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ブレードランナー 2049 Blade Runner 2049 (2017)

フィリップ・K・ディックの原作を基に1982年に公開された「ブレードランナー」の続編。
ブレードランナーとして活動するある秘密を知った捜査官の戦いと運命を描く、製作リドリー・スコット、監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ、主演ライアン・ゴズリングハリソン・フォードアナ・デ・アルマスシルヴィア・フークスロビン・ライトマッケンジー・デイヴィスジャレッド・レト他共演のSFサスペンス・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF

アナ・デ・アルマス / Ana de Armas / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作
アンドリュー・A・コソーヴ
ブロデリック・ジョンソン
バッド・ヨーキン
シンシア・サイクス・ヨーキン
製作総指揮
リドリー・スコット
ティム・ギャンブル
フランク・ギストラ
イェール・バディック
ヴァル・ヒル
ビル・カラッロ
原作:フィリップ・K・ディック(キャラクター)
原案:ハンプトン・ファンチャー
脚本
ハンプトン・ファンチャー
マイケル・グリーン
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ジョー・ウォーカー
美術・装置
デニス・ガスナー
アレッサンドラ・ケルゾーラ
音楽
ハンス・ジマー
ベンジャミン・ウォルフィッシュ

出演
K:ライアン・ゴズリング
リック・デッカード:ハリソン・フォード
ジョイ:アナ・デ・アルマス
ラヴ:シルヴィア・フークス
ジョシ警部補:ロビン・ライト
マリエット:マッケンジー・デイヴィス
アナ・ステリン博士:カーラ・ジュリ
ミスター・コットン:レニー・ジェームズ
サッパー・モートン:デイヴ・バウティスタ
ニアンダー・ウォレス:ジャレッド・レト
ガフ:エドワード・ジェームズ・オルモス
ドク・バッジャー:バーカッド・アブディ
フレイザ:ヒアム・アッバス
ココ:デヴィッド・ダストマルチャン
ナンデス:ウッド・ハリス
ファイル係:トーマス・レマルキス
レプリカント:サリー・ハームセン
レイチェル:ローレン・ペタ
レイチェル:ショーン・ヤング

アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(北米)
Sony Pictures Releasing(世界)
2017年製作 163分
公開
北米:2017年10月6日
日本:2017年10月27日
製作費 $150,000,000
北米興行収入 $92,054,160
世界 $259,334,550


アカデミー賞
第90回アカデミー賞

・受賞
撮影・視覚効果賞
・ノミネート
美術・音響編集・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
人間に代わる労働力のレプリカントは、タイレル社が開発した人造人間であり、反乱を繰り返したために製造が禁止され、会社は倒産にした。

2020年に生態系が崩壊し、企業家である盲目の天才科学者ニアンダー・ウォレスの合成農業により、飢餓が回避された。

タイレルの資産を買い取ったウォレスは、新型レプリカントの製造を始めた。

寿命制限のない旧型ネクサス-8の残党は、”引退/抹殺”の対象となり追跡された。

それを追う捜査官は、ブレードランナーと呼ばれた。

2049年、カリフォルニア
ネクサス-9のレプリカントであるロサンゼルス市警のブレードランナー”K”(KD6-3.7)は、合成農場に到着する。

それに気づいた製造番号NK-68514のネクサス-8、サッパー・モートン(デイヴ・バウティスタ)は部屋に戻り、待っていたKに合成プロテインを作る農夫だと伝える。

カランサのコロニーから脱走したことを確認したKは、逮捕で済ませようとするものの、モートンに襲われる。

モートンを叩きのめして殺したKは、彼の眼球を摘出して持ち帰ろうとする。

上司のジョシ警部補(ロビン・ライト)に報告したKは、敷地の木の根元に箱か埋まっていることに気づく。
...全てを見る(結末あり)

箱を回収して署に戻り、基本検査を受けたKは、アパートに戻る。

Kは、ウォレス製のA.I.ホログラムであるジョイ(アナ・デ・アルマス)に迎られる。

記念日のプレゼントだと言うKは、ジョイにエマネーターを見せてセットし、投影装置が設置された部屋だけでなく、自由に移動できることを伝える。

ジョシからの連絡で署に呼び出されたKは、モートンの農場から持ち帰った箱の中の、女性の遺骨を見せられる。

捜査官のナンデス(ウッド・ハリス)とココ(デヴィッド・ダストマルチャン)は、その遺骨の説明を始め、帝王切開中に死亡した女性のレプリカントだと分かる。

ジョシはレプリカントが妊娠したことに驚き、社会への影響を考え、子供を含めて、その証拠となるすべての痕跡を消し去るようKに命ずる。

ウォレス社、地球本部。
Kは、遺骨の髪の毛のサンプルをファイル係(トーマス・レマルキス)に渡し、情報を得ようとする。

ウォレスの代理である運営責任者ラヴ(シルヴィア・フークス)は、ファイル係から警告の報告を受ける。

保管庫にKを案内したファイル係と代わったラヴは挨拶し、タイレル時代の古い保管庫に向かう。

遺骨の女性が、元ブレードランナーのリック・デッカードと恋愛関係にあったレイチェルであることが判明する。

老人ホームに向かったKは、かつてデッカードの同僚だったガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)と話し、デッカードの所在を知ろうとするものの、何も分からなかった。

ラヴはウォレス(ジャレッド・レト)の元に向かい、新型の女性レプリカント(サリー・ハームセン)をチェックしてもらう。

レプリカントの繁殖の秘密を探ろうとしていたウォレスは、今回の遺骨の件で分かった、存在する子供を連れてくるようラヴに命ずる。

変装して街に向かったラヴは、娼婦のマリエット(マッケンジー・デイヴィス)に、Kの狙いを探るよう指示する。

Kと話をしたマリエットだったが、何も聞き出すことはできなかった。

再びモートンの農場に向かい家の内部を調べたKは、缶に入った赤ん坊の靴下を見つける。

Kは、敷地の木の根元に刻まれた”6.10.21”の数字を見て動揺する。

その後、家を燃やしたKは署に戻る。

レイチェルの遺骨を奪おうとしたラヴは、ココに見つかるものの、許可証があると言って油断させて彼を殺す。

ココが殺され遺骨も消えたことをジョシから知らされたKは、モートンの家で靴下を見つけて、すべてを燃やしたと伝える。

人間のような雰囲気のKに、子供時代の記憶を尋ねたジョシは、木馬の玩具に関する記憶があり、裏に数字が刻まれていたという彼の話を聞く。

数人の男の子に襲われそうになり、焼却炉に逃げて木馬を炉の灰の中に隠し、その後、痛めつけられたことを、Kはジョシに話す。

2021年6月10日生まれの子供のDNA記録を調べたKは、ジョイのA.I.の能力を利用して、膨大なデータを調べる。

ジョイから、木馬に刻まれた数字と同じだと指摘されたKは、それが偶然でも、作られたのでもなく、女の体から生まれた証拠だと言われて戸惑う。

一致する2つのデータを変換したKは、DNAが一致する男女であることを確認し、モリルコール孤児院に預けられた女児は遺伝子疾患で死亡し、男児が消息を絶ったことを知る。

ロサンゼルス廃棄物処理場、サンディエゴ区。
攻撃されて不時着したKは、現れた者たちに襲われるものの抵抗する。

遠隔で攻撃を加えたラヴはKを救い、子供を見つけさせようとする。

Kは、孤児院の経営者ミスター・コットン(レニー・ジェームズ)に会い、彼を脅して2021年の記録を見せるよう迫る。

その年の記録が紛失していることを知ったKは、記憶の中にあった焼却炉の場所があることに気づき、炉の灰の中にあった木馬を見つける。

木馬を持ち帰りったKは、起きた出来事をジョイに話し、事実として受け入れるようにと言われて考え込む。

その後Kは、ステリン研究所の所長でレプリカントの記憶創造者であるアナ・ステリン博士(カーラ・ジュリ)の元に向かう。

アナは、免疫不全のため、8歳の時からガラスに遮られた気密室で生活していることをKに話す。

Kの記憶をチェックしたアナは、孤児院での記憶が本物であることを確認する。

それを知ったKは憤慨し、叫び声を上げながらその場を去る。

署に出頭するよう命ぜられたKは、基本検査を受けて異常と判断され、命令に従わなかったことでジョシに非難される。

子供を発見したと言うKは、レプリカントとして労働していたために処理したことをジョシに伝える。

一応、納得したジョシは、48時間以内に検査に合格するようにとKに伝える。

アパートに戻ったKは、すべて正しかったとジョイに伝える。

マリエットを呼んでいたジョイは、彼女の体と一体になり、Kと愛し合う。

ベッドから起き上がったマリエットは、Kの上着に発信機を隠してその場を去る。

Kは、ジョイに頼まれて彼女をモバイルエミッターに移し、アンテナを折って追跡不能にする。

ドク・バッジャー(バーカッド・アブディ)の元に向かったKは、木馬を分析してもらい、放射線の痕跡から、それがあった場所がラスベガスだと知る。

Kのアパートを調べたラヴは、折られたアンテナを見つける。

ラスベガス
ジョイと共に現地に到着したKは、生命反応を確認して周辺を調べる。

ジョシのオフィスに向かったラヴは、Kの居場所を聞き出そうとする。

子供はKが処理したと伝えたジョシは、ラヴに脅されるものの何も話そうとしないために殺される。

ラヴは、Kがラスベガスにいることを知る。

リック・デッカード(ハリソン・フォード)を見つけたKは、銃を向ける彼と殴り合いになる。

戦いをやめた2人はバーに向かい、酒を飲みながら話し、Kは、デッカードの子供の母親ことを尋ねる。

その女性の名はレイチェルだと言うデッカードは、子供のことは知らないとKに伝える。

デッカードは席を外し、Kは、飾られていたレイチェル(ショーン・ヤング)の写真に気づく。

デッカードは誰かがKを追ってきたことに気づき、その場は攻撃される。

Kは負傷して、デッカードは連れ去られる。

現れた男たちに対抗したKだったが、ラヴに叩きのめされる。

ラヴはモバイルエミッターを踏みつぶし、ジョイは消え去る。

レジスタンスの一員だったマリエットの治療を受けたKは、リーダーのフレイザ(ヒアム・アッバス)と話し、仲間に誘われる。

自分たちのことが知られてはならないと言うフレイザは、デッカードを殺すようKに指示する。

Kは、デッカードとレイチェルの子は男児ではなく、女児であることをフレイザから知らされる。

男児に見せかけたのは痕跡を消すためだったと言われたKは、自分のことだと思っていたためにショックを受ける。

Kは、アナがその娘であり、彼女の記憶が自分に埋め込まれていたのだと悟る。

デッカードと話したウォレスは、子供を隠した協力者について彼に尋ね、その対価として再生したレイチェル(ローレン・ペタ)を提供しようとする。

レイチェルの瞳は緑だったと言うデッカードは何も語ろうとせず、ラヴがクローンを射殺する。

ウォレスは、デッカードを地球外植民地(オフワールド)に連れていき、すべてを聞き出すことを考える。

Kは、デッカードを連行するラヴのシャトルに攻撃を仕掛ける。

シャトルは海面に着水し、Kはラヴと銃撃戦になる。

互いに傷つきながら格闘になり、ラヴはシャトルに戻るものの、Kは彼女に襲いかかり溺死させる。

Kはデッカードを救い、シャトルを脱出して水から上がる。

ステリン研究所。
デッカードを案内したKは木馬を渡し、娘に会いに行くようにと伝える。

傷ついたKは、雪が降り積もる入り口の階段に座り込み、仰向けになり静かに息を引き取る。

アナの元に向かったデッカードは、娘と初めて対面する。


解説 評価 感想

参考:
・「ブレードランナー」(1982)
・「ブレードランナー 2049」(2017)

*(簡略ストーリー)
2049年、カリフォルニア
ネクサス-9のレプリカントであるロサンゼルス市警のブレードランナー”K”は、処理する旧型を追跡していた。
Kは、ある合成農場で発見した遺骨を調べた結果、レプリカントだった女性が妊娠していたことを知る。
社会への影響を考えたKの上司ジョシ警部補は、その子供を含めたすべての痕跡を抹消するようKに命ずる。
Kは、現場に残されていたある数字が、自分の記憶と一致していたために戸惑う。
一方、旧型を製造したタイレル社の事業を引き継いだウォレス社もそれに気づき、Kの行動を追うのだが・・・。
__________

フィリップ・K・ディックの原作を基にリドリー・スコットが監督し、1982年に公開されたSF映画の名作「ブレードランナー」の35年ぶりの続編。

ある秘密を知った、ブレードランナーとして活動する捜査官の戦いと運命を描くSFサスペンス・アクション。

前作から30年後の世界が描かれ、その雰囲気を継承しつつも時代の変化を感じさせる、圧倒的な映像美で迫る内容は、ファンを納得させる仕上がりとなっている。

前作が製作された、1982年の時代から創造された”2019年”の30年後であるため、登場する機材などの発達具合や、”PAN AM/パンアメリカン航空”が存在しているという細やかな設定など、玄人好みの演出も注目だ。

物語は淡々と進み、上映から約1時間45分で前作の主人公”リック・デッカード”役のハリソン・フォードがようやく登場し、重要な役柄を演じてドラマに厚み加えている。

第90回アカデミー賞では、ロジャー・ディーキンスが念願の撮影賞を、また視覚効果賞も受賞した。
・ノミネート
美術、音響編集、録音賞

製作費に1億5000万ドルをかけた超大作であり、北米興行収入は約9200万ドルに留まり、全世界では約2億6000万ドルのヒットとなったものの、作品自体の好評価にも拘わらず、興行的には期待を大きく下回る結果となった。

主演のライアン・ゴズリングは、自分の記憶に関係する秘密を知りながら、冷静に対処し捜査を続けるレプリカントを好演している。

主人公と生活するA.I.ホログラム・プログラムを魅力的に演ずるアナ・デ・アルマス、主人公の行動を監視するウォレス社の運営担当者シルヴィア・フークス、主人公の上司である警部補ロビン・ライト、主人公に関わる、レジスタンスの一員でもあった娼婦マッケンジー・デイヴィス、レプリカント用記憶創造者である研究者のカーラ・ジュリ、孤児院の経営者レニー・ジェームズ、合成農場に身を潜める旧型レプリカントのデイヴ・バウティスタ、盲目の天才科学者であるレプリカントの開発者ジャレッド・レト、リック・デッカードの元同僚として前作にも出演したエドワード・ジェームズ・オルモス、主人公の木馬を分析するバーカッド・アブディ、レジスタンスのリーダー、ヒアム・アッバス、遺骨を調べる捜査官のデヴィッド・ダストマルチャンウッド・ハリス、ウォレス社のファイル係トーマス・レマルキス、新型レプリカントのサリー・ハームセン、レイチェルのクローン役ローレン・ペタ、そして、前作のレイチェル役ショーン・ヤングが写真で登場する。


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