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ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ Sicario: Day of the Soldado (2018)

2015年に公開された「ボーダーライン」の続編。
自爆テロ犯人と関係するメキシコの麻薬カルテルを叩くCIAの極秘作戦を描く、監督ステファノ・ソッリマ、主演ベニチオ・デル・トロジョシュ・ブローリンイザベラ・モナージェフリー・ドノヴァン他共演の犯罪サスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:ステファノ・ソッリマ
製作
ベイジル・イヴァニク
エドワード・L・マクドネル
モリー・スミス
サッド・ラッキンビル
トレント・ラッキンビル
製作総指揮
エレン・H・シュワルツ
リチャード・ミドルトン
エリカ・リー
脚本:テイラー・シェリダン
撮影:ダリウス・ウォルスキー
編集:マシュー・ニューマン
音楽:ヒルドゥル・グドナドッティル

出演
アレハンドロ・ギリック:ベニチオ・デル・トロ
マット・グレイヴァー:ジョシュ・ブローリン
イザベル・レイエス:イザベラ・モナー
スティーヴ・フォーシング:ジェフリー・ドノヴァン
ガヨ:マヌエル・ガルシア=ルルフォ
シンシア・フォード:キャサリン・キーナー
ジェームズ・ライリー国防長官:マシュー・モディーン
アンディ・ホイールドン:シェー・ウィガム
ミゲル・ヘルナンデス:イライジャ・ロドリゲス
ヘクター:デヴィッド・カスタニェーダ
ラファエル:ラオール・トゥルヒーヨ
アンヘル:ブルーノ・ビチル
ショーン:ジェイク・ピッキング
ガヨの手下:アルトゥーロ・マセ・ベルナル
カーソン・ウィリス:イアン・ボーエン

アメリカ 映画
配給
Sony Pictures Releasing(北米)
Lionsgate(世界)
2018年製作 122分
公開
北米:2018年6月29日
日本:2018年11月16日
製作費 $35,000,000
北米興行収入 $50,072,240
世界 $75,837,740


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
テキサス州、メキシコ国境。
国境警備隊員が不法入国者を取り締まり、その中の一人が自爆して隊員が負傷する。

ミズーリ州、カンザスシティ
食料品店に入った数人の男たちは次々と自爆し、子供2人を含む15人の市民が死亡して多数の負傷者をだす。

会見を開いたジェームズ・ライリー国防長官マシュー・モディーン)は、テロに屈せず必ず報復することを犯人に伝える。

ソマリア湾岸地域。
SFOD-D/デルタフォース”の作戦により、海賊バシールが捕らえられる。

ジプチキャンプ・レモニエアメリカ海軍基地)。
捕らえたバシールを尋問するCIA特別行動部”のマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)は、協力しなければ空爆すると言って、彼の家の映像をパソコンで見せる。

...全てを見る(結末あり)

食料品店の自爆テロ映像を見せられたバシールは、犯人はイエメン人であり、自分は無関係だとマットに伝える。

マットは、直接カンザスシティに行かずメキシコで密入国業者を雇った犯人は、おまえが襲わない船で現地に向かったはずだと言ってバシールを追及する。

誰かが金を払い、その船を襲うなと指示したはずだとバシールに伝えてマットは、それが誰かを知ろうとする。

あくまで関係を否定するバシールの家を空爆させたマットは、その映像を見て動揺する彼に、別の家族も監視していることを伝えて脅す。

バシールの情報を報告するマットは、金はカシム・アル=ライムから出て、登録がメキシコの会社であるパナマ船籍の貨物船”ヴィクトリア”が、ヴェラクルスに停泊していたと伝える。

テキサス国境、マッカレン
学校をサボった高校生のミゲル・ヘルナンデス(イライジャ・ロドリゲス)は、迎えに来た従兄のヘクター(デヴィッド・カスタニェーダ)の車で国境に向かう。

金を稼ぎたいミゲルは、麻薬カルテルと関係しているヘクターから金を受け取り、何をすればいいか尋ねる。

ワシントンD.C.
帰国したマットは上司のシンシア・フォード(キャサリン・キーナー)と話し、レイエスの麻薬カルテルが、密入国者を運んだ証拠について訊かれる。

ライリー国防長官や軍のトップと話したマットは、今ではコカインではなく、密入国が麻薬カルテルの最大の収入源だと話す。

麻薬カルテルを叩くつもりのライリーの考えを聞いたマットは、ボスは殺さずに組織を分裂させるつもりだと伝え、レイエスの家族の情報を知り、16歳の娘を誘拐することを考える。

自分たちの関与は知られないようにとライリーから指示されたマットは、それには汚い方法を使うことになると伝えて、極秘作戦の準備を始める。

武器商人のアンディ・ホイールドン(シェー・ウィガム)に会ったマットは、武器装備の調達を月1500万ドルで任せる。

コロンビアボゴタ
殺し屋アレハンドロ・ギリック(ベニチオ・デル・トロ)に会ったマットは、今回の標的は麻薬カルテルのボス、カルロス・レイエスだと伝える。

レイエスに家族を殺されたアレハンドロは、やり方は任せると言うマットから、カルテル全体の闘争を始めさせるよう指示される。

メキシコシティ
マタモロス・カルテルの弁護士を殺害したアレハンドロは、対立するカルテルの仕業に見せかける。

マットは、元”デルタフォース”のスティーヴ・フォーシング(ジェフリー・ドノヴァン)らと共に、レイエスの娘イザベル(イザベラ・モナー)を誘拐しようとする。

クラスメイトと喧嘩をしたイザベルは校長に呼ばれるものの、彼が自分を処分できないことを確認してその場を去る。

迎えに来たイザベルの車を襲ったマットらは、彼女を誘拐して飛行場に向かう。

ヘクターから車でモールに向かうよう指示されたミゲルは、それに従う。

テキサス州、コーパスクリスティ海軍航空基地
マットとアレハンドロらと共にプライベートジェットで移動したイザベルは、目隠しをされたまま到着する。

指令室に向かったマットは、衛星の映像で襲撃現場をチェックし、レイエスの動きを監視する。

目隠ししたままのイザベルを拘束するアレハンドロは、”DEA”(麻薬取締局)捜査官に扮して彼女を救出したように見せかける。

怯えるイザベルを連れて基地に向かったアレハンドロは、彼女を安心させる。

モールでアレハンドロと共にメキシコ側の警察責任者ラファエル(ラオール・トゥルヒーヨ)に会ったマットは、レイエスを誘き出す方法を伝え、イザベルをメキシコに戻すために国境検問通過許可のことなどを任せる。

駐車場でマットらが乗る車にぶつかりそうになったミゲルは、助手席のアレハンドロに睨まれる。

その夜、ヘクターと共にメキシコに向かったミゲルは、密入国業者のガヨ(マヌエル・ガルシア=ルルフォ)に紹介される。

しくじった者は母親を殺すと言ってミゲルと話すガヨは、密入国者を運べば父親の年収以上を稼げると伝える。

イザベルに防弾チョッキを着せて”ハンヴィー”に乗せたアレハンドロとマットは、数台で国境に向かう。

検問を通過して警察車両に守られたマットらは、暫くして襲撃される。

前方の車両から銃撃されたマットらは車から降りて応戦し、怯えるイザベルはその場から逃げる。

連邦警察だと言う者たちを射殺したマットらは、別の警察車両が接近することを知る。

イザベルが姿を消したことに気づいたアレハンドロは、国境に戻るマットらと別れて彼女を捜す。

出発したマットは後方から迫る警察車両を銃撃し、国境を通過する。

街道の車を止めたイザベルは、男が自分を知っていたために逃げようとするものの捕まってしまう。

男を射殺したアレハンドロは、イザベルを車に乗せて走り去る。

基地に戻ったマットは、作戦失敗とメキシコ警察に攻撃を加えたことをフォードから責められる。

弾劾を恐れる大統領から作戦の中止命令を受けたと言うフォードに食い下がるマットだったが、納得してもらえない。

車を捨ててある民家にたどり着いたアレハンドロは、聾唖者のアンヘル(ブルーノ・ビチル)と手話で話し、危害は加えないと伝えて協力を求める。

アンヘルは、テレビで見たアザベルが誘拐されて子であることに気づく。

娘も聾唖者だと言うアレハンドロを信用したアンヘルは、二人を家に連れて行く。

フォードとスティーヴと共にライリーと映像で話したマットは、警官を25人殺したことを認め、イザベルは工作員が保護して国境に向かっていると伝える。

納得できないライリーは、フォードにすべてを任せて通話映像を切る。

イザベルを敵に渡すわけにはいかないと言うフォードは、彼女とアレハンドロを始末するようマットに命ずる。

それを拒むマットは、爆破犯はアメリカ市民だったことをフォードから知らされ、作戦の目的が根本的に変わると言う彼女の指示に従うしかなかった。

アレハンドロに連絡したマットは、イザベルと一緒だということを確認する。

作戦は中止だと伝えたマットは、イザベルの殺害をアレハンドロに指示する。

それを拒むアレハンドロは、国境を越えさせるようにとマットに伝え、その後に方法を考えようと言って彼を説得する。

協力はできないと言うマットに、できることをやれと伝えたアレハンドロは電話を切る。

ヘクターの運転するバスで国境に着いたミゲルは、密入国者を連れてリオ・グランデ川を渡る。

密入国者はトラックで運ばれ、迎えに来た女性から現金を受け取ったミゲルは町に送ってもらう。

アレハンドロの家族が父の手下に殺されたことを知ったイザベルは、レイエスの娘として国境を越えるのは難しい言われ、別人を装うために髪の毛を切る。

アンヘルに車で町に送ってもらうアレハンドロは、自分のことを訊かれたら、父親役に雇ったと答えるようにとイザベルに指示する。

アレハンドロは、イザベルの靴の中にGPS発信機を隠す。

その信号を確認したマットは、別の班に始末させることを提案するフォードに、自分でやると伝える。

そうしないと、アレハンドロが君を殺しに来るとフォードに伝えたマットは、行動を開始する。

車を降りたアレハンドロとイザベルは、密入国者に扮して国境を越えようとする。

ヘリコプターに乗り込んだマットは、信号の発信地点に向かう。

アレハンドロは、その場に現れてヘクターと一人1000ドルで話をつける。

テキサスのモールの駐車場で見たアレハンドロの顔を覚えていたミゲルは、それをヘクターに伝える。

ヘクターは、アレハンドロとイザベルをバスに乗せて移動する。

ある場所に着いたヘクターは、アレハンドロに銃を向ける。

アレハンドロの銃を奪ったヘクターは、他の密入国者を降ろす。

ミゲルを連れて現れたガヨは、2日前にテキサスにいたことを否定するアレハンドロと共にいた少女が、誘拐されたイザベルだと気づく。

レイエスの娘を捕えたことで、危険が迫ることをガヨに話したアレハンドロは、電話1本でそれを回避できると伝える。

アレハンドロからレイエスの手下だと言われたガヨは、バスから降ろしたイザベルにそれを確認する。

父親役に雇ったアレハンドロのことは何も知らないと言うイザベルは、父の手下だとガヨに伝える。

アレハンドロを痛めつけたガヨは車で移動し、それを確認したマットらは追跡する。

車を止めたガヨは、アレハンドロを殺すよう手下に指示する。

アレハンドロを撃てない手下を射殺したガヨは、ミゲルに銃を渡す。

ミゲルは、もがき抵抗するアレハンドロの顔面を撃つ。

その様子を見ていたイザベルは叫び声をあげる。

アレハンドロが殺されたことを確認したマットは、イザベルが乗る車を追い、交戦規定を無視して全員を殺そうとする。

英雄視されたミゲルだったが、ピックアップトラックの荷台から飛び降りる。

夜が明けて、頬を弾丸が通過したものの無事だったアレハンドロは、上空のヘリの音に気づく。

ガヨらの車に追いついたマットらは、全員を射殺してイザベルを救い出す。

イザベルを始末しないことで、スティーヴから命令違反だと言われたマットは、”証人保護プログラム”を適用すると伝える。

その場から逃れ、襲撃されたガヨらの車を見つけたアレハンドロは、死体を降ろして走り去る。

暫くして男たちに襲われたアレハンドロは、相手の車を手榴弾で爆破する。

その後、意識が朦朧とするアレハンドロは路肩に止まるが、再び走り始める。

ヘリで基地に戻るマットは、アレハンドロのことを考える。

1年後。
派手なタトゥーを入れたミゲルは、モールのファストフード店の事務室に向かい、その場にいたアレハンドロの姿を見て驚く。

”シカリオ”になりたいのかとミゲルに尋ねたアレハンドロは、将来について話し合おうと伝えてドアを閉める。


解説 評価 感想

参考:
・「ボーダーライン」(2015)
・「ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ」(2018)

*(簡略ストー リー)
テキサス国境とカンザスシティで自爆テロが起きて多数の死傷者を出す。
CIA
特別行動部”のマット・グレイヴァーは、テロリストをアメリカに密入国させたと思われる、メキシコの麻薬カルテルを叩く極秘作戦を開始する。
”シカリオ”殺し屋のアレハンドロ・ギリックを呼んだマットは、麻薬カルテルのボス、レイエスの娘イザベルを誘拐して抗争を始めさせようとするのだが・・・。
__________

2015年に公開された「ボーダーライン」の続編。

自爆テロ犯人をアメリカに入国させたと思われる、メキシコの麻薬カルテルを叩く極秘作戦を実行する、CIA特別行動部”と雇われた”シカリオ/殺し屋”の戦いを描く犯罪サスペンス・アクション。

今回はイタリア人のステファノ・ソッリマが監督し、脚本のテイラー・シェリダン、主演のベニチオ・デル・トロジョシュ・ブローリンなどを含め、前作のスタッフ、キャストが参加している。

物語の深みや緊迫感などが、前作に比べるとやや物足りない内容ではあるが、アメリカの社会問題であるメキシコからの密入国の実態がリアルに描かれた、まずまず見応えある作品には仕上がっている。

国家の威信と正義を守るために、手段を選ばない行動で秘密作戦を実行する者たちの戦いが、大袈裟過ぎないアクションを含めて玄人受けする演出で描かれている。

主演のベニチオ・デル・トロは、家族を殺した麻薬カルテルを叩く作戦に加わる”シカリオ/殺し屋”を雰囲気ある演技で深く演じ、彼と共に強引な行動で作戦を指揮するジョシュ・ブローリンの熱演も見逃せない。

主人公の二人が作戦実行のために誘拐する、麻薬カルテルのボスの娘イザベラ・モナー、作戦に加わる元デルタフォースジェフリー・ドノヴァン、密入国業者マヌエル・ガルシア=ルルフォ、マット(ジョシュ・ブローリン)の上司キャサリン・キーナー国防長官マシュー・モディーン、武器商人のシェー・ウィガム、密入国業者の手下となる少年イライジャ・ロドリゲス、彼を悪事に誘う従兄のデヴィッド・カスタニェーダ、主人公らに協力するメキシコ側の警察責任者ラオール・トゥルヒーヨ、主人公に協力する聾唖者の男性ブルーノ・ビチルなどが共演している。


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