凶暴性を制御できず少年院から刑務所に移された少年の心の葛藤と成長を描く、監督、音楽デヴィッド・マッケンジー、主演ジャック・オコンネル、ベン・メンデルソーン、ルパート・フレンド、サム・スプルエル他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・マッケンジー
製作:ジリアン・バーリー
製作総指揮
キャサリン・バトラー
サム・ラヴェンダー
ジェームズ・アザートン
ジャン・ペイス
脚本:ジョナサン・アッサー
撮影:マイケル・マクドノー
編集
ジェイク・ロバーツ
ニック・エマーソン
音楽
トニー・ドゥーガン
デヴィッド・マッケンジー
出演
エリック・ラブ:ジャック・オコンネル
ネヴィル・ラブ:ベン・メンデルソーン
オリヴァー・バウマー:ルパート・フレンド
ヘインズ副刑務所長:サム・スプルエル
ハッサン:アンソニー・ウェルシュ
タイロン:デヴィッド・アジャラ
デニス・スペンサー:ピーター・フェルディナンド
看守主任スコット:ジリー・ギルクリスト
看守ホワイト:ダンカン・エアリー・ジェームス
看守ジェントリー:フレデリック・シュミット
看守ジョンソン:イアン・ビーティ
看守セルフ:トミー・マクドネル
デス:ガーシュウィン・ユスターシュJr.
ライアン:アシュレー・チン
アシュレー:デヴィッド・エイブリー
クリスティーン・カーデュー刑務所長:サイアン・ブレキン
ジェイゴ:ラファエル・ソウォル
マクドナルド:ダーレン・ハート
イギリス 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
2013年製作 106分
公開
イギリス:2014年3月21日
北米:2014年8月29日
日本:2015年10月10日
北米興行収入 $54,920
世界 $3,025,190
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
19歳のエリック・ラブ(ジャック・オコンネル)は、その凶暴性により、少年院から警備の厳重な成人刑務所に移される。
独居房に入れられたエリックは、カミソリを壊して刃と歯ブラシを利用してナイフを作り、それを照明の中に隠す。
食事の時間になり、エリックは、向かいの監房のマクドナルド(ダーレン・ハート)にライターがないか尋ねるもののないと言われ、食堂で配膳係の囚人ジェイゴ(ラファエル・ソウォル)に因縁をつけられる。
同じ刑務所の終身犯であるエリックの父ネヴィル(ベン・メンデルソーン)は、ボスのデニス・スペンサー(ピーター・フェルディナンド)と共に、看守を巻き込み所内を仕切っていた。
ネヴィルから、目立たずに大人しくしていろと言われたエリックはそれに従う。
監房に戻ったネヴィルは、愛していると書かれた、幼いエリックが描いた絵を見つめる。 眠っていたエリックは、マクドナルドがライターを持ってきたことに気づかず、彼を殴り倒してしまう。 マクドナルドを運んだエリックは騒ぎを起こし、監房に戻り体にオイルを振りかける。 それを知ったヘインズ副刑務所長(サム・スプルエル)は、三人の看守に押し入るよう指示する。 抵抗するエリックは看守を叩きのめし、一人の首に突起物を突き刺そうとして、マクドナルドの件は事故だと主張する。 それが認められたエリックは看守を解放し、取り押さえられる。 尚も抵抗するエリックは、看守のジョンソン(イアン・ビーティ)の股間に噛みつく。 ヘインズは、その場でグループセラピーを行っていた心理療法士のオリヴァー・バウマー(ルパート・フレンド)や囚人のデス(ガーシュウィン・ユスターシュJr.)に部屋を出るよう指示する。 ジョンソンに助けを求められたオリヴァーは、エリックを説得して懲罰房に連れて行く。 そこに所長のクリスティーン・カーデュー(サイアン・ブレキン)が現れ、オリヴァーは、自分のグループ療法でエリックの暴力性を治すことを伝える。 それに反対するヘインズの話も聞いたカーデューは、オリヴァーから、このままでは所員が危険だと言われ、エリックと面談する。 二度と問題を起こさなければ監房に戻し、オリヴァーの療法を受けさせると言われたエリックは、その療法が成功すれば犯罪者がなくなり、失業することになるとカーデューに伝える。 ヘインズは、エリックにオリヴァーの治療を受けさせることで納得するが、一度でも逆らえば懲罰房に戻すと伝える。 スペンサーと話したネヴィルは、エリックが騒ぎを起こさないよう教育することを指示される。 エリックに会ったネヴィルは、大人しくして刑期を務めろと再び警告する。 監房に戻されたエリックは、マクドナルドが治療を受けたことを確認し、ジェイゴの監房に向かいライターを盗む。 それをマクドナルドに渡したエリックは、ジェイゴが騒ぐ様子を見つめる。 ネヴィルにオリヴァーの元に連れて行かれたエリックは、ハッサン(アンソニー・ウェルシュ)、タイロン(デヴィッド・アジャラ)らと共に治療を受ける。 オリヴァーからタバコを吸うことを注意されたエリックはあおれを無視し、外で様子を見ていたネヴィルが憤慨して指示に従わせる。 ネヴィルがエリックの父親だと知ったオリヴァーは驚く。 監視する看守のセルフ(トミー・マクドネル)に襲い掛かろうとしたエリックは、治療は終わりなので監房に戻るようオリヴァーに指示される。 ジェイゴに指示された囚人に襲われたエリックは、ハッサンに助けられる。 オリヴァーに頼まれて監視していたことを知ったエリックは、彼はまともな男だと言うハッサンから治療に誘われる。 その様子を監視していたネヴィルは、エリックに、ハッサンらとは関わるなと言って、自分に従わせようとする。 監房に戻ったネヴィルは、同房のアシュレー(デヴィッド・エイブリー)から、ハッサンらに対する嫉妬だと言われて憤慨するものの、愛する彼を抱きしめる。 スペンサーと通じていたヘインズは、彼に現金を渡す。 監房に現れたオリヴァーに治療に誘われたエリックは、それに従う。 ライアンにからかわれたエリックは憤慨して騒ぎを起こすが、ハッサンらがそれを鎮め、オリヴァーは治療を始める。 ネヴィルの監房に向かい話し合おうとしたエリックは、父が同室のアシュレーと関係していることに気づき、ショックを受けその場を去る。 その後、オリヴァーの治療にまともに参加するようになったエリックは、ハッサンと共にジムで体を鍛える。 ネヴィルもその場に現れ、エリックはタイロンからボクシングを教わる。 シャワー室で再び襲われたエリックは、指示したジェイゴに襲い掛かり、ナイフで痛めつける。 ジェイゴがスペンサーに指示されたことを知ったエリックは、二階に向かう。 スペンサーに襲い掛かったエリックは、その場にいネヴィルに制止される。 ジェイゴを呼びウソを証明したスペンサーは、エリックの行動を批判し、問題が起きたら自分たちが解決するので、様々なことを学ぶようにと伝えて納得させる。 オリヴァーと話したネヴィルは、エリックの治療に注文をつける。 次の治療でオリヴァーは、エリックの怒りを抑えることに成功する。 タイロンを呼んだネヴィルは、監視させているエリックのことを尋ねる。 オリヴァーの治療に参加しようとしたネヴィルは、エリックから何しに来たと言われ、恥をかかされたために憤慨し、その場にいた者たちを罵り立ち去る。 その後ライアンとデスが騒ぎを起こし、エリックがそれを鎮める。 そこにカーデューと共にヘインズが現れ、約束通りエリックを外すようオリヴァーに指示する。 エリックは指示に従い、オリヴァーは、信頼を築き仲間になりかけていたことをカーデューに伝えるものの、聞き入れてもらえない。 ヘインズから、エリックは一生、外に出ない方が世の中のためだと言われたオリヴァーは苛立ち彼に襲い掛かるものの、主留まり、監房に自由に出入りできる鍵を渡してその場を去る。 付きまとうネヴィルを拒絶するエリックは、彼と殴り合いになる。 叩きのめされて負けを認めたネヴィルを追うエリックは、父を侮辱する。 忠告を非難するスペンサーの話を聞かないエリックは、彼も痛めつけてしまう。 再びネヴィルに襲い掛かったエリックは、看守たちに取り押さえられて懲罰房に連れて行かれる。 エリックを罵るネヴィルも、懲罰房に入れられる。 ヘインズは、スペンサーからエリックを殺すよう指示される。 様子を見に来たセルフに手錠を外させたネヴィルは、彼を殴り倒してスペンサーの元に向かう。 父親として振舞おうとしたものの無理だったと言うネヴィルは、エリックは無事でいてほしい、殺させはしないとスペンサーに伝える。 スペンサーは、家族には手を出す気はないので、身を守ることを教え込めとネヴィルに指示する。 エリックは、ヘインズらに痛めつけられる。 隠し持っていたナイフでネヴィルに襲い掛かったスペンサーは抵抗され、ヘインズには逆らえないことをネヴィルに伝える。 殺されるエリックを助けに行けと言われたスペンサーは、ネヴィルに刺殺される。 エリックを吊るしたヘインズらに襲い掛かるネヴィルは、二人の看守を叩きのめして、ヘインズにエリックを下ろすよう指示する。 ヘインズは、自殺未遂が起きたことを本部に報告する。 気を失っていたエリックは意識が戻り、ネヴィルは涙する息子を抱きしめる。 その後、治療を受けたエリックは、移送されるネヴィルに近づくことを許される。 お前の父親でよかったと言われたエリックは、看守に感謝して監房に戻る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
19歳のエリック・ラブは、その凶暴性により、少年院から警備の厳重な成人刑務所に移される。
所内は、終身刑のエリックの父親ネヴィルとボスのスペンサーが、看守を巻き込み仕切っていた。
大人たちの中であっても態度を変えないエリックは、ネヴィルから目立たず刑期を過ごすよう指示され、心理療法士オリヴァーの治療受けることを勧められるのだが・・・。
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「アサイラム/閉鎖病棟」(2005)、「パーフェクト・センス」(2011)などで知られるデヴィッド・マッケンジーが音楽も兼ねた監督作品。
凶暴性を制御できず、少年院から刑務所に移された少年の心の葛藤と成長を描くドラマ。
両親の愛を知らずに育った孤独な少年の、暴力だけを頼りに生き抜いていきた人生が痛々しい。
皮肉にも終身犯の父親に刑務所内で見守られことになった少年は、生き方を変えることができないものの、自分のために命を懸ける父親の姿や心理療法士との出会いで成長していく姿が見事に描かれている。
デヴィッド・マッケンジーの演出他、出演者の演技も絶賛され、批評家から好評価を得た。
主演のジャック・オコンネルは、暴力でしか生きる道を見つけることができないものの、刑務所内での父親と心理療法士との関係や囚人仲間との交流で成長していく少年を熱演している。
刑務所内で主人公である息子を見守ることになる父親を深い演技で好演するベン・メンデルソーン、主人公を治療する心理療法士のルパート・フレンド、副刑務所長のサム・スプルエル、主人公と親交を深める囚人アンソニー・ウェルシュとデヴィッド・アジャラ、刑務所内を仕切る囚人ピーター・フェルディナンド、看守のジリー・ギルクリスト、ダンカン・エアリー・ジェームス、フレデリック・シュミット、イアン・ビーティ、トミー・マクドネル、心理療法を受ける囚人ガーシュウィン・ユスターシュJr.とアシュレー・チン、ネヴィル(ベン・メンデルソーン)と同房の同性愛者デヴィッド・エイブリー、刑務所長のサイアン・ブレキン、主人公を敵対するラファエル・ソウォル、主人公の向かいの監房の囚人ダーレン・ハートなどが共演している。