監督、主演のクリント・イーストウッドが”ワイルド・ウエスト・ショー”の座長として古風なロマンチストを演ずる、ソンドラ・ロック、ジェフリー・ルイス、スキャットマン・クローザース他共演によるコメディ・タッチのドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮:ロバート・デイリー
製作
デニス・ハッキン
ニール・ドブロフスキー
脚本:デニス・ハッキン
撮影:デヴィッド・ワース
編集
ジョエル・コックス
フェリス・ウェブスター
音楽
スティーヴ・ドーフ
スナッフ・ギャレット
出演
クリント・イーストウッド:ブロンコ・ビリー・マッコイ
ソンドラ・ロック:アントワネット・リリー
ジェフリー・ルイス:ジョン・アーリントン
スキャットマン・クローザース:”ドク”リンチ
ビル・マッキーニー:レフティ・ルバウ
サム・ボトムズ:レオード・ジェイムズ
ダン・ヴァディス:ビッグ・イーグル
シエラ・ペチャー:ロレイン・ランニング・ウォーター
ウォルター・バーンズ:ディックス保安官
ウィリアム・プリンス:エドガー・リプトン
ベヴァリー・マッキンゼー:アイリーン・リリー
ウッドロー・パーフリー:カンタベリー医師
ハンク・ウォーデン:ガソリンスタンドのメカニック
アリソン・イーストウッド:孤児
カイル・イーストウッド:孤児
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1980年製作 116分
公開
北米:1980年6月11日
日本:1980年8月
北米興行収入 $24,265,660
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
”ワイルド・ウエスト・ショー”の貧乏一座を率いる、ブロンコ・ビリー(クリント・イーストウッド)は、ショーの司会進行”ドク”リンチ(スキャットマン・クローザース)、先住民の蛇使い夫婦のビッグ・イーグル(ダン・ヴァディス)とロレイン・ランニング・ウォーター(シエラ・ペチャー)、投げ縄曲芸師のレオード・ジェイムズ(サム・ボトムズ)、左利きの拳銃使いレフティ・ルバウ(ビル・マッキーニー)らと、各地を巡業して旅を続けていた。
ショーのラストを飾るのは、いつもブロンコ・ビリーの拳銃とナイフの芸だったが、芸は時に失敗もあり、お客の入りも悪く一座の財政難は続く。
無給で働く座員は、ドクを通してビリーに不満を漏らすが、怒ったビリーは、客席の子供達の笑顔より金の方が大切かと座員に渇を入れる。
ある町に着いたビリーは、ショーの許可を取りに役場に向かい、遺産のために策略結婚させられるアントワネット・リリー(ソンドラ・ロック)とジョン・アーリントン(ジェフリー・ルイス)の二人が、婚姻届を出そうとする場に出くわす。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
”ワイルド・ウエスト・ショー”の貧乏一座を率いる、ブロンコ・ビリーは、5人の仲間と共に国中を巡業していた。
無給で働く座員は不満を漏らすが、憤慨するビリーは、客席の子供達の笑顔より金の方が大切かと座員に渇を入れる。
ある町に着いたビリーは、ショーの許可を取りに役場に向かい、そこで、遺産のために策略結婚をさせられる、アントワネットとジョンに出くわす。
その後、一座はテントを張りショーの準備を始めるが、ビリーはショーのパートナー探しに苦労する。
そんな時ビリーは、愛情がないことが分かりジョンに捨てられた、アントワネットを丸め込み一座に引き入れてしまう。
アントワネットは、一座から逃れようとするものの、仕方なくビリーとのショーに出演し、身勝手で気の強い彼女とビリーは、衝突しながらも、やがて惹かれ合う仲になるのだが・・・。
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西部劇が衰退し、前年に亡くなったジョン・ウェインの後を受け継ぐかのような、現代に現れた、”愛すべき時代遅れ”な男であるブロンコ・ビリーの活躍は、西部劇ファンの郷愁も誘う。
俳優として絶頂期だったイーストウッドが、最近の作品とは、いかに違った作風だったかを比べるのには最適な作品だ。
1950-1960年代のドル箱スターのトップがジョン・ウェインであり、1970年代はイーストウッドだったことからも、彼に期待する世間の思い入れは強く、自分としても当時、公開前から待ち望んだ作品だった。
しかし、正直に言って期待外れというのが本音で、理由は、イーストウッドが周囲にかまわずどうしても贔屓してしまう、当時の交際相手ソンドラ・ロックの出演だ。
どう見てもミス・キャスト、浮いている彼女の演技は好きになれない。
彼女は、当然のごとく本作でラジー賞にノミネートされている。
しかし、ファンや批評家からの評判が悪くても、気にせずソンドラ・ロックを出演させるイーストウッドの頑なところも、彼らしいと言えばそれまでだが・・・。
作品の内容もそれほど新鮮味がなく、この類の作品ではお決まりの、テント火災の逆境から立ち直り、ショーを成功させるストーリーもあまり面白味がない。
強いて言えば、”イーストウッド一家”と言える、彼の作品の常連達の息の合った演技、ジョン・フォードやジョン・ウェイン作品でお馴染みのハンク・ウォーデンの出演などが、ファンにとってはたまらなく嬉しい。
良くも悪くも、好きなことが出来る大スターイーストウッドのワンマン作品、そして衰退した西部劇へのオマージュとも言える。
スティーヴ・ドーフやスナッフ・ギャレットらの、カントリー&ウエスタンを多用した音楽はなかなかいい。
イーストウッド作品ではお馴染みの盟友、今回は半憎まれ役、ヒロインの結婚相手のジェフリー・ルイス、ショーの進行役で、座員のまとめ役スキャットマン・クローザース、片腕の拳銃使いビル・マッキーニー、投げ縄曲芸師サム・ボトムズ、先住民のヘビ使いダン・ヴァディスと、その妻シエラ・ペチャー、悪徳保安官ウォルター・バーンズ、遺産を狙う弁護士ウィリアム・プリンス、アントワネット(S・ロック)の義母役ベヴァリー・マッキンゼー、施設の医師ウッドロー・パーフリー、そして、後に俳優、ミュージシャンになるイーストウッドの子供達アリソンとカイル・イーストウッドも孤児役で出演している。