音に反応して人間を襲う地球外生物の脅威に対抗する家族の戦いを描く、製作マイケル・ベイ、製作総指揮、監督、脚本、出演ジョン・クラシンスキー、主演エミリー・ブラント、ミリセント・シモンズ、ノア・ジュープ他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・クラシンスキー
製作
マイケル・ベイ
アンドリュー・フォーム
ブラッドリー・フラー
製作総指揮
セリア・D・コスタス
ジョン・クラシンスキー
アリソン・シーガー
アーロン・ジャナス
原案
ブライアン・ウッズ
スコット・ベック
脚本
ブライアン・ウッズ
スコット・ベック
ジョン・クラシンスキー
撮影:シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
編集:クリストファー・テレフセン
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演
イヴリン・アボット:エミリー・ブラント
リー・アボット:ジョン・クラシンスキー
リーガン・アボット:ミリセント・シモンズ
マーカス・アボット:ノア・ジュープ
ボー・アボット:ケイド・ウッドワード
森の中の老人:レオン・ラッサム
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
2018年製作 91分
公開
北米:2018年4月6日
日本:2018年9月28日
製作費 $17,000,000
北米興行収入 $188,024,360
世界 $340,939,360
■ アカデミー賞 ■
第91回アカデミー賞
・ノミネート
音響編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2020年。
音に反応して人間を襲う地球外生物により、人類は絶滅の危機に瀕していた。
89日目
ニューヨーク州、リトル・フォールズ。
リー・アボット(ジョン・クラシンスキー)は、妻のイヴリン(エミリー・ブラント)と聾唖者の長女リーガン(ミリセント・シモンズ)、長男マーカス(ノア・ジュープ)、次男ボー(ケイド・ウッドワード)と共に生き残っていた。
極力、音を立てないことを心掛けて、手話で会話をして裸足で歩行する生活を送っていたリーは、家族と共に、誰もいない町の雑貨店で必要なものを調達していた。
店内の薬局で、体調の悪いマーカスにイヴリンが薬を与えたことを確認したリーガンは、床に描いたロケットで宇宙に行くと手話で伝えるボーのことを心配する。
おもちゃ売り場で、ボーが”スペースシャトル”のおもちゃを棚から落とし、リーガンがそれを受け止める。
必要なものは揃えたので家に戻ろうとしたリーは、”スペースシャトル”のおもちゃを手にするボーからそれを取り上げて電池を抜く。
音がするのでダメだとボーに伝えたリーは、家族と共にその場を去ろうとする。 音を立てないために、未知の歩行する場所には砂が敷かれていた。 ”スペースシャトル”をボーに渡したリーガンは、黙っているようにと伝える。 電池を手にして店を出たボーは、それをおもちゃにセットして、橋の手前でスイッチを入れてしまう。 リーガンには聴こえなかったが、気づいたリーはボーに駆け寄る。 しかし、ボーは襲い掛かる生物に連れ去られてしまう。 472日目 ボーのことで責任を感じるリーガンは、弟のことを想うと辛かった。 生物の弱点や対抗策を日々、考えながら過ごすリーは、家の敷地内などに監視カメラを複数設置し、世界各地の被害状況を調べ、無線機で”SOS”を発信した。 マーカスは、トウモロコシ畑のサイロ付近に駐車してあるトラックを、いざという時に運転する準備をしていた。 納屋の地下はシェルター代わりに改造され、妊娠中のイヴリンは出産を間近に控えていた。 イヴリンは、生まれた子供を箱に隠した際に、酸素を供給する準備もしていた。 日が暮れて家の周りは電飾が点灯し、サイロの上でボーのことを想うリーは、いつものように火を点けて、彼方に見える生存者の明かりも確認する。 ボーのこと以来、自分を責めるリーガンは、父リーに嫌われていると思い、彼を避けるようになっていた。 夕食後にゲームをして遊んでいたリーガンとマーカスは、誤ってランプを倒してしまう。 それを消したリーは生物の襲来を警戒し、マーカスは父に謝罪する。 リーガンの聴力を補助するために、リーは人工内耳を何度も試作していた。 473日目 10月3日。 出産予定日は23日だった。 家の地下室に向かおうとしたリーガンを制止したリーは、入ってはダメだと警告し、作った人工内耳を渡す。 今回はステレオの小さなアンプを使ったとリーガンに伝えたリーだったが、うまくいくはずないと言われる。 周波数を増幅させると言うリーは、頑なに拒むリーガンに、工内耳を渡してその場を去る。 マーカスに勉強を教えるイヴリンは、優秀な息子に感心する。 今後の生活に必要な様々なことを身につけるために、リーと共に出かけるマーカスは怯えるものの、イヴリンから、自分で生きていくためには必要だと言われる。 自分が行くと言うリーガンに、イヴリンを手伝うようにと伝えたリーは、マーカスと共に出発する。 納得いかないリーガンは、人工内耳をベッドに投げつけるものの、それをつけてみる。 スイッチを入れたリーガンは、耳の傍で指を鳴らしてみるが聴こえなかった。 悲しくなったリーガンは荷物を持ち、引き出しからあるものを取り出してリュックに入れて家を出る。 川に着いたリーは、仕掛けにかかっていた魚を取り出し、怯えるマーカスを落ち着かせる。 川の音が大きいので小さな音を立てても大丈夫だと言うリーは、見せたいものがあるとマーカスに伝える。 地下室で洗濯をしたイヴリンは、階段を上がろうとして袋に釘が引っ掛かってしまう。 曲がっていた釘は、上向きになる。 滝に向かったリーは、水の音の中で叫び声をあげる。 驚くマーカスは、大丈夫だと約束するリーの言葉を信じて叫んでみる。 リーガンを留守番させたのは、ボーのことで責めているからなのかとリーに尋ねたマーカスは、それを否定される。 リーガンは自分を責めていると、マーカスはリーに伝える。 橋に向かったリーガンは、十字架が立てられおもちゃなどが置かれた、ボーがが襲われた場所に着く。 洗濯物を干し終えたイヴリンは、ボーの部屋に向かい息子を想い涙する。 ボーのことを考えるリーは、誰のせいでもないとマーカスに伝える。 リーガンは、持ってきた”スペースシャトル”のおもちゃを取り出す。 マーカスからリーガンが好きかと訊かれたリーは、もちろんだと答える。 おもちゃのスイッチを入れたリーガンはその場に置き、十字架に貼られたボーの写真を見つめる。 帰る途中、森の中の家の近くにたたずむ老人(レオン・ラッサム)に気づいたリーは、その傍に彼の妻の死体が倒れていることを確認する。 老人が叫び声をあげたためにマーカスを抱いて逃げたリーは、木の陰に隠れる。 老人は生物に襲われる。 破水してしまったイヴリンは、落ち着こうとしながら地下に向かうが、階段で釘を踏んでしまう。 ボーの写真を落としてしまい痛みに耐えるイヴリンは、電飾を点灯させる。 家の中に生物が侵入したことに気づいたイヴリンは、キッチンタイマーを手にして、必死に落ち着こうとする。 サイロに着いたリーとマーカスは、電飾が点いていることに気づき急いで家に向かう。 イヴリンは身を潜め、生物が地下室に下りてくる。 キッチンタイマーが鳴った瞬間に生物は反応し、その隙にイヴリンは逃げだす。 マーカスに花火を打ち上げるよう指示したリーは、怯えながら嫌がる彼に、音を立ててほしいと伝える。 懐中電灯を渡したリーは、イヴリンがお前の助けを待っていると伝えて説得する。 陣痛が始まったイヴリンは、バスタブに入り身を潜める。 マーカスは、用意してあったライターで導火線に着火し、花火が打ち上がる。 その瞬間に、イヴリンは叫び声をあげる。 ショットガンを手にして家に戻ったリーは、浴室で無事だったイヴリンを見つける。 家に戻ろうとしたマーカスは何かを感じ、トウモロコシ畑の中に入り走り出し、トラクターのタイヤに衝突して気を失う。 一人で出産したイヴリンを抱いて納屋に向かったリーは、地下に下りてマットレスで入り口を塞ぐ。 子供に酸素マスクをつけたリーは、用意した箱に入れてふたを閉める。 トウモロコシ畑の中で光る明かりを確認したリーガンは、背後から近づく生物に気づかない。 その時、リーガンの人口内耳がハウリングして、それを嫌った生物はその場から遠ざかる。 ボーの夢を見たイヴリンは目覚め、目の前にいたリーから安全だと言われる。 子供達がいないことに気づいたイヴリンは、リーガンは自分といたはずだと言って、マーカスのことをリーに尋ねる。 マーカスが花火を打ち上げたことを知ったイヴリンは、二人が外にいるために心配する。 二人とも大丈夫だと言われたイヴリンは、生まれた男の子のことを話し、あの時、ボーを抱いていればとリーに伝える。 体のわりに重かったボーのことを思い出すイヴリンは、手が空いていたのに抱いてやらなかったことを悔やむ。 子供を守れない自分達は親ではないと言うイヴリンは、子供達を守ることを約束してほしいとリーに伝える。 懐中電灯を見つけたリーガンは、その場にいたマーカスと抱き合う。 子供達を捜そうとして外に出たリーは、パイプが壊れて水が漏れて地下に流れ込んでいることに気づかない。 マーカスと共にサイロの上に上がり火を焚いていたリーガンだったが、燃料がなくなってしまう。 家の地下室に向かったリーは、監視カメラの映像で子供達を捜す。 父が助けに来ると言うマーカスの言葉を信じようとしないリーガンは、不安になる。 眠ってしまっていたイヴリンは目覚め、その場が浸水して生物もいることに気づく。 箱の中の子供を抱きかかえたイヴリンは、上の床から水が流れ落ちる場所の奥に向かう。 イヴリンが抱く子供の声は、水の音で生物には聴こえなかった。 サイロから離れようとするリーガンは、父が迎えに来ると言うマーカスの言葉を信じず、あなたを救いに来るだけだと伝える。 誤解だと言うマーカスは、父が話していたことをリーガンに伝えようとするが、サイロの中に落ちてしまう。 リーガンはそれに気づき、マーカスがトウモロコシの中に埋もれてしまいそうになる。 その時、扉が落ちたために、リーガンも中に飛び込む。 扉をマーカスの近くに移動させたリーガンは、彼が助かったことを確認するが、埋もれてしまう。 マーカスに引き上げられたリーガンは、扉の上で弟と抱き合う。 物音がして警戒したリーガンとマーカスは、生物が現れたために扉を盾にする。 リーガンの人工内耳がハウリングし、それに耐えられない生物は、壁を破り逃げ去る。 トウモロコシ畑のトラクターの近くでマーカスのリュックを見つけたリーは、サイロから脱出したリーガンとマーカスを見つけて抱きしめる。 生物の気配を感じたリーは、子供達をトラックに向かわせる。 斧を手にしたリーは、忍び寄ってきた生物に叩きのめされ、それを見ていたマーカスが声をあげてしまう。 トラックの中に隠れたリーガンは、生物が近づき人工内耳がハウリングしたためにスイッチを切る。 生物は子供達に襲い掛かり、立ち上がったリーは、自分を見つめるリーガンに、”お前を愛している、これからもずっと愛している”と伝えて叫び声をあげる。 リーは生物に殺され、それを見ていたリーガンはショックを受ける。 マーカスはトラックを運転して家に戻る。 子供達を抱きしめたイヴリンは地下室に向かい、リーガンは始めてその場に足を踏み入れる。 自分の聴力を回復させるために父リーが苦労していたことを知ったリーガンは涙し、夫の死を知ったイヴリンと共に悲しむ。 マーカスに子供を抱かせたイヴリンは、生物が入ってきたことに気づき、ショットガンを構える。 視力のない生物は音を探り、敵の弱点について書いたリーのメモを見たリーガンは、それがハウリングではないかと考えて人工内耳のスイッチを入れる。 生物は苦しみ、リーガンはマイクでハウリングを増幅する。 倒れていた生物は立ち上がるものの、イヴリンが頭部を銃撃して殺す。 銃声を聴いた二匹の生物が近づくことにモニターを見て気づいたイヴリンは、アンプの音量を上げてマイクを手にしたリーガンと共に戦いに備える。
...全てを見る(結末あり)
血圧を測ったイヴリンは、それをカレンダーに記入する。
参考:
・「クワイエット・プレイス」(2018)
・「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」(2020)
*(簡略ストー リー)
2020年、ニューヨーク州、リトル・フォールズ。。
音に反応して人間を襲う地球外生物により、人類は絶滅の危機に瀕していた。
極力、音をたてない日々を送り、家族と共に何とか生き延びていたリー・アボットは、幼い次男ボーを生物に殺されてしまう。
1年後、リーの妻イヴリンは出産を控えながら、ボーの死を自分の責任だと思う娘のリーガンと息子マーカスを、リーと共に守っていた。
リーがマーカスを連れて出かけている間、陣痛が始まったイヴリンは、地下室の階段で釘を踏んでしまい、激痛に耐えながらリーの帰りを待つのだが・・・。
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ハリウッドのヒットメーカー、マイケル・ベイが製作に参加し、ジョン・クラシンスキーが製作総指揮、監督、脚本、そして出演を兼ねた彼の意欲作であり、妻のエミリー・ブラントが主演を務めたことでも話題になった。
音に反応して人間を襲う、正体不明の地球外生物の脅威に対抗する家族の戦いを描くホラー。
恐ろしい生物に対抗する必要があり、音を立てられない生活する家族は会話も手話で行われるという、極めて特殊な状況下を描く内容は実に興味深い。
第91回アカデミー賞では、音響編集賞にノミネートされた。
この状況下で妊娠する夫婦の考えが理解できないなど批判する声もあるが、正体不明な生物が登場する時点で非現実的であり、リアリズム映画ではないことを考え、純粋にホラーを楽しむ目で観れば、それらを問題にすること自体がおかしい。
本作は批評家から絶賛され、わずか1700万ドルで製作されたにも拘らず、北米興行収入は約1億8800万ドル、全世界では約3億4100万ドルの大ヒットとなり、続編も製作される。
主演のエミリー・ブラントは、過酷な環境下で夫と共に子供達を守る女性を熱演し、その夫で、あらゆる手段を使い恐ろしい生物に対抗しようとする、ジョン・クラシンスキーの包容力のある人物を演ずる演技も注目したい。
実際に聾唖者である、弟の死を自分の責任だと考え父が責めているとも思い込む長女を好演するミリセント・シモンズ、その弟ノア・ジュープ、冒頭で生物に襲われる次男のケイド・ウッドワード、森の中の家に住む老人レオン・ラッサムなどが共演している。