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サイコ3 Psycho III (1986)

アルフレッド・ヒッチコックによるサイコ・スリラーの傑作「サイコ」シリーズ第3作。
”母”の幻影に惑わされる精神異常者ノーマン・ベイツの苦悩を描く、監督、主演アンソニー・パーキンスダイアナ・スカーウィッドジェフ・フェイヒーロバータ・マクスウェル他共演のスリラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー

アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock 作品一覧
アルフレッド・ヒッチコック / Alfred Hitchcock / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:アンソニー・パーキンス

製作:ヒルトン・A・グリーン
原作:ロバート・ブロック(キャラクター)
脚本:チャールズ・エドワード・ポーグ
撮影:ブルース・サーティース
編集:デヴィッド・ブルウィット
音楽:カーター・バーウェル

出演
ノーマン・ベイツ:アンソニー・パーキンス
モーリーン・コイル:ダイアナ・スカーウィッド
デュエイン・デューク:ジェフ・フェイヒー
トレイシー・ヴェナブル:ロバータ・マクスウェル
ジョン・ハント保安官:ヒュー・ギリン
ラルフ・スタットラー:ロバート・アラン・ブラウン
ブライアン神父:ゲイリー・ベイヤー
マーナ:リー・ガーリントン
カイル:ドノヴァン・スコット
シスター・キャサリン:カレン・ヘンゼル
ルー:ジャック・マードック
パッツィ・ボイル:カット・シェア
レッド:ジュリエット・カミンズ
マリオン・クレイン:ジャネット・リー
エマ・スプール:クローディア・ブライアー

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1986年製作 93分
公開
北米:1986年7月2日
日本:1986年11月15日
製作費 $8,400,000
北米興行収入 $14,481,610


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
精神的な問題を抱える修道女のモーリーン・コイル(ダイアナ・スカーウィッド)は、塔に上がり自殺しようとする。

モーリーンを助けようとしたシスター・キャサリン(カレン・ヘンゼル)は、落下死してしまう。

修道院を去ったモーリーンは、街道でデュエイン・デューク(ジェフ・フェイヒー)の車に乗せてもらう。

ミュージシャンを目指すデュエインは、ロサンゼルスでロックスターになるのが夢だった。

夜になり、大雨のために車を止めたデュエインは、眠っていたモーリーンに迫るものの拒まれる。

動揺するモーリーンは車を降り、デュエインは、トランクを放り投げて走り去る。

ベイツ・モーテル。
エサに毒を混ぜたノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)は、小鳥を殺して剥製を作る。

ノーマンは、本当の母親だと自分に告白したエマ・スプール(クローディア・ブライアー)を殺したことを思い出す。

エマは、依然として行方不明のままだった。

モーテルに着いたデュエインは、スタッフを募集している看板を見て、その件をノーマンに尋ねる。

デュエインを雇い昼間の仕事を任せることにしたノーマンは、以前、働いたラルフ・スタットラー(ロバート・アラン・ブラウン)のダイナーに向かう。

ラルフは、ウエイトレスのエマが1か月も連絡をよこさないことを不思議に思い、ジョン・ハント保安官(ヒュー・ギリン)とそのことについて話す。
...全てを見る(結末あり)

その話を聞いていたロサンゼルスのジャーナリスト、トレイシー・ヴェナブル(ロバータ・マクスウェル)は、ノーマンに会いに来たことを2人に伝える。

ハントとラルフは、罪を償った哀れなノーマンに同情していたために、詮索しようとするトレイシーのことをよく思わない。

そこにノーマンが現れ、ハントに釘を刺されたトレイシーは、それを無視してノーマンの席に向かい話しかける。

ノーマンは、トレイシーが異常犯罪者に関する記事を書いていることを知る。

ハントはノーマンを気遣うものの、トレイシーに追い払われる。

冷静に対処しようとしたノーマンは、トラックから降りるモーリーンの姿を見て動揺する。

”マリオン・クレイン”に似ているモーリーンが気になるノーマンは、店に入ってきた彼女のトランクのイニシャルが”M.C.”だったために驚く。

クレイン(ジャネット・リー)を殺した時のことを思い出したノーマンは、トレイシーの話を聞かずに席を立つ。

モーリーンが宿を探していることを知ったノーマンは、慌てて店を出る。

ノーマンが持ち帰ったハンバーガーを食べていたデュエインは、モーリーンが来たことに気づき、宿泊するつもりの彼女に部屋の鍵を渡す。

デュエインは、モーリーンから渡された角が破れた5ドル紙幣をポケットに入れる。

ノーマンは、モーリーンがデュエインとオフィスに入る姿が見えたのでその場に向かい、彼女と目が合い微笑む。

デュエインがモーリーンを1号室に入れたことを知ったノーマンは動揺し、彼女を気にしていることでデュエインに冷やかされる。

”母”にモーリーンのことを話したノーマンは、マリオンと同じイニシャルだと伝える。

邪魔なら殺してしまえばいいとノーマンに伝えた”母”は、嫌なら自分がやると伝える。

モーリーンは、部屋に置いてある聖書を見て、修道院のことを思い出して苦しむ。

夜になり、町のバーに向かったデュエインは、その場にいたトレイシーに話しかけるものの相手にされない。

デュエインが持っていたベイツ・モーテルのマッチに気づいたトレイシーは、彼がそこで働いていることを知り、態度を変えて話をしようとする。

オフィスにいたノーマンは、のぞき穴で1号室の中を見る。

ノーマンは、全裸になったモーリーンが浴室に向かったことを確認し、”母”に扮してナイフを手にして1号室に入る。

浴室のモーリーンが手首を切って自殺を図ったことを知ったノーマンは、呆然とする。

意識が朦朧とするモーリーンは、”母”に扮してナイフを手にするノーマンを、”聖母マリア”が十字架を持っている姿と見間違える。

デュエインはトレイシーからノーマンの話を聞き、エマを殺した可能性がある彼が、今日、現れたモーリーンを見て驚いた様子だったことを伝える。

トレイシーはその場を去り、デュエインは、他のテーブルにいた女性たちを気にする。

ノーマンはモーリーンを病院に連れて行き、手当てを受けた彼女は、カウンセラーのブライアン神父と話をする。

事件を知ったトレイシーは病院に向かい、その場にいたハントに、モーリーンを助けたノーマンのことを疑うべきだと伝える。

モーリーンに感謝されたノーマンは、治るまでモーテルにいていいと伝える。

帰宅したノーマンは、”母”を批判する。

ノーマンは、デュエインがバーから連れて来た女性レッド(ジュリエット・カミンズ)と話し、部屋に誘われる。

デュエインと愛し合ったレッドは、これから仕事なので帰れと言われ、タクシー代(角が敗れた5ドル紙幣)を渡される。

部屋から追い出されたレッドは、電話ボックスでタクシーを呼ぼうとするが、ノーマンの”母”にナイフで刺し殺される。

それに気づいたノーマンは、”母”を責める。

翌朝、目覚めたデュエインは、電話ボックスを掃除しているノーマンに声をかけてオフィスに向かい、レジにレッドに渡した5ドル紙幣があることに気づく。

ブライアン神父と話をしたモーリーンは、修道院で肉欲を抑えきれない不安に襲われたことと、浴槽では、銀の十字架を手にした聖母マリアが現れたことを話す。

デュエインは5ドル紙幣のことをトレイシーに話し、両替したのだろうと言われ、モーリーンを病院に迎えに行ったノーマンは留守だと伝える。

高校のフットボールの試合の応援のために宿泊するカイル(ドノヴァン・スコット)らは、大騒ぎをしていた。

そこにモーリーンを連れたノーマンが戻り、家に向かうトレイシーに気づき、彼女を追い払う。

モーリーンは、雨で濡れてしまった洋服をノーマンがクリーニングに出してくれたことを知り、彼に感謝する。

エマのアパートに向かったトレイシーは、家主のルー(ジャック・マードック)に中を見る許可を得る。

部屋を調べたトレイシーは、雑誌に書かれた数字が、ベイツ・モーテルの電話番号であることを確認する。

モーリーンと外出して食事をしたノーマンは、雨の中モーテルに戻る。

雷の光で家に女性がいたように思えたモーリーンは、それをノーマンに伝える。

2人は求め合いキスしてベッドに横たわるものの、ノーマンは、正しくないことだと言って何もできないとモーリーンに伝える。

その後、眠っていたモーリーンは、カイルらの仲間のパッツィ・ボイル(カット・シェア)に起こされ、声をかけられる。

”母”と話していたノーマンは、家に来たモーリーンに部屋に戻るよう指示する。

トイレにいたパッツィは、現れたノーマンの”母”に殺される。

パッツィの死体を発見したノーマンは驚き、それを隠す。

翌日、目覚めたモーリーンは、ハントと保安官補レオが来ていることに気づいて動揺し、トレイシーから話を聞く。

行方が分からなくなったパッツィの件をノーマンに伝えたハントは、家の中を調べるものの、異常はなかった。

帰ろうとしたハントは、アイスボックスの氷を取り出そうとする。

パッツィの死体をその中に隠してあったノーマンは焦るものの、ハントは、血のついた氷を口に入れても気づかなかった。

ノーマンと一緒にいたと言うモーリーンの言葉を信じたハントは、レオと共に引き揚げる。

トレイシーからノーマンの過去を聞いたモーリーンは、ブライアン神父の世話になることをノーマンに伝えて、タクシーでその場を去る。

”母”を捜すノーマンは、12号室にいるというメモを見つけてその場に向かう。

部屋にいたデュエインは、ノーマンにエマ(母)のミイラ化した死体を見せて金を要求する。

ノーマンは、揉み合いになったデュエインを叩きのめし、意識を失うまで彼のギターで殴る。

トレイシーはダイナーでラルフから話を聞き、エマが前の店の持ち主ハーヴェイ・リーチの時代からウエイトレスをしていたことを知る。

老人ホームに向かいハーヴェイに会ったトレイシーは、殺人を犯したエマが精神病院にいたという話を聞く。

ブライアンと話したモーリーンは、ノーマンに出会えたのは神の導きだと考え、窓際の女性は聖母マリアだと言って彼の元に戻る。

その後、トレイシーはベイツ家で起きた殺人事件を調べ、殺されたベイツの妻の妹が逮捕されて、子供は無事だったことを知る。

デュエインとパッツィの死体を車に乗せたノーマンは、雨の中、街道を走る。

生きていたデュエインに襲われたノーマンは、首を絞められて苦しみ、アクセルを踏み込んだために、車は沼地に沈んでしまう。

ノーマンは車から脱出するが、デュエイン溺れ死ぬ。

トレイシーは、自分の調査結果をブライアンに話し、これを知らせればモーリーンも考えを変えるはずだと伝える。

ノーマンが戻ったことを知り家に向かったモーリーンは、階段を上がり彼の手を握る。

”母”に話しかけられたノーマンは手を離してしまい、階段から落下知ったモーリーンは、後頭部にキューピットの矢が刺さり死亡する。

激怒したノーマンは、叫び声をあげて”母”を非難する。

モーテルに着きモーリーンの部屋を調べたトレイシーは、声が聴こえる家に向かう。

モーリーンの死体を見つけたトレイシーは、”母”に扮したノーマンに襲われそうになり逃げようとする。

トレイシーは、叔母エマは姉ノーマの夫を愛したが、姉と結婚したために彼を殺し、ノーマンを自分の子だと思い誘拐したことを話しながら逃げる。

精神異常だったエマは病院に入れられたと言うトレイシーは、彼女のミイラ化した死体を発見する。

”母”はトレイシーを殺すようノーマンに命ずるが、”母”の服を脱いだ彼は、エマの死体に襲いかかりバラバラにする。

夜が明けて、駆け付けたハントは、連行するノーマンをパトカーに乗せようとする。

信用したのに裏切られたと言うハントは、一生、出られないだろうとノーマンに伝える。

その様子を、レイシーとブライアン神父は見つめる。

ノーマンは、やっと自由になれたとハントに伝える。

警察署に向かうパトカーの後部座席に座るノーマンは、隠し持っていたエマの腕をさすりながら笑みを浮かべる。


解説 評価 感想

参考:
・「サイコ」(1960)
・「サイコ2」(1983)
・「サイコ3」(1986)
・「サイコ4」(1990)

*(簡略ストー リー)
モーテルを再開し平穏に暮らしていたノーマン・ベイツは、ミュージシャン志望の青年デュエインを雇う。
そんな時ノーマンは、修道院を去り町にたどり着いたモーリーンが、かつて殺したマリオン・クレインに似ていたために動揺する。
実の母エマ・スプールを殺したノーマンは、彼女の捜索が続く中、現れたモーリーンを殺すよう”母”に指示される。
精神を病むモーリーンは自殺を図り、それに気づき助けたノーマンは、彼女と親交を深めるのだが・・・。
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アルフレッド・ヒッチコックによるサイコ・スリラーの傑作「サイコ」シリーズ第3作。

”母”の幻影に惑わされる精神異常者ノーマン・ベイツの苦悩を描くスリラー。

当たり役となった”ノーマン・ベイツ”を演ずるアンソニー・パーキンスが、監督を兼ねたことで話題になった作品。

前作で明らかになったベイツ家の真実を更に発展させる内容であり、ノーマンに実母だと告白して殺された、叔母エマ・スプール失踪から1か月後の出来事が描かれている。

また、1作目の犠牲者ジャネット・リーが演じた”マリオン・クレイン”に似た女性の出現で、平穏な暮らしをしようとしていたノーマンが動揺し、さらに異常犯罪者について調べる記者も登場させて、主人公が混乱していくという演出となっている。
そのため、前2作の内容をチェックしてから鑑賞することをお勧めします。(と言うか、本作だけ見ても内容が理解できない)

ノーマン・ベイツを演ずる主演のアンソニー・パーキンスは、周囲からも正常だと認められ平穏な生活を望んでいたものの、あることをきっかけに再び混乱して殺人鬼となる主人公を熱演している。

精神的に不安定なままノーマンと出会い事件に巻き込まれる元修道女ダイアナ・スカーウィッド、ノーマンに雇われるミュージシャン志望の青年ジェフ・フェイヒー、ノーマンをつけ回して調べる記者のロバータ・マクスウェル、前作にも登場する町の保安官ヒュー・ギリン、前作でノーマンを雇ったダイナーの主人ロバート・アラン・ブラウン、ヒロインをカウンセリングする神父のゲイリー・ベイヤー、ダイナーのウエイトレス役リー・ガーリントン、モーテルで騒ぐ宿泊客ドノヴァン・スコット、その友人でノーマンに殺されるカット・シェア、冒頭で塔から落下して死亡するシスターのカレン・ヘンゼル、ノーマンの実母エマ・スプール(クローディア・ブライアー)のアパートの家主ジャック・マードック、ノーマンに殺される女性ジュリエット・カミンズ、そして、マリオン・クレイン役のジャネット・リーが過去の映像で登場する。


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