娘の幼馴染の青年が犯した殺人の唯一の目撃者である連邦保安官の苦悩を描く、監督ネイサン・ジュラン、主演フレッド・マクマレイ、マギー・ヘイズ、ロバート・ヴォーン、ジョーン・ブラックマン、ジェームズ・ドーリー他共演の西部劇。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:ネイサン・ジュラン
製作:チャールズ・H・シニア
原作:ジョン・H・リーズ
脚本
ダニエル・B・ウルマン
モーリス・ジム
撮影:ヘンリー・フリューリッヒ
編集:ジェローム・トムズ
出演
ベン・カトラー連邦保安官:フレッド・マクマレイ
ルース・グレンジャー:マギー・ヘイズ
エディ・キャンベル:ロバート・ヴォーン
ローリー・カトラー:ジョーン・ブラックマン
ポール・リッジリー医師:ジェームズ・ドーリー
タラント・ジョスリン:ウェンデル・ホームズ
ウィリアム・P・セルビー弁護士:エドモン・ライアン
モリー・ケイン:キャサリン・カード
ハイラム・ケイン連邦保安官:エミール・メイヤー
ジョージ・フレッチャー:ビング・ラッセル
コーリー:ステイシー・ハリス
ハリー・ランダース:ラッセル・ソーソン
エド・ムーア保安官補:デンバー・パイル
ウィリアム・エイブリー保安官補:フィル・チェンバース
オルソン:ハワード・マクニアー
ミッジ・グレンジャー:ラスティ・スロープ
フレイザー判事:フランク・ウィルコックス
馬車の農夫:トム・ロンドン
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1959年製作 86分
公開
北米:1959年1月
日本:1961年11月17日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1878年、ネブラスカ州。
エディ・キャンベル(ロバート・ヴォーン)とコーリー(ステイシー・ハリス)ら3人は、町に向かう駅馬車を確認する。
駅馬車に乗るジョージ・フレッチャー(ビング・ラッセル)と兄のマットも、仲間のエディらの姿に気づき時間通りだと考える。
スプリングデール。
銀行に着いたエディは、外で監視する。
コーリーらも現れ、駅馬車も到着する。
駅馬車業を営む元連邦保安官のベン・カトラー(フレッド・マクマレイ)は、娘のローリー(ジョーン・ブラックマン)に駅馬車のことを任せる。
エディを残し、ジョージらは銀行に入る。
その場にいた連邦保安官のハイラム・ケイン(エミール・メイヤー)は、妻モリー(エミール・メイヤー)と共に銀行を出る。
ジョージらは頭取らに銃を向けて、現金を奪おうとする。
ハイラムに声をかけるベンに気づいたエディは、ローリーの幼馴染だったために身を隠す。
ベンは、2週間後に結婚するルース・グレンジャー(マギー・ヘイズ)のことを、ハイラムとモリーに話す。 2人と別れたベンは、ドレス店を経営するルースの元に向かい、彼女の息子ミッジ(ラスティ・スロープ)とランチにする。 エディに気づいたローリーは、通りすがりだと言う彼と話す。 仲間が現金を奪う銀行内のことが気になるエディは、手紙の返事が来なかったことなどを話すローリーに、人に会う約束があると伝えて別れる。 去ろうとしたジョージらは銃を手にした行員を射殺し、その場から逃げる。 銃声を聴いたベンは通りに向かい1人を射殺し、ハイラムと共に男たちを追う。 追跡するベンは、エディに馬を撃たれて落馬する。 ハイラムを射殺したエディは、ベンの弾丸を額に受ける。 ハイラムの死を確認したベンは、倒れている犯人がエディだったことに気づき、傷を負い意識を失った彼を町に運ぶ。 ルースとローリーに迎えられたベンは、モリーにハイラムが亡くなったことを伝える。 犯人のエディが怪我をしていることを知ったローリーは、留置場に運ばれた彼を治療するポール・リッジリー医師(ジェームズ・ドーリー)を手伝う。 ローリーに思いを寄せるポールは、エディは死にはしないと彼女らに伝える。 ポールから、エディがかすり傷だと知らされたベンは、保安官補のエド・ムーア(デンバー・パイル)とウィリアム・エイブリー(フィル・チェンバース)に、彼を見張るよう指示する。 エディを吊るすべきだという住人の話を聞いたローリーは傷つき、ベンから、幼馴染の少年ではなく、ハイラムを殺した殺人犯だと言われるものの、それを信じなかった。 ローリーの様子を見に来たポールは、彼女を散歩に誘う。 訪ねて来たハリー・ランダース(ラッセル・ソーソン)やオルソン(ハワード・マクニアー)から、連邦保安官に復帰してほしいと言われたベンは、それを断るものの、裁判が終わるまでという条件で引き受ける。 ポールは、ローリーの気持ちを察しながら愛を告げる。 プロポーズしたポールは今はダメだと言われ、エディのことを気にするローリーに、あんな男は愛せないはずだと伝える。 エディを治療するのは気が引けるが、処刑され死亡確認をするのは楽しみだとローリーに伝えたポールは去ろうとする。 ローリーは、自分もあなたも誰も愛せない、憎しみだけだとポールに伝えて家に戻る。 ハイラムの葬儀に参列していたベンは、意識が戻り取り乱すエディの元に向かう。 その後、エディのために差し入れをするローリーは、あなたには人を殺せないと伝える。 他の誰かがハイラムを撃ったと言うエディは、ベンが見ていたはずだと話すものの、誰も信じてくれないだろうとローリーに伝える。 ローリーは、強盗には加わったが人は殺していないと言うエディを信じる。 エディの弁護士ウィリアム・P・セルビー弁護士(エドモン・ライアン)が町に到着し、ベンは、町の者とは事件について話すなと彼に警告する。 ベンは、度々、留置場に向かうローリーのことが気になり、セルビーもエディの仲間が雇ったのではないかと考えて苛立つ。 ルースから、エディへの偏見で考えをゆがめている言われたベンは、彼のような男に夫を殺された彼女に反論する。 エディはまだ子供であり、本物の犯罪者ではないと言いうルースは、バッジをつけてからベンが変わってしまったと考える。 その後ベンは、警告を無視してオルソンらに酒を飲ませて話すセルビーと口論になり、エディとローリーとの関係を口にした彼を殴る。 バッジとガンベルトを外したベンは、セルビーと格闘になり、彼を叩きのめす。 傷のことを心配するルースとローリーを尻目に、気が晴れたベンは、ポールと共に留置場に向かう。 強盗のジョージと仲間に5000ドルの賞金が懸けられ、ベンは、検事のタラント・ジョスリン(ウェンデル・ホームズ)とエディの起訴について話をする。 ベンは強盗がセルビーを雇ったと考えるが、ジョスリンは、知事を狙う政治家でもある彼の野心について話す。 ハイラムが撃たれた事件のことを話すベンは、娘が幼馴染のエディを無実だと信じているため、証言はしたくないとジョスリンに伝える。 裁判は始まり、エディを連れたベンは法廷に向かう。 フレイザー判事(フランク・ウィルコックス)から冒頭陳述を求められたジョスリンは、エディがハイラムを殺害したこと述べる。 捜索隊に加わった保安官補エドを証人として呼んだセルビーは、エディがハイラムを殺したとは断定できないという証言を聞き出す。 同じく保安官補のウィリアムに証言させたジョスリンは、ハイラムを撃ったのがエディだということを確認させる。 ベン以外の捜索隊の誰もエディが撃ったと証言していないとウィリアムに伝えたセルビーは、撃った者を確実には言えないと彼に証言させて、勝訴を確信する。 自分が証言するしかなくなったベンは、ジョスリンから銃撃の様子を訊かれて話し、ハイラムを撃ったのはエディだと証言する。 セルビーは、エディとローリーの関係についてベンに尋ねるものの、ジョスリンが異議を申し立てて認められる。 ベンは、落馬して動揺している状況で45m離れていても、エディが撃ったことを目撃し確信があると、セルビーの質問に答える。 陪審員の評決が有罪であることを確認した判事は、エディを起立させて話を聞く。 罪を犯したことは認めるエディは、”昔から知っているハイラムを殺すわけがないない、ベンも殺すことができず馬を撃ち、他の誰かがハイラムを撃った”と言って、実を訴えて泣き崩れる。 判事は、絞首刑に処すことをエディに伝えて閉廷する。 その様子を見ていたジョージらは、エディを助け出そうとする。 その夜、エディの処刑が決まり、動揺しながら酒場で酒を飲むジョスリンと話したベンは、絞首刑台を作り公開処刑は避けるようにと言われ、町を去る彼を気遣う。 ルースから、ローリーのために処刑に立ち会わないでほしいと言われたベンは、町の正義と法を守る必要があることを伝える。 エディを捕らえてから、彼を殺そうとしていると言うルースはベンの考えが理解できず、結婚するのが処刑の日と同だと彼に伝えて家に戻る。 帰宅したベンは、家を出てルースの元に向かおうとするローリーから、町の人々も皆エディの処刑は間違いだと思っていると言われ、彼女を引き止めることができなかった。 モリーの元に向かい、話をして助けを求めたベンは気分が楽になり、懸賞金の3000ドルを口座に振り込んだことを伝えてその場を去る。 絞首刑台の建設が始まり、ベンは、先に塀を作るよう指示する。 出来上がる処刑台を見つめるエディは、差し入れに来たローリーに愛を告げて抱きしめ、銃を持ってきてほしいと伝えてキスする。 ベン以外の目撃証言を重視する意見がでて、ランダーやオルソンらは、署名を集めてエディの無実を知事に請願してみることを考える。 ミッジと話したベンは、母との結婚を諦めたことを残念に思う彼から父親になってほしかったと言われ、息子だと思っていると伝える。 ベンは、自分のような保安官になりたいと言うミッジに、将来のことはよく考えるようにと助言する。 エドとウィリアムを食事に行かせようとしたベンは、エディに差し入れに来たローリーのバスケットをチェックさせる。 ウィリアムが小型拳銃を見つけ、ローリーを責めるベンは、エディは自分と違って人を殺せないと言われたために、彼女の頬を叩く。 ローリーが出て行った後、ベンは、銃に弾が入っていなかったことを知る。 そこに現れたランダーらは、エディを禁固刑に変えることを求める212名の署名を集めたことをベンに伝える。 それを友人でもある知事に届けてもらいたいと言われたベンは、承知するしかなかった。 ジョージとコーリーは町に着き、厩舎に馬を置く。 留置場の様子を見に来たポールは、エドとウィリアムが酔っていることを知り、厩舎の馬に気づきその場に向かう。 警戒死ながら厩舎に向かったポールは、背後から迫ったジョージに殴られる。 留置場に向かったジョージはウィリアムとエドを叩きのめし、エディを助けようとする。 ベンが町に戻り、ランダーらに減刑の通知と共にバッジを渡す。 ルースの家に向かったベンは、彼女とローリーにエディの処刑は中止になったことを伝える。 喜んだローリーは留置場に向かうが、ジョージらに捕らえられ、エディに殴られる。 厩舎に向かったジョージらは馬で逃げようとするが、ポールが発砲する。 ポールを銃撃したジョージらは逃走し、それに気づいたベンは、彼らに発砲する。 ジョージとコーリーを射殺し、逃げたエディを捜すベンは、発砲されそうになるものの、ローリーが父に危険を伝える。 ポールからエディが処刑台にいることを知らされたベンは、彼を射殺する。 ベンに傷は大丈夫だと伝えたポールは、ローリーに支えられて家に向かう。 ルースと共に戻ろうとしたベンは、ランダーらからバッジを渡される。 バッジを受け取ったルースは、それをベンの胸につける。
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その後、酒場で食事をしていたベンは、現れたルースからローリーの様子を聞き、処刑はやめてほしいと言われるものの、できないと伝えて理解を求め、彼女との愛を確認する。
*(簡略ストー リー)
1878年、ネブラスカ州。
駅馬車業を営む元連邦保安官のベン・カトラーは、銀行を襲った悪党のジョージらを追跡する。
娘のローリーの幼馴染エディが一味に加わり、連邦保安官のハイラムを射殺したのを目撃したベンは、彼を銃撃して町に連行する。
未亡人ルースとの結婚を控えていたベンは連邦保安官に復帰し、エディを裁判にかけようとする。
エディに惹かれていたローリーは、彼が殺人犯だと思えず、父ベンと対立する。
正義と法を守らなければならないベンは、住民もエディに同情する中、苦悩しながら様々なことに対処するのだが・・・。
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美術監督として「わが谷は緑なりき」(1941)で美術賞を受賞したことで知られる、ネイサン・ジュランが監督した作品。
*「剃刀の刃」(1946)でも美術賞にノミネートされた。
娘の幼馴染である青年が犯した殺人の唯一の目撃者である連邦保安官の苦悩を描く西部劇。
少年時代から知る青年の犯行を目撃するものの、それを信じない娘や同情する周囲から次第に孤立していく主人公の辛い立場と心情を描く、ネイサン・ジュランの繊細な演出が見どころの作品。
公開時のことは不明だが、音楽担当者がクレジットされていない作品であり、「決断の3時10分」(1957)のテーマ曲”The 3:10 to Yuma”が随所に挿入されていることが気になる。
主演のフレッド・マクマレイは、娘や住人に批判されつつも、正義と法を守ろうとする風格ある連邦保安官を見事に演じている。
主人公を理解して支える婚約者のマギー・ヘイズ、銀行強盗団の見張り役だったが、連邦保安官を殺してしまう青年ロバート・ヴォーン、彼に惹かれている主人公の娘ジョーン・ブラックマン、彼女を愛する医師のジェームズ・ドーリー、検事のウェンデル・ホームズ、弁護士のエドモン・ライアン、殺される連邦保安官のエミール・メイヤー、その妻キャサリン・カード、銀行強盗のビング・ラッセル、その仲間ステイシー・ハリス、町の住人ラッセル・ソーソン、ハワード・マクニアー、保安官補のデンバー・パイルとフィル・チェンバース、ルース(マギー・ヘイズ)の息子ラスティ・スロープ、判事のフランク・ウィルコックス、馬車の農夫トム・ロンドンなどが共演している。