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ゾンビ Dawn of the Dead (1978)

死者が蘇り人間を襲う”ゾンビ”に対抗する者達の戦いを描く、監修ダリオ・アルジェント、監督、脚本、編集ジョージ・A・ロメロ、主演デビッド・エンゲケン・フォリーゲイラン・ロススコット・ライニガー他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:ジョージ・A・ロメロ

製作
クラウディオ・アルジェント
アルフレッド・クオモ
リチャード・P・ルービンスタイン
脚本:ジョージ・A・ロメロ
撮影:マイケル・ゴーニック
編集:ジョージ・A・ロメロ
音楽
ゴブリン
ダリオ・アルジェント

出演
スティーブン”フライボーイ”アンドリュース:デビッド・エンゲ
ピーター・ワシントン:ケン・フォリー
フランシーン”フラン”パーカー:ゲイラン・ロス
ロジャー”トルーパー”デマルコ:スコット・ライニガー
ジェームズ・フォスター博士:デヴィッド・クロフォード
バーマン:デヴィット・アーリー
ミラード・ラウシュ博士:リチャード・フランセ
ダン・ギブンズ:ダニエル・ディートリッヒ
TVキャスター:ハワード・スミス
SWAT指揮官:フレッド・ベイカー
ウーリー:ジョン・バフィコ SWAT
ロッド・タッカー:ロッド・スタウファー
神父:ホセ・デル・グレ
ブレイズ:トム・サヴィーニ
マルティネス:ジョー・セルビー
ルディ:ルディ・リッチ
ラリー:ラリー・ヴァイラ
テレビ・ディレクター:ジョージ・A・ロメロ
テレビ・プロデューサー:クリスティーン・フォレスト

アメリカ/イタリア 映画
配給 United Film Distribution Company
1978年製作 119分
公開
イタリア:1978年9月2日
北米:1979年4月20日
日本:1979年3月10日
費 $650,000
北米興行収入 $5,100,000
世界 $55,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
フィラデルフィア
アメリカ各地で、突如として死体が蘇り”ゾンビ”となり、人々を襲い始めて社会は混乱していた。

交通情報のリポーターのスティーブン・アンドリュース(デビッド・エンゲ)は、テレビ局”WGON”に勤務する恋人のフランシーン”フラン”パーカー(ゲイラン・ロス)に、夜の9時に屋上からヘリコプターで脱出することを伝える。

その頃、スティーブンの友人である”SWAT”隊員のロジャー・デマルコ(スコット・ライニガー)は、あるアパートの籠城事件のために出動する。
...全てを見る(結末あり)

犯人達を射殺したロジャーらは、アパート内に潜伏していたゾンビ達との戦いを終える。

別の班の隊員ピーター・ワシントン(ケン・フォリー)に、今夜、友人とヘリで逃げることを話したロジャーは、彼をそれに誘う。

そこに現れた片足の神父(ホセ・デル・グレ)は、無数の死体が地下にあると言って、今後は、その死者に圧倒されるロジャーとピーターに伝えてその場を去る。

地下に向かったピーターとロジャーは、死体を食べるゾンビ達を銃撃して息の根を止める。

フランと共にヘリで巡視艇基地に向かったスティーブンは、到着したロジャーとピーターを乗せて飛び立つ。

夜が明けて飛行を続けるスティーブンは、燃料が少ないために給油を考えるが、地上のいたるところにゾンビがいることを確認する。

同じ頃、警察や消防署員と共に住民の自警団が結成され、ゲーム感覚でゾンビを退治していた。

給油所に着陸したスティーブンらは、わずかに残る燃料を補給する。

民家を調べたスティーブンらは、ゾンビに遭遇して射殺する。

その後、飛び立ったヘリは、巨大なショッピングモールの屋上に着陸し、スティーヴンらは駐車場にいるゾンビを確認する。

天窓から内部を探り非常災害用の飲料水などを見つけたスティーブンらは、食糧もあるはずだと考えて窓を割って入り調べる。

食糧を見つけたスティーブンらは警戒しながらその場で過ごし、店舗に行けば必要なものは何でも揃うために、ピーターとロジャーは階下に向かおうとする。

フランはそれを制止するものの、スティーブンが眠っているために、ピーターから銃を渡されてその場を任される。

管理室に向かったピーターとロジャーは、ゾンビを混乱させるために音楽を流し、ゾンビ達をかわして店舗に入る。

フランに起こされたスティーブンも、下に向かう。

銃とモールの見取り図を見つけたスティーブンは、フランの元に戻ろうとするものの、ゾンビに襲われる。

必需品を手に入れたピーターとロジャーは銃声を聴き、それをスティーブンだと考えて助けようとする。

ゾンビに抵抗するスティーブンを見つけたピーターは、彼を連れて一旦、店舗に戻る。

スティーブンが持っていた見取り図を参考にして、三人はエアーダクトを通り上に向かう。

現れたゾンビに対し発煙筒で抵抗したフランは、戻ってきたスティーブンらに助けられる。

怯えるフランに、ここにいれば何でもそろうと伝えたスティーブンは、彼女を落ち着かせる。

食事をしながら、運んできたテレビのチェックをするスティーブンだったが、試験放送しか映らなかった。

ラジオ放送は受信できたために国内の状況は分かり、スティーブンは、今頃、テレビ局内は地獄と化しているだろうと考え、対処しようとしなかった者達を愚かだと思う。

自分達が助かったのは運がよかっただけだと言うピーターは、油断するとやられるとスティーブンに伝える。

弱点は知っているので対抗すればいいと言われたピーターは、フランがゾンビ化したら首を切り落とせるかとスティーブンに問う。

ロジャーから、フランの様子がおかしいと言われたスティーブンは、彼女が妊娠していることを伝える。

ピーターから中絶した方がいいかと訊かれたスティーブンは、別室にいたフランの元に向かい、彼女からもそれを問われる。

共食いをするゾンビは温かい人間の肉だけを求め、生きていた時の記憶で動作はできるが、道具を使っても行動は原始的で、本能に従っているだけだと、科学者のミラード・ラウシュ博士(リチャード・フランセ)は語る。

ゾンビを人間と同じだと思うことは危険で、感情はなく、見つけ次第、抹殺しなければならないとラウシュは付け加える。

アトランタでは、ウィリス性疾病の観点で分析が進められ、ワクチン開発のための試験が行われていた。

妊娠で特別扱いされるのを嫌い、仲間の一人として計画を知りたいと言うフランは、ピーターから、外に出て戦うつもりだが残るようにと指示される。

何かあった時のためにヘリの操縦を覚えたいとスティーブンに伝えたフランは、指示に従いその場に残る。

ヘリで飛び立ったスティーブンはピーターとロジャーを降ろし、二人はトラックを運び、モールの入り口を塞ごうとする。

二台でモールに向かい、トラックを入り口に停車させてピーターのトラックに乗り移ったロジャーだったが、バッグを車内に忘れたことに気づく。

冷静さを欠くロジャーに、自分の身まで危なくなると言って忠告したピーターは、モールの入り口に戻る。

バッグを取りに行ったロジャーは、無数のゾンビに襲われて腕と足を噛まれてしまう。

フランが屋上からゾンビを狙撃し、ロジャーを乗せたピーターはトラックを出して、その場から離れる。

モールに戻ったロジャーは、フランに傷口を手当てしてもらう。

ピーターとスティーブンは、銃砲店に向かい武器を確保する。

その後、4人はゾンビを倒しながら、入り口に向かうために展示されている車を利用しようとする。

ロジャーが配線をつないで車のエンジンをかけ、入口に向かったピーターらは、その場の鍵をかけて外部からのゾンビの侵入を防ぐ。

内部に残ったゾンビ達を殺したピーターらは、今後の対策を考える。

ロジャーに注射を打って眠らせたフランは、痛みを止めているだけで、適切な処置をしないと危険だとスティーブンに伝える。

ゾンビに噛まれて3日以上、生き延びた者はいないと、ピーターはスティーブンとフランに話す。

その後、ピーターとスティーブンは、通路に壁を作る。

つわりで苦しむフランを心配するスティーブンだったが、自分の問題だと言う彼女は一人になりたがる。

ピーターとスティーブンは、ゾンビが蘇る前に死体を片付ける。

4人は好きな物を手に入れて、つかの間の平穏を楽しむ。

症状が悪化して苦しむロジャーは、死んだらゾンビ化したくないので、頭を撃ち抜いてほしいとピートに伝える。

更にロジャーは、できる限りゾンビ化しないように頑張るので、ダメだと確信するまで撃たないでほしいとピーターに伝えて約束してもらう。

テレビでは、非現実的な対策論がを語るラウシュの意見が批判される。

ロジャーがゾンビ化したために、ピーターは彼の頭を撃ち抜き、スティーブンと共に埋葬する。

盛装したスティーブンとフランは、ピーターが給仕をして食事をする。

スティーブンから指輪を渡されてフランだったが、今は実感を持てないと言ってそれを返す。

数十日が過ぎて、フランの妊娠は順調に進み、彼女はスティーブンからヘリの操縦を習う。

その頃、モールに接近したブレイズ(トム・サヴィーニ)らバイカーギャングは、内部に無線連絡をしても応答がないために、押し入ろうとする。

危険と考えたピーターとスティーブンは無線を無視して屋上に向かい、迫るバイカー軍団を確認して守りを固めようとする。

それをフランに知らせたスティーブンは、シャッターを下ろしてくると言ってモールに向かう。

入り口に着いたバイカーは、武器を使ってゾンビを殺すものの、その場からの侵入を諦めて荷物の搬入口に向かう。

それを知ったピーターは、ゾンビも入って来るが、バイカーの邪魔になり好都合だと無線でスティーブンに伝え、案内所で合流することにする。

モール内に入ったバイカーは、略奪を始めながらゾンビを殺す。

自分達の物を奪われると思ったスティーブンはバイカーを攻撃してしまい、それを知ったピーターも仕方なく発砲する。

ピーターに気づいたブレイズは、彼を追うものの逃げられてしまう。

エレベーターに逃げ込んだスティーブンは、バイカーに見つかり腕を撃たれてしまう。

通気口に逃げ込んだピーターは、その場からブレイズを射殺する。

モールから逃げようとするバイカーらだったが、次々とゾンビに襲われる。

スティーブンからの連絡を受けたピーターは、上に向かうよう指示する。

ゾンビらは、バイカーの体を食いちぎる。

スティーブンは、襲い掛かってきたゾンビに噛まれながら抵抗する。

銃声を聴いたピーターはフランの元に戻り、スティーブンが無事かは分からないことを伝える。

動揺するフランを落ち着かせたピーターは、暫く待つことにする。

数時間が経ち、スティーヴンから連絡がないために、脱出することをピーターに提案したフランは、彼が諦めようとしないために苛立つ。

ゾンビ化したスティーブンは、作った壁を突き破って上に向かい、それに気づいたピーターは逃げるようにとフランに指示し、自分は残ることを伝える。

現れたスティーブンの頭を撃ち抜いたピーターは、フランを屋上に向かわせる。

覚悟を決めて拳銃で自殺しようとしたピーターは思い止まり、ゾンビを倒して屋上に向かう。

ゾンビが迫る中、飛び立とうとしたフランはピーターに気づき、彼をヘリに乗せる。

燃料の残量をフランに尋ねたピーターは、少ないと言われるものの、構わないと伝える。

ゾンビはヘリに迫るが、フランはピーターと共に飛び立つ。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
アメリカ各地で、突如として死体が蘇り”ゾンビ”となり、人々を襲い始めて社会は混乱していた。
フィラデルフィア
交通情報リポーターのスティーブン・アンドリュースは、テレビ局”WGON”に勤務する恋人のフランと共にヘリで脱出し、友人のSWAT隊員ロジャーとピーターと合流して街を離れる。
あるショッピング・モールの屋上に着陸したスティーブンらは、ゾンビがいることを確認しながら内部に入る。
閉鎖されている店舗内にはゾンビがいないため、その場で何でも手に入るスティーブンらは、必需品を手に入れて対策を考えるものの、ロジャーが犠牲になる。
その後、バイカーギャング軍団が現れ、それに対抗しようとするスティーブンらは、ゾンビを含めた戦いに備える・・・。
__________

低予算ホラー映画を製作し既に話題作を世に送り出していたジョージ・A・ロメロの”ゾンビ三部作”の二作目であり、様々なヴァージョンが存在する中で、ダリオ・アルジェントの監修による119分版が世界で最も多く公開された。
*ゾンビ3部作
・「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968)
・「ゾンビ」(1978)
・「死霊のえじき」(1985)

製作費はわずか6500万ドルでありながら、世紀末的な設定とその残虐性は大いに受けて、世界中で大ヒットした。

北米興行収入 $5,100,000
世界 $55,000,000

一躍、世界的に知られたジョージ・A・ロメロの代表作となり、その後のゾンビ及びホラー映画に大きな影響を与えた。

予算の関係もあり、内容はB級作品的で、役者の演技もうまいとは言えないが、残虐極まりない特殊効果などはなかなか手が込んでいる。
*バイカーギャングの一員として登場する特殊メイクアップアーティストのトム・サヴィーニが、本作でも特殊効果を担当している。

当時の日本では想像もできないような、巨大なショッピング・モールが舞台というのがポイントで、極限状態で戦わなくてはならない主人公らが、何でも揃い不自由なく過ごせる場所で対抗策を考える、様々なサバイバル・シーンなどが実に興味深い。

ヘリコプターの操縦ができる交通情報のリポーターで、恋人らと共に街から脱出するデビッド・エンゲ、妊娠していた彼の恋人で、テレビ局勤務のゲイラン・ロス、脱出に加わる頼もしい”SWAT”隊員のケン・フォリー、彼を脱出に誘う同じく隊員のスコット・ライニガー、科学者のデヴィッド・クロフォードとリチャード・フランセ、テレビ番組の司会者デヴィット・アーリー、テレビ・キャスターのハワード・スミスSWAT指揮官のフレッド・ベイカー、隊員のジョン・バフィコとロッド・スタウファー、神父のホセ・デル・グレ、本作の特殊効果も担当するバイカーギャングのトム・サヴィーニ、同じくバイカーギャングのジョー・セルビー、ルディ・リッチ、ラリー・ヴァイラ、テレビ・プロデューサーのクリスティーン・フォレスト、そして、テレビ・ディレクター役でジョージ・A・ロメロが出演もしている。


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