ルーシー:アリソン・トルマン
ウォーカー刑事:ボー・ナップ
ダニー:マクドナルド:P・J・バーン
グレッグ・ピアソン:デヴィッド・デンマン
ミルズ刑事:ウェンデル・ピアース
ジョーン・キャレム:ケイティ・アセルトン
ウェンディ・デール:ミラー・フォークス
フランク・デール:ナッシュ・エドガートン
ロン:アダム・ラザール=ホワイト
スチュワート:デヴィッド・クレイグ
ロンダ・ライアン:スーザン・メイ・プラット
アンジェラ・デレジオ医師:フェリシティ・プライス
ケイシー不動産業者:メリンダ・アレン
アメリカ 映画
配給 STX Entertainment
2015年製作 108分
公開
北米:2015年8月7日
日本:2016年10月28日
製作費 $5,000,000
北米興行収入 $43,787,270
世界 $58,980,520
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス郊外。
シカゴから越してきたビジネスマンのサイモン・キャレム(ジェイソン・ベイトマン)とデザイナーの妻ロビン(レベッカ・ホール)は、不動産業者のケイシー(メリンダ・アレン)から高台の家を紹介される。
ロビンはシカゴ出身なのだが、この付近の出身であるサイモンは家が気に入り購入を決める。
街に向かい家具などを購入したサイモンは、見知らぬ男性ゴードン”ゴード”モズレー(ジョエル・エドガートン)から声をかけられる。
同じ高校に通っていたゴードであることを思い出し、ロビンに紹介したサイモンは、彼の電話番号を聞いて別れる。
翌朝、ゴミを捨てに行ったロビンは、隣人のルーシー・アダム(アリソン・トルマン)と夫ロン(アダム・ラザール=ホワイト)に挨拶する。 その後、シャワーを浴びていたロビンは、誰かが来た気配を感じ、玄関にワインが置いてあることに気づく。 ワインはゴードからで、帰宅したサイモンは、どうして住所を知ったのか不思議に思う。 子供のことを訊かれたロビンは、去年、妊娠したのだが辛い出来事があったことをルーシーに伝える。 その後、家で仕事をしていたロビンは、訪ねて来たゴードにワインのお礼を言い、サイモンが彼に連絡していないことを知る。 ゴードから地元業者のリストを受け取ったロビンは感謝し、家のことを褒めてくれた彼を招き入れて内部を案内する。 子供のベッドメリーに気づいたゴードは、サルのおもちゃを手にし、ロビンから、子供の頃からサイモンがサルが嫌いなことを知る。 子供のことを訊いたゴードは、いないと答えたロビンから、愛犬のボージャングルスだけが家族だと言われ、夕食に誘われる。 帰宅したサイモンとロビンと共に食事をしたゴードは、高校時代の話などをする。 同級生には、卒業後、誰にも会っていないと言うサイモンは、大企業向けのセキュリティシステムの仕事をしていることをゴードに伝える。 サイモンから仕事を訊かれたゴードは、卒業後は軍隊にいたと答える。 除隊して様々な職に就いたと言うゴードは、悪いこともあったが、いいことの多くは悪いことから生まれ、正しい心により、悪い出来事も自分への”ギフト”になるかもしれないと話す。 その後、ゴードのことが気になるサイモンは、風変わりな彼は、自分と友達だったと勘違いしているとロビンに伝える。 数日後、ロビンを伴い社内パーティーに出席したサイモンは、同僚のケヴィン“KK・ケラー(ティム・グリフィン)から、ダニー:マクドナルド(P・J・バーン)を紹介される。 ケヴィンから妻ダフィー(ビジー・フィリップス)も紹介されたサイモンとロビンは、M&A/合併買収担当のウェンディ・デール(ミラー・フォークス)と夫フランク(ナッシュ・エドガートン)に挨拶する。 ロビンをオフィスに案内したサイモンは、10代で起業した経営者兄弟の話をして、仕事を再開したいと考える彼女に、無理はさせたくないと伝える。 帰宅したサイモンとロビンは玄関に置かれたものに気づき、それがゴードからの魚のエサで、池にコイがいることを確認する。 お礼をしたいと言うロビンに、勝手に敷地内に入られたとことで苛立つサイモンは、ゴードは高校では変人扱いされていたと伝える。 ”不気味なゴード”と言われていたと話すサイモンは、それを冷蔵庫のボードに書く。 翌日、ジョギングから戻ったロビンは、現れたゴードにコイのお礼を言い、彼をお茶に誘う。 テレビの接続をしてくれたゴードに感謝したロビンは、冷蔵庫のボードを見て、動揺しながら帰った彼のことを気遣う。 その夜、ルーシーとロン、ケヴィンとダフィーと共に食事を楽しんだサイモンとロビンは、ゴードの話題になる。 ボードを見て気分を害したはずなのに、数時間後にゴードから他の夫婦と共に食事に招待されたと話すサイモンは、ルーシーから断るべきだと言われ、たぶん行かないと伝える。 気が変わったサイモンは、数日後、ロビンと共にゴードの家に向かい、その豪邸に驚く。 ゴードに迎えられたサイモンは、”地獄の黙示録”のサウンドトラックCDをプレゼントされる。 もう一組の夫婦が来られなくなったことを二人に伝えたゴードは、かかってきた電話に出る。 直ぐに戻ると二人に伝えたゴードは出かけてしまい、客を置き去りにする彼の言動が普通ではないと考えるサイモンは、君に惹かれていると言ってロビンをからかう。 屋敷の中を探ったサイモンは、女性の洋服や子供部屋を確認する。 戻ったゴードは、サイモンから仕事のことを訊かれ、ウソをついたと言って、電話の相手は元妻で、話をするために出かけたと伝える。 自分たちと家具店で出会う数日前に、妻が二人の子供を連れて出て行ったことを知ったサイモンは、ゴードと二人で話すために、ロビーを車に向かわせる。 今後は家に来ないでほしいとゴードに率直に伝えたサイモンは、家族の問題を解決するべきだと言って、話を聞いていたロビンに外に出るよう指示する。 ロビンと車に乗り帰ろうとしたサイモンは、ゴードが門を開けないために苛立つ。 サイモンがクラクションを鳴らし車から降りたため、ゴードは門を開ける。 数日後、コイが死んでいるというロビンからの連絡を受けたサイモンは、家に戻りそれを確認し、ボージャングルスがいないことを知る。 ゴードの屋敷に向かったサイモンは、住人がロンダ・ライアン(スーザン・メイ・プラット)と夫のマイクだったために驚く。 警察に連絡したサイモンとロビンは、ウォーカー刑事(ボー・ナップ)とミルズ(ウェンデル・ピアース)から、ライアンは送迎サービス用の高級車を多数所有し、それをリースしていたゴードは、ガレージに自由に出入りできたという話を聞く。 愛犬のことが心配なサイモンは、ゴードがさらったと考える。 証拠がないために令状が取れず、ゴードに犬の件を聞けば、通報したのが自分たちだと知られることになると言われたサイモンは戸惑う。 キッチンの水道が流れる音に気づいたロビンは、ゴードが愛犬を連れ去った可能性を考えて心配になり、ルーシーに相談する。 ルーシーにトイレを借りたロビンは、洗面台にあった精神安定剤を手にする。 その夜、眠れないロビンは精神安定剤を飲み、物音に気づき、ボージャングルスが戻って来たために驚く。 翌日、ゴードからの謝罪の手紙が届き、ロビンから、”過去のことは水に流そう・・・”という分の意味を訊かれたサイモンは、分からないと答える。 家に侵入したサイモンの夢を見たロビンは、そのことが気になり悩む。 経営者兄弟と面接したサイモンは、自分のライバルがダニーだということをケヴィンから知らされる。 ドリンクを飲んだ後、人の気配を感じたロビンは気分が悪くなり、気を失ってしまう。 翌朝、目覚めたロビンは、ケヴィンが去った後のポストは自分になりそうだと言うサイモンから、薬を飲んでいることについての説明を求められる。 ゴードに電話をして和解してほしいと言うロビンは、家で一人でいるのが怖いとサイモンに伝える。 気絶したことを話したロビンは、納得しないサイモンと口論になり、ゴードの手紙の”水に流す・・・”という言葉の意味を問う。 苛立つサイモンだったが冷静になり、ゴードのことは忘れるべきで、時が解決してくれるとロビンに伝える。 その後、気分を一新して生活を楽しんだロビンは、サイモンに妊娠したことを伝えて喜んでもらえる。 数か月後、ルーシーと買い物に出かけたロビンは、自分を見つめるゴードに気づき警戒する。 その後ロビンは、訪ねて来たサイモンの母親と妹のジョーン(ケイティ・アセルトン)を歓迎する。 ジョーンにゴードのことを尋ねたロビンは、年上の子に性的虐待を受けた彼は退学になったことを知り、騒動になったということだった。 ロビンは、同級生にゲイと言われたゴードはいじめられ、サイモンとグレッグ・ピアソン(デヴィッド・デンマン)が事件の発見者であり、二人がゴードを助けて届け出たことを知る。 ゴードの手紙をもう一度確認したロビンは、サイモンのデスクの鍵がかかった引き出しを開けて、彼がダニーとゴードのことを調査していることを知り、ルーシーに相談する。 犯罪歴などがあるゴードの情報をチェックしたロビンは、グレッグについて調べ、彼がカイロプラクターであることを知る。 グレッグに会いゴードの手紙を見せたロビンは、”過去のことは水に流そう・・・”という言葉を確認した彼から、車で何か起きたという話はすべてウソだったと言われて驚く。 ロビンから、サイモンがウソをつく理由を訊かれたグレッグは、意地の悪いいじめっ子だった彼が、ゴードを狙っていたと答える。 ゴードの人生は破壊されてしまい、子供だった自分たちは大事になるとは思っていなかったため、真実を話せたはずのサイモンはそうしなかったと、グレッグはロビンに話す。 そのことにより、ゴードと父親に起きた悲劇も知ったロビンはショックを受ける。 帰宅したロビンは、訪ねてきていたケヴィンが、後任の候補のダニーが不正をしたために調査が入ったと話す言葉が気になる。 ケヴィンが帰った後、グレッグに会ったことをサイモンから批判されたロビンは、真実を話さない彼に意見する。 父親がゴードを焼き殺しかけて逮捕され、ウソが親子の人生を破壊したと言われたサイモンは、殴っただけで大袈裟な話になっているとロビンに伝える。 自分が最低の人間だということを認めたサイモンは、自分も父親から酷い仕打ちを受けたが、努力して前進したとトビンに伝える。 負け犬に謝る気はないと言うサイモンが、ウソをついた責任を追及しても考えを変えないため、ロビンは彼を軽蔑する。 自分達のために、ゴードとの関係を修復するようにと迫るロビンは、連絡先を知らないと言うサイモンに、ゴードの調査書を渡して寝室に向かう。 手紙が来た直後に、聖書を引用した言葉が書かれた付箋が車に貼られていたため、調査をして弁護士に相談し、接近禁止命令ゴードに渡したことを話したサイモンは、君を守りたかったとロビンに伝える。 ロビンは、父親がゴードにしたことは知らなかったと言うサイモンに、ウソばかりつかれると信じられなくなる、精神的に辛かったものの、自分は被害妄想ではない、あなたが何者か分からないと伝える。 償う方法をロビンに尋ねたサイモンは、聞く相手が違うと言われ、ゴードと話し合うことにする。 ゴードに会ったサイモンは、ロビンに高校時代のことを話したと言って謝罪する。 手遅れだと言って謝罪を受け入れる気のないゴードの態度に憤慨したサイモンは、彼を痛めつけて脅す。 帰宅したサイモンはロビンから結果を訊かれ、ゴードは理解してくれたと言ってウソをついてしまう。 その後、サイモンがケヴィンの後任に正式に決まり、ダフィーやルーシーらも集まり自宅で祝杯を挙げる。 大きな物音がして警戒するサイモンは、投石で窓ガラスが割られたために外に出て犯人を探す。 襲い掛かかってきたダニーを抑え込んだサイモンは、彼から、ウソをつき自分を陥れてポストを奪ったと非難される。 警察に通報されて焦ったダニーは取り乱すものの、サイモンは彼を逃がす。 陣痛が始まったロビンは病院に運ばれ、無事に男の子を出産する。 ケヴィンからの電話を受けたサイモンは、ダニーの書類が偽造されていたと言われ、オフィスを引き渡すよう指示される。 ケヴィンに非難されたサイモンは謝罪しようとするが、話すことはないと言われて電話を切られる。 サイモンと話したロビンは、あなたとは家に帰りたくないと伝える。 一旦、家に帰るつもりのサイモンは、戻ったら話そうと伝えてその場を去る。 帰宅したサイモンはゴードからの贈り物に気づき、それが子供の誕生祝いだと知る。 中には、クーファンと共に3つのものがあり、一つ目は家の入り口の鍵だった。 その頃、花束を持って病院に向かったゴードは、眠っているロビンを見つめる。 二つ目はCDで、サイモンは、ライアン家の屋敷でロビンとゴードをからかう、盗聴された会話を聴く。 ゴードに気づいたロビンは驚き、お祝いだと言う彼から花束を差し出される。 サイモンは、3つ目がロビンを盗撮した映像であることを知り、内容を確認する。 ゴードの顔と腕の傷を気にするロビンは、サイモンが突然、暴れたことを知る。 ドリンクに薬を入れてロビンを気絶させたゴードが、サルのマスクを被り彼女を犯したことを知ったサイモンは、ショックを受ける。 ゴードは、生まれたのが男の子だということを確認する。 憤慨したサイモンは、病院に急行する。 病室にいないロビンを捜すサイモンは、ゴードを見かけるものの、彼がエレベーターに乗ってしまったために階段を駆け下りる。 外に出たサイモンはゴードからの電話を受け、自分からロビンに話すと言う彼に脅される。 子供の目を見れば分かると言うゴードは、弄ばれる立場を理解しろとサイモンに伝える。 子供を見に行ったサイモンは、息子を抱くロビンを見つめるものの、カーテンが閉められる。 絶望するサイモンがしゃがみ込む姿を確認したゴードは、アームホルダーを外してその場を去る。
...全てを見る(結末あり)
翌日、ルーシーの家に向かったロビンは、彼女の子供をあやす。
*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス郊外。
シカゴから越してきたビジネスマンのサイモン・キャレムは、妻ロビンと共に新居で暮らし始める。
街で高校の同級生ゴードと再会したサイモンは、彼からワインを贈られる。
訪ねて来たゴードと食事をしたサイモンは、親しくもなかった彼のことが気になる。
その後も贈り物を届けるゴードの不可解な行動が気になるサイモンは、家や一人でいるロビンに近づくなと彼に警告するのだが・・・。
__________
実力派スターのジョエル・エドガートンが設立した”ブルー=タン・フィルムズ”の製作作品であり、脚本を兼ねた彼の監督としての長編デビュー作。
再会した高校の同級生から何度も贈り物を受け取り、その不可解な行動に悩まされる、エリート夫婦の不安と恐怖を描く心理スリラー。
心に傷がある男の、その原因となった相手に対する復讐劇という、よくあるパターンの内容は、過去の作品のリメイクであるかのような雰囲気がある。
ジョエル・エドガートンは、「シャイニング」(1980)や「ローズマリーの赤ちゃん」(1968)に影響を受けた作品と話している。
平凡な人間に思える男が、エリートである恨みを持つ同級生に心理的なダメージを与え、絶望に陥れる巧みな復讐計画が実行される、クライマックスの演出は見事だ。
演技者の何気ない仕草や、シンプルではあるが恐怖を煽る描写など、繊細な脚本を含めて、ジョエル・エドガートンの才能が窺える本作は、批評家から絶賛された。
妻を愛するエリート・ビジネスマンではあるが、過去を暴かれすべてを失い絶望する主人公を好演するジェイソン・ベイトマン、その妻で心理的に追い込まれていくレベッカ・ホール、同級生の主人公に人生を破壊されたため、復讐計画を実行するジョエル・エドガートン、主人公の同僚ティム・グリフィン、その妻ビジー・フィリップス、主人公夫妻の隣人アリソン・トルマン、その夫アダム・ラザール=ホワイト、刑事のボー・ナップとウェンデル・ピアース、主人公のライバル、P・J・バーン、主人公の同級生で高校時代の事件の当事者デヴィッド・デンマン、主人公の妹ケイティ・アセルトン、主人公の同僚ミラー・フォークス、その夫ナッシュ・エドガートン(ジョエル・エドガートンの兄)、家具店の店員デヴィッド・クレイグ、豪邸の家主スーザン・メイ・プラット、医師のフェリシティ・プライス、不動産業者のメリンダ・アレンなどが共演している。