”西部戦線異状なし”など知られるのドイツ人作家エリッヒ・マリア・レマルクが、1954年に発表した小説”Zeit zu leben und Zeit zu sterben”の映画化。 第二次大戦終結後にドイツ側の立場から戦争の悲惨さなどを描く監督ダグラス・サーク、主演ジョン・ギャヴィン、リゼロッテ・プルファー他共演、ドイツ側のスタッフ、キャスト他、全面協力の恋愛・戦争ドラマの佳作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダグラス・サーク
製作:ロバート・アーサー
原作:エリッヒ・マリア・レマルク
脚本:オリン・ヤニングス
撮影:ラッセル・メティ
編集:テッド・J・ケント
音楽:ミクロス・ローザ
出演
エルンスト・グレーバー:ジョン・ギャヴィン
エリザベス・クルーゼ・グレーバー:リゼロッテ・プルファー
イマーマン:ジョック・マホニー
ヘルマン・ベッチャー:ドン・デフォー
ロイター:キーナン・ウィン
ポールマン教授:エリッヒ・マリア・レマルク
ラーエ大尉:ディーター・ボーシェ
オスカー・ビンディング:セイヤー・デヴィッド
リーザー夫人:ドロテア・ウィーク
ジョゼフ:チャールズ・レグニアー
ヴィッテ夫人:アグネス・ウィンデック
ゲシュタポ:クラウス・キンスキー
ハーシュラント:ジム・ハットン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1958年製作 131分
公開
北米:1958年7月9日
日本:1958年10月7日
■ アカデミー賞 ■
第31回アカデミー賞
・ノミネート
録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1944年、第二次大戦下、独ソ戦線。
ドイツ軍の敗走が続く中で、疲弊しきった兵士エルンスト・グレーバー(ジョン・ギャヴィン)、イマーマン(ジョック・マホー)、新兵のハーシュラント(ジム・ハットン)らは休暇を待ち焦がれていた。
連隊長ラーエ大尉(ディーター・ボーシェ)は、雪に埋もれていた将校の遺体を部下に埋葬させ、ゲリラ4人の処刑を命ずる。
兵士達は、民間人の処刑に疑問を感じながらも仕方なく命令に従う。
その後、ラーエ大尉に呼ばれたグレーバーは休暇の許可を得るが、処刑にショックを受けたハーシュラントは自殺してしまう。
ラーエ大尉はそれを事故として処理し、グレーバーに戦いが激化する前に帰国するよう命ずる。
そして、戦況の悪化などを公言しないように、釘を刺されたグレーバーを含めた一時帰還兵らは祖国へと向かう。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
第二次大戦下の独ソ戦線で敗走を続けるドイツ軍部隊の兵士エルンスト・グレーバーは、休暇を与えられる。
グレーバーは、両親との再会に胸を膨らませていたが、故郷の街は爆撃で破壊され廃墟と化していた。
両親の消息も不明のまま愕然とするグレーバーだったが、主治医の娘であるエリザベスに出会い恋に落ちる。
休暇の終わりも迫り、知人や恩師に助言を受けながらエリザベスと結婚したグレーバーは、やがて、戦場に戻る日がやってくる。
グレーバーはエリザベスに別れを告げ、前線に戻り戦友と合流し妻の妊娠や両親の行方が分かったという知らせを受けるのだが・・・。
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第二次大戦終結後にドイツ側の立場から戦争の悲惨さなどを描いた先駆的な作品で、戦前にナチの弾圧を逃れアメリカに渡り反ナチ映画などを撮った、ドイツ出身のダグラス・サークの思いが込められた作品。
第31回アカデミー賞では、録音賞にノミネートされた。
翌年の「ベン・ハー」(1959)に影響したと思える、ミクロス・ローザのダイナミックな音楽も印象に残る。
実際に西ベルリンなどで撮影された映像など、セットとは思えない廃墟と化した街並み、凄まじい爆撃での建物崩壊場面なども迫力があり、一切手抜きが感じられない。
原作者エリッヒ・マリア・レマルクが、主人公の恩師役で出演するが、良識ある知識人として、品格や威厳も感じられる役柄で存在感を示している。
前年の出演作はあるものの初主演の、メキシコ系ながら大役に抜擢されたジョン・ギャヴィンは、長身を生かした精悍な好青年、平凡な兵卒を見事に演じている。
その妻となる、戦争に疲弊する、一市民の苛立つ感情表現なども素晴らしく、美し過ぎないところが逆に愛らしいリゼロッテ・プルファー、主人公の戦友ジョック・マホニー、上官のディーター・ボーシェ、豪放磊落な負傷兵キーナン・ウィン、主人公に、故郷で兵舎である病院を紹介するドン・デフォー、ナチスの支部長となった学友セイヤー・デヴィッド、エイザベス(L・プルファー)の監視員役ドロテア・ウィーク、教授(E・M・レマルク)の協力者チャールズ・レグニアー、主人公夫妻に部屋を提供する夫人アグネス・ウィンデック、ゲシュタポの少尉クラウス・キンスキー、そして自殺する新兵でジム・ハットンなどが共演している。