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レジェンド Legend (2015)

1960年代にロンドンの裏社会を支配しようとしたクレイ兄弟の生き様を描く、監督、脚本ブライアン・ヘルゲランド、製作総指揮、主演トム・ハーディエミリー・ブラウニングクリストファー・エクルストンデヴィッド・シューリスタロン・エガートンチャズ・パルミンテリポール・ベタニー他共演の実録犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:ブライアン・ヘルゲランド

製作
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
クリス・クラーク
クエンティン・カーティス
ブライアン・オリヴァー
製作総指揮
ケイト・ソロモン
アメリア・グレインジャー
ライザ・チェイシン
オリヴィエ・クールソン
ロン・ハルパーン
トム・ハーディ
原作:ジョン・ピアソン“The Profession of Violence”
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
撮影:ディック・ポープ
編集:ピーター・マクナルティ
音楽:カーター・バーウェル

出演
レジナルド”レジー”クレイトム・ハーディ
ロナルド”ロン”クレイトム・ハーディ
フランシス・シェイ:エミリー・ブラウニング
レオナルド”ニッパー”リードクリストファー・エクルストン
レズリー・ペイン:デヴィッド・シューリス
エドワード”マッド・テディ”スミス:タロン・エガートン
アンジェロ・ブルーノチャズ・パルミンテリ
チャーリー・リチャードソンポール・ベタニー
フランキー・シェイ:コリン・モーガン
シェイ夫人:タラ・フィッツジェラルド
デヴィッド・ベイリーアナイリン・バーナード
アルバート・ドノヒュー:ポール・アンダーソン
ティミ・ユーロダフィー
ハロルド・ウィルソンケヴィン・マクナリー
ブースビー卿ジョン・セッションズ
アントニオ・カポニグロアレックス・ジャンニーニ
ジャック・マクヴィティーサム・スプルエル
ビッグ・パット:アダム・フォガティ
ハンフリー医師:ニコラス・ファーレル

イギリス/フランス 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2015年製作 131分
公開
イギリス:2015年9月9日
北米:2015年11月20日
日本:2016年6月18日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $1,872,990
世界 $42,972,990


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1960年代、ロンドンイーストエンド
レジナルド”レジー”クレイトム・ハーディ)とロナルド”ロン”トム・ハーディ)の双子の兄弟は、”ザ・ファーム”を組織して街を支配し人々に恐れられていた。

極悪非道のロンは変わり者で、勇敢なレジーは戦いを恐れなかった。

ある朝レジーは、自分を常に見張っている刑事レオナルド”ニッパー”リードクリストファー・エクルストン)に話しかけて、彼をからかう。

部下のアルバート・ドノヒュー(ポール・アンダーソン)と共に運転手のフランキー・シェイ(コリン・モーガン)を起こしに行ったレジーは、対応したフランキーの妹フランシス(エミリー・ブラウニング)に惹かれれる。
...全てを見る(結末あり)

自分に付き合えばフランキーの寝坊は見逃すとフランシスに伝えたレジーは、土曜の夜のデートを約束するものの、彼女の母親(タラ・フィッツジェラルド)はギャングのレジーを嫌っていた。

今度はクビだとフランキーに警告したレジーは、秘書を目指しているフランシスが大学で速記法を学んでいることを知る。

ある場所でアルバートと共に車を降りたレジーを追ったリードは、二人に逃げられてしまう。

いつも支離滅裂な話をするロンは、傷害罪で懲役3年を求刑されたが、刑期の終了前に精神病院に送られる。

アルバートと共に病院に向かったレジーは、ロンに面会する。

レジーの部下ビッグ・パット(アダム・フォガティ)に脅されたハンフリー医師(ニコラス・ファーレル)は、ロンの精神状態は良好であり、刑期を伸ばす必要がないと証言して退院させる。

ロンは心神喪失状態だとレジーに伝えたハンフリーは、危険人物の彼に必ず飲ませるようにと言って精神安定剤を渡す。

土曜日。
制止する母の話も聞かずに、迎えに来たレジーと出かけたフランシスはクラブに向かう。

用心棒のパットをフランシスに紹介したレジーは、彼女に自分のクラブだと伝える。

ジャック・マクヴィティーサム・スプルエル)のテーブルに呼ばれたレジーは、覚醒剤の売り上げを使い込んだことを知り、明日までに返金すれば許そうとする。

席に戻ろうとしたレジージャックを殴り、次は殺すと言って脅す。

その場にいたアルバートに、プライベートは邪魔するなと伝えたレジーは、フランシスの席に戻る。

大学の話などをしたフランシスは、イーストエンドを出たい考えをレジーに伝えるが、この街でも夢は叶うと言われる。

ギャングは楽しいかと訊かれたレジーは、自分はギャングではなくクラブのオーナーだと答える。

数日後、森の中で一人で暮らすロンの元にフランシスと共に向かったレジーは、彼女を紹介する。

レジーはその場にいた男を追い払い、同性愛者のロンと話したフランシスは、レジーと共にロンドンを支配すると言われる。

サウス・ロンドンを牛耳るチャーリー・リチャードソンポール・ベタニー)は、クレイ兄弟と対立していた。

チャーリーの手下ジョージ・コーネルから話し合いを求められたクレイ兄弟は、パブに向かう。

その場にはチャーリーの手下しかいなかったものの、レジーは組織を潰すと伝えて、ロンと共に男達を叩きのめす。

ワールドカップ決勝の日、チャーリーは警察に逮捕され、懲役25年が求刑され、ロンドンクレイ兄弟のものになった。

ビジネス・マネージャーのレズリー・ペイン(デヴィッド・シューリス)と手を組むクレイ兄弟は、順調に街を支配していった。

レジーはペインを買っていたが、ギャングらしくないペインのやり方がロンは気に入らなかった。

接触してきたアメリカのマフィア、マイヤー・ランスキーの話をするペインは、カジノを作る構想をクレイ兄弟に話す。

三人は、”フィラデルフィア・クライム・ファミリー”のボス、アンジェロ・ブルーノチャズ・パルミンテリ)とコンシリエーリアントニオ・カポニグロアレックス・ジャンニーニ)と話し合う。

ヨーロッパ進出を考えるブルーノは、身の安全の保証についてクレイ兄弟に協力を求める。

その件は承知したレジーは下働きは断り、ブルーノランスキーからの誠意(現金)をレジーに確認させる。

10万ドル分の無記名債権も見せたブルーノは、その換金をレジーに依頼する。

分け前を伝えたブルーノは、別に未処理の債権が200万ドル分あるとレジーに伝える。

折半で受けると言われたブルーノは納得し、ロンの言動を気にしながら取引を成立させる。

母に反対されるものの、フランシスはレジーとの交際を続ける。

その後、クレイ兄弟のカジノは順調に利益を上げるが、ロンレジーの成功が不満だった。

出頭命令が出たレジーは警察に向かい、刑務所の守衛に痛めつけられて収監される。

アフリカナイジェリアに理想郷を作ることを考えたロンは、その資金の5万ポンドをペインに要求してトラブルを起こす。

来させないようにロンに指示していたにも拘わらず、面会に来たフランシスと話したレジーは、怪我していることを心配する彼女から、カジノとクラブのオーナーとして正しく生きてほしいと言われる。

人生はそれほど簡単なことではないと伝えたレジーは、フランシスから、愛で自分を守れると言われて納得する。

クラブのステージに上がったロンは、客やペインらが呆れる中で、マイクを握りジョークを語る。

ロンの話は、関係が噂される部下のエドワード”マッド・テディ”スミス(タロン・エガートン)にしか受けずに、その場はシラケてしまう。

出所したレジーはフランシスの家に向かい、母親を気にしながら二階の窓まで上り、彼女に指輪を渡して結婚を申し込む。

二度と逮捕されないことをレジーに約束させたフランシスは、結婚することを彼に伝える。

クラブに向かったレジーは、客がいないためにペインに説明を求め、ロンがビジネスを潰そうとしていることを知る。

ロンを批判するレジーは口論になり、フランシスを侮辱されたために殴り合いの喧嘩になる。

レジーロンを叩きのめし、フランシスはその場を去る。

謝罪するロンを許したレジーは、彼から、フランシスを手放すなと言われる。

その後、フランシスと話したレジーは、今後も変わるとは思えないロンに嫌われていると思っている彼女に、悪い弟ではないロンから、君を手放すなと言われたと伝える。

ロンも同じ思いだと言うレジーはフランシスに謝罪し、彼女に理解してもらえる。

ナイジェリアに理想郷を作るというロンの夢は、意外な展開を見せる。

保守党の政治家ブースビー卿ジョン・セッションズ)に投資を断わられたロンだったが、同性愛者としての友情は芽生えた。

ブースビーが乱交パーティーに参加している証拠写真を渡された首相のハロルド・ウィルソンケヴィン・マクナリー)は、クレイ兄弟やアメリカのマフィアが絡む事態になっていることを知る。

ウエスト・エンドでクラブを持つことをフランシスに約束したレジーは、オーナーのマッコーワンを脅迫して、店の権利を半分、手に入れる。

堅気になろうとするレジーは、残りの半分も手に入れようとするが、彼をギャングの世界に戻したいロンは、それを妨害しようとする。

テディに脅されたマッコーワンは、契約を解消して警察に通報し、クレイ兄弟は強要罪に問われる。

刑務所に入れられたレジーは、フランシスとの約束を守れなかったために、彼女から、有罪なら結婚はしないと言われる。

その後、ブースビー卿ロンの写真を手に入れたペインは、それを新聞社に送りその件が報道された。

ウィルソンは事態を収拾しようとするが、クレイ兄弟の弁護団はブースビーの件を持ち出して政府を脅迫し、兄弟は無罪となり、裏社会を支配することになる。

約束を守ったレジーは、フランシスを伴い手に入れたクラブで祝賀会を開く。

納得いかないリードはクラブに向かうが、クレイ兄弟と一緒に写る写真を撮られてしまい、それが問題となり捜査が打ち切られてしまう。

結婚式の日、フランシスの母親が喪服だったために驚いたレジーは、フランシスといると堅気になれるような気がするとロンに伝えるが、同時に恐怖心を感じる。

母には理解してもらえないフランシスだったが、士気が始まり、フランキーに付き添われてレジーの元に向かう。

二人を祝福する歌を拒むフランシスの母親に近づいたロンは、”歌え”と言ってその場を去る。

ハネムーンから戻った二人だったが、フランシスとの約束を破ったレジーは、家に帰らなくなった。

再びトラブルを起こしたジャックは、二度と奴なと言って許すが、彼を殴り倒す。

義母ともうまくいかないフランシスは、精神安定剤などを服用するようになる。

誕生日のプレゼントで、”トライアンフ・スピットファイア”をフランシスにプレゼントしたレジーは、運転を教えてほしいと言われるものの、明日、教えることで納得させる。

ビジネスのやり方に口を出すペインを痛めつけたロンを制止したレジーは、ペインは役に立つ男だと言って、考えもなく単に暴走するロンの行動を戒める。

ブルーノに会ったレジーは、ビジネスに邪魔な存在となったロンを消せないかと言われるものの、それを断る。

チャーリーの組織を継いだコーネルにシマを荒らされたロンは、パブに向かい彼を射殺する。

それを知ったレジーは、事件をもみ消そうとする。

殺人事件を見逃せない”スコットランド・ヤード”は、リードの捜査を再開させてクレイ兄弟を追い詰めようとする。

ロンは刑務所に行くべきだというフランシスの考えを受け入れられないレジーは、兄弟への忠誠は自分の誇りだと伝える。

フランシスから、自分への忠誠はないのかと訊かれたレジーは、目つきがおかしい彼女が薬を常用していることを知る。

警察が来た場合には不利な発言はするなとフランシスに伝えたレジーは、取り調べで容疑者を訊かれたらロンを指さすようにと、パブの女性と話すようにと言われる。

警察に呼ばれたパブのバーテンダーの女性は、ロンが容疑者の中にいたものの、犯人はいないとリードに伝える。

ロンは逮捕を免れ、レジーが女性を脅したことを知ったフランシスは彼を拒絶し、関係は最悪となる。

家を出る決心をしたフランシスはロンと話し、自分達の人生の価値は天国に行ってから分かる、君のことは認めていたと言われる。

その後、別の仕事をしていたフランキーのアパートに向かったレジーは、その場にいるはずのフランシスと話したいことを伝える。

それを断るフランキーだったが、トラブルを避けようとしたフランシスはレジーと話す。

レジーから家に戻ってほしいと言われたフランシスは、ギャングを選んだので無理だと伝える。

フランシスはレジーから、傷つけて苦しませた罪を償わせてほしいと言われる。

二度目のハネムーンを提案されたフランシスは、スペインイビサ島に行きたいとレジーに伝えて同意してもらえる。

その後、フランシスは睡眠薬を大量に飲んで自殺し、フランキーが発見する。

連絡を受けて駆け付けたレジーは、フランシスの死を知り悲しむ。

ジャックを呼んだロンは、1000ポンドの報酬である男の殺害を命ずる。

フランシスの墓参りをしたレジーは、フランキーと共に現れた母親に罵倒される。

ペインの家に向かったジャックは、彼に銃を向けて発砲するものの、脚を傷つけただけで抵抗され、銃を奪われてその場から逃げる。

捜査の進展を期待するリードは、入院したペインと話し取引しようとして、彼から家族の保証を求められる。

ペインが口を割ったことをアルバートから知らされたレジーは、リードはバーテンダーの女性を保護していると言われる。

ジャックにペインの命を狙わせたことでレジーと話をしたロンは、その件を気にする気配もなくパーティーを楽しむ。

現れたジャックにペインのことを尋ねたレジーは、シラを切る彼が、フランシスの自殺は自分のせいではなく、薬は売っていないと言ったために銃を向ける。

銃が不発だったためにレジーは、果物ナイフでジャックをめった刺しにして殺す。

ロンから殺した理由を訊かれたレジーは、お前は殺すことができないので身代わりだと伝える。

通りに出たレジーは、人前で殺人を犯したことを責めるアルバートを殴り倒してその場を去る。

指名手配されたレジーリードに逮捕され、その後33年間刑務所で過ごすことになる。

レジーは最期まで、フランシスと向かうはずだったイビサ島行きの2枚のチケットを手放さなかった。
__________

レジナルド・クレイは、ガンに侵されて情状酌量となり釈放され、その8週間後の2000年10月1日に死亡した。
66歳だった。

ロナルド・クレイジョージ・コーネル殺害で有罪となり、ブロードモア病院の精神病棟に収容された。
1995年3月17日、心臓発作により死亡。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1960年代、ロンドンイーストエンド
レジナルド”レジー”クレイロナルド”ロン”の双子の兄弟は、”ザ・ファーム”を組織して街を支配し人々に恐れられていた。
運転手フランキーの妹フランシスに惹かれたレジーは、彼女のためにクラブ経営に専念しようとする。
しかし、レジーをギャングの世界に留めたいロンは、兄の考えに反した行動で組織内を乱し始める・・・。
__________

1972年に発表された、ジョン・ピアソンの小説“The Profession of Violence”を基に製作された作品。

L.A.コンフィデンシャル」(1997)や「ミスティック・リバー」(2003)他、話題作の脚本家としても知られ高く評価されている、ブライアン・ヘルゲランドの脚本を兼ねた監督作品。

1960年代のロンドンを舞台に、裏社会を支配したクレイ兄弟の生き様を描く犯罪ドラマ。

一卵性双生児ではあるが、性格や人生観、才能などが違うクレイ兄弟が、いかにしてロンドンの裏社会を支配したかを描く実録ドラマであり、アメリカ・マフィアとの関係や政治家や政界をも取り込む画策など、当時のイギリスの社会情勢も細やかに描いた力作となっている。

時代背景などを含め、ほぼ事実に基づいた内容となっているが、レジーとフランシスが結婚したのは1965年で、それ以前にワールドカップイングランド大会/1966年)の決勝のシーンがあるなど、演出のための多少の変更はあるものの、それほど気にならない。

主演のトム・ハーディは、特殊効果によりレジナルド”レジー”クレイロナルド”ロン”兄弟を同時に演ずる場面も見事にこなす、雰囲気のある熱演を見せてくれる。

レジーと恋に落ち結婚するものの、結局は若くして不幸な一生を終えるフランシス・シェイのエミリー・ブラウニングクレイ兄弟を監視しながら捜査を続ける刑事レオナルド”ニッパー”リードクリストファー・エクルストン、主人公のビジネス・マネージャー、デヴィッド・シューリス、同性愛者のロンと関係が噂される部下タロン・エガートン、”フィラデルフィア・クライム・ファミリー”のボス、アンジェロ・ブルーノチャズ・パルミンテリクレイ兄弟と対立するギャング、チャーリー・リチャードソンポール・ベタニーレジーの運転手であるフランシス(エミリー・ブラウニング)の兄コリン・モーガン、その母親タラ・フィッツジェラルド、写真家デヴィッド・ベイリーアナイリン・バーナードレジーの部下ポール・アンダーソン、歌手ティミ・ユーロダフィーイギリス首相ハロルド・ウィルソンケヴィン・マクナリーロンと関係する政治家ブースビー卿ジョン・セッションズアンジェロ・ブルーノコンシリエーリアントニオ・カポニグロアレックス・ジャンニーニレジーの部下であるトラブルメイカーのジャック・マクヴィティー役のサム・スプルエルレジーの部下アダム・フォガティロンを退院させる精神科の医師ニコラス・ファーレルなどが共演している。


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