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バベル Babel (2006)

約聖書に登場するバベルの塔の物語を基に、言葉の壁で心が通わない人々のもどかしさなどを描く、ブラッド・ピットケイト・ブランシェットアドリアナ・バラッザクリフトン・コリンズJr.役所広司菊地凛子マイケル・ペーニャ他共演、監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥによるドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ブラッド・ピット / Brad Pitt 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
製作
スティーヴ・ゴリン
ジョン・キリク

脚本 ギレルモ・アリアガ
撮影 ロドリゴ・プリエト
編集
ダグラス・クライズ

スティーヴン・ミリオン
音楽 グスターボ・サンタオラヤ

出演
ブラッド・ピット:リチャード・ジョーンズ
ケイト・ブランシェット:スーザン・ジョーンズ
バブカ・エイ・エル・ケイド:ユシフ
サイード・タチャーニ:アフメッド
アドリアナ・バラッザ:アメリア
ガエル・ガルシア・ベルナル:サンティアゴ
エル・ファニング:デビー・ジョーンズ
ネイサン・ギャンブル:マイク・ジョーンズ
クリフトン・コリンズJr:国境警察官
マイケル・ペーニャ:ジョン(警官)
役所広司:綿谷靖次郎
菊地凛子:綿谷チエコ
二階堂智:間宮刑事

アメリカ 映画
配給
Paramount Vantage
UIP
2006年製作 142分
公開
北米:2006年10月27日
日本:2007年4月28日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $34,302,840
世界 $135,330,180


アカデミー賞 ■
第79回アカデミー賞
・受賞
作曲賞
・ノミネート
作品・監督
助演女優(アドリアナ・バラッザ/菊地凛子
脚本・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

モロッコ
羊飼いの兄弟アフメッド(サイード・タチャーニ)とユシフ(バブカ・エイ・エル・ケイド)は、ジャッカル退治のために父親が隣人から買った銃”ウィンチェスターM70”と銃弾”270ウィンチェスター”を渡される。

その後、兄弟は、ライフルの試射をしている際に、当たるはずもないと思いながら、ユシフが通りがかりの観光バスを撃ってしまう。

バスが停止したため、兄弟は弾が当たったと考え、恐ろしくなりその場から逃げる。

●アメリカ/メキシコ
サンディエゴ
メキシコ人の家政婦アメリア(アドリアナ・バラッザ)は、主人のリチャード・ジョーンズ(ブラッド・ピット)からの電話を受ける。

事故に遭ったリチャードの妻スーザン(ケイト・ブランシェット)の様子を聞いたアメリアは、子守の代わりは探すので息子の結婚式には出席するようにと言われてリチャードに感謝する。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
モロッコ
ジャッカル退治のために手に入れた銃を父から渡された兄弟が、試射をしている最中、誤って観光バスを撃ってしまう。
その弾丸を受けてしまったのは、冷め切った関係修復のために旅をしていたアメリカ人のリチャード・ジョーンズの妻スーザンだった。
スーザンは一命を取り留め、近くの村で助けを待ち、事件は国際問題に発展してしまうものの、彼女はヘリコプターの到着で救われる。
・アメリカ/メキシコ
リチャードとスーザンの子供達を預かる家政婦でメキシコ人のアメリアは子守の代わりが見つからず、息子の結婚式に出席する為に子供達を同行させる。
結婚式の帰り道、アメリアの甥サンティアゴが飲酒運転で国境を強行突破してしまい、彼女と子供達は置き去りにされる。
助けを呼びに行ったアメリアは警察に不法就労で逮捕されてしまうが、 子供達は奇跡的に助かり、彼女はメキシコに強制送還される。
・日本。
母親を自殺で亡くした聾唖の女子高生、チエコは、父靖次郎と二人暮しをしていたが、親子関係はうまくいかなかった。
ある日、間宮刑事が靖次郎に会いに来るのだが、チエコは、警察が母親の自殺についてを捜査しているものと誤解をする。
間宮は、靖次郎が所有していた銃が、国際問題になっている事件で使われた可能性を調べていたのだった・・・。
__________

天まで届く塔を建てようとした民の行動を神は快く思わず、もともと一つの言語だった人々に、違う言葉を話させるようにする。
そして人々は混乱して世界各地に散らばったという、約聖書に登場するバベルの塔の物語を基にしたドラマ。

第79回アカデミー賞では作品賞以下6部門にノミネートされ、作曲賞を受賞した。
・ノミネート
作品、監督
助演女優(アドリアナ・バラッザ/菊地凛子
脚本、編集賞

北米興行収入は約3400万ドル、全世界では約1億3500万ドルのヒットとなった。

接点が全く見つからない違う言語のストーリーが、やがて一丁の銃でつながっているという、謎解き的な結末も興味深い。

遠く放れた世界の三箇所の物語が交差し入り乱れる難解なストーリーを予測していたが、非常によく練り上げられているギレルモ・アリアガの脚本、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの繊細な演出と俳優陣の熱演は、地味な作品ながら見応えがある。

個性的役柄の登場人物がいるわけではないが、その中で、平凡な家政婦兼子守の不法就労者役のアドリアナ・バラッザの演技が素晴らしい。
気の良いおばさん程度の役で登場する彼女が辿る運命・・・、ようやく築いた幸せが、たった一日で絶望と化すという、アメリカの社会問題である密入国及び不法就労の犠牲者であり、強烈なインパクトとして印象に残る。

アドリアナ・バラッザは、菊地凛子と共にアカデミー助演賞候補になったが、彼女を抑えての菊地の受賞はなかっただろう。

関係修復の旅で事件に巻き込まれるアメリカ人夫婦ブラッド・ピットケイト・ブランシェット、アメリア(A・バラッザ)の甥ガエル・ガルシア・ベルナル、主人公の娘エル・ファニング、息子ネイサン・ギャンブル、国境警察官クリフトン・コリンズJrマイケル・ペーニャ、チエコ(菊地凛子)の父親の役所広司、刑事の二階堂智などが共演している。


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