ゴーストフェイスのマスクを被った殺人鬼に襲われる高校生達の恐怖を描く、監督ウェス・クレイヴン、出演デヴィッド・アークエット、ネーヴ・キャンベル、コートニー・コックス、マシュー・リラード、ジェイミー・ケネディ、リーヴ・シュレイバー、ドリュー・バリモア他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウェス・クレイヴン
製作
ケイリー・ウッズ
キャシー・コンラッド
製作総指揮
ハーヴェイ・ワインスタイン
ボブ・ワインスタイン
マリアンヌ・マッダレーナ
脚本:ケヴィン・ウィリアムソン
撮影:マーク・アーウィン
編集:パトリック・ルシア
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演
ドュワイト”デューイ”ライリー:デヴィッド・アークエット
シドニー・プレスコット:ネーヴ・キャンベル
ゲイル・ウェザース:コートニー・コックス
スチュワート・マハー:マシュー・リラード
ビリー・ルーミス:スキート・ウールリッチ
テイタム・ライリー:ローズ・マッゴーワン
ランディ・ミークス:ジェイミー・ケネディ
コットン・ウェアリー:リーヴ・シュレイバー
ケイシー・ベッカー:ドリュー・バリモア
スティーヴ・ボース:ケヴィン・パトリック・ウォールズ
電話の声:ロジャー・L・ジャクソン
ニール・プレスコット:ローレンス・ヘクト
ケニー:W・アール・ブラウン
ケイシーの母:カーラ・ヘイトリー
テイタムの母:リー・マッケイン
バーク保安官:ジョセフ・ウィップ
アーサー・ヒンブリー校長:ヘンリー・ウィンクラー
フレッド:ウェス・クレイヴン
リポーター:リンダ・ブレア
アメリカ 映画
配給 ディメンション・フィルムズ
1996年製作 111分
公開
北米:1996年12月20日
日本:1997年8月23日
製作費 $14,000,000
北米興行収入 $103,001,290
世界 $173,046,660
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
カリフォルニア州、ウッズボロー。
ある夜、高校生のケイシー・ベッカー(ドリュー・バリモア)は、何度もかかって来る不審な電話の男(ロジャー・L・ジャクソン/声)に脅される。
怯えるケイシーは、庭の明かりを点けるよう指示され、ボーイフレンドのスティーヴ・ボース(ケヴィン・パトリック・ウォールズ)が拘束されていることに気づく。
クイズをしなければスティーヴを殺すと言われたケイシーは、それに従う。
しかし、スティーヴは殺されてしまい、椅子が部屋に投げ込まれ、キッチンのナイフを手にしたケイシーは侵入者を目撃する。
外に出て両親の車に気づいたケイシーは、ゴーストフェイスを被った者に襲われて、胸をナイフで刺される。 家に入る両親に近づこうとしたケイシーは、ゴーストフェイスのマスクを掴み取るものの、息の根を止められる。 部屋が荒らされていることに気づいた両親は、ケイシーを捜して警察に通報しようとする。 ケイシーが受話器を握ったままだったために、その様子が聴こえた母親は動揺し、車で待っているようにと夫から言われる。 外に出た母親は、血だらけで木に吊るされたケイシーを発見して叫び声をあげる。 ケイシーのクラスメイトのシドニー・プレスコット(ネーヴ・キャンベル)は、ボーイフレンドのビリー・ルーミス(スキート・ウールリッチ)が窓から現れたために驚く。 叫び声を聞いた父ニール(ローレンス・ヘクト)が心配して現れるが、何でもないと言うシドニーは、出張のことを知らされる。 父が戻った後でビリーに迫られたシドニーは、我慢するようにと伝え、愛を告げて帰ってもらう。 翌日、登校したシドニーは、警察や報道陣が詰めかけていたために驚く。 親友のテイタム・ライリー(ローズ・マッゴーワン)から、ケイシーとスティーヴが惨殺されたことを知らされたシドニーは、1年前に母が殺されていたために動揺する。 生徒達は順番に校長のアーサー・ヒンブリー(ヘンリー・ウィンクラー)に呼ばれ、シドニーの番になる。 シドニーは、校長室でバーク保安官(ジョセフ・ウィップ)とテイタムの兄で保安官補のドュワイト”デューイ”(デヴィッド・アークエット)から質問を受ける。 テイタムとボーイフレンドのスチュワート・マハー(マシュー・リラード)、友人のランディ・ミークス(ジェイミー・ケネディ)、そしてビリーらと話していたシドニーは、皆のように冗談を言う気にはなれなかった。 帰宅してニュースを見ていたシドニーは、今回の事件と共に1年前に殺された母親のことも報道されたために心を痛める。 父が出張なのでテイタムの家に泊まろうとしていたシドニーは、彼女からの電話を受ける。 再びかかってきた電話に出たシドニーは、ランディがジョークでかけてきていると思う。 ランディではないと言われても信用しないシドニーは、母親のように殺すと脅されて動揺する。 警戒するシドニーは、家に侵入していたゴーストフェイスに襲われるものの、逃れて自分の部屋に向かい警察に通報しようとする。 パソコンからも911に連絡しようとしたシドニーは、窓から現れたビリーに殺人鬼に襲われたことを伝える。 その時、ビリーが携帯電話を落したために、シドニーは彼が犯人だと思い、玄関に向かい家を出ようとする。 ドアを開けたシドニーは、ゴーストフェイスのマスクを持ったデューイに驚き、そこに落ちていたと言う彼はビリーを逮捕する。 犯行を否認するビリーは、駆けつけたバーク保安官(ジョセフ・ウィップ)に何もしていないと伝えるものの、警察署に連行される。 迎えに来たテイタムは、手当てを受けたシドニーに声をかけて、取材を始めたテレビ・リポーターのゲイル・ウェザース(コートニー・コックス)を相手にしない。 署で父親が宿泊するホテルをデューイに探してもらっていたシドニーは、バーク保安官に質問されるビリーの様子を気にする。 携帯電話くらい誰でも持っていると話すビリーと、通話記録を調べればすぐに分かると父親から言われたバークは、昨日もシドニーの家に行った理由をビリーに問う。 そのことを認めたビリーは、ケイシーの家にも行かなかったかとバークから訊かれ、それを否定し誰も殺していないと話す。 通話記録が確認されるまで、ビリーをこの場で預かることを、バークは父親に伝える。 声をかけてきたビリーを無視したシドニーは、テイタムと共にその場を去る。 カメラマンのケニー(W・アール・ブラウン)と共に取材を続けるゲイルは、署の裏口から出てきたシドニーに気づきマイクを向ける。 昨年の母親殺害の報道でゲイルを恨んでいたシドニーは、彼女を殴ってしまう。 テイタムの家で眠ろうとしていたシドニーは、ライリー夫人(リー・マッケイン)から電話だと言われる。 父からだと思ったシドニーだったが、それが例の男だったために動揺する。 翌朝、今回の事件で母の件も話題になり、無罪を主張する犯人コットン・ウェアリー(リーヴ・シュレイバー)の映像をシドニーはテレビで目にする。 通話記録を調べた結果、ビリーの疑いは晴れて釈放されたことをデューイから知らされたシドニーは、自分とケイシーにかけた共通の電話を割り出し、必ず犯人を捕まえると彼から言われる。 デューイに学校に送ってもらったシドニーは、その場にいたゲイルと話し、コットンの無罪を信じる彼女から、真犯人は他にいると言われる。 無実の男と真犯人が野放しになっているという大スクープが狙えると考えたゲイルは、証拠を掴むまでは公表しないつもりだとケニーに伝える。 ビリーと話したシドニーだったが、母の死のトラウマから抜け出すように言われてもその気になれない。 学校内でゴーストフェイスのマスクをつけてふざける生徒が現れ、犯人を呼んだヒンブリー校長は激怒する。 トイレで、自分や母のことまで誹謗中傷する女生徒の話を聞いてしまったがシドニーはショックを受ける。 自分の名を呼ぶ声が聴こえたシドニーは、現れたゴーストフェイスに襲われてその場から逃れる。 学校に現れたデューイに近づいたゲイルは、彼をおだてて情報を得ようとする。 混乱する学校はしばらく休校することになり、シドニーは、スチュワートが開くパーティーに誘われる。 ふざけた生徒からマスクを没収していたヒンブリー校長は、潜んでいたゴーストフェイスに襲われて刺殺される。 テイタムと話していたシドニーは、ゲイルの話も何度も聞くと信じる気になってしまうと言われる。 ゴーストフェイスは、そんな二人を監視していた。 ビデオショップでバイトをするランディをパーティーに誘ったスチュワートは、事件の犯人が誰かという話になる。 シドニーの父親が怪しいと言うスチュワートだったが、釈放はされたが犯人はビリーだとランディは決めつける。 全員が容疑者だと考えるランディだったが、現れたビリーから、ホラー映画好きの自分が犯人ではないかと言われる。 町は厳戒態勢になり、店舗は閉店して、人々は早めに家に帰る。 署に戻ったデューイは、例の通話記録がシドニーの父親ニールだと分かったことをバーク保安官から知らされ、自分の携帯電話から娘に脅迫電話をかけたらしいと言われる。 ニールを見つけて容疑を固めるとバークから言われたデューイは、シドニーを監視しているよう指示される。 夜になり、シドニーとテイタムは、デューイにスチュワートの家まで送ってもらう。 現れたゲイルに気づいたデューイは、彼女に誘われてパーティーに向かう。 スチュワートやランディらは有名人のゲイルを歓迎し、彼女は隠し持っていたカメラを設置する。 ガレージにビールを取りに行ったテイタムは、その場に閉じ込められてしまい、現れたゴーストフェイスをランディだと思う。 襲われたテイタムは抵抗して逃げようとするものの、ガレージの扉で身動きができなくなり、ゴーストフェイスがそれを作動させたため、彼女は 首を挟まれて死亡する。 姿が見えないテイタムを捜して帰ろうとしたシドニーは、現れたビリーと話をする。 ビリーと和解し母親がとった行動も認めようとするシドニーは、彼を受け入れて愛し合う。 居間でホラー映画を観ていたランディは、映画の中では、生き残るためのルールがあることを皆に話す。 セックス、酒、ドラッグは厳禁だと話すランディは、”すぐに戻る”というセリフも言ってはダメだと警告する。 ビールを取りに行くスチュワートは、”すぐに戻る”と言ってガレージに向かう。 その様子をカメラの映像で監視していたゲイルは、現れたデューイから、不審車を調べると言われてついて行く。 暫くして電話があり、それに出たランディは、ヒンブリー校長が死体で発見されたことを知らされる。 ランディ以外は、吊るされているという校長を見に行くために学校に向かい、彼らの車に轢かれそうになったデューイとゲイルは転んでしまう。 キスしてしまった二人は、その場で、偶然にもニールの車を見つけてしまい驚く。 愛し合ったビリーが、目の前でゴーストフェイスに襲われて刺されてしまい、その場から逃れたシドニーは、屋根裏部屋から外に出る。 そこでゴーストフェイスに腕を掴まれたシドニーは、屋根から落ちてしまうものの、ボートの上に落下したために助かる。 ガレージに挟まれたテイタムに気づいたシドニーは、動揺しながその場を離れる。 一人で映画を観ていたランディは、背後から襲い掛かるゴーストフェイスに気づかない。 ケニーに助けを求めたシドニーは、ランディがゴーストフェイスに襲われる映像を確認する。 助けに行こうとしたケニーは、家の入口が開いていたため、映像の時差が30秒あったことに気づき、現れたゴーストフェイスに喉を切られてしまう。 傷つけられながらドアを閉めたシドニーは、車から出て逃げる。 戻ってきたデューイは、ゲイルを中継車に向かわせて家の中を調べる。 ケニーの姿は見えず、その場が血だらけだったため、ゲイルは911に電話をする。 現れたランディに驚き電話で殴ったゲイルは、車を動かそうとしてケニーの死体に気づく。 屋根に乗せられていたケニーを振り落して暴走したゲイルは、道路にいたシドニーを避けようとして事故を起こしてしまう。 家に向かったシドニーは、入口で倒れ込んだデューイが背中を刺されていることに気づき、ゴーストフェイスに襲われそうになる。 デューイの車に乗りドアをロックするものの、キーがないために焦るシドニーは、それをゴーストフェイスが持っていることを知る。 車に入ってきたゴーストフェイスに襲われたシドニーは、車から降りてデューイの銃を手にする。 ランディとスチュワートが現れ、互いに犯人だと言い合う二人に銃を向けるシドニーは、家の中に入りドアを閉めて彼らを追い払おうとする。 瀕死のビリーが階段から転げ落ち、シドニーは、傷が浅かったと言う彼に銃を渡して外に出ようとする。 入ってきたランディを銃撃したビリーは、血はシロップだとシドニーに伝える。 現れたスチュワートも仲間だと知ったシドニーは、ビリーに母も殺されたことを知り、男をあさっていた女に制裁を加えたと言われる。 夜中を過ぎたために、母親の命日になったとビリーに言われたシドニーは、スチュワートが連れてきた父ニールを犯人にしようとしていることを知る。 妻の死から一年、それを苦に何人も殺したニールが、娘も殺して自殺する筋書きだと言われたシドニーは、疑われないようにするため、二人が互いを傷つけ合う姿を見て正気とは思えない。 銃が消えたことに気づいたスチュワートは焦り、それを確かめたビリーは、現れたゲイルに銃を向けられる。 安全装置を外していなかったゲイルを叩きのめして銃を奪ったビリーは、シドニーとニールが姿を消したことをスチュワートから知らされる。 電話をかけてきたシドニーから警察を呼んだと言われたビリーは、ゴーストフェイスのマスクを被り隠れていたシドニーに傘で刺される。 襲い掛かってきたスチュワートを叩きのめしたシドニーは、無事だったランディに話しかけられて驚く。 生きていたビリーに襲われたシドニーだったが、ゲイルが彼を銃撃する。 ゲイルから銃を受け取り、ビリーが死んでいるかを確かめたシドニーは、意識が戻った彼を射殺する。 シドニーは、隠れていたニールの拘束を解く。 夜が明けて、マイクを握ったゲイルは、現場から独占取材の中継を始める。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「スクリーム」(1996)
・「スクリーム2」(1997)
・「スクリーム3」(2000)
・「スクリーム4」(2011)
・「スクリーム」(2022)
・「スクリーム6」(2023)
*(簡略ストー リー)
カリフォルニア州、ウッズボロー。
不審な電話を受けた高校生のケイシーとボーイフレンドのスティーヴが、ゴーストフェイスのマスクを被った殺人鬼に惨殺される。
1年前に母親を殺された同じ高校に通うシドニーは、ケイシーとスティーヴが殺されたことを知り動揺する。
そんなシドニーにも怪しい電話があり、母と同じように殺すと脅される。
現れたゴーストフェイスに襲われながらもなんとか逃れたシドニーは、現れたボーイフレンドのビリーが携帯電話を持っていたため、彼を犯人だと思う。
駆けつけた保安官補のデューイはビリーを逮捕し、シドニーは警察署で話しを聞かれ、町は騒然となりマスコミの取材なども始まる・・・。
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スプラッター映画の巨匠ウェス・クレイヴン演出によるホラー・ムービーの快作。
田舎町で起きる殺人事件は、犯人として何人かが疑われながらも謎が謎を呼ぶ展開で進行し、驚きの真犯人登場と、それに対抗する者達との戦いで壮絶な幕切れとなる。
サスペンス・ホラーとしての緊迫感に加え、随所で挿入されるユーモラスなシーンなどで見事に観客の心を捉えるウェス・クレイヴンの演出手腕が見所の作品で、残虐な描写も多いものの、後味の良い楽しい内容に仕上がっている。
北米興行収入は1億ドルを超え、全世界では約1億7300万ドルのヒットとなりシリーズ化された。
本作のパロディ作品でもある「最終絶叫計画」(2000)を同時に観ると一層楽しむことができる。
やや頼りないが、市民を守る保安官補を熱演するデヴィッド・アークエット、物語の主人公と言っていい、母の殺害事件のトラウマを抱えながら殺人鬼に命を狙われるネーヴ・キャンベル、彼女の行動を追いながら、クライマックスでは共に戦うテレビ・リポーターのコートニー・コックス、犯人だった高校生のマシュー・リラードとシドニー(ネーヴ・キャンベル)のボーイフレンドのスキート・ウールリッチ、シドニーの友人ローズ・マッゴーワン、同じく、ビデオ・ショップでバイトするホラー映画マニアのジェイミー・ケネディ、シドニーの母親を殺した犯人として有罪となったリーヴ・シュレイバー、最初の犠牲者ドリュー・バリモアとボーイフレンドのケヴィン・パトリック・ウォールズ、犯人の電話の声ロジャー・L・ジャクソン、シドニーの父親ローレンス・ヘクト、テレビ局のカメラマン、W・アール・ブラウン、保安官のジョセフ・ウィップ、校長のヘンリー・ウィンクラー、そして、ウェス・クレイヴンが、「エルム街の悪夢」(1984)の”フレディ・クルーガー”風のコスチュームで学校の用務員を、セリフの中で「エクソシスト」(1973)も登場する、同作の出演者リンダ・ブレアがリポーター役でカメオ出演している。