コーネルのオフィスに向かい、ドアに物を投げてガラスを割ったアンは退社する。
その記事を見た知事(ヴォーン・グレイザー)は、ニュー・ブルテンの社主D.B.ノートン(エドワード・アーノルド)の攻撃だと側近に言われる。
ジョン・ドゥーに仕事を与えるべきだという支援者からの抗議や知事の意見を聞いたラベット市長(ジーン・ロックハート)は、選挙も近いために焦る。
市庁舎で自殺されては困る市長は、コーネルに電話をする。
市長は、ジョン・ドゥーを全力で探しているコーネルが、自分が説得するという続報を出したことを知る。
戻ってきたアンから、ジョン・ドゥーは創作だったと言われたコーネルは驚く。
発行部数を増やすために、世間の話題になった今回の件を利用するべきだと言うアンは、自殺予告のクリスマス・イヴまで連日記事を書くことをコーネルに提案する。
ドゥーは人を雇えばいいと言うアンは、コーネルが意見を聞いてくれないために諦めようとするが、ライバル紙クロニクルから、ねつ造記事だと指摘されたことを知る。
それに対抗しようとしたコーネルは、ジョン・ドゥーを名乗る男たちが殺到していることを知り驚く。
アンから、この中からジョン・ドゥーを選べばいいと言われたコーネルは、彼女の意見を聞き入れ仕事に復帰させる。
自分が創作を認めればクロニクルが1000ドルのボーナスを出すとコーネルに伝えたアンは、彼と共にジョン・ドゥーを選び始める。
浮浪者”ロング(のっぽ)”ジョン・ウィロビー(ゲイリー・クーパー)が気に入ったアンは、彼がマイナーリーグのピッチャーだったことを知る。
コーネルと共に、手紙を書いたとジョンが言えることを確認したアンは、空腹で倒れた彼に食事を与える。
ジョンと食事をする相棒の大佐(ウォルター・ブレナン)は、彼がジョン・ドゥーになれるか心配する。
徹底的にやるようにノートンから指示されたとアンに伝えたコーネルは、ジョンには相棒がいることを知る。
クリスマスまで自社との独占契約書にサインさせようとするコーネルは、12月26日に街を出る列車のチケットを渡すとジョンに伝えて50ドルを渡す。
ジョンの服装を整え警護することをビーニー(アーヴィング・ベーコン)に指示したコーネルは、アンに記事を書かせる。
新調した服を着たジョンと共にホテルの豪華な部屋に向かった大佐は、利用されて破滅すると彼に忠告する。
それを気にしないジョンから50ドルを受け取った大佐は、その場を去る。
”ジョン・ドゥー”となったジョンは、電話を使いルームサービスに大量の食べものを頼む。
そこにカメラマンと共にアンが現れ、ジョンに怒りの表情をさせて撮影し、社会の堕落を批判をする記事と共にその写真が掲載される。
発行部数は順調に増え、この件は社会現象となり、市民デモが行われる。
批判を浴びたラベット市長は倒れてしまい、記事をでっち上げだたと考える知事はノートンを批判する。
部数は増えるものの、広告は減り市長に告訴されたコーネルは、アンと共にノートンに会い、今回の事態を懸念する。
アンは、ジョン・ドゥーをノートンのラジオ局に出演させて、悪政を正し国民的関心事にできるチャンスだと主張するが、コーネルは反対する。
ジョンのラジオ出演の手配をコーネルに指示したノートンは、アンを残して話をする。
目的は金のためだと言うアンに、ラジオ演説の原稿を書かせることにしたノートンは、週給30ドルを100ドルにして、今回の件を成功させれば十分な報酬を与えることを約束する。
現われた甥のテッド・シェルトン(ロッド・ラ・ロック)をアンに紹介したノートンは、彼女に、今日から自分の直属だと伝える。
家で原稿がか書けないアンは悩み、亡くなった医師だった父と同じように、人助けばかりしている母の心配もしなくてはならなかった。
不平を訴える演説など人々は聞き飽きていると母から言われたアンは、希望が持てる内容をシンプルに語るべきだと助言され、父の日記を渡される。
ホテルの部屋の中で大佐と野球遊びをしていたジョンは、護衛に、メジャー目前でヒジを痛めて契約できなかったことを話す。
護衛から、今に野球どころではなくなると言われたジョンは、ラジオで真実を話してしまうことを提案される。
英雄になり5000ドルは手に入りヒジの治療もできると言われたジョンは、報酬はクロニクルが払うことを知りスピーチの原稿も渡される。
ラジオ局に向かったジョンは、護衛からスピーチのことで指示を受ける。
アンからは、原稿の内容は父の信念が書いてあると言われたジョンは、戸惑いながら会場に向かう。
大佐に5000ドルを渡した護衛は、クロニクルのスペンサー(アンドリュー・トンベス)に合図を送る。
ジョンが指示に従うと考えるスペンサーは、特ダネの準備をする。
派手に紹介されたジョンはアンの原稿を読み始め、大佐は護衛に現金を返す。
護衛からジョンが裏切ったと言われたスペンサーは、騒ぎを起こしたためにその場から連れ出される。
すべての人を”ジョン・ドゥー”に例え、歩み寄る心を訴えたジョンのスピーチは絶賛され、アンは感激する。
しかし、大佐と共にその場から姿を消したジョンは、再び放浪生活に戻る。
それを知ったノートンは、ジョンを捜そうとする。
ある町でダイナーに寄ったジョンは、オーナーのダン(スターリング・ホロウェイ)からジョン・ドゥー本人だと言われ、町中が騒ぎになる。
ホーキンス市長(ハリー・ホルマン)はノートンを呼び寄せ、町の宣伝をしようとする。
ノートンとアンを歓迎した市長は、食事中のジョンの元に連れて行く。
全国の講演会などを提案されたジョンは、興味がないことをアンに伝える。
そこに、”ジョン・ドゥー・クラブ”の人々が現れ、薬局に勤めるバート・ハンセン(レジス・トゥーミー)は、ラジオを聴いて妻(アン・ドーラン)と共に感激したことをジョンに伝える。
ジョンのスピーチのおかげで、隣人の老人に話しかけ交流することができるようになったと話すバートは、彼の提案で皆が知り合える場所を作ったことを伝える。
その老人スミサーズ(J.ファレル・マクドナルド)が会長となりクラブができたと言うバートは、彼をジョンに紹介する。
ジョン・ドゥーを必要としている人々が大勢いることを知ったジョンは、心を改める。
ジョンに愛想を尽かした大佐は、その場を去る。
マスコミを煽ったノートンは、ジョンとアンの全国遊説を始め、それと同時にジョン・ドゥー・クラブが次々と結成される。
大金をつぎ込み全国大会まで開こうとするノートンには何か狙いがあると考えるコーネルは、彼から、ジョンとの契約書やアンが書いた手紙などが必要だと言われる。
ジョンのことでベテラン記者のチャーリー・ドーソン(チャールズ・C・ウィルソン)に意見を求めたアンは、ナイスガイの彼は手紙を自分が書いたと信じ始めていると言われる。
そして、ジョンが自分に惹かれていると言われたアンは、彼を利用していることを後悔する。
現われたジョンから、自分の父親になった夢を見たと言われたアンは、何かを止めようとしていたことを知らされる。
追いかけたアンが結婚したという夢の内容を話したジョンは、相手はテッドだったと話す。
自分もその場にいて判事だったと言うジョンは、父親にもなり、二人でアンにお仕置きした話をする。
列車を待つジョンは、人々との触れ合いで、自分も含め何かに飢えているように感じるとアンに話す。
その後、ノートンの屋敷に向かったアンは、ミンクのコートやダイヤのブレスレットを贈られ、感謝の印だと言われる。
ノートンが何かを企んでいると考えたアンは、ジョン・ドゥー党を立ち上げれば、全国の彼の”信者”である、ほとんどの有権者が支持者になると言われる。
その支持を受けたノートンが、大統領候補になる考えを知らされたアンは驚く。
そして、ジョン・ドゥーの支持者による大規模な全国大会が開催される。
アンへのプレゼントを持参し、ホテルの部屋を訪ねたジョンは、その場にいた彼女の母親から、アンはノートンの屋敷に向かったと言われる。
帰ろうとするジョンが何か用がある様子だったために、母親はそれが気になる。
母親は、自分の結婚のことを訊くジョンが、アンに結婚を申し込むために来たことを察する。
夫から”結婚しよう”と言われたので結婚したと伝えた母親は、ジョンにはその勇気がないことを知る。
自分とは釣り合わないアンがジョン・ドゥーに恋していると言うジョンは、勝ち目はないと母親に伝える。
それをアンに伝えてほしいと言われた母親は、感謝して去るジョンを見送る。
ホテルを出たジョンは、酔ったコーネルから声をかけられ、話があると言われてバーに向かう。
自分は国を愛すると言うコーネルは、先の戦争に従軍し、目の前で兄が戦死したことをジョンに話す。
無傷で帰還した自分は愛国者であり、この国では言論の自由が認められていることを話したコーネルは、アンの書いた記事は馬鹿げていて、利用されているとジョンに伝える。
ペテン師のノートンに利用されていると言われたジョンは、それを信じようとしない。
大統領になるためにノートンが利用していると言うコーネルは、彼がアメリカの灯を消してしまうとジョンに話す。
ジョン・ドゥー・クラブを利用することは無理だと言うジョンに、政界の大物ハメット(ピエール・ワトキン)や労組のリーダー、ベネット(ミッチェル・ルイス)が仲間だと話すコーネルは、皆ジョン・ドゥーを食い物にしていると伝える。
スピーチの原稿を読めば分かると言われたジョンは、アンがそんな内容のものを書くはずないと考え、コーネルに反論する。
ミンクのコートやダイヤをもらったアンが、原稿を書いたのは確かだと言うコーネルは、金で動く女だとジョンに伝える。
アンを侮辱するコーネルに言い寄るジョンだったが、そこに、ビーニーが原稿を持って現れる。
原稿を受け取ったジョンは、何も言わずにその場を去る。
各界の有力者を集めて食事会を開いたノートンは、一気にキャンペーンを行う方針を決める。
戸惑うアンはノートンに話があると伝えるが、ジョンが現われたことに気づく。
原稿を書いたことをアンに確認したジョンは、ジョン・ドゥー・クラブを利用する気なら、自分を始末しろとノートンに伝える。
自分が大金をつぎ込み作ったクラブなのでどう使おうと勝手だと言うノートンに、大会で悪事を暴露する、自分の言葉で話すと伝えたジョンは、原稿を破り去ろうとする。
テッドに制止されたジョンは、ノートンから、自分も金で雇われたニセ者だと言われる。
メディアを含めすべては手中にあり、今回の運動もジョン・ドゥーも簡単に葬れる、暴露したいなら好きにしろと言われたジョンは、組織を操れない場合は葬ることをノートンに確認する。
その考えを痛烈に批判するジョンは、ジョン・ドゥーの精神こそが乱れた社会を救うことができると言って、すべて暴露すると伝える。
ジョンの言葉に感激したアンは、彼に賛同する。
恩を忘れたのかと言うテッドを殴り倒したジョンは、その場から逃げ去る。
ジョンを追ったアンは、ノートンらの考えを知らなかったと伝えるものの、聞き入れてもらえない。
各方面に手を回したノートンは、ラベット市長に電話をして、コーネルを逮捕しアンと共に一晩、拘留するよう指示する。
大会会場に向かったジョンは、歓喜する大観衆に迎えられる。
ジョンのスピーチの前に祈りが捧げられるが、多数の新聞配達が現われ、ジョン・ドゥーがニセ者だったという記事が載った新聞が配られ、会場は騒然となる。
真実を述べようとしたジョンだったが、駆け付けた警官に取り押さえられる。
壇上に上がったノートンは、自分を騙した詐欺師のジョンを告発すると皆に伝える。
アンとコーネルと共に共謀し、全国から会費を集めて着服したと言われたジョンは反論するものの、金を受け取り、投書は自分が書いたものではないことを認める。
この国から出て行けとジョンに伝えたノートンはその場を去り、弁明しようとしたジョンは、マイクのコードを切られてしまう。
会場の人々から非難されたジョンは、その場にいたバートにも見放される。
ジョンを助けることができないアンは、母親やコーネルに慰められる。
会場にいた大佐も、精神は間違っていないと訴えるジョンを見つめるしかなかった。
責任を感じるアンは、涙しながら後悔する。
会場を後にしたバートは、スミサーズから、ジョンの話を聞くべきだったと言われる。
大佐と共に橋の下に戻ったジョンは、ノートンの言った通りに、クラブと共に社会から”抹殺”される。
クリスマス・イヴ。
ノートンは、ジョンが自殺する時刻、夜中の12時が近づいていることを気にする。
ジョンを見つけることができず病気にまでなったアンは、市庁舎で大佐と待機しているコーネルに電話をする。
その頃バートは、ジョンは自殺する気だと考えるスミサーズと、彼の信念は本物だと言う妻と共に市庁舎に向かう。
市庁舎に着いたアンは、制止する大佐の話を聞かずに上の階に向かう。
市長と共に現れたノートンらも上に向かう。
自殺の時刻になり教会の鐘が鳴り始め、ジョンが現れないために、ノートンらは帰ろうとする。
手紙を投稿したジョンは上に向かい、それに気づいたノートンらは身を隠す。
全国のジョン・ドゥーに宛てた手紙を確認して胸のポケットにしまったジョンは、飛び降りようとする。
自分ならやめると、ノートンから声をかけられたジョンは驚き、下には警官がいると言われる。
身元不明者にするように地上の警官に指示してあると言われたジョンは、手紙の写しをコーネルに送ってあるとノートンに伝える。
近づくノートンを制止したジョンは、消えた運動の炎は再び燃え上がると伝えて飛び降りようとする。
そこに現れたアンから制止されたジョンは、愛を告げる彼女から、一緒にやり直すことを提案される。
運動は続いていると言うアンは、それを恐れているノートンらがこの場にいるのが、その証拠だとジョンに伝える。
アンに説得されたジョンは、コーネルや大佐と共に現われたバートらにも気づく。
最初のジョン・ドゥーの信念は永遠に生き続け終りはないと言うアンは、諦めないでほしいとジョンに伝える。
自分も死ぬと言って再び愛を伝えたアンは、気を失ってしまう。
アンを抱いたジョンは、自分をジョン・ドゥーと呼ぶバートから、我々は味方であり間違っていたと言われる。
バートの妻からも自分が必要だろ言われたジョンは、運動は再開するつもりだということを知らされる。
納得したジョンは、アンを抱いてバートらと共にその場を去る。
コーネルは、人々を侮るなとノートンに伝える。