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ナイト・オブ・ザ・リビングデッド Night of the Living Dead (1968)

死者が甦り”グール(屍食鬼)”と化し人々に襲い掛かる恐怖を描く、ジョージ・A・ロメロ原案、監督、脚本、撮影、編集、主演デュアン・ジョーンズジュディス・オーディア他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:ジョージ・A・ロメロ
製作
ラッセル・ストライナー
カール・ハードマン
原案:ジョージ・A・ロメロ
脚本
ジョン・A・ルッソ
ジョージ・A・ロメロ
撮影:ジョージ・A・ロメロ
編集:ジョージ・A・ロメロ

出演
ベン:デュアン・ジョーンズ
バーバラ:ジュディス・オーディア
ハリー・クーパー:カール・ハードマン
ヘレン・クーパー:マリリン・イーストマン
トム:キース・ウェイン
ジュディ:ジュディス・リドリー
カレン・クーパー:カイラ・ショーン
ニュースキャスター/グール:チャールズ・グレッグ
墓地のグール:ビル・ハインツマン
コナン・マクレランド保安官:ジョージ・コサナ
ジョニー:ラッセル・ストライナー
TVリポーター:ビル”チリー・ビリー”カーディル
ワシントンD.C.のリポーター:ジョージ・A・ロメロ

アメリカ 映画
配給 Continental Distributing
1968年製作 96分
公開
北米:1968年10月4日
日本:未公開
製作費 $114,000
北米興行収入 $236,450


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ペンシルベニア州、バトラー郡
ジョニー(ラッセル・ストライナー)と妹のバーバラ(ジュディス・オーディア)は、父の墓参りに向かう。

墓地に着いたジョニーは、ラジオ局の異変を気にしながら車を降りる。

二人は父の墓に花を供え、天候が悪化する様子だったために、ジョニーは早く帰ろうとする。

子供の頃の怖い体験の話をされたバーバラは、それを嫌がり、不審な男(ビル・ハインツマン)を目撃したジョニーは、襲われると言って彼女を脅す。

近づいて来た男はバーバラに襲い掛かり、ジョニーが助けようとしてもみ合いになる。

倒されたジョニーは、墓石で頭を打って気を失う。

その場から逃げたバーバラは車に戻るものの、キーがないことに気づき動揺する。
...全てを見る(結末あり)

ロックしたバーバラは、迫る男が窓を割ったために、サイドブレーキを外し坂を下り停車する。

車から降りたバーバラは走り続け、民家に逃げ込む。

電話が不通であることを確認したバーバラは、何人もの男たちが迫ることを確認する。

二階に向かったバーバラは、惨殺死体を見つけて驚く。

外に出たバーバラは、トラックで逃げて来た黒人男性ベン(デュアン・ジョーンズ)と共に家に入り、ガス欠なので給油しようとしたが、ポンプがロックされていたことを彼から知らされる。

電話が使えないことを確認しベンは、バーバラに話しかけるものの、ショックを受けた彼女は何も話さない。

二階の死体を確認したベンは、バーバラを連れて逃げようとするが、二人の男がトラックを壊そうとしていることに気づき彼らを殺す。

家に侵入してきた男も殺したベンは、何人もが迫ることを知り、死体を運び出す。

バーバラは、ベンが殺したはずの男の目が動いたことに気づく。

死体に火を放ったベンは、男たちが火を恐れることを知る。

工具と釘を見つけたベンは、板を使ってドアなどを塞ぐことを考え、それをバーバラに伝えて手伝わせる。

ベンから、ここに来るまでの話を聞いたバーバラは、兄ジョニーと墓参りに来て男に襲われたと言いながら取り乱す。

ジョニーを捜したいと興奮しながらベンに伝えたバーバラは、兄は死んだと言われても納得できず、ベンを殴る。

殴り返されたバーバラは気を失ってしまい、ベンは彼女をソファに寝かせる。

ラジオが使えることに気づいたベンは、大量殺人が起きた非常事態を伝える内容を聴きながら作業を続ける。

殺人者は普通の人間に見えるものの、夢遊病者のようだったと言う目撃証言もあり、政府は混乱しているとのことだった。

男たちが家に迫ることを確認したベンは、外に出した椅子に火を放ち追い払う。

ライフルと弾丸をクローゼットで見つけたベンは、そこにあった靴を目覚めたバーバラに渡す。

裸足で逃げて来たバーバラは、ベンにそれを履かせてもらい、板の補強が終わったことを知らされる。

二階に向かったベンは死体を片付け、バーバラは、殺人者が犠牲者の肉を食べている”グール(屍食鬼)”だというラジオ報道を聴く。

その時、地下室から、家に逃げ込み隠れていたハリー・クーパー(カール・ハードマン)とトム(キース・ウェイン)が現れ、バーバラは驚きベンは警戒する。

ラジオが使えることに気づいたハリーは、上に誰かがいることを知りながら無視していたことを、ベンに非難される。

地下が一番安全だと言うハリーは、グールは自分の車をひっくり返したと言いながら、補強などは破られるとベンに伝える。

トムから、ハリーの妻ヘレン(マリリン・イーストマン)と怪我をしている娘カレン(カイラ・ショーン)が下にいることを知らされたベンは、ここにいるのが安全だと伝える。

二階から侵入される可能性があると言うハリーだったが、ベンは、三人を倒したが、動きが鈍いグールはそれほど手ごわい相手でないと伝える。

地下室はドアが一つなので、それを守ればいいと言うハリーだったが、トムは、逃げ道がないと伝える。

トムはベンの考えに賛成し、納得しないハリーに、まずよく話し合うことが必要だと伝える。

その時ベンは、窓に近づくグールに気づき発砲するものの、撃たれた男は死ななかった。

女を含めた無数の者たちが家に迫り、ベンはさらに補強しようとする。

それに反対するハリーは、地下に戻るようベンに指示され、トムは恋人のジュディ(ジュディス・リドリー)を呼ぶ。

地下室に戻ったハリーは、上の様子をヘランに話し、ラジオのことも伝える。

ヘレンから、ラジオで情報を得るために上に行くべきだと言われたハリーは、トムからテレビがあったことも知らされる。

カレンをジュディに見てもらったハリーは、仕方なくヘレンと共に上に向かう。

ヘレンは、不平ばかり言って皆に手を貸そうとしないハリーを批判する。

トムとテレビを運んだベンは、TVレポーター(ビル”チリー・ビリー”カーディル)の解説を聞く。

東部一帯に広がる集団殺人は、人の肉を求めて襲い掛かる者たちの仕業であり、死人が生き返り殺人行為を行っていることも確認された。

避難所が設置されたことを知ったベンは、ガソリンさえあればトラックで向かえると考える。

大統領が招集した会議に宇宙科学者が出席し、帰還途中の金星探査衛星が放射性物質を運んでいることが分かり、”NASA”により爆破されたことが伝えられ、それが今回の事件に関係あるかが議論されたということだった。

リポーターから質問を受けたNASAの科学者は、負傷者は直ちに治療を受けさせるべきだという考えを述べる。

ベンは、ヘレンを地下に向かわせて、ジュディを呼ぶよう指示する。

科学者は、死体は即、火葬するべきだと言って、その危険性を語る。

火炎瓶を作ろうとするベンは、ハリーから鍵束があったことを知らされ、給油ポンプの鍵もあると考える。

家から出てトムとトラックに向かう考えのベンは、ハリーに、二階の窓から火炎瓶を投げるよう指示する。

火炎瓶を作るトムは、今後のことを心配するジュディを安心させる。

ジュディとバーバラを地下に向かわせたベンは、入り口の板を外す。

ベンに指示されたハリーは、二階から火炎瓶を投げる。

外に出たベンはトムにトラックを運転させ、家から出てしまったジュディも乗せて、グールを追い払いながら給油ポンプに向かう。

トムが給油しようとして、ガソリンに松明の火が引火してしまう。

トラックに乗りその場から離れたトムは停車し、ジュディと降りようとするものの爆発してしまう。

家に戻ったベンだったが、ハリーは怖気づいてドアを開けようとしない。

ドアを蹴破り中に入り塞いだベンは、ハリーを殴り痛めつける。

グールたちは、トムとジュディの死体を食べ始める。

カレンが腕を嚙まれたことを知ったベンは、病気が感染した可能性を心配する。

バーバラが車を持っていることを知ったベンは、その場所を聞こうとするが、ジョニーがキーを持っていたために、動かせるはずもなかった。

テレビの報道を見たベンらは、放射線濃度が高まっていることを知り、今の状況は続くだろうということだった。

コナン・マクレランド保安官(ジョージ・コサナ)が指揮する、食肉鬼掃討作戦が始まったというニュースが入り、放射能の影響を受けた脳を破壊すれば殺せることも分かる。

電気が切れたため、配電盤を調べようとするベンは地下に向かう。

ベンが信用できないハリーは、銃を手に入れたいことをヘレンに話す。

グールは家に迫り、ベンらは押し入ろうとする彼らに対抗する。

ベンが落とした銃を奪ったハリーは、地下室に向かうようヘレンに指示する。

ハリーに襲い掛かったベンは銃を奪い、彼を銃撃する。

地下室に向かったハリーは、カレンの前で倒れる。

バーバラは、グールに襲われたヘレンを助けようとする。

地下室に向かったヘレンは、カレンがハリーの腕を食べていることに気づき、彼女に襲われて殺される。

グールに襲われたバーバラは、その仲間となったジョニーに連れ去られる。

押し入ったグールに襲われたベンは、地下室に逃げ込む。

ベンは、ハリーとヘレンが死んでいることを確認する。

生き返ったハリーとヘレンを射殺したベンは、その場で一夜を明かす。

グールらは姿を消し、掃討部隊が現れる。

マクレランドらは、グールを殺しながら家に近づく。

地下室から出たベンはグールと思われ、マクレランドから指示を受けた男に射殺される。

マクレランドは、家から運び出したベンを、他のグールと共に火葬する。


解説 評価 感想

参考:
・「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968)
・「ゾンビ」(1978)
・「死霊のえじき」(1985)
・「ランド・オブ・ザ・デッド」(2005)
・「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」(2007)
・「サバイバル・オブ・ザ・デッド」(2009)

・リメイク
・「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀」(1990)

*(簡略ストー リー)
ペンシルベニア州、バトラー郡
兄ジョニーと父の墓参りをしたバーバラは、不審な男に襲われる。
ジョニーは殺され、民家に逃げ込んだバーバラは、現れた黒人男性ベンと共に、家に迫る男たちから身を守ろうとする。
窓や入り口を板で塞ぐことを考えたベンは、ショックで放心状態のバーバラにも手伝わせながら、地下室に隠れていたハリー一家やトムのことに気づく。
その場で助けを待とうとするベンは、地下室が安全だと言うハリーと対立しながら、”グール(屍食鬼)”と化した殺人者に対抗しようとするのだが・・・。
__________

カルト映画の鬼才ジョージ・A・ロメロが、原案、監督、脚本、撮影、編集を担当し、彼のデビュー作にして、その後のホラー映画に多大な影響を与えた作品。

死者が甦り”グール(屍食鬼)”と化し、人々に襲い掛かる恐怖を描くという、現在では一般的なホラー映画の内容なのだが、当時としては触れてはいけない領域に挑戦した作品だった。

いわゆる”ゾンビ”映画の元祖であり、そのおぞましい描写や内容は賛否両論があったものの、後に評価は高まり、1999年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品。

死から甦る屍食鬼は”Ghoul”と呼ばれ、”ゾンビ”という呼称は、同じジョージ・A・ロメロの次回作「ゾンビ」(1978)から使われた。

そのグールの描写だけでなく、緊迫感のあるテレビ報道のシーンなども実にリアルで、混乱する世の中の情勢を見事に伝えている。

民家に逃げ込み、冷静に対処する黒人青年デュアン・ジョーンズ、兄(ラッセル・ストライナー/製作者)を殺されてグールに襲われてショック状態になるジュディス・オーディア、地下室に隠れていた男性で主人公と対立するカール・ハードマン/製作者、その妻マリリン・イーストマン、グールと化すその娘カイラ・ショーン、主人公に協力する地下室に隠れていた青年キース・ウェイン、その恋人ジュディス・リドリー、ニュースキャスターとグールのチャールズ・グレッグ、墓地のグール、ビル・ハインツマン、グール掃討作戦を指揮する保安官のジョージ・コサナ、テレビ・リポーターのビル”チリー・ビリー”カーディル、そして、ワシントンD.C.のリポーター役でジョージ・A・ロメロが登場している。


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