ジェームズ・ワンとリー・ワネルの原案により製作され、低予算ながら予想を遥かに上回る大ヒットとなったサイコ・スリラー「ソウ」(2004)の続編。 連続猟奇殺人犯とされる男に7人の者達と共に密室に閉じ込められた息子を救い出そうとする刑事の戦いを描く、監督、脚本ダーレン・リン・バウズマン、主演トビン・ベル、ドニー・ウォルバーグ、ショウニー・スミス、ディナ・メイヤー他共演のサイコ・スリラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダーレン・リン・バウズマン
製作
マーク・バーグ
グレッグ・ホフマン
オーレン・クールズ
製作総指揮
ジェームズ・ワン
リー・ワネル
ピーター・ブロック
ジェイソン・コンスタンティン
ステイシー・テストロ
原案
ジェームズ・ワン
リー・ワネル
脚本
ダーレン・リン・バウズマン
リー・ワネル
撮影:デヴィッド・A・アームストロング
編集:ケヴィン・グルタート
音楽:チャーリー・クローザー
出演
ジグソウ/ジョン・クレイマー:トビン・ベル
エリック・マシューズ:ドニー・ウォルバーグ
アマンダ・ヤング:ショウニー・スミス
ダニエル・マシューズ:エリック・ナドセン
ザヴィエル・チャベス:フランキー・G
アディソン・コーデイ:エマニュエル・ヴォージア
ジョナス・シンガー:グレン・プラマー
オビ・テイト:ティム・バード
ローラ・ハンター:ビヴァリー・ミッチェル
アリソン・ケリー:ディナ・メイヤー
ダニエル・リッグ:リリク・ベント
ガス・コルヤード:トニー・ナッポ
マイケル・マークス:ノーム・ジェンキンス
アダム・フォークナー:リー・ワネル
ゼップ・ヒンドル:マイケル・エマーソン
ローレンス・ゴードン:ケイリー・エルウィス
アメリカ 映画
配給 Lionsgate Films
2005年製作 93分
公開
北米:2005年10月28日
日本:2005年10月29日
製作費 $4,000,000
北米興行収入 $87,039,970
世界 $147,748,510
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
密室に閉じ込められていた情報屋のマイケル・マークス(ノーム・ジェンキンス)は、右目を傷つけられ首にマスクを装着されていた。
置かれていたモニターにビデオが映し出され、男からゲームをしたいと言われたマイケルは罪ある人間だと言われ、バネ式の内部に針が付いた”死のマスク”の鍵を時間内に見つけないと、閉じることを知らされる。
2時間前に手術される映像を確認したマイケルは、右目に鍵が入れられていることを知る。
その鍵をえぐり取ってマスクを外すか死ぬかの選択を迫られたマイケルは、苦悩する。
時間が迫り、目から鍵を取り出すことができないマイケルは、マスクが閉じたために死亡する。
刑事のエリック・マシューズ(ドニー・ウォルバーグ)は、窃盗で逮捕された息子ダニエル(エリック・ナドセン)を引き取りに行く。 妻と別れて親権を奪われたエリックは、反抗的なダニエルと口論になり、彼を突き放してしまう。 その夜、後悔したエリックは、謝罪するメッセージをダニエルの携帯電話に残す。 同僚のアリソン・ケリー(ディナ・メイヤー)からの電話を受けたエリックは、情報屋のマイケルが殺された現場に向かう。 死体を見たエリックは、それがマイケルであることを確認し、ジグソウ・ピースの傷が刻まれているため、手口がジグソウ/ジョン・クレイマー(トビン・ベル)と同じであるということでアリソンと意見が一致する。 クレイマーを追い続けているアリソンに事件を任せようとしたエリックだったが、天井に書かれた”近くで見ろマシューズ刑事”という文字を確認する。 アリソンに手伝う気はないと伝えたエリックだったが、眠っている最中に、その件でうなされる。 翌日、エリックとアリソンは、ダニエル・リッグ警部補(リリク・ベント)が指揮するSWATと共にある工場に向かう。 突入した隊員は罠で痛めつけられ、更に内部に向かったリッグらは、クレイマーを見つける。 ガンを宣告され治療しているクレイマーは、エリックから”近くに来た”と言われ、連行されることになる。 問題を解く間、自分もこの場にいなくてはならないとエリックに伝えたクレイマーは、何のことだと訊かれる。 ”あの部屋”の出来事だと言われ奥に向かったエリックとアリソンらは、モニターに映る拘束された者達を確認する。 その中にダニエルがいることに気づき驚いたエリックは、クレイマーから、約2時間でガスがダニエルらの神経組織にまで達し、体中の穴から出血すると言われる。 エリックから居場所を教えろと言われたクレイマーは、安全な場所だと答える。 ダニエルに電話をしたエリックだったが、聴こえたのはクレイマーのメッセージで、モニターの横にあったタイマーが作動していた。 拉致されてその場で目覚めたダニエル、麻薬の売人ザヴィエル・チャベス(フランキー・G)、売春婦のアディソン・コーデイ(エマニュエル・ヴォージア)、ギャングのジョナス・シンガー(グレン・プラマー)、盗癖者のローラ・ハンター(ビヴァリー・ミッチェル)、詐欺師である放火犯のオビ・テイト(ティム・バード)、横領で逮捕歴のあるガス・コルヤード(トニー・ナッポ)は、何が起きているか分からないままだった。 目覚めたヤク中のアマンダ・ヤング(ショウニー・スミス)は取り乱しそうになりながら、壁に隠されていたテープレコーダーを見つける。 内容を聴いた8人は、3時間後に家の正面扉が開くが、東京の地下鉄で起きた事件で使われた神経ガスを吸っているため、2時間しか生きられないことを知る。 この場から脱出するには、いくつか隠されている解毒剤が必要で、一つは金庫にあり、全員が開錠の番号を持っているということだった。 8人は、番号は”頭脳の後ろ”にあり、その順番は”虹の彼方”に見つかるだろうと言われる。 全員の共通点が分かれば、この場にいる理由が理解できるため、”X”に答えがあるとも知らされる。 メモを見つけたザヴィエルは、ドアを開けるには一緒にあった鍵を差し込めと書いてあったために、それに従おうとするものの、アマンダは制止する。 無視したザヴィエルは鍵を差し込み、ドアの穴を覗いたガスは、外に仕掛けられていた拳銃の弾丸で目を貫かれる。 何かを知っているアマンダからそれを聞き出そうとしたジョナスは、これはゲームであり、相手は連続殺人犯の”ジグソウ”で、自分達が生き残れるか試していると言われる。 それを知っている理由を訊かれたアマンダは、以前にもゲームをしたからだと答える。 何もできないエリックは苛立ち、リッグは、解析判を呼び画像の発信元を突きとめるようアリソンに指示する。 クレイマーから、二人だけで話したいと言われたエリックは、そうすればダニエルに会えると約束される。 場所を特定する時間を稼ぐようにと伝え、クレイマーと話したくないエリックを説得したアリソンは、彼を納得させる。 金庫の開錠の番号を探した7人は、ドアが開いたために、その場から外に出る。 解毒剤を探して家から脱出するというザヴィエルは、それを制止するジョナスに、普通の家なので出られると言い張る。 咳をしたアディソンは吐血する。 出口と書いてある木の扉に鍵を差し込んだザヴィエルだったが、開けられなかった。 クレイマーの元に向かったエリックは、ゲームをしたいと言われ、話をするのがルールで、最後までそれを守ればダニエルは戻すことを約束される。 自分の過去を知るクレイマーから、水を一杯ほしいと言われたエリックは、病気とは言え、殺人鬼とは思えない弱々しさを感じる。 バットでドアを壊したザヴィエルはだったが、外側にはシャッターがあった。 ローラが隠しドアを見つけて地下室に向かったザヴィエルらは、”オビ”と名前が貼られた、死体に見せかけた人形を見つける。 ザヴィエルはテープを再生し、オビとゲームをして仕掛けるゲームで挑戦するという相手は、解毒剤が2本あることを知らせる。 1本は皆を誘拐した自分に、もう1本は、代償を払い権利を得た者に与えるようにと指示されたオビは、ローラから襲われたと言われる。 仕方がなかったと言うオビは、ナイフを向けるザヴィエルに脅され、焼却炉の中に入り解毒剤を見つけようとする。 それを見つけたオビだったが、入口が閉まり発火したため、奥の窓を割って這い出そうとするものの焼け死ぬ。 注射器は中に入ったままだったために、ザヴィエルらは解毒剤を手に入れることはできなかった。 要求を言わず、今回の件とは全く関係ない話をし続けるクレイマーに、エリックは苛立つ。 死を知った間際に人は変わると言うクレイマーは、ローレンス・ゴードン医師からガンを宣告された日のこと思い出しながら、自分は末期ガンなので治らないが、君は正せるとエリックに伝える。 死を決意した際にこの”仕事”を思いついたと言うクレイマーは、自殺を試みるものの失敗した。 ガンに勝てないにも拘らず崖から落ちても無事だった事で、生きている限り人間の本質を試そうと考えたとクレイマーは話す。 生を尊重しない者は生きる価値がないと言うクレイマーは、ダニエルの生を尊重しているかエリックに尋ね、立去る彼にルールを守るようにと伝える。 クレイマーに勝ったアマンダに、自分達も勝てるかと尋ねたダニエルは、彼女がヤク中だったために選ばれたことを知る。 自殺未遂をして自分を傷つけたのでこの場に戻ったと言うアマンダは、ジョナスからドアを見つけたことを知らされる。 鍵はかかっていないが開かないドアを何とか開けようとしたザヴィエルは、咳込んで吐血する。 アマンダから開けない方がいいと言われるものの、強引にドアを開けたザヴィエルは、3分を切ったタイマーが付いた鉄のドアを確認する。 それを開けようとしたザヴィエルは、テープの声からゲームをしようと言われる。 麻薬の売人としてしてきたことに似ている、絶望した者に代償の代わりに希望を与えるゲームであり、今の絶望的な状況で希望を与えると言われたザヴィエルは、タイマーが切れると永遠に締まるドアの鍵を見つけるよう指示されれる。 ヒントとして”干草の中から針を見つけろ”と言われたザヴィエルは、ベッドの下にあった大量の注射器の中にアマンダを投げ入れる。 無数の注射器が刺さったアマンダは、取り乱しながら鍵を探しだすが、ザヴィエルはドアを開けることができなかった。 朦朧とするアディソンから、皆の共通点は刑務所に入っていたことだと言われたジョナスは、ダニエルが少年院に入っていいないことを確認する。 皆を見捨てたザヴィエルは、一人でその場から去る。 その様子をモニターで見ていたエリックは、アリソンから、もう少しクレイマーの相手をしてほしいと言われる。 タイマーは30分を切り、逆探知の解析判が到着し、クレイマーは、監禁されたいる者達を逮捕したのはエリックであると言って、その資料を彼に確認させる。 ダニエルが、自分を嫌う者達とゲームをしていると知ったエリックは、クレイマーから、息子の正体が分かれば大変なことになると言われる。 苦しみながら元の部屋に戻ったザヴィエルは、”番号は頭の後ろにある”、”虹の彼方”に見つかるだろうという言葉を思い出し、ガスの死体の首筋の数字”2”を確認する。 その場に戻って来たジョナスに協力し合うことを提案されたザヴィエルは、それを拒み、彼の数字を確かめようとして襲い掛かる。 バットでジョナスをなぐり殺したザヴィエルは、彼の数字”16”を確認する。 意識を失いかけるローラが壁の額の文字”X”に気づき、それに答えがあると言われていたため、アディソンがその裏を調べる。 自分を刑務所に入れたエリックとダニエルが写っている写真を見つけたアディソンは、二人が親子だと知る。 発作を起こしたローラは息を引き取り、誰も信用できないと言うアディソンはその場を去る。 エリックが全員を逮捕したことが共通点だと分かったと言うアマンダに、自分は何も知らなかったとダニエルは伝える。 ザヴィエルの声がしため部屋に戻ったアマンダは、ジョナスが殺されていることに気づく。 オビの数字が”11”であることを確認したザヴィエルは、ふらつきながらアマンダとダニエルを捜す。 死んでいるローラの数字”8”を確認したザヴィエルは、落ちていたマシューズ親子の写真を見て驚く。 アマンダとダニエルを見つけたザヴィエルは、二人を追う。 モニターを見ていられないエリックは、銃を持ってクレイマーの元に向かい、彼を徹底的に傷めつける。 ある部屋に入ったアディソンは、ケースに入った解毒剤の注射器をみつけるものの、手が抜けなくなってしまう。 そこに現れたザヴィエルは、アディソンの首筋の数字”9”を確認して、彼女を置き去りにする。 無線を壊したエリックに銃を向けられて脅されたクレイマーは、家に連れて行くと伝える。 エリックとクレイマーは、その場から脱出して車で家に向かい、ビデオの発信地を突きとめたアリソンは、それをリッグに伝える。 ダニエルと共に、ドアを閉めてザヴィエルが入ってこれないようにしたアマンダは、金庫の下の床の扉を見つける。 金庫を動かしたアマンダは鍵がかかっていることに気づき、ジョナスが鍵を持っていることをダニエルが思い出し、それを使って扉を開ける。 家に着いたエリックは、クレイマーから鍵を渡されて中に入る。 部屋に押入ったザヴィエルは、床の扉を見つけて地下に向かう。 エリックはローラの死体を確認し、リッグらSWATも家に到着して中に入る。 逃げ込んだ場所が、かつてのゲーム現場だと気づいたアマンダは、現れたザヴィエルから、首の数字を知りたいと言われる。 自分の数字が分からないはずだと言われたザヴィエルは、首の皮をナイフで剥ぐ。 襲い掛かって来たザヴィエルに抵抗したダニエルは、彼の首を鉄ノコで切り殺す。 アリソンから、モニターに自分達の姿が映っていないと言われたリッグは、その場にあった複数のモニターとビデオデッキを見つける。 映像が録画だと気づいたアリソンは、リッグから、この場は違う家であり罠だと言われる。 ザヴィエルとミイラ化したアダム・フォークナーとゼップ・ヒンドルの死体を見つけたエリックは、バスタブにいる何者かがダニエルかを確認する。 ブタのマスクを被った者に襲われて、足に注射を打たれたエリックは意識を失う。 タイマーが切れた瞬間、奥の部屋の金庫が開いたことに気づいたアリソンは、中にいたダニエルを救い出す。 意識が戻ったエリックは、その場に落ちていたテープを再生し、自分の人生を変えて刑務所に入れたと言アマンダの声を聴く。 麻薬所持はエリックのでっち上げだと言うアマンダは、クレイマーを師と考え組んでいた自分が、彼の死後”仕事”を引き継ぐことを伝える。 その場に現れたアマンダは、”ゲームオーバー”と言ってドアを閉め、エリックを閉じ込める。 エリックの叫び声を聴きながら微笑むクレイマーは、計画が完璧に終了したことに満足する。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ソウ」(2004)
・「ソウ2」(2005)
・「ソウ3」(2006)
・「ソウ4」(2007)
・「ソウ5」(2008)
・「ソウ6」(2009)
・「ソウ ザ・ファイナル 3D」(2010)
・「ジグソウ:ソウ・レガシー」(2017)
・「スパイラル:ソウ オールリセット」(2021)
*(簡略ストー リー)
連続猟奇殺人犯とされる男ジグソウ/ジョン・クレイマーの犯行と思われる殺人事件が起きる。
刑事のエリック・マシューズは、クレイマーを追い続ける同僚のアリソンと共に彼を見つけて逮捕しようとする。
ところが、クレイマーにより8人の者達が密室に閉じ込められていることが分かり、その中に息子のダニエルがいることに気づいたエリックは驚く。
エリックは、神経ガスを吸わされているダニエルらの居場所を突きとめるため、ゲームを始めると言うクレイマーから、その場所を聞き出そうとするのだが・・・。
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わずか120万ドルの製作費にも拘らず、全世界で1億ドルを超すヒットを記録したサイコ・スリラー「ソウ」(2004)の続編。
前作の監督ジェームズ・ワンは製作総指揮を、リー・ワネル(1作目:脚本・出演)も、製作総指揮と脚本を担当している。
”連続猟奇殺人犯とされる男”の犯行と言うことで、犯人が直接手を下すのではなく、”ゲーム”に負けた者達が様々な仕掛けや、ある理由によって命を落としていくという、斬新なアイデアにより熱狂的な支持を受けてシリーズ化された。
犯人の哲学的な思想に翻弄される、凡庸な者達の慌てふためく姿と恐怖を生々しく描く、ダーレン・リン・バウズマンの演出は評価され、その後の2作も監督することになる。
ある重要な共通点をヒントに、その場に集められた謎が次第に解けていく脚本も面白味があり、観る者を画面に引き込む。
本作の製作費も400万ドルであり、北米興行収入は約8700万ドル、全世界では約1億4800万ドルという、前作を上回る大ヒットとなった。
死のゲームを実行する猟奇殺人鬼ジグソウ/ジョン・クレイマーを雰囲気ある演技で演ずるトビン・ベル、彼の計画により息子(エリック・ナドセン)を拉致され監禁される刑事のドニー・ウォルバーグ、監禁されるヤク中の女性から、計画の実行者だったことが分かるショウニー・スミス、同じく監禁される麻薬の売人のフランキー・G、売春婦のエマニュエル・ヴォージア、ギャングのグレン・プラマー、詐欺師である放火犯のティム・バード、盗癖者のビヴァリー・ミッチェル、ジグソウを追う刑事のディナ・メイヤー、SWATの指揮官リリク・ベント、横領で逮捕歴のあるトニー・ナッポ、冒頭で殺される情報屋のノーム・ジェンキンス、1作目のゲーム参加者でにイラ化した死体で登場するリー・ワネルとマイケル・エマーソン、主人公の主治医だったケイリー・エルウィス(診察室のネームプレートだけしか登場しない)などが共演している。