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The Beguiled/ビガイルド The Beguiled (2017)

ドン・シーゲルクリント・イーストウッドによる「白い肌の異常な夜」(1971)のリメイク。
南北戦争下、女子寄宿学校に保護された北軍の負傷兵と女性たちの関係を描く、製作、監督、脚本ソフィア・コッポラ、主演コリン・ファレルニコール・キッドマンキルスティン・ダンストエル・ファニング他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ニコール・キッドマン / Nicole Kidman 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:ソフィア・コッポラ

製作
ユーリー・ヘンリー
ソフィア・コッポラ
製作総指揮
フレッド・ルース
アン・ロス
ロマン・コッポラ
ロバート・オーティス
原作:トーマス・P・カリナン”The Beguiled/A Painted Devil”
脚本:ソフィア・コッポラ
撮影:フィリップ・ル・スール
編集:サラ・フラック
音楽:フェニックス

出演
ジョン・マクバーニー:コリン・ファレル
マーサ・ファーンズワース:ニコール・キッドマン
エドウィナ・モロー:キルスティン・ダンスト
アリシア:エル・ファニング
エイミー:ウーナ・ローレンス
ジェーン:アンガーリー・ライス
マリー:アディソン・リーケ
エミリー:エマ・ハワード
陸軍大尉:ウェイン・パー

アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ
2017年製作 94分
公開
北米:2017年6月23日
日本:2018年2月23日
製作費 $10,500,000
北米興行収入 $10,710,000
世界 $27,869,130


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1864年、バージニア州、南北戦争3年目。
寄宿学校ファーンズワース女子学園の生徒エイミー(ウーナ・ローレンス)は、”Lorena”を歌いながら森にキノコを採りに行く。

負傷した北軍兵ジョン・マクバーニー(コリン・ファレル)を見つけたエイミーは驚き、彼に学校のことなど話す。

伍長だと言う脚を負傷したマクバーニーに手を貸したエイミーは、園長マーサ・ファーンズワース(ニコール・キッドマン)と教師一人、生徒5人の学校のことを話しながら屋敷に向かう。

教師のエドウィナ・モロー(キルスティン・ダンスト)は、アリシア(エル・ファニング)、ジェーン(アンガーリー・ライス)、エミリー(エマ・ハワード)にフランス語を教えていた。
...全てを見る(結末あり)

マリー(アディソン・リーケ)と庭仕事をしていたマーサは、エイミーが呼ぶ声に気づきその場に向かい、倒れているマクバーニーが生きていることを確認する。

騒ぎを知ったエドウィナらも外に出て、マーサの指示でマクバーニーをポーチに運ぶ。

マーサは門に青い布を結ぶよう指示し、アリシアは、それが警備隊への合図であることをマクバーニーに伝える。

布を結ぶのはやめて、回復するまで面倒を見ることにしたマーサは、マクバーニーを音楽室に運ぶ。

エドウィナに手伝わせて傷口の弾丸を摘出して縫い合わせたマーサは、生徒たちに休講することを伝えて、マクバーニーの体を拭く。

久しぶりに男性の体に触れたマーサは動揺する。

その後、南軍兵士が現れ、門で大尉(ウェイン・パー)と話したマーサは、マクバーニーのことには触れずに弾丸を分けてもらう。

翌朝マーサは、エドウィナと生徒たちがマクバーニーを意識して身ぎれいにしていることに気づく。

マクバーニーに感謝されたマーサは、手伝いたいと言うアリシアに、勉強と仕事をするよう指示する。

マリーが持ってきてくれた祈祷書を受け取ったマクバーニーは、現われたエドウィナと話し好意を伝える。

家族のことなどを話し望みを訊かれたエドウィナは、ここを出て行くことだと答えてその場を去る。

その夜、マーサらと共に祈りを捧げていたアリシアは、トイレに行く許可を得て、マクバーニーの元に向かいキスする。

翌日、夕食の際にマクバーニーのことを話したマーサは、食後の祈りに彼を招きたいことを皆に伝える。

マーサはそれをマクバーニーに伝え、ジェーンのピアノ演奏で生徒たちは”Lorena”を歌う。

そこに二人の南軍兵が現れ、マーサは彼らに食事を与える。

それを皆に知らせたマーサは、マクバーニーを引き渡さずに、治ったら出て行ってもらうことにする。

ブランデーを飲みながらマーサと話したマクバーニーは、彼女の恋人が戦死したことを知り、自分は臆病者だと伝える。

所持金もなくアイルランドから移住し、300ドルを受け取り入隊したと言うマクバーニーの話を聞いたマーサは、今後も力になると伝える。

翌日、立てるようになったマクバーニーは、杖をつきエイミーの助けを借りて外に出る。

その後マクバーニーは、庭仕事などを手伝い始め、エドウィナを意識する。

マクバーニーは、気遣ってくれるエイミーに一番の友人だと伝える。

その後、マクバーニーの傷が順調に治っていることを確認したマーサは、週末には出ていけると伝える。

アリシアらは、マクバーニーが出て行かないようにする方法を考える。

エドウィナから出て行かないでほしいと言われたマクバーニーは、彼女に愛を伝える。

西に向かうと言うマクバーニーに、父が力になってくれると伝えたエドウィナは彼とキスする。

そこにアリシアらが現れ、マクバーニーを夕食に招待する。

ドレスを着たマーサらと食事と音楽を楽しんだマクバーニーは、部屋に行っていいかエドウィナに尋ねる。

マーサに食後酒を勧められたマクバーニーは、ここには男手が必要だと伝える。

祈りを捧げるマーサは、マクバーニーとの出会いで多くを学んだことを生徒たちに伝える。

マクバーニーを受け入れる準備をしていたエドウィナは、アリシアの部屋の物音に気づく。

エドウィナは、アリシアとマクバーニーが愛し合おうとしているのを目撃してしまう。

それに気づいたマクバーニーは、動揺するエドウィナを落ち着かせようとするが、二人は揉み合いになる。

誤って階段から落ちたマクバーニーは脚を骨折してしまい、アリシアは、彼が部屋に押し入ってきたとマーサに伝える。

マクバーニーの脚を切断するしかないことをエドウィナに伝えたマーサは、彼女を落ち着かせて手伝わせる。

翌朝、マーサらは切断した脚を庭に埋める。

意識が戻ったマクバーニーは取り乱し、自分を奴隷にするために共謀したと言って、マーサとエドウィナを責める。

マクバーニーの怒りは収まらずに叫び続け、生徒たちは怯える。

アリシアから自分たちのことは話していないと言われたマクバーニーは、彼女を脅し部屋の鍵を手に入れることを強要する。

部屋から出たマクバーニーは、銃を手にして食堂に押し入り、マーサらを責める。

エイミーが可愛がっているカメを奪い投げ捨てたマクバーニーは、酒を飲んでその場を去る。

マーサから、門に青い布を結ぶことを指示されたエイミーは、マクバーニーに見つかり追われる。

エイミーの叫び声を聴いて外に出たマーサは、マクバーニーに銃を向けられるものの、彼を落ち着かせて屋敷に戻る。

友達のエイミーを傷つけたりしないと言うマクバーニーは、再びマーサらを責める。

今度、何かしたら射殺すると言うマクバーニーは、シャンデリアを撃って落下させる。

マクバーニーの元に向かおうとするエドウィナを引き留めようとするマーサは、彼女に押し倒される。

部屋にいたマクバーニーに近づくエドウィナは、彼と激しく愛し合う。

対処方法を考えたマーサは、マリーから、マクバーニーはキノコが好きだったと言われる。

エイミーに毒キノコを探すよう指示したマーサは、それを料理してマクバーニーに食べさせることを考える。

その夜、落ち着いたマクバーニーは食卓に着き、取り乱したことをマーサらに謝罪する。

エイミーが探したというキノコを渡されたマクバーニーは、好物だと言ってエドウィナにも勧める。

エドウィナがキノコがあまり好きではないことを知ったマクバーニーは、それを食して満足する。

暫くして呼吸困難になったマクバーニーは、意識を失う。

翌朝、門には青い布が結ばれ、マーサらはマクバーニーの遺体を袋に入れる。

マクバーニーの遺体は門の外に置かれ、屋敷の入り口に戻ったマーサらは、それをいつまでも見つめる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1864年、バージニア州、南北戦争3年目。
女子寄宿学校を運営するマーサ・ファーンズワースは、生徒のエイミーが森で見つけた北軍の負傷兵ジョン・マクバーニーの傷の手当てをして介抱する。
マーサや生徒たちは、敵ではあるが男性としてマクバーニーに興味を持ち、教師のエドウィナと彼は意識し合う仲になるのだが・・・。
__________

1966年に発表された、トーマス・P・カリナンの小説”The Beguiled/A Painted Devil”を基に製作された、名コンビとなるドン・シーゲルクリント・イーストウッドによる「白い肌の異常な夜」(1971)のリメイク。

南北戦争下の激動の時代に、男性禁制の場所での日々を送る女性たちと、負傷していたため世話をすることになった男性との関係を描く愛憎のドラマ。

製作、脚本を兼ねるソフィア・コッポラの監督作品であり、戦争の悲惨さを感じさせない優雅な女子学院の雰囲気と衣裳、終始光度を落とした映像など、彼女らしい演出が見所の作品。

概ね好評価を得た本作は、第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、パルム・ドールは逃すものの、ソフィア・コッポラが監督賞を受賞した。

個人的には、南北戦争以前に作曲された曲”Lorena”が挿入されているのが印象に残る。
この曲は、「風と共に去りぬ」(1939)、ジョン・フォードジョン・ウェインのコンビによる名作「捜索者」(1956)と「騎兵隊」(1959)でも効果的に使われている。

敵地の女子学院で介抱され、その場の女性たちと関係する北軍の負傷兵コリン・ファレル、女子寄宿学校の経営者ニコール・キッドマン、主人公と惹かれ合う教師のキルスティン・ダンスト、主人公に好意を抱く生徒エル・ファニング、主人公を森の中で見つける生徒のウーナ・ローレンス、生徒のアンガーリー・ライス、アディソン・リーケ、エマ・ハワード、南軍大尉のウェイン・パーなどが共演している。


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