夫殺害で有罪となった女性の真相を暴こうとする孤独な闘いを描く、監督ブルース・ベレスフォード、トミー・リー・ジョーンズ、アシュレイ・ジャッド、ブルース・グリーンウッド、アナベス・ギッシュ他共演のサスペンス。 |
・トミー・リー・ジョーンズ / Tommy Lee Jones / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ブルース・ベレスフォード
製作:レナード・ゴールドバーグ
脚本
デヴィッド・ワイズバーグ
ダグラス・S・クック
撮影:ピーター・ジェームズ
編集:マーク・ワーナー
音楽:ノーマンド・コーベイル
出演
トミー・リー・ジョーンズ:トラヴィス・リーマン
アシュレイ・ジャッド:エリザベス”リビー”・パーソンズ
ブルース・グリーンウッド:ニコラス・パーソンズ/ジョナサン・デヴロー
アナベス・ギッシュ:アンジー・グリーン
ローマ・マフィア:マーガレット
ダヴェニア・マクファデン:エヴェリン
ベンジャミン・ウイアー:マティ・パーソンズ(4歳)
ジェイ・ブラゾー:ボビー・ロング
ブレナン・エリオット:ヤッピー
スペンサー・トリート・クラーク:マティ・パーソンズ(11歳)
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1999年製作 105分
公開
北米:1999年9月24日
日本:2000年3月4日
製作費 $70,000,000
北米興行収入 $116,735,230
世界 $177,841,560
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
リビー・パーソンズ(アシュレイ・ジャッド)は、何不自由ない幸せな生活を送っていた。
家庭も裕福で、夫ニック(ブルース・グリーンウッド)、息子のマティ(ベンジャミン・ウイアー)とシアトル郊外の邸宅に住み、友人達に囲まれていた彼女の生活がある事件で一変してしまう。
ニックは、セーリング好きのリビーにヨットを買う事を考え、二人は試乗に出かけることになる。
マティを友人アンジー・グリー(アナベス・ギッシュ)に預け、ニックとリビーは二人だけの時を過ごしていた。
しかし、その夜、彼女が目を覚ますと、ニックは血痕を残して姿を消し、血の付いたナイフが、甲板に落ちていた。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
何不自由ない、幸せな生活を送っていたリビー・パーソンズは、ある事件で人生が一変してしまう。
夫ニックは、セーリング好きのリビーにヨットを買うことを考え、二人は試乗に出かけることになる。
息子マティを友人のアンジーに預けて、ニックとリビーは、二人だけの時を過ごしていたのだが、その夜、彼は血痕を残して姿を消してしまう。
状況証拠から、リビーは、夫殺害の容疑で逮捕され、裁判で有罪の判決を受けてしまう。
服役したリビーは、アンジーにマティを養子にするように頼むが、その後、彼女からの連絡が途絶えてしまう。
アンジーの居場所を突き止めたリビーは、マティとの電話で、ニックの存在を知ってしまう。
絶望するリビーだったが、元弁護士でもある囚人マーガレットは、”ダブル・ジョパディー(二重処罰の禁止)”という、同じ罪で、同一人物を二度裁けないという法律を教える。
夫殺しで裁かれたリビーは、再び夫を殺しても裁かれないということを知り、息子を取り戻す決心をする。
仮釈放になったリビーは、保護監察官トラヴィス・レーマンの共同アパートで暮らすことになり、密かに、そのチャンスを待つのだが・・・。
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「ドライビング Miss デイジー」(1989)のブルース・ベレスフォードがサスペンスに挑戦した作品。
殺人犯探しや、法廷シーン、または女性刑務所など犯罪色の濃いドラマの中で、母の子供を想う愛情をテーマにしているところが、この作品のポイントだ。
リビーが女性の囚人に、”子供は産まれた時に母親から引き離されるけど、母親の声だけは、いくつになっても忘れないもの”と、その気持ちが分かるかと言う問いかけに、囚人は”母親なら分かる”とうなずくシーンは、それを象徴している。
また、不仲なはずのリビーの母親も、畑に埋めてあったヘソクリを、娘のために、何も言わずに渡す場面も同じだ。
上映開始後30分しないと登場しないトミー・リー・ジョーンズは、主演と言うより脇役に徹しているような雰囲気だが、執拗な追跡の末、ラストには主人公リビーとの友情が芽生える、人間味のある中年男性を好演している。
夫への復讐と言うよりも、子供への愛情を取り戻すために執念を燃やす、逞しい母親をアシュレイ・ジャッドが見事に演じ、本作のヒットに最も貢献しているのは間違いない。
製作費7000万ドルの大作で、北米興行収入は約1億1700万ドル、全世界では約1億7800万ドルのヒットとなった。
主人公の夫役ブルース・グリーンウッドも、冒頭とクライマックスで、重要な役を演じている。
本作のひとつの見せ場となる、女刑務所の場面で、主人公と極悪囚人達との友情もなかなか興味深い。
特に、主人公に、”ダブル・ジョパディー(二重処罰の禁止)”を教えて助言をする、元弁護士の殺人犯ローマ・マフィアが非常に印象に残る。
主人公の友人アナベス・ギッシュ、主人公と親交を深める囚人ダヴェニア・マクファデン、主人公の息子役ベンジャミン・ウイアー、11歳の息子役のスペンサー・トリート・クラーク、主人公の友人で弁護士役ジェイ・ブラゾー、主人公に迫るヤッピー、ブレナン・エリオットなども共演している。
クライマックスで、主人公に拳銃を向けられた夫が、”自分を殺せばルイジアナでは、即ガス室送りだ”と言うシーンがあるが、これは誤りでルイジアナでは本作の8年前に、刑の執行が電気椅子から薬物投与に変わっている。