1970~1980年代にかけて多くの世界的ヒット曲を出したスウェーデンのポップグループABBAのヒット曲を基に製作された作品である同名ミュージカルの映画化。 ギリシャの孤島のホテルで巻き起こる騒動を描く、製作トム・ハンクス他、主演メリル・ストリープ、アマンダ・セイフライド、 ジュリー・ウォルターズ、クリスティーン・バランスキー、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルド他共演、監督フィリダ・ロイドによるミュージカル・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:フィリダ・ロイド
製作総指揮
トム・ハンクス
リタ・ウィルソン
ベニー・アンダーソン
ビョルン・ウルヴァース
マーク・ハフマン
製作
ゲーリー・ゴーツマン
ジュディ・クレイマー
脚本:キャサリン・ジョンソン
編集:レスリー・ウォーカー
音楽
スティ・アンダーソン
ベニー・アンダーソン
ビョルン・ウルヴァース
出演
メリル・ストリープ:ドナ・シェリダン
アマンダ・セイフライド:ソフィ・シェリダン
ジュリー・ウォルターズ:ロージー・マリガン
クリスティーン・バランスキー:ターニャ・ウィルキンソン
ピアース・ブロスナン:サム・カーマイケル
コリン・ファース:ハリー・ブライト
ステラン・スカルスガルド:ビル・アダーソン
ドミニク・クーパー:スカイ
アシュリー・リー:アリ
レイチェル・マクドール:リサ
アメリカ/イギリス 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2008年製作 108分
公開
イギリス:2008年7月10日
北米:2008年7月18日
日本:2009年1月30日
製作費 $52,000,000
北米興行収入 $144,130,060
世界 $609,841,640
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ギリシャの孤島カロカイリ。
20才になったソフィ・シェリダン(アマンダ・セイフライド)は、結婚式を控えていた。
島でホテルを営む母親ドナ(メリル・ストリープ)の若かりし日の日記を読んだソフィは、まだ顔も知らない自分の父親候補が3人いるのを知り、ドナに秘密で彼らに結婚式の招待状を出す。
親友アリ(アシュリー・リー)とリサ(レイチェル・マクドール)に、ソフィは、そのことを密かに教える。
その招待状を受け取った、アイルランド人の建築家サム・カーマイケル(ピアース・ブロスナン)、イギリス人の銀行家ハリー・ブライト(コリン・ファース)、スウェーデン人の冒険作家ビル・ アダーソン(ステラン・スカルスガルド)は、それぞれカロカイリ島に向かう。 サムとハリーは、カロカイリ島への連絡船に乗り遅れてしまうが、ビルがヨットで到着して2人を乗せて島に向かう。 そして結婚式の前日、ドナの昔のバンド(ザ・ダイナモス)仲間、ロージー・マリガ(ジュリー・ ウォルターズ)とターニャ・ウィルキンソン(クリスティーン・バランスキー)が到着し、島が一気に賑やかになる。 ドナは、ロージーとターニャとの再会を喜び、ホテルのウェブサイトを公開し、世界中から観光客を呼び寄せようとする、ソフィの婚約者スカイ(ドミニク・クーパー)を紹介する。 ドナはホテル経営を始めて15年が経つが、かなり傷んでいるホテルの修復に資金がいると、ロージーとターニャに愚痴をこぼす。 やがて、サムとハリーを連れたビルのヨットが島に到着する。 彼らの到着に気づいたソフィは、3人の到着を秘密にするために、彼らをヤギ小屋に案内し、招待状を送ったのは母ドナではなく、自分だということを伝える。 ソフィは3人に母には秘密だということを告げ、何も話さないことを約束してもらう。 しかし、ドナはすぐに彼らに気づいてしまい、ロージー達には、男への気持ちを捨てたと宣言したが、3人との20年前の甘い思い出が甦り、胸ときめくのだが・・・。 そしてドナは3人と再会するが、彼らはソフィとの約束を守り、偶然島を訪れたことを彼女に告げ、ドナはそんな彼らを追い払おうとする。 ドナは、ソフィの結婚式前日に現れた3人を不審に思いながらも、自分も誰がソフィの父親かは確信が持てず、それをロージーとターニャに話す。 3人がビルのヨットに乗っているのに気づいたソフィは、彼らのヨットに向かう。 彼らはヨットで島の周りを巡ろうとしていただけで、ソフィもそれに同行することになり、楽しい時を過ごす。 そして、岸辺のスカイに呼ばれたソフィは、彼に自分の計画を話そうとするが怖気づき、スカイはバチェラー・パーティーに連れていかれてしまう。 その夜の、ソフィのバチェロレッテ・パーティーでは、”ザ・ダイナモス”を復活させ、大いに盛り上がるドナ、ロージー、ターニャだった。 そこにサム、ハリー、ビルが現れ、ドナは動揺して再び彼らを追い払おうとする。 女性だけのパーティーで3人は大歓迎され、ソフィは各々と話をし、ドナのホテルに投資したのが大叔母だと告白したビルが父親だと確信する。 しかし、サムとハリーも父親だと言い張り、混乱したソフィは気絶してしまう。 翌朝、ビルとハリーはヨットで、互いの信頼関係を確かめようとするが、ロージーが現れて邪魔されてしまう。 ドナは、ソフィが、結婚式を中止にしたいのだろうと思い込み、逆にソフィはドナがそれを望んでいるものと勘違いしてしまい、式の直前でトラブルが起きてしまう。 そんな時、ソフィを父親のような目で見るサムとのひと時で、ドナは彼と心が触れ合う。 ハリーはソフィを娘だと確信し、ドナに罪滅ぼしとして小切手を渡たす。 3人の”父親”に、式でエスコートすると言われたソフィは混乱し、それをスカイに相談するが、彼は結婚式を父親探しに利用したのかとソフィを責める。 ソフィの計画は思い通りにならなくなり、彼女はドナに助けを求めようとする。 ドナも、ソフィの幼児期や成長の想いに耽る。 二人のわだかまりは消え、ウェディングドレスに身を包んだソフィを、ドナがエスコートすることになる。 サムはあくまでも父親が誰かにこだわるが、ドナはその答えを出そうとしない。 そして結婚式は始まり、母親ドナのエスコートでソフィはチャペルに現れる。 挨拶を始めたドナは、その時、初めてソフィが3人を招待したことを知り驚いてしまう。 結局、父親はその場にいるが、3人の誰かはわからず、ソフィは1/3の父親でも満足だと言い出す。 ソフィは、結婚を延期して、スカイと共に世界を旅することに決め、出席者に祝福される。 そして、サムはドナにプロポーズし、彼女もそれを受け入れ、その場で結婚式を挙げてしまう。 それに刺激されたロージーはビルに迫り、全ての恋人達は愛を確かめ合い踊り始める。 やがて、ソフィとスカイは、人々に別れを告げて、ボートで旅立つ。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「マンマ・ミーア!」(2008)
・「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」(2018)
*(簡略ストー リー)
ギリシャの孤島カロカイリ。
結婚式を控える20才になったソフィ・シェリダンは、島でホテルを営む母親ドナの若かりし日の日記を読み、まだ顔も知らない自分の父親候補が3人いることを知り、母に秘密で彼らに結婚式の招待状を出す。
それを受け取った、アイルランド人の建築家サム、イギリス人の銀行家ハリー、スウェーデン人の冒険作家ビルは、カロカイリ島に向かう。
そして結婚式の前日、ドナの昔のバンド仲間である、ロージーとターニャが到着する。
ドナは、友人2人との再会を喜び、ウェブサイトを利用し、世界中から観光客を呼び寄せようとする、ソフィのフィアンセスカイを紹介する。
やがて、父親候補三人も到着し、ソフィは、彼らの存在を知られないようにして、招待状を送ったのは自分で、母ドナには秘密だということを伝える。
しかし、ドナは彼らに気づいてしまい、3人との20年前の甘い思い出が甦るのだが・・・。
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本作は、日本公開を待たずに全世界で6億ドルを超す興行収入を記録し、ミュージカル映画史上最高のヒットとなった。
*北米興行収入 $144,130,060
ミュージカルのオリジナルスタッフ、演出のフィリダ・ロイド、脚本キャサリン・ジョンソンが、映画化でもそれぞれを担当している。
また、製作にはトム・ハンクスとリタ・ウィルソン夫妻も参加している。
映画版は、そのスタッフとは違いミュージカル俳優が演じているわけでなく、舞台となるギリシャの明るい太陽のごとく、細かいことにこだわらない、底抜けに明るい孤島の住民達の歌や踊り満載の、正にABBAの曲のような、楽天的イメージで通した作品。
舞台をそのまま映像化した雰囲気の作品ということだが、美しいギリシャの孤島のイメージなどを、舞台でどのように表現したのか非常に興味深い。
60歳手前にして、あれだけの歌や踊りをこなした、演技派メリル・ストリープは、全編通してかなりテンションが高く、凄まじいほどの熱演を見せてくれる。
好奇心旺盛な、彼女の役者魂は素晴らしい。
”酷い”歌声とまで言われてしまうピアース・ブロスナンだが、能天気なイメージで通そうとしているのかと思うと、ここぞという時には、キッチリと引き締まった演技も見せている。
いかにも銀行家という感じがはまっている、コリン・ファースの歌のうまさには驚き、インテリが似合う役者のステラン・スカルスガルドも、今回は羽目を外して楽しく演じている。
意外にもインパクトに欠けるアマンダ・セイフライド、逆に中年パワー爆発のジュリー・ ウォルターズとクリスティーン・バランスキーの、エネルギッシュな演技が印象に残る。
結婚後、頼りになるのだろうかと心配になるドミニク・クーパーや、同じく成人には思えないソフィの友人の二人、アシュリー・リーとレイチェル・マクドールも、作品のイメージにぴったりの軽いノリで楽しませてくれる。
本編終了後の”ザ・ダイナモス”のパフォーマンスで、舞台同様、諸外国では劇場内が熱狂したらしいが、ほぼ満杯だった劇場が一瞬”シラ~”としてしまったのが、いかにも控えめな日本人らしさかもしれない。
ABBAの全盛期に熱狂した人ならば、郷愁に浸れること間違いなしの作品でもある。