サイトアイコン That's Movie Talk!

ラブストーリーズ コナーの涙 The Disappearance of Eleanor Rigby: Him (2013)

幼い息子を亡くし癒されない日々を送る夫婦の苦悩を描く、製作、監督、脚本ネッド・ベンソン、主演ジェームズ・マカヴォイジェシカ・チャステイン(製作兼)、キアラン・ハインズビル・ヘイダーニナ・アリアンダニッキー・M・ジェームズイザベル・ユペール他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)

ジェームズ・マカヴォイ / James McAvoy / Pinterest
ジェシカ・チャステイン / Jessica Chastain / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ネッド・ベンソン

製作
カサンドラ・クルクンディス
ネッド・ベンソン
ジェシカ・チャステイン
トッド・J・ラバロウスキ
エマニュエル・マイケル
脚本:ネッド・ベンソン
撮影:クリストファー・ブローヴェルト
編集:クリスティーナ・ボーデン
音楽:サン・ラックス

出演
コナー・ラドロー:ジェームズ・マカヴォイ
エリナー・リグビー:ジェシカ・チャステイン
スペンサー・ラドロー:キアラン・ハインズ
スチュアート:ビル・ヘイダー
アレクシス:ニナ・アリアンダ
シーア:ニッキー・M・ジェームズ
メアリー・リグビー :イザベル・ユペール
伝道師:ジェレミー・シェイモス
フィービー:マルタ・ミランス
無銭飲食の男 :クリスチャン・コールソン
無銭飲食の女 :イザベル・マクナリー
リリアン・フリードマン教授:ヴィオラ・デイヴィス

アメリカ 映画
配給 ワインスタイン・カンパニー
2013年製作 96分
公開
北米:2014年10月10日
日本:2015年2月14日
製作費 $3,000,000(1,2作)
北米興行収入 $587,770(1,2作)
世界 $985,010 (1,2作)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク
あるレストランで食事をしたコナー・ラドロー(ジェームズ・マカヴォイ)とエリナー・リグビー(ジェシカ・チャステイン)は、食い逃げをすることで同意し、それを成功させる。

公園まで逃げたコナーは、ホタルが飛んでいることに気づき、それをエリナーにそれを知らせて楽しい時間を過ごす。

数年後、結婚したコナーとエリナーは、幼い息子を亡くしたことで傷心の日々を送っていた。

ある日、レストランを経営するコナーは、バーテンダーのアレクシス(ニナ・アリアンダ)がかけている曲に腹を立てて店を出る。

驚く親友でシェフのスチュアート(ビル・ヘイダー)やアレクシス、そしてウエイトレスのシーア(ニッキー・M・ジェームズ)は、コナーのことを心配する。

自宅に向かったコナーは、金魚のラルフに餌を与え、ベッドに横たわるエリナーに寄り添う。

迫るコナーを拒んだエリナーは、浮気をされた夢を今月だけで4回見たことを話し、そんなことはしないと言う彼に浮気を勧める。
...全てを見る(結末あり)

意味不明な話を始めたエリナーから、浮気で自分達の関係はよくなるはずだと言われたコナーは、馬鹿げた話だと反論する。

二人はかかってきた電話に出ようとせず、浮気は自分の願望かと訊かれたエリナーは、それを否定して、馬鹿な質問はやめるようにとコナーに伝える。

レストラン経営者として成功した父スペンサー(キアラン・ハインズ)の家に向かったコナーは、再婚相手が出て行ったことを知る。

電話をかけてきたはずだと言われたスペンサーは、店に新しいマネージャーが必要だと言ってコナーに任せようとする。

それを断ったコナーは、スペンサーからバカ息子呼ばわりされて追い払われる。

数日後、帰宅したコナーはエリナーがいないことに気づき、病院からの電話を受けて、彼女がハドソン川に飛び込んみ救助されて入院したことを知り、その場に向かう。

何も話そうとしないエリナーは、アパートには戻らないと言って、距離を置くことをコナーに提案する。

それを拒んだコナーは、7年一緒に暮らしたことをなどを話すものの、エリナーから、一からやり直したいと言われる。

半年間、自分は独りで辛い思いをしていたと言うエリナーだったが、理解できないコナーは、いつもそばにいたと伝える。

エリナーの気持ちが変わらないことを知ったコナーは、諦めてアパートに戻り考え込む。

訪ねて来た伝道師(ジェレミー・シェイモス)を追い払ったコナーは、店に向かいスチュアートとエリナーの話をする。

アレクシスから、客が不満を言っていることを知らされたコナーは、その客と口論して喧嘩になり、加勢したスチュアートが客を追い出す。

閉店後、アレクシスに手当をしてもらったコナーは、帰ろうとするスチュアートに感謝する。

帰宅したコナーは、エリナーに電話しても電源が切れていたために、彼女の母親メアリー(イザベル・ユペール)に電話をする。

エリナーのことを尋ねたコナーだったが、返答がないために電話を切ったコナーは、荷物とラルフの金魚鉢を持ってスペンサーの家に向かう。

暫くの間いさせてほしいと父に伝えたコナーは、客室を使うことになる。

スチュアートと食事をしたコナーは、今回の件について意見を求めるものの、何も話せないので友人でいることが嫌になったと言われる。

それでも意見を求められたスチュアートは、エリーナとのことは理解できるが、人が別れを考えるには理由があると伝える。

エリナーを見かけたと言うスチュアートから、彼女が学生のようだったということを知らされたコナーは、大学に向かう。

大学から出てきたエリナーを追ったコナーは、地下鉄の入り口で彼女が実家に帰ると考え、諦めて引き返す。

その夜、音楽を大音量で流すスペンサーと口論になったコナーは、過去を振り返り行いが正しかったか判断するのは自分の役目ではないと言われる。

後悔するべきではないと言われたコナーは、音量を上げて部屋に戻る。

翌日、スチュアートからの電話でカフェにエリナーがいると言われたコナーは、その場に向かうものの彼女は出て行った後だった。

大学でリリアン・フリードマン教授(ヴィオラ・デイヴィス)の講義を聞くエリナーは、後ろの席にコナーがいることに気づかない。

前の席の男性に紙とペンを借りたコナーは、エリナーにメッセージを書き、それを彼女に渡してもらう。

コナーに気づいたエリナーは席を立ち、その場を去る。

エリナーを追ったコナーは、話をする気のない彼女から、放っておいてほしいと言われたために諦める。

その直後にコナーはタクシーと衝突してしまい、それに気づいたエリナーは彼に駆け寄る。

救急車が到着し、無事だったコナーと話したエリナーは、復学したのか訊かれる。

聴講生だと答えたエリナーは、髪を切ったので雰囲気が変わったと言われる。

コナーは、住んでいる場所を訊いても答えないエリナーに、自分達の問題を解決できるような言葉をかけたかったと伝える。

それを忘れてしまったと言われたエリナーは、去ろうとする。

話すチャンスが欲しいとエリナーに伝えたコナーだったが、救命士から声をかけられ、救急車に乗って病院に向かう。

その後、営業不振になったコナーは悩み、スチュアートに意見を求めるものの、シーアと親密になった彼はそれどころではなかった。

アレクシスから、不動産取引士の資格を取るつもりだと言われたコナーは、その理由を尋ねる。

ドリンクを作るよりはいい仕事だと思うと言われたコナーは、芸術活動は趣味程度にするという考えを聞き、アレクシスに迫られる。

アレクシスと愛し合ったコナーは後悔し、翌朝スペンサーの家に戻る。

部屋にいたスペンサーから、ラルフが死んだことを知らされたコナーは悲しむ。

息子コーディーに贈ってくれたラルフのことを考えるコナーは、葬るためにスペンサーと川に向かい様々なことを話す。

人は皆、悲しみを抱えて生きるものだと言われたコナーは、助言になっていないとスペンサーに伝えてラルフを葬る。

エリナーの実家に向かったコナーは、驚くメアリーからエリナーがいないと言われるものの、話をすることになる。

フランス人でありアルコール依存症気味のメアリーから、エリナーのことは知らないと言われたコナーは、壁の写真が一つ外されていることに気づく。

平凡な日々を取り戻したいだけだと伝えたコナーは、メアリーから、エリナーはそう考えていないと言われる。

駅に向かったコナーは、反対のホームに着いた電車からエリナーが降りたことに気づかない。

その後、スチュアートから、業界の大物スペンサーのやり方に学ぶべきだと言われたコナーは、父は、妻の金で成功した途端に彼女を捨てたと伝える。

父の世話にはなりたくないと言うコナーは、スチュアートと口論して揉み合いになる。

アレクシスとシーアはそれを気にする様子もなく、その場にエリナーが現れる。

落ち着いたコナーは、来週末に店を閉めることをスチュアートとに伝え、閉店前にパーティーを開くことにして互いに謝罪する。

店にエリナーがいることに気づいたコナーとスチュアートは驚く。

スチュアートらは気を利かせて席を外し、エリナーに”シャーリー・テンプル”を作ったコナーは、店を閉めることを伝える。

出会ったことで自分が分かったような気がしたが、また分からなくなったと伝えたコナーは、出かけようと言うエリナーと共に店を出て、レンタカーを借りてドライブする。

二人は郊外に向かい、雨になりワイパーが壊れたために話をする。

雨がやむまで待つことにした二人は、互いの最近の行動について話し、思わず笑ってしまう。

コナーから、アパートを引き払うので必要なものはあるかと訊かれたエリナーは、引っ越し先は決めていないが、暫く父の家に世話になると言われる。

父のことを訊かれたコナーは、若い妻に捨てられて人生に行き詰っているようだと答える。

求め合う二人は愛し合おうとするが、他の女と寝たことを話したコナーはエリナーに謝罪する。

どうでもいいことだと言うエリナーの言葉に納得いかないコナー、気になるはずだと伝える。

自分達は終わったと話すエリナーから街に戻ろうと言われたコナーは、仕方なくそれに従う。

街に戻りエリナーは車を降りて、コナーはスペンサーの店に向かう。

バーにいたスペンサーは、店を任せてもいいと言って、引退することをコナーに伝える。

働き過ぎたと言うスペンサーに、コナーは、銀行の借金は使い果たしエリナーは消え、33で最悪の人生を送っていると話す。

自分は60代で、今年、孫を失い、3番目の妻に捨てられ、コナーの母親の名をつけたこの店に通っているだけだと言うスペンサーは、辞める時期だとコナーに伝える。

店に残り自分達に指示を与えてほしいと言われたスペンサーは、現実に向き合うべきだとコナーに伝えて、ここに来た理由を尋ねる。

近くに来たので寄っただけだと言うコナーは、なぜ一人を好きになるのだろうとスペンサーに尋ねる。

自分の恋愛にも問題があるはずだが、それが分からないと言うスペンサーは、人は皆、悩みを抱えているので、エリナーに時間をやるようにとコナーに助言する。

今の状況ではそれが最善だと言われたコナーは、最悪な状況だと伝えて、あえて息子の話をしなかったのかスペンサーに尋ねる。

息子のことを忘れようとしてもできなかったと言うコナーは、一瞬で消え去る流れ星でも、見れたことは嬉しいはずだと話すスペンサーの言葉が気に入る。

自分が繊細だと言われたスペンサーは、コナーのために食事を用意させる。

週末、閉店パーティーが開かれ、接客するコナーは、あるカップル(クリスチャン・コールソン/イザベル・マクナリー)が気になる。

トイレでアレクシスとマリファナを吸うスチュアートに、コナーは料理を作るよう指示する。

アレクシスからマリファナを渡されて吸ったコナーは、エリナーとうまくいったのか訊かれ、先日のこともあり、本気で恋しそうになったと言われる。

自分のためにならないと言われたアレクシスは、生きているだけで他人を傷つけることはおかしいとコナーに伝える。

おかしい理由を訊かれたアレクシスは、分からないと答えて店に戻る。

その後、スチュアートらと盛り上がったコナーは、気になっていたカップルが食い逃げしたために追いかける。

女と別れた男を捕まえたコナーは、いくら払えばいいと言われるものの、覚えていないと言われる。

恋人からの電話を受けた男は、大丈夫だと伝えて、コナーから通りの名前を教わり彼女に知らせる。

男を見逃したコナーは、その場を去る。

翌日、部屋の片づけを始めたコナーは、かかってきた電話に出るものの無言のまま切れてしまい、その後、疲れてソファーで眠ってしまう。

目覚めたコナーは、その場にエリナーがいたために驚き、彼女に謝罪する。

息子の瞳が頭に浮かぶが顔が思い出せないと言うエリナーに、コナーは、肌が白かった息子の容姿を伝える。

鼻や口、アゴの形が自分に似ていたと言われたエリナーは涙し、目は自分に似ていた息子を愛していたと伝えたコナーは、世界で一番美しい子だったと話す。

苦しむエリナーに自分も同じだと伝えたコナーは、あの子が恋しいと言う彼女とキスして抱きしめ、愛を確かめ合う。

翌朝、目覚めたコナーは、エリナーがいないことに気づく。

その後、スペンサーの店を任されたコナーは、スチュアートも採用する。

開店前に店を出たコナーは街を歩き、エリナーは彼の後をついて行く。


解説 評価 感想

参考:
・「ラブストーリーズ コナーの涙」(2013)
・「ラブストーリーズ エリナーの愛情」(2013)
・「Them」(2014)

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
レストランを経営するコナー・ラドローは、妻のエリナーと共に、幼い息子を亡くしたことで悲しみ、心癒えない日々を送っていた。
ある日、思い余ってハドソン川に飛び込んだエリナーが病院に入院したことを知ったコナーは、もう終わりにしたいと言う彼女の意見を聞き入れる。
アパートに戻らなかったエリナーのことが気になり、彼女のことを捜すコナーは苦悩する。
その後、友人でありシェフのスチュアートから、エリナーが大学に通っているようだと言われたコナーは、彼女の行動を追うのだが・・・。
__________

短編映画を手掛けていたネッド・ベンソンが、製作と脚本を兼ねた監督作品。

かつて、ジェシカ・チャステインと恋人関係にあったネッド・ベンソンが、彼女と付き合う中で、男女の視点から描く作品の構想を得たと言われていて、彼女は製作に参加している。

幼い息子を亡くし心癒されない日々を送る夫婦の苦悩を、夫と妻の視点でそれぞれ描いた、2013年に同時に公開された2作の内の”夫編”であり、時系列に沿って描かれた3作目”Them”も2014年に公開された。

冒頭で、主人公の二人が結婚する前の愛の姿が描かれ、その後、最愛の息子を失い、先が見えずえない状況で苦しむ二人の日常を淡々に描いた作品。

本作は夫役のジェームズ・マカヴォイの視点から描かれ、苦しみながら、必死に妻の考えを理解しようとする男性を演じている。

その妻を演ずるジェシカ・チャステインは、息子を失った悲しみから抜け出せず苦悩する女性を好演している。

レストラン業界で成功した主人公の父親を深く演ずるキアラン・ハインズ、主人公の友人であるシェフのビル・ヘイダー、主人公のレストランで働くバーテンダーのニナ・アリアンダ、同じくウエイトレスのニッキー・M・ジェームズ、ヒロインの母親イザベル・ユペール、伝道師のジェレミー・シェイモス、スペンサー(キアラン・ハインズ)の店の接客係マルタ・ミランス、無銭飲食の男 クリスチャン・コールソン、その恋人イザベル・マクナリー、ヒロインが聴講する大学の教授ヴィオラ・デイヴィスなどが共演している。


モバイルバージョンを終了