1985~1989年にCBSで放映されたテレビ・シリーズ”The Equalizer”(ザ・シークレット・ハンター)の映画化。 身を隠すように静かに暮らしていた元”DIA/アメリカ国防情報局”工作員が娼婦との出会いをきっかけにロシアン・マフィアに戦いを挑む姿を描く、監督アントワーン・フークア、製作、主演デンゼル・ワシントン、マートン・チョーカシュ、クロエ・グレース・モレッツ他共演のサスペンス・アクション。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:アントワーン・フークア
製作
トッド・ブラック
ジェイソン・ブルメンタル
デンゼル・ワシントン
アレックス・シスキン
スティーヴ・ティッシュ
メイス・ニューフェルド
トニー・エルドリッジ
マイケル・スローン
製作総指揮
エズラ・スワードロウ
デヴィッド・ブルームフィールド
ベン・ウェイスブレン
原作
”The Equalizer”
マイケル・スローン
リチャード・リンドハイム
脚本:リチャード・ウェンク
撮影:マウロ・フィオーレ
編集:ジョン・ルフーア
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演
ロバート”ボブ”マッコール:デンゼル・ワシントン
ニコライ・イチェンコ/テディ・レンセン:マートン・チョーカシュ
アリーナ/テリー:クロエ・グレース・モレッツ
フランク・マスターズ:デヴィッド・ハーバー
マンディ:ヘイリー・ベネット
ブライアン・プラマー:ビル・プルマン
スーザン・プラマー:メリッサ・レオ
スラヴィ:デヴィッド・ムニエ
ラルフ/ラルフィ:ジョニー・スコアーティス
テヴィ:アレックス・ヴィードフ
ウラジミール・プーシキン:ウラジミール・クリッチ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2014年製作 132分
公開
北米:2014年9月26日
日本:2014年10月25日
製作費 $55,000,000
北米興行収入 $100,769,140
世界 $191,569,140
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ボストン。
ホームセンターの従業員として勤務し静かに暮らすロバート”ボブ”マッコール(デンゼル・ワシントン)は、仕事を終えて帰宅し、いつものように、”老人と海”を持参して行きつけのダイナーに向かう。
マッコールは、ティーンエージャーの娼婦テリー(クロエ・グレース・モレッツ)と言葉を交わし、彼女の様子を気する。
翌日の夜もダイナーに向ったマッコールは、テリーと”老人と海”の内容について話し、哲学的な考えを語る。
マッコールは、ポン引きのスラヴィ(デヴィッド・ムニエ)に呼ばれて、嫌々、店を出たテリーをが気になる。 同僚の肥満体のラルフィ(ジョニー・スコアーティス)が警備員を目指しているため、マッコールは、彼が試験に受かるために協力していた。 その夜もダイナーでテリーに会ったマッコールは、彼女と同席する。 本名はアリーナだと言う彼女は、顔の傷のことを訊かれ、ドジっただけと答えて、録音した歌のCDをマッコールに渡す。 既に人生を諦めている様子のアリーナに、”なりたいものになれる”と言って励ますマッコールは、妻が亡くなったことに気づいた彼女にその件を話す。 妻も読んでいた”読むべき100冊”の91冊目を読んでいることを話すマッコールは、心安らぐアリーナとの会話を楽しむ。 二人は店を出ても話をして別れようとするが、現れたスラヴィがアリーナを殴る。 ロシアン・マフィアのスラヴィは、マッコールが客だと思い、名刺を渡してアリーナを車に乗せて走り去る。 その後の数日、アリーナがダイナーに姿を見せないため気にしていたマッコールは、彼女が殴られて入院していることを知る。 病院に向ったマッコールは、酷い仕打ちを受けたアリーナの様子を見て、見舞いに来ていた同僚のマンディ(ヘイリー・ベネット)が動揺していたため優しく接する。 アリーナの様態を訊いたマッコールは、警戒するマンディに彼女の友人だと伝える。 客に殴られて抵抗したため、それを知らされたスラヴィがアリーナを半殺しにしたとマンディから話を聞いたマッコールは、行動を起こすか考えて悩む。 スラヴィのレストランに向かったマッコールは、9800ドルでアリーナの自由を買うと伝える。 金を持って帰るようにと言うスラヴィは、アリーナを人間扱いせずに、ボロボロになったらくれてやるとマッコール伝えて追い払おうとする。 帰ろうとしたマッコールは、ドアの鍵を閉めて部屋の状況を確認し、19秒で始末できると判断する。 スラヴィら5人に襲い掛かったマッコールは、相手を倒す。 瀕死のスラヴィに9800ドルを拒んだからだと話しかけながら、マッコールは彼の死を確認する。 ロシアン・マフィアのボス、ウラジミール・プーシキン(ウラジミール・クリッチ)は、部下のテディ・レンセン(マートン・チョーカシュ)を現地に向かわせて対処させる。 組織と関係する地元警察のフランク・マスターズ(デヴィッド・ハーバー)は、状況をレンセンに話し、事件後の監視映像などがないことを知らせ、その場を仕切ろうとする。 それを許さないレンセンは、マスターズに有無を言わせない。 試験当日にラルフィが辞めてしまったことを知ったマッコールは、ラルフィの母親の飲食店に向かう。 事故があったために片付けているとラルフィから言われたマッコールは、彼と母親を手伝う。 マスターズを伴い各組織を回り状況を調べたレンセンは、協力しようとしないアイリッシュのボスを叩きのめす。 地元で勝手な真似をしたとマスターズから非難されたレンセンだったが、彼の意見を聞こうとしない。 何があったのかをマッコールから訊かれたラルフィは、漏電か何かだろうが、自分のことよりも母を手伝うのが先決だと言って、試験は落ちていただろうと話す。 マンディに会ったレンセンは、スラヴィやアリーナのことを訊いても何も知らないと言われる。 プーシキンに電話で報告したレンセンは、組織の威厳に関わるため、早急に解決するようにと言われる。 スラヴィらを殺した相手がプロだと知らされたプーシキンは、見せしめのために派手に始末するようレンセンに命ずる。 ラルフィの母親が、汚職警官に脅されて金を払っていたことを知ったマッコールは、二人の刑事に撮影した証拠映像を見せる。 銃を向けられるものの二人を叩きのめしたマッコールは、金を返し謝罪すれば映像は出さないと言って立ち去る。 刑事は金を返し、ラルフィも仕事に復帰する。 再びマンディから話を聞いたレンセンは、アリーナを見舞いに行った際に、彼女が黒人の男に会ったことを知る。 アリーナの居場所を知らないと言うマンデイを、レンセンは締め殺す。 その後、ラルフィは警備員の試験に合格して、同僚達に祝福され、マッコールに感謝する。 その頃レンセンは、スラヴィが店に来た後に現れた男の、帰る姿の映像がないことを知る。 店に強盗が入り、レジでそれに対応したマッコールは、現金とレジ係の母の形見だという指輪を渡し、相手を捕らえようとするものの、付近に子供がいたために諦める。 犯人が常習犯だと知ったマッコールは、それをラルフィに伝える。 マッコールは、犯人から指輪を取り戻し、それをレジ係に返す。 いつものようにダイナーに行こうとしたマッコールは、警官を装い現れたレンセンから、レストランの事件を調べていると言われる。 自分もその店に行ったために、それを知り来たことレンセンに確認したマッコールは、店を選んだ理由を訊かれ、ピロシキが美味いと答えるが、歩いて行ける場所にロシア料理店は5軒もあると言われる。 待ち合わせの女性が来なかったと答えるマッコールは、殺されたマンディの写真を見せられ、知らない女性だと伝え、転落死だと言われる。 帰ろうとするレンセンを牽制するマッコールは、何者かと訊くが、レンセンは無言でその場を去る。 マスターズの車に乗ったレンセンは、全てが疑問で気になると話す。 マッコールを監視して経歴などを調べ、問題ないと報告されたレンセンは、それが偽装だと考えマッコールを捕えようとする。 ダイナーにいたマッコールは、工事員に扮したレンセンの部下に襲われるが、相手を叩きのめして店を出る。 レンセンが乗っていた車を写真に撮ったマッコールはその場を離れ、アパートではない場所で傷の手当てをする。 アパートに侵入した男達を遠隔で監視するマッコールは、彼らが”メクリジン”(酔い止め)とメキシコ行きの旅行券に気づいたことを確認する。 レンセンは、マッコールが逃亡せずに自分達を監視していると考え、捜すようにと指示する。 バージニア州。 携帯電話で撮ったレンセンの顔を見せたマッコールは、正体が知りたいことをスーザンに伝える。 車の爆破で死んだことになっていたマッコールが、死ぬわけがないと考えていたブライアンは、生きていてよかったことを伝える。 本部に向いプーシキンのことなどを調べて戻ったスーザンは、レンセンが、問題処理を担当する元”スペツナズ”のニコライ・イチェンコであることをマッコールに伝える。 地元警察の二人はマフィアに殺され、マスターズは欠勤していることもマッコールは知らされる。 相手は必ず殺そうとすると言われたマッコールは、許し難い仕打ちを受ける者を放っておけなかったとスーザンに伝え、進むべき道を歩むようにと彼女から助言される。 力になることができたかをブライアンから訊かれたスーザンは、マッコールは、助けではなく許可を求めに来たと答える。 ボストンに戻り、身を潜めていたマスターズをガレージの車に閉じ込めたマッコールは、エンジンをかけて排気ガスをホースで車内に入れる。 プーシキンの情報を聞き出そうとするマッコールは、マスターズを脅す。 マスターズを伴い刑事に扮したマッコールは、プーシキンの集金場所である精肉工場に向い、その場にいたギャングを脅して閉鎖させる。 警察を呼び、もう終わりだと言うマスターズに、償い正しい行いをしろと伝えたマッコールは、彼をその場に残して銀行に向かう。 マッコールは、マスターズの貸金庫を確認する。 工場に到着した警官はマスターズを逮捕し、マフィアと関係したことを告白する彼の録音と、”金を追え”というヒント、そして冷凍庫に保管された大金を確認する。 食事をしていたイチェンコ/レンセンは、マッコールを捕らえると言う男が席を立った後、プーシキンからの電話を切ってしまう。 男は戻らないと言って現れたマッコールは、血の付いたサングラスをテーブルに置いて席に着く。 今後も潰し続けると言うマッコールは、それが嫌なら、プーシキンにビジネスを中止させるようイチェンコに伝える。 相手にしないイチェンコを牽制するマッコールは、部下には殺す前に機会を与えたと言って、決断できたら連絡をするようにと伝えてメモを渡す。 悪いことをしてきた自分には戻らないと、愛する人に誓ったと言うマッコールは、イチェンコに例外と考えると伝えて席を立つ。 マスターズの貸金庫の物を調べUSBメモリのデータをチェックしたマッコールは、”グレート・イースタン”という会社から、下院議員に巨額の賄賂が渡っていることを突き止める。 FBIに連絡したマッコールは、”金を追え”と言う文と共にデータをメールで送る。 その後マッコールは、グレート・イースタンのタンカーと石油工場を爆破する。 プーシキンからの連絡を受けたイチェンコは、殺し屋を雇い対処することを伝える。 ラルフィらを人質に取ったことをイチェンコから知らされたマッコールは、ホームセンターに来るよう指示される。 マッコールが乗っていると思われるバスが無人だと知ったイチェンコは、人質を一人殺そうとするが、音楽が流れ始める。 警備室から流れていると言うラルフィはその場に連れて行かれ、現れたマッコールは殺し屋二人を倒す。 皆を逃がすようラルフィに指示したマッコールは、イチェンコらを売り場に誘い込む。 次々と敵を殺害したマッコールは、一人と格闘になり負傷する。 皆を逃がしたラルフィがマッコールに手を貸すが、脚に銃弾を受ける。 40秒後に切ってあるブレーカーを入れるようラルフィに指示したマッコールは、電気が点いた瞬間に爆破を起こす。 ラルフィに近づくイチェンコだったが、マッコールが放つネイルガンで殺される。 モスクワ。 その後、訪ねて来たアリーナと話したマッコールは、回復した彼女が真面目に働いていることを知る。 病院で封筒を渡されたと言うアリーナは、中に1万ドル弱と街を出るチケットが入っていたことをマッコールに話す。 口止め料かと訊かれたマッコールは、そうだと答える。 新しいスタートだと言うアリーナは、”なりたいものになれる”という言葉を思い出し、マッコールに感謝してその場を去る。 いつもと同じ生活に戻ったマッコールは、”ラルフ・エリソン”の”見えない人間”を持参してダイナーに向い、広告サイトを使い、助けを求める人々を救おうとする。
...全てを見る(結末あり)
元DIAの工作員だったマッコールは、同僚だったブライアン・プラマー(ビル・プルマン)と妻スーザン(メリッサ・レオ)の家に向かう。
プーシキンの前に現れたマッコールは、取り引きしようとする彼を感電死させる。
参考:
・「イコライザー」(2014)
・「イコライザー2」(2018)
*(簡略ストー リー)
ボストン。
元DIA工作員のロバート”ボブ”マッコールは、ホームセンターの従業員として勤務し静かに暮らしていた。
行きつけのダイナーで出会ったティーンエージャーの娼婦アリーナの様子を気にするマッコールは、彼女がロシアン・マフィアであるポン引きのスラヴィに痛めつけられたことを知る。
亡くなった妻に元の生活には戻らないことを誓ったマッコールは、悩んだ末に悪に対する制裁を始める決心をする。
スラヴィに会ったマッコールは、アリーナから手を引く気のない彼らを一瞬にして殺害する。
組織のボス、プーシキンは、凄腕の部下レンセンを現地に送り込み、スラヴィらを殺したプロと思われる相手を探しだすよう命ずる。
レンセンの存在を知ったマッコールは、工作員としてのスキルを生かして、それに対抗するのだが・・・。
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1980年代のテレビ・シリーズ”The Equalizer”(ザ・シークレット・ハンター)の映画化で、「トレーニング デイ」(2001)以来となる、アントワーン・フークアの演出、製作と主演を兼ねるデンゼル・ワシントンが組んだ作品ということで話題になった。
元DIA工作員という身分を隠しながら静かに暮らす主人公が、かつての生活に戻らないという亡くなった妻との約束を破り、悪を倒す決断をして制裁を加えていく姿を描く。
ロシアン・マフィアを倒し、娼婦が更生したことを見届けた主人公が、ネット上の広告サイトで助けを求める人々を救おうとする場面でドラマは終わる。
テレビ・シリーズと同じ基本スタイル(テレビでは新聞広告)が示されたことで、続編が製作されることが予想できる。
2018年の9月に、監督アントワーン・フークア、主演デンゼル・ワシントンで続編が公開される予定が発表されている。
人に優しく接する温厚で哲学的な主人公が、特殊技能を生かし”超人”の様に変身する、スーパーヒーロー映画タッチのサスペンス・アクションで、派手な武器などを使わない戦いの描写などがいい。
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズの軽快な音楽も非常に印象的。
北米興行収入は約1億ドル、全世界では約1億9200万ドルのヒットとなった。
主演のデンゼル・ワシントンは、包容力と優しさを感じさせながら、怯むことなく巨悪に立ち向かう、誰もをねじ伏せてしまう雰囲気を感じさせる主人公を好演している。
主人公以外の者と比べると、圧倒的な威圧感で無敵に見える、元スペツナズであるロシアン・マフィアのマートン・チョーカシュ、意外にも出演場面が少ないのが残念な、主人公に救われる娼婦クロエ・グレース・モレッツ、その同僚ヘイリー・ベネット、ロシアン・マフィアと関係する地元の悪徳警官デヴィッド・ハーバー、主人公に協力する、同僚だった元DIAの夫婦ビル・プルマンとメリッサ・レオ、ロシアン・マフィアのデヴィッド・ムニエとアレックス・ヴィードフ、主人公の同僚ジョニー・スコアーティス、ロシアン・マフィアのボス、ウラジミール・クリッチなどが共演している。