南米を渡り歩くイカサマ賭博師と雇い主となった高級カジノのオーナーの妻との関係を描く、監督チャールズ・ヴィダー、主演リタ・ヘイワース、グレン・フォード、ジョージ・マクレディ共演のサスペンスにしてフィルム・ノワールの秀作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:チャールズ・ヴィダー
製作:ヴァージニア・ヴァン・アップ
原作:E・A・エリントン
脚本:マリオン・パーソネット
撮影:ルドルフ・マテ
編集:チャールズ・ネルソン
音楽:モリス・ストロフ
出演
リタ・ヘイワース:ギルダ・マンスン/ファレル
グレン・フォード:ジョニー・ファレル / ナレーター
ジョージ・マクレディ:バリン・マンスン
ジョゼフ・カレイア:モーリス・オブレゴン
スティーヴン・ジレー:アンクル・ピオ
ドナルド・ダグラス:トーマス・ラングフォード
ジョー・ソーヤー:ケイシー
ジェラルド・モア:デルガド
マーク・ロバーツ:ゲイブ・エヴァンス
ルドウィッグ・ドナス:ドイツ人
ライオネル・ロイス:ドイツ人
ソウル・マーテル:小男
ジョージ・J・ルイス:フエルタ
ローザ・レイ:マリア
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1946年製作 109分
公開
北米:1946年3月15日
日本:1949年8月9日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
南米を渡り歩き、イカサマ賭博師の生活を続けていたジョニー・ファレル(グレン・フォード)は、ある町の路地で暴漢に襲われかけたところを、バリン・マンスン(ジョージ・マクレディ)に救われる。
ファレルはマンスンに高級カジノに出入りする許可証をもらい、軽く勝負をして稼ぎ切り上げようとするが、イカサマを見破られ、用心棒ケイシー(ジョー・ソーヤー)に痛めつけられる。
カジノのオーナー、マンスンに、ファレルは追放されそうになるが、逆に自分を売り込み、カジノで働くようになり、その後、ファレルはマンスンの右腕となる。
やがて戦争(第二次大戦)が終わり、旅行に出かけることになったマンスンは、ファレルにカジノを任せる。
マンスンは旅行から戻り美しい妻ギルダ(リタ・ヘイワース)をファレルに紹介するが、2人はなぜか素っ気無い態度だった。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
南米を渡り歩くイカサマ賭博師のジョニー・ファレルは、高級カジノのオーナー、マンスンと知り合う。
マンソンのカジノの出入りを許されたファレルは、そこでイカサマをしたために痛めつけられてしまう。
ファレルはマンスンに追放されそうになるが、逆に自分を売り込んだ彼は、カジノで働くことになる。
その後、ファレルはマンスンの右腕となり、旅立つことになったボスの代わりに、カジノを任される。
やがてマンスンは、美しい妻ギルダを連れて戻る。
しかし、ギルダとファレルは、なぜか余所余所しい態度をとる・・・。
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戦中(第二次大戦)戦後のセックス・シンボルとして一世を風靡した、リタ・ヘイワースの代表作にして伝説的作品。
2人の男を惑わせる、魔性の女”ファム・ファタール”としてのリタ・ヘイワースの魅力は、妖艶などという言葉では言い尽くせない。
画面に映える美しさや悩ましさは他を圧倒して、極端に言えば、この世のものとは思えない程だ。
「ショーシャンクの空に」(1994)のスティーヴン・キングの原作原題”刑務所のリタ・ヘイワース”であり、ドラマの中でも、本作”ギルダ”が囚人達の前で上映される。
また、主人公が独居房から脱出するため、壁の穴を隠す特大の彼女のポスターが印象に残る。
イカサマ詐欺師からカジノのオーナーの右腕となる主人公が、元恋人でボスの妻となる女性と再会する数奇な運命、世界制覇を目論む独占組織が絡む、スケールの大きなストーリー展開やフィルム・ノワールとしての面白味があるが、チャールズ・ヴィダーの演出自体はやや平凡にも思える。
しがないイカサマ賭博師から、巨大組織のボスにまで成り上がる男が、一人の女に翻弄されるという役のグレン・フォードは、リタ・ヘイワースの引き立て役的な存在として好演はしている。
美しさだけでなく歌や踊りもふんだんに見せてくれるリタ・ヘイワース、ドラマを和ませる、カジノで働くスティーヴン・ジレーの知性とユーモアを兼ね備えた名演、そして物語を引き締める黒幕ジョージ・マクレディや捜査官ジョゼフ・カレイアの洗練された演技も見逃せない。