クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスによる2本立映画「グラインドハウス」(2007)のうちの「プラネット・テラー」にカットシーンを加えを、再編集して一本の作品にしたエクスプロイテーション映画。 生物化学兵器ガスを吸いゾンビ化した人間との戦いに挑む者達を描く、製作、出演クエンティン・タランティーノ、製作、監督、脚本、撮影、出演ロバート・ロドリゲス、主演ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス、ジョシュ・ブローリン、マーリー・シェルトン、マイケル・ビーン、ブルース・ウィリス他共演の犯罪アクション。 |
・ブルース・ウィリス / Bruce Willis 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・ロドリゲス
製作
エリザベス・アヴェラン
クエンティン・タランティーノ
ロバート・ロドリゲス
製作総指揮
ハーヴェイ・ワインスタイン
ボブ・ワインスタイン
脚本:ロバート・ロドリゲス
撮影:ロバート・ロドリゲス
編集:ロバート・ロドリゲス
音楽:ロバート・ロドリゲス
出演
チェリー・ダーリン:ローズ・マッゴーワン
エル・レイ:フレディ・ロドリゲス
ウィリアム・ブロック医師:ジョシュ・ブローリン
ダコタ・ブロック医師:マーリー・シェルトン
ヘイグ保安官:マイケル・ビーン
マルドゥーン中尉:ブルース・ウィリス
トニー・ブロック:レベル・ロドリゲス
アール・マクグロウ:マイケル・パークス
J.T.ヘイグ:ジェフ・フェイヒー
トロ保安官補:トム・サヴィーニ
カルロス保安官補:カルロス・ガラルドー
アビー:ナヴィーン・アンドリュース
兵士/強姦魔:クエンティン・タランティーノ
タミー:ファーギー
ベビーシッター:エレクトラ&エリース・アヴェラン
ロミー:ジュリオ・オスカー・メチョソ
追加シーンのナレーター:コーリー・バートン
アメリカ 映画
配給 ディメンション・フィルムズ
2007年製作 105分
公開
北米:2007年4月6日
日本:2007年9月22日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
テキサス。
田舎町のゴーゴー・ダンサー、チェリー・ダーリン(ローズ・マッゴーワン)は、仕事を終えて帰る途中、数台の軍用トラックに轢かれそうになる。
軍事基地に着きトラックから降りた科学者で実業家のアビー(ナヴィーン・アンドリュース)は、その場にいたロミー(ジュリオ・オスカー・メチョソ)と話をする。
怯えるロミーの睾丸を切り落とすよう兵士に指示したアビーは、取引しようとしたマルドゥーン中尉(ブルース・ウィリス)から、例のブツを要求される。
取り押さえられたアビーはその場にあった装置を銃撃し、それからガスが噴き出し、隙を見て逃亡する。
車がオーバーヒートしたタミー(ファーギー)は、バーベキュー店”ボーン・シャック”を経営するJ.T.ヘイグ(ジェフ・フェイヒー)から水をもらう。
医師のウィリアム・ブロック(ジョシュ・ブローリン)は、同じ医師で妻のダコタ(マーリー・シェルトン)の浮気に気づいていた。 J.T.の店に寄ったチェリーは、太ももに刺さったガラスの破片を取り除く。 その場に現れた解体屋のエル・レイ(フレディ・ロドリゲス)は、別れた恋人のチェリーがいることに気づき話をする。 挨拶程度の話で去ろうとしたエル・レイは、チェリーに乗せてほしいと言われる。 腕を咬まれた患者ジョーを診たブロックは、彼の舌がただれ傷が広がり始めたために驚く。 ブロックに指示されたダコタはジョーに注射を打ち、彼は意識を失う。 軍事基地まで2マイルの地点で再び車が止まったタミーは、携帯電話も通信不能だったために歩き始めるののの、道路で何者かに襲われて殺される。 それに気づいたエル・レイだったが、轢かれた動物だとチェリーに伝える。 道路の何かを避けようとしたエル・レイは、ハンドルを誤り横転してしまう。 二人は何者かに襲われ、銃を持ったエル・レイは、連れ去られてチェリーを追う。 相手が何かに感染したようなゾンビ化した人間であることを確認したエル・レイは、右脚を食いちぎられたチェリーを病院に運ぶ。 ブロックに状況を説明したエル・レイは、駆け付けたヘイグ保安官(マイケル・ビーン)から、銃を発砲したことなどについて尋問される。 エル・レイは、異様な状態で病院に来ている患者が気になる。 J.T.は、店に近づく者達を、レシピを盗みにきたライバル店のスパイだと思う。 運ばれてきた死体を確認したブロックは驚き、ダコタを呼ぶ。 ダコタの父親であるテキサス・レンジャーのアール・マクグロウ(マイケル・パークス)は、警察署に連行されたエル・レイに声をかけてその場を去る。 エル・レイは、ヘイグから銃とチェリーのことを訊かれる。 目覚めたチェリーは、右脚を失ったことを知り動揺する。 兄のJ.T.から電話を受けたヘイグは、店の前に不審者がいることを知らされる。 おぞましい姿のゾンビ達は、J.T.の店に押し入る。 脳が吸い取られようなタミーの死体を見せられたダコタは驚き、動揺してその場を去る。 レズビアンのタミーと関係していたダコタを抱き寄せるブロックは、別れたという彼女に、携帯電話のメールを見せるよう指示する。 それを拒むダコタの手に注射を打って脅したブロックは、メールを確認する。 ダコタを責めて別の注射を打とうとしたブロックは、死体が消えたことを知らされる。 騒いでいた男に指を食いちぎられたことを保安官補のトロ(トム・サヴィーニ)から知らされたヘイグは、保安官補のカルロス(カルロス・ガラルドー)と共に外に向かう。 カルロスはゾンビに襲われ、ヘイグが彼らを銃撃する。 加勢するエル・レイに助けられてブロックは、チェリーを迎えに行くと言う彼のトラックで病院に向かう。 病院内では感染者は増え続け、ゾンビ化したジョーに気づいたブロックは、襲い掛かる彼に傷口の膿を擦り付けられる。 重病の妻ラモーナに食事を与えていたアールは、ヘイグからの緊急連絡を受けて出かけようとするものの、感染者だった彼女に襲われる。 窓から飛び降りて病院から脱出したダコタは、両手首が麻痺している状態で車で逃げ去る。 病院に着いたエル・レイとヘイグは、その惨状に驚く。 チェリーの病室に向かったエル・レイは、彼女の片足にテーブルの脚をつける。 エル・レイは、ゾンビを倒しながらチェリーを外に連れ出す。 ブロックとダコタの息子トニー(レベル・ロドリゲス)は、ベビーシッターの双子(エレクトラ&エリース・アヴェラン)と共に過ごしていた。 帰宅したダコタは双子を帰し、トニーを連れて家を出る。 J.T.の店でエル・レイらと合流したヘイグは、全員を保安官補にして店に押し入る。 無事だったJ.T.がゾンビを殺したことを知ったヘイグは、その場から脱出する方法を考える。 アールの家に向かったダコタは、トニーに銃を渡して打ち方を教えて車を降りる。 銃声がしたために車に戻ったダコタは、トニーが誤って自分を撃ってしまったことを知り、そこに現れた感染したブロックに襲われる。 トニーを抱きかかえ、アールに入り口を開けてもらったダコタは、いがみ合っていた父に助けを求めて家に入れてもらう。 自分のジャケットを着ていたチェリーに、ポケットの中の指輪を確認させたエル・レイは、彼女と愛し合う。 その後、戦いは始まり、トロは誤ってヘイグを撃ってしまう。 ダコタとトニーらを連れたアールが現れ、エル・レイを信じたヘイグは、彼に後を任せて銃を渡す。 再び戦いが始まり、トロがゾンビに殺される。 エル・レイは、トラックを店まで運び皆を連れ出すことを考える。 チェリーがトラクックに向かい、それに乗り店に突っ込む。 J.T.は双子を車に乗せて、ヘイグはトラックを運転する。 チェリーはダコタと共にバイクに乗り、エル・レイはポケット・バイクでその場から離れる。 橋でゾンビの集団に道を塞がれたエル・レイらは、その背後から現れたマルドゥーンの部隊に救われるものの、彼らに捕らえられる。 軍事基地で拘束されたエル・レイは、その場にいたアビーから声をかけられる。 アビーを道で見かけていたチェリーは、彼がマルドゥーンの仲間だとエル・レイに伝える。 自分は科学者で実業家だと言うアビーは、ヘイグから、今起きていることの説明を求められる。 マルドゥーンらが生物化学兵器”DC-2”別名”プロジェクト・テラー”を盗み、それが人間を抹殺するためのガスだとアビーは皆に話す。 真下にある貯蔵所を知られたと言うアビーは、ガスを吸い続けて症状が出るのを遅らせるしかないと伝える。 ガスに反応しない者もいるため、それが治療のカギだと言うアビーは、海を背にして戦えば対抗できるとので、メキシコに向かうことをエル・レイから提案される。 アビーは、世界中の人間が感染してしまうため、研究所で解毒剤を完成させるとエル・レイに伝える。 その場に現れた兵士(クエンティン・タランティーノ)は、レイプ目的でチェリーとダコタを連れ出して脅す。 負傷しながら手を貸してくれたJ.T.と兵士を倒したエル・レイは、アビーと共にマルドゥーンの元に向かう。 ブツを運び出そうとするマルドゥーンは、アフガニスタンの国境で”ウサーマ・ビン・ラーディン”を追い、殺したのは自分だとエル・レイとアビーに話す。 ”DC-2”を浴びてしまったマルドゥーンは、それを吸い続けろとアビーから言われたと話しながら、おぞましい姿に変身する。 エル・レイとアビーは、マルドゥーンを銃撃する。 兵士に銃を向けられて踊るよう指示されたチェリーは、それに従うものの隙を見て抵抗し、彼の目にテーブルの脚を突き刺す。 チェリーをレイプしようとした兵士だったが、ガスを吸っていなかったために性器が解け落ちてしまう。 ダコタが注射器を兵士に向けて発射し、現れたエル・レイとアビーがもう一人の兵士を射殺する。 チェリーの脚に”M4カービン”を付けたエル・レイは、それで攻撃するよう彼女に指示する。 発砲したチェリーは兵士をドアごと吹き飛ばし、その他の兵士も射殺する。 ヘリコプターに全員乗れると考えたエル・レイは、負傷したヘイグとJ.T.に爆弾の起爆装置を渡し、チェリーをバイクの後ろに乗せて外に出る。 チェリーは兵士達を倒し、ヘリの元に向かおうとするものの、アビーが頭部を吹き飛ばされる。 知りたがっていたレシピをヘイグに教えたJ.T.は、彼が息を引き取ったことを確認して、その場を爆破する。 チェリーが兵士達を倒し皆をヘリに近づけるが、エル・レイが撃たれてしまう。 ヘリに乗り込もうとしたダコタは、その場にいたブロックに襲われそうになるが、アールが彼を射殺する。 ダコタは、ブロックが大嫌いだったと言うアールと共にヘリに乗り込む。 瀕死のエル・レイを励ますチェリーだったが、彼は息を引き取る。 チェリーは、ヘリのダコタが下したロープにつかまりその場を去る。 メキシコ。
...全てを見る(結末あり)
生存者を引き連れて海を背にした地に到着したチェリーは、生まれた娘を背負いながらエル・レイのことを想う。
参考:
・「デス・プルーフ in グラインドハウス」(2007)
・「プラネット・テラー in グラインドハウス」(2007)
*(簡略ストー リー)
テキサス。
田舎町のゴーゴー・ダンサー、チェリー・ダーリンは、元恋人のエル・レイと共に何者かに襲われ、彼女の右脚は食いちぎられる。
生物化学兵器ガスの噴出により人々は感染してゾンビ化し、住民を襲い始めていたのだった。
チェリーを病院に運んだエル・レイは、発砲騒ぎなどを起こしたためにヘイグ保安官に逮捕される。
ヘイグに尋問されたエル・レイは、襲い掛かってくるゾンビに対抗するため、協力し合い戦いに挑もうとするのだが・・・。
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クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスによる2本立映画「グラインドハウス」(2007)の「プラネット・テラー」を再編集したエクスプロイテーション映画。
「デス・プルーフ」(2007)同様、あえてB級作品のように見せる演出と品質の悪さを強調する映像が特徴である、正にクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスの作品らしいシーンが展開するバイオレンス・アクション。
生物化学兵器のガスの影響でゾンビ化した人間が住民に襲い掛かる物語は月並みなように思えるものの、対決の手法に様々な工夫が凝らされた内容であり、ファンであれば十分に楽しめる内容だ。
公開当時は存在しない作品「マチェーテ」の予告編が冒頭に挿入されているが、3年後に劇場用映画として製作された同作が公開された。
ゾンビに足を食いちぎられるものの、終盤にかけて勇敢に戦うゴーゴー・ダンサーのローズ・マッゴーワン、その元恋人で、小柄ながら戦士のような戦いぶりが実に頼もしいフレディ・ロドリゲス、町の病院に勤務する医師ジョシュ・ブローリン、その妻で同じ医師のマーリー・シェルトン、その息子レベル・ロドリゲス、その祖父でテキサス・レンジャーのマイケル・パークス、保安官のマイケル・ビーン、その兄でバーベキュー店オーナーのジェフ・フェイヒー、生物化学兵器を奪おうとする軍人ブルース・ウィリス、保安官補のトム・サヴィーニとカルロス・ガラルドー、科学者であり実業家のナヴィーン・アンドリュース、彼に殺されるジュリオ・オスカー・メチョソ、兵士であり強姦魔のクエンティン・タランティーノ、ゾンビ化する女性でダコタと関係するレズビアンのファーギー、ベビーシッターのエレクトラ&エリース・アヴェランなどが共演してい、冒頭の「マチェーテ」の予告編ナレーターはコーリー・バートン、ロバート・ロドリゲスもカメを出演している。