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バンド・ワゴン The Band Wagon (1953)

作詞ハワード・ディーツと作曲アーサー・シュワルツによる、1931年にブロードウェイで初演を迎え260回上演されたミュージカル”The Band Wagon”を基に製作された作品。
かつての人気ダンサーが苦難の末にミュージカルを成功させるまでを描く、製作アーサー・フリード、監督ヴィンセント・ミネリ、主演フレッド・アステアシド・チャリシージャック・ブキャナンオスカー・レヴァントナネット・ファブレイ他共演による、全盛期のMGMを代表する傑作ミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル


スタッフ キャスト ■
監督:ヴィンセント・ミネリ

製作:アーサー・フリード
製作協力:ロジャー・イーデンス
脚本
ベティ・コムデン

アドルフ・グリーン
撮影:ハリー・ジャクソン
編集:ハリー・アクスト
衣装デザイン:メアリー・アン・ニュバーグ
音楽
アドルフ・ドイッチ

ハワード・ディーツ
アーサー・シュワルツ
コンラッド・サリンジャー

出演
トニー・ハンター:フレッド・アステア

ガブリエル・ジェラード:シド・チャリシー
ジェフリー・コードヴァ:ジャック・ブキャナン
レスター・マートン:オスカー・レヴァント
リリー・マートン:ナネット・ファブレイ
ポール・バード:ジェームズ・ミッチェル
ハル:ロバート・ギスト
本人:エヴァ・ガードナー
列車の乗客:スティーヴ・フォレスト
モデル役のキャスト:ジュリー・ニューマー

アメリカ 映画
配給 MGM

1953年製作 111分
公開
北米:1953年8月7日
日本:1953年12月26日
製作費 $2,873,000
北米興行収入 $3,502,000


アカデミー賞 ■
第26回アカデミー賞
・ノミネート
脚本・衣装デザイン(カラー)・ミュージカル音楽賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロサンゼルス
かつての名ダンサー、トニー・ハンター(フレッド・アステア)は、今や人気も落ち、競売にかけられた彼の所持品を求めようとする者もいなかった。

ニューヨーク
列車内でも、自分の人気が過去のものだと言う乗客の話を聞いたトニーは、到着したホームで記者達が待ち構えていたエヴァ・ガードナーから声をかけられる。

その後トニーは、ブロードウェイ時代からの親友で舞台作家のレスター・マートン(オスカー・レヴァント)と妻リリー(ナネット・ファブレイ)に派手に迎えられる。

レスターから新しいショーの台本を見せられたトニーはブロードウェイに向い、演出家がジェフリー・コードヴァ(ジャック・ブキャナン)だと知らされる。

トニーがジェフリーを知らないために驚くレスターとリリーは、ショーの終演後に会せることを伝える。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
かつての名ダンサー、トニー・ハンターは今や人気も落ち、友人の舞台作家レスターと妻リリーを訪ねてニューヨークに向かう。
レスターから新しいショーの台本を見せられたトニーはブロードウェイに向かい、ショーの演出をジェフリー・コードヴァが担当すると言われる。
古典劇を演ずるジェフリーとは合わないと考えたトニーは気乗りしなかったが、チャレンジが必要だと指摘されて出演を決める。
レスターの軽いコメディを”ファウスト”風に書き変えると言い出したジェフリーは、トニーの相手役にバレエ・ダンサーのガブリエルを起用する。
それも不安に思えるトニーは、ガブリエルと衝突しながらもリハーサルに励み、何んとかショーは初日を迎える。
ところが、出資者はその内容に失望し、ショーは打ち切りの危機となる。
キャストやスタッフが落ち込んでいないことを知ったトニーは、自分達の失敗を認めた上で、ショーを続けることをジェフリーに伝え、ツアーを組んで公演を続けようとするのだが・・・。
__________

MGMミュージカルの黄金期を支えた、製作者のアーサー・フリード、監督ヴィンセント・ミネリ、主演フレッド・アステアらによる出色のミュージカル。

1931年のブロードウェイ・ミュージカル”The Band Wagon”では、フレッド・アステアが姉のアデール・アステアと共演した。

主題曲と言える”That’s Entertainment!”は、21年後に公開される、MGM創立50周年記念作品であるアンソロジー映画「ザッツ・エンタテインメント」(1974)のタイトルとなった。

斬新なアイデア、躍動感と優雅さを兼ね備えたダンス・シーンの数々は、当時のミュージカルを親しんだ者にとっては鳥肌ものだ。

第26回アカデミー賞では、脚本・衣装デザイン(カラー)、ミュージカル音楽賞にノミネートされた。

1995年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

MGMお得意の絢爛豪華なセットが登場する内容の作品ではないが、ブロードウェイの舞台裏を映し出す映像や素晴らしい衣装など、当然ではあるが、全く手抜きが感じられないプロの仕事ぶりが堪能できる作品でもある。

名曲として映画史に残るミュージカル・ナンバーの数々も素晴らしく、ラストの、出演者による”That’s Entertainment!”の合唱シーンは、思い入れがある私としては、涙なくして見られない。

50歳を過ぎたフレッド・アステアの衰えを知らない見事なステップ、美と優雅さの融合、そしてダイナミックでもあるシド・チャリシーのダンスには見惚れてしまう。

才気みなぎる演出家兼役者を味のある演技で好演するジャック・ブキャナン、主人公の友人である舞台作家を陽気に演ずるオスカー・レヴァントと妻役のナネット・ファブレイ、振付師ジェームズ・ミッチェル、演出家のマネージャー、ロバート・ギスト、本人役でエヴァ・ガードナー、そして、列車の乗客スティーヴ・フォレストと、モデル役のショーのキャストでジュリー・ニューマーが出演しているのだが、二人が確認できた方は、筋金入りの映画通である。


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