アメリカ犯罪史上に名高い凶悪犯ジョン・ディリンジャーの生涯を描く、出演ローレンス・ティアニー、エドマンド・ロウ、監督マックス・ノセックによる犯罪ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マックス・ノセック
製作
モーリス・キング
フランク・キング
脚本:フィリップ・ヨーダン
撮影:ジャクソン・ローズ
編集
オット・レヴェリング
エドワード・マン
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演
ジョン・ディリンジャー:ローレンス・ティアニー
スペックス・グリーン:エドマンド・ロウ
ヘレン・ロジャース:アン・ジェフリーズ
マルコ・ミネリ:エドュアルド・チアネッリ
ドク・マディソン:マーク・ローレンス
カーク・オットー:イライシャ・クックJr.
トニー:ラルフ・ルイス
オットー夫人:エルザ・ジャンセン
オットー:ラドウィグ・ストーセル
ディリンジャーの父:ヴィクター・キリアン
アメリカ 映画
配給 King Brothers Productions
1945年製作 70分
公開
北米:1945年3月2日
日本:1952年7月15日
製作費 $193,000
北米興行収入 $4,000,000
■ アカデミー賞 ■
第18回アカデミー賞
・ノミネート
オリジナル脚本賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
インディアナ州。
ある劇場で、悪名高き強盗犯ジョン・ディリンジャー(ローレンス・ティアニー)の犯行を伝えるニュース・フィルムが上映される。
その後、舞台に上がったディリンジャーの父(ヴィクター・キリアン)は、息子の生い立ちを話し始める・・・。
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地元の高校を中退したディリンジャーは、町のチンピラになっていた。
ある日ディリンジャーは、酒場で恋人に酒をせがまれ、ウエイターに軽蔑された末に、たった7ドルの強盗で捕まり刑務所に入れられる。
ディリンジャーは、金融関連の大物犯罪者スペックス・グリーン(エドマンド・ロウ)と同じ監房になり、自分との格の違いを痛感する。
スペックスから、カーク・オットー(イライシャ・クックJr.)やマルコ・ミネリ(エドュアルド・チアネッリ)、ドク・マディソン(マーク・ローレンス)ら仲間を紹介されたディリンジャーは、手を組めば、強力なギャング集団になれると彼らを根気よく説得する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
町のチンピラのジョン・ディリンジャーは、わずか7ドル余りの強盗で刑務所行きとなる。
金融関係の犯罪者の大物スペックスと同じ監房になったディリンジャーは、仲間を紹介されてギャング集団結成を考える。
その後、出所したディリンジャーは、約束した通りスペックスらを脱獄させ、その後、銀行強盗などを繰り返す。
やがてディリンジャーは、スペックスからリーダーの地位を奪い取るが、彼に裏切られて逮捕され投獄されてしまう。
難なく脱獄したディリンジャーは、スペックスを殺害し、その後、大金を積んだ列車を襲うものの銃弾を受けてしまう。
隠れ家に潜伏していたディリンジャーは、”社会の敵ナンバー・ワン”に指名され、彼を逮捕するための大規模な捜査網が敷かれる・・・。
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これぞ”B級映画”の決定版と言える代表作で、質の悪い”B級”ではなく、短期間で製作されたにも拘らず、わずか70分の上映時間内に収められた、娯楽の要素満載の、映画本来の持つ面白味が凝縮された作品として、実に興味深い作品に仕上がっている。
主人公ディリンジャーの、生い立ちを語ろうとする父の演説から始まるオープニング、うだつの上がらないチンピラが、刑務所で犯罪の極意を学び、次第に凶悪犯に変貌していく姿がリアルに描かれている。
フリッツ・ラングの、「暗黒街の弾痕」(1937)の銀行強盗シーンが、本作の一部として使われていることも有名だ。
実際の仲間や犯行などは、事実とはかなり違い脚色されてはいるものの、隠れ家となる”リトル・ボヘミア・ロッジ”や、模造銃での脱獄、そして”赤いドレスの女”など、随所で実際の出来事などが登場する。
第18回アカデミー賞では、 オリジナル脚本賞にノミネートされた。
付け加えることもないが、音楽担当がディミトリ・ティオムキンということからも、本作を”二流映画”として見てはいけない。
”B級映画”やローレンス・ティアニーのファンでもある、クエンティン・タランティーノが、「レザボア・ドッグス」(1992)で彼を出演させたのも知られた話だ。
ローレンス・ティアニーは、犯罪者には見えない男性で登場するが、犯罪に対して貪欲な考えになる刑務所生活により、凶悪犯へと変貌していく主人公を好演している。
未熟なディリンジャーを手玉に取ろうとする、犯罪者の大物エドマンド・ロウ、主人公を裏切る恋人アン・ジェフリーズ、一味のエドュアルド・チアネッリ、マーク・ローレンス、ラルフ・ルイス、イライシャ・クックJr.、その両親エルザ・ジャンセン、ラドウィグ・ストーセル、主人公の父親役ヴィクター・キリアンなどが共演している。