1968年に発表された、アメリカのSF作家フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を基に製作された作品。 反乱を起こしたレプリカント抹殺指令を受けた”ブレードランナー”がレプリカントの女性との愛を深めながら任務を果たしていく姿を描く、監督リドリー・スコット、主演ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、エドワード・ジェームズ・オルモス、ダリル・ハンナ共演のSFサスペンス・アクション。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:リドリー・スコット
製作総指揮
ブライアン・ケリー
ハンプトン・フィンチャー
製作:マイケル・ディーリー
原作:フィリップ・K・ディック
脚本
ハンプトン・フィンチャー
デイヴィッド・ピープルズ
撮影:ジョーダン・クローネンウェス
編集:テリー・ローリングス
美術・装置
ローレンス・G・ポール
デヴィッド・スナイダー
リンダ・デシーナ
音楽:ヴァンゲリス
出演
リック・デッカード:ハリソン・フォード
ロイ・バッティ:ルトガー・ハウアー
レイチェル:ショーン・ヤング
ガフ:エドワード・ジェームズ・オルモス
ブライアント:M・エメット・ウォルシュ
プリス:ダリル・ハンナ
リオン・コワルスキー:ブライオン・ジェームズ
エルドン・タイレル博士:ジョー・ターケル
J・F・セバスチャン:ウィリアム・サンダーソン
ゾーラ:ジョアンナ・キャシディ
ホールデン:モーガン・ポール
ハンニバル・チュウ:ジェームズ・ホン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1982年製作 世界・FC117分/北米・DC116分
公開
北米:1982年6月25日
日本:1982年6月3日
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $32,868,940
■ アカデミー賞 ■
第55回アカデミー賞
・ノミネート
美術・視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
21世紀の初め、アメリカのタイレル社は、”ネクサス”人間型ロボットを開発した。
ネクサス6型レプリカントは、人間の能力を全ての点で上回り、地球外基地の奴隷労働や惑星探査に利用されていた。
しかし、ある時期を境にレプリカントは反乱を起こし、人間の敵となったため、地球に戻ったレプリカントを処分するために、”ブレードランナー”(特殊警察部隊)が組織された。
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2019年11月、ロサンゼルス。
侵入したレプリカント4人を見つけ出そうとしていたブレードランナーのホールデン(モーガン・ポール)は、タイレルの新入社員で、廃棄物処理技術者レオン・コワルスキー(ブライオン・ジェームズ)に射殺される。
酸性雨が降りしきる夜の街角、元ブレードランナーのリック・デッカード(ハリソン・フォード)は、食事中に謎の男ガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)に警察署に連れて行かれる。 デッカードは、元上司ブライアント(M・エメット・ウォルシュ)から、4人のレプリカントを捜すよう命ぜられる。 それを無視して帰ろうとしたデッカードだったが、断ることは許されず、リーダー格のレプリカント、ロイ・バッティ(ルトガー・ハウアー)、ゾーラ(ジョアンナ・キャシディ)、プリス(ダリル・ハンナ)などについて説明され、タイレルに紛れ込んでいるらしい者を見つけるようブライアントに指示される。 タイレルに向かったデッカードは、社長で天才科学者であるエルドン・タイレル博士(ジョー・ターケル)のアシスタント、レイチェル(ショーン・ヤング)に迎えられる。 現れたタイレル博士の前で、テストを始めたデッカードは、レイチェルがレプリカントだと見分ける。 その後、ガフと、レオンの宿を調べたデッカードだったが、レオンはそれに気づきバッティの元に向かう。 レプリカントの眼球の製造者ハンニバル・チュウ(ジェームズ・ホン)を脅したバッティは、自分達の誕生の秘密を知るJ・F・セバスチャン(ウィリアム・サンダーソン)を捜す。 レイチェルは、自分がレプリカントであるかを確かめに、デッカードの元に現れる。 デッカードの様子で、自分がレプリカントであることを察したレイチェルは立ち去る。 その頃、レプリカントのプリスは、街角でセバスチャンと出会い、家のない彼女は彼に世話になる。 レオンの部屋に落ちていたうろこが、人工ヘビのものだと知ったデッカードは、そのヘビをショーで使うバーに向かう。 スネイク・ダンサーのゾーラに目をつけたデッカードは、彼女に接触し探りを入れる。 ゾーラはデッカードに襲い掛かり逃亡するが、それを追ったった彼に射殺される。 その後デッカードは、レイチェルがタイレルから脱走したことをブライアントから知らされ、レプリカントの4人目の彼女の始末も命ぜられる。 その直後、レオンに襲われたデッカードだったが、そこにレイチェルが現れレオンを射殺する。 デッカードはレイチェルを自宅に連れて行き、そして2人は結ばれてしまう。 バッティを呼び寄せたプリスは、タイレル博士に引き合わせるようセバスチャンを脅す。 セバスチャンの手引きで、タイレル博士と面会したバッティは、彼に自分達を延命させるよう迫る。 延命方法がないことを知ったバッティは、タイレル博士とセバスチャンを殺害してしまう。 2人の殺害を知ったデッカードは、セバスチャンの家に向かうが、プリスに襲われてしまう。 デッカードはプリスを射殺するが、戻ってきたバッティに右手の指を二本折られてしまう。 バッティから逃れようとしたデッカードは、ビルの屋上から落下しそうになる。 しかし、バッティはデッカードを屋上に引き上げ、そのまま彼の寿命を迎える。 その後、デッカードはレイチェルを連れて逃亡する。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ブレードランナー」(1982)
・「ブレードランナー 2049」(2017)
*(簡略ストー リー)
2019年11月、ロサンゼルス。
21世紀の初頭。
アメリカ企業のタイレル社は、”ネクサス”人間型ロボットを開発するが、その後、人間の能力を上回る6型レプリカントは反乱を起ここす。
それらを処分するために、特殊警察部隊である”ブレードランナー”が組織されていた。
元ブレードランナーのリック・デッカードは、4人のレプリカントを捜すよう元上司に命ぜられる。
タイレル社に向かったデッカードは、社長で天才科学者のタイレル博士と面会する。
そしてデッカードは、タイレルの助手レイチェルを、レプリカントだと見分けるのだが・・・。
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出世作「エイリアン」(1979)で独特の世界観を表現して、世界にその名を知らしめたリドリー・スコットの初期の代表作にして、SF映画の傑作として非常に評価の高い作品。
しかし、公開当時の不人気は有名な話で、本国を含めて興行成績は期待ほどではなく、上映打ち切りが相次いだのも事実だ。
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製作費 $28,000,000
北米興行収入 $32,868,940
その後、徐々に評価は高まり、1992年に、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品になった。
第55回アカデミー賞では、美術賞と視覚効果賞にノミネートされた。
今までのSF映画に在りがちな、整った未来都市のイメージを一新した、混沌とした気だるいダークな雰囲気で迫る斬新な映像センス、どこか古風なサスペンス風の展開など、SFを見飽きていた時代に公開されたために、日の目を見なかった作品価値が、その後に評価されたのが納得できる、リドリー・スコットの力感溢れる演出は素晴らしい。
当時、各方面で大活躍していた、今ではスタンダードになっているヴァンゲリスのテーマ曲も耳に残る名曲だ。
「スター・ウォーズ」及び「インディ・ジョーンズ」シリーズの合間に出演したハリソン・フォードは、正に飛ぶ鳥を落とす勢いの、最盛期を迎えていた頃の作品であり、野性味のある、男らしい一匹狼的な役柄を見事に演じている。
クライマックスの、”作動停止”して息絶える姿が印象的な、レプリカントのリーダー格ルトガー・ハウアー、短命な彼女のその後が気になるショーン・ヤング、警察に協力する謎の男役エドワード・ジェームズ・オルモス、主人公の元上司M・エメット・ウォルシュ、レプリカントのダリル・ハンナ、ブライオン・ジェームズ、ジョアンナ・キャシディ、その製造者であるジョー・ターケルとウィリアム・サンダーソン、ジェームズ・ホン、ブレードランナーのモーガン・ポールなどが共演している。