1982年に発表された、P・W・キンセラの小説”シューレス・ジョー”を基に製作された作品。 ファンタジックなストーリーと素朴な登場人物などが心地よい余韻を漂わせる秀作ドラマ。 監督フィル・アルデン・ロビンソン、主演ケヴィン・コスナー、エイミー・マディガン、レイ・リオッタ、ジェームズ・アール・ジョーンズ、バート・ランカスター共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:フィル・アルデン・ロビンソン
製作総指揮:ブライアン・E・フランキッシュ
製作
ローレンス・ゴードン
チャールズ・ゴードン
原作:P・W・キンセラ”シューレス・ジョー”
脚本:フィル・アルデン・ロビンソン
撮影:ジョン・リンドレー
編集:イアン・クラッフォード
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演
レイ・キンセラ:ケヴィン・コスナー
アニー・キンセラ:エイミー・マディガン
カリン・キンセラ:ギャビー・ホフマン
ジョー・ジャクソン:レイ・リオッタ
テレンス・マン:ジェームズ・アール・ジョーンズ
ムーンライト・グラハム:バート・ランカスター
マーク:ティモシー・バスフィールド
アーチー・グラハム:フランク・ホエーリー
アメリカ 映画
配給 ニバーサル・ピクチャーズ
1989年製作 106分
公開
北米:1989年4月21日
日本:1990年3月24日
北米興行収入 $64,431,630
世界 $84,431,630
■ アカデミー賞 ■
第62回アカデミー賞
・ノミネート
作品・脚色・作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
アイオワ州の片田舎。
レイ・キンセラ(ケヴィン・コスナー)は、自宅裏のとうもろこし畑で、”それを作れば、彼がやってくる”という声を聞く。
そのことを、妻アニー(エイミー・マディガン)に伝えたレイだったが、彼女はそれを気にもしない。
その夜、ベッドの中でもその声を聞いたレイは、それを住民に話しても信じてもらえない。
その後、レイは畑仕事の最中に、その言葉と共に、とうもろこし畑に野球場がある幻影を見てしまう。
レイは、畑をつぶして野球場を作れば、”シューレス・ジョー・ジャクソン”が現れるというのが、言葉の意味だとアニーに話す。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
トウモロコシ農場を営むレイ・キンセラは、ある日、”それを作れば、彼がやってくる”という、謎の言葉を聞いてしまう。
それが頭から離れないレイは、とうもろこし畑に野球場が出来ている幻影を見てしまう。
どうしても、その言葉の意味を知りたい思いのレイは、妻アニーの理解を得て、収穫を前に畑を潰して野球場を作ってしまう。
周囲の軽蔑の眼差しを気にしながら、レイはひたすら事が起きるのを待つ。
そしてある日、1919年のワールドシリーズの八百長事件で球界を追われた、”シューレス”ジョー・ジャクソンが球場に姿を現す。
言葉の謎が解けると喜んだレイだったが、再び違った言葉を聞いてしまう・・・。
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まだ老け込む年でもないが、悪く言えば、今ではすっかり落ちぶれてしまった、ケヴィン・コスナーがスターダムにのし上がり、絶倒期を迎えようとしていた頃の作品。
第62回アカデミー賞では、作品、脚色、作曲賞にノミネートされた。
夫に理解を示す、勝気な妻役を好演したエイミー・マディガンと共に、ケヴィン・コスナーは中年になりかかる、純朴な田舎の農夫を見事に演じている。
当時人気は急上昇、飛ぶ鳥を落とす勢いだったことを考えると、返す返すも、現在の彼の凋落ぶりは残念でならない。
また、本作で特筆すべきは、共演のベテラン二人で、作品に品格を与えている。
テレビシリーズを除けば、本作が、長い俳優人生を締めくくる遺作と言えるバート・ランカスターだが、彼の重みのある燻し銀の演技は忘れられない。
なんとなく、映画界から去っていくような雰囲気を漂わせながら、畑に消えていく彼の姿を見て、当時これが最後なのだろうかと、寂さを感じたことを思い出す。
今でも現役バリバリの、ジェームズ・アール・ジョーンズの貫禄の演技は、やや弱々しい主人公(ケヴィン・コスナー)のサポート役として、実に頼もしい存在だ。
数本の出演作はあるものの、本作がきっかけで、その後活躍することになる、ジョー・ジャクソン役のレイ・リオッタも、印象に残る重要な役柄を演じている。
本作で彼の顔を覚えたファンは多いはずだ。
主人公の義兄ティモシー・バスフィールド、娘のギャビー・ホフマン、青年アーチー・グラハムのフランク・ホエーリーなどが共演している。
また、フェンウェイ・パークの観客エキストラとしてベン・アフレックとマット・デイモンが出演しているが、シーンはカットされている。
この作品のために作られた野球場は、現在でも存在する。