1979年にブロードウェイで上演された、シドニー・キングスレーによる舞台劇の映画化。 悪を憎む刑事の慌しい一日を描く、製作、監督ウィリアム・ワイラー、カーク・ダグラス、エリノア・パーカー共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:ウィリアム・ワイラー
戯曲:シドニー・キングスレー
脚本
フィリップ・ヨーダン
ロバート・ワイラー
撮影:リー・ガームス
編集:ロバート・スウィンク
音楽:ヴィクター・ヤング
出演
ジム・マクラウド:カーク・ダグラス
メアリー・マクラウド:エリノア・パーカー
ルー・ブロディ:ウィリアム・ベンディックス
スーザン・カーマイケル:キャシー・オドネル
デイキス:バート・フリード
カール・シュナイダー医師:ジョージ・マクレディ
モナハン警部補:ホレイス・マクマホン
チャールズ”チャーリー”ジェニーニ:ジョセフ・ワイズマン
万引き犯:リー・グラント
ハッチ夫人:グラディス・ジョージ
ギャラガー:フランク・フェイレン
ジョー・フェインソン:ルイス・ヴァン・ルーテン
アーサー・カインドレッド:クレイグ・ヒル
ルイス・アボット:マイケル・ストロング
タミ・ジャコペティ:ジェラルド・モアー
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1951年製作 103分
公開
北米:1951年11月6日
日本:1953年2月12日
■ アカデミー賞 ■
第24回アカデミー賞
・ノミネート
監督
主演女優(エリノア・パーカー)
助演女優(リー・グラント)
脚色賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク市警、第21分署。
悪を憎む鬼刑事ジム・マクラウド(カーク・ダグラス)は、店の金を横領した青年アーサー・カインドレッド(クレイグ・ヒル)を署に連行する。
入り口で妻メアリー(エリノア・パーカー)に出くわしたマクラウドは、彼女と夕食の約束をして別れる。
署内でアーサーの取調べを始めたマクラウドは、モナハン警部補(ホレイス・マクマホン)に呼ばれる。
その場にいた、出頭する予定だったカール・シュナイダー医師(ジョージ・マクレディ)の弁護士は、手荒なマクラウドが依頼人に乱暴をしないように釘を刺す。
マクラウドは、シュナイダーを殺人者と決め付けていたため、彼の優秀さを買うモナハンだったが、過ぎた行動をしないように警告する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
犯罪を異常なほど憎む市警の刑事ジム・マクラウドは、会社の金を横領した青年を逮捕し署に戻る。
そこには、簡易裁判を待つ万引き女性、強盗、弁護士、記者、そして被害届けに現れる市民らが入れ替わりで訪れる。
マクラウドは、以前から目をつけていた悪徳医師のシュナイダーに出頭を命じていたのだが、行き過ぎた捜査方法を警部補モナハンに警告される。
そんな言葉を無視するマクラウドは、シュナイダーを証人に会わせるが証拠が掴めず、別の証人も急死してしまう。
そして、シュナイダーが手を回したものと思い込んだマクラウドは彼に暴行してしまう。
モナハンは、異常に思えるマクラウドのシュナイダーに対する憎悪を気にして2人の関係を探ろうとする。
マクラウドの妻メアリーを署に呼び寄せたモナハンは、シュナイダーが知っていた男が、かつて彼女と関係していたことを知る。
それがマクラウドがシュナイダーを憎む理由だと理解したモナハンだったが、夫はそれを知らないはずだとメアリーは伝える。
そして、メアリーと、彼女と関係した男の元にモナハンはマクラウド呼び寄せる。
しかしマクラウドは、予想もしていなかった妻の過去に衝撃を受けて愕然としてしまう・・・。
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物語がほとんど分署の中だけで展開する、いかにも舞台劇らしい構成と群像劇の要素も取り入れた作風となっている。
アメリカ社会の縮図をひとまとめにしたような、密室の出来事を淡々と追っていく展開ではあるが、鋭い切れ味を見せる、スリリングで力強いウィリアム・ワイラーの演出は冴え渡る。
第24回アカデミー賞では、監督、主演女優(エリノア・パーカー)、助演女優(リー・グラント)、他、脚色賞にノミネートされた。
邦題の”探偵物語”は意味不明で、何を意図しているのか全く理解できない。
熱血刑事そのまま、気迫溢れる主人公を熱演するカーク・ダグラスが、自滅していく姿も痛々しい。
冒頭に登場して、中盤過ぎまで登場しないことで、アカデミー主演賞にノミネートされたことに疑問を感じしまうエリノア・パーカーは、それ以降、終盤にかけて、刑事の妻役ということで、彼女にしては質素な雰囲気でありながら、その美しさも際立つ迫真の演技を見せてくれる。
人情味あるベテラン刑事ウィリアム・ベンディックス、会社の金を横領する青年クレイグ・ヒル、彼に心を寄せる女性で、ウィリアム・ワイラーの実兄であり、脚本を担当しているロバート・ワイラーの妻でもあるキャシー・オドネル、分署長の警部補ホレイス・マクマホン、悪徳医師ジョージ・マクレディ、強盗犯として怪演を見せるジョセフ・ワイズマン、その相棒マイケル・ストロング、見逃せない好演、万引き犯の女性リー・グラント、新聞記者のルイス・ヴァン・ルーテン、証人のグラディス・ジョージ、刑事役のバート・フリード、フランク・フェイレン、メアリー(E・パーカー)の元恋人ジェラルド・モアーなどが共演している。