![]() |
不治の病の妻を殺そうとした判事が法と道徳の狭間で苦悩する姿を描く、監督マイケル・ゴードン、主演フレドリック・マーチ、エドモンド・オブライエン、フローレンス・エルドリッジ、ジェラルディン・ブルックス他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・ゴードン
製作:ジェリー・ブレスラー
原作:エルンスト・ローター”Die Muhle der Gerechtigkeit”
脚本
マイケル・ブランクフォート
ロバート・ソーレン
撮影:ハル・モーア
編集:ラルフ・ドーソン
音楽:ダニエレ・アンフィシアトロフ
出演
カルヴィン・クック判事:フレドリック・マーチ
デヴィッド・ダグラス:エドモンド・オブライエン
キャシー・クック:フローレンス・エルドリッジ
エリー・クック:ジェラルディン・ブルックス
ウォルター・モリソン医師:スタンリー・リッジス
オグデン判事:ジョン・マッキンタイア
チャールズ・デイトン:フレデリック・トゼール
ジム・ワイルダー判事:ウィル・ライト
ラッセル夫人:ヴァージニア・ブリサック
ラッセル:フランシス・マクドナルド
ジュリア:メアリー・セルヴォス
ピアソン:ドン・ベドー
ポープ:クラレンス・ミューズ
ボイド医師:ハリー・ハーヴェイ
スタンディッシュ医師:エドワード・アール
コーブル看護師:ベアトリス・ロバーツ
ハート:ハリー・ヘイデン人
ウィルソン:ラス・コンウェイ
マクギネス夫人:レニー・リアーノ
レヴィ医師:デヴィッド・レナード
マクダーモット医師:レイ・ティール
ノヴァク夫人:オルガ・ファビアン
法廷係官:トーマス・ジャクソン
老人:フランク・ダリエン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1948年製作 91分
公開
北米:1948年12月5日
日本:未公開
■ ストーリー ■
カルヴィン・クック判事(フレドリック・マーチ)は、信念を貫くが頑固な人物だった。
ある殺人事件の裁判で、弁護士のデヴィッド・ダグラス(エドモンド・オブライエン)は、被告人ジョン・ノヴァクの精神状態は情状酌量の余地ありと主張するが、クックはそれを退ける。
クックの娘で法学生のエリー(ジェラルディン・ブルックス)とデヴィッドは恋仲だったが、クックはそれを知らなかった。
帰宅したクックは、キャシー(フローレンス・エルドリッジ)との結婚20周年記念日を、友人らを招いて祝う予定だった。
デートに出かけることをクックに伝えたエリーは、裁判を傍聴しデヴィッドと話をしていたために、父が法廷では人格が変わるとキャシーに話す。
キャシーは、愛情深い夫ですばらしい父親であり、理解するべきだとエリーに伝える。
エリーがデヴィッドと付き合っていることを知ったキャリーは、協力することを彼女に伝える。
ゲストを迎えるキャシーは、めまいがするものの、訪ねて来てくれた神経科医で友人のウォルター・モリソン医師(スタンリー・リッジス)を歓迎する。
しばらくすると、ジム・ワイルダー判事(ウィル・ライト)と共にデヴィッドが現れる。
クックはデヴィッドに挨拶するが、エリーに呼ばれた彼が、デートに誘いに来たことを知る。
エリーと出かけようとするデヴィッドを引き止めたクックは、それぞれの法に対する哲学を巡り議論する。
デヴィッドとエリーはその場を去り、キャシーは、友人のことだと言って、時折襲ってくる脱力感や頭痛についてモリソンに相談する。
モリソンは、それがキャシー自身のことだと気づき、クックには内緒にすることを約束する。
後日、モリソンはキャシーの精密検査を行い、他の専門家とも協議した結果、彼女ではなくクックに真実を告げる。
キャシーは手術不可能な脳腫瘍で、死に至るまで苦痛が増していくという診断だった。
クックは、キャシーの残された日々を台無しにしないために、病名を秘密にするというモリソンの考えに同意する。
モリソンは、鎮痛剤の”デマリン”という薬の瓶を渡し、最大投与量を守るよう警告した上で、追加分の処方箋も渡す。
動揺しながらオフィスに戻ったクックは、デヴィッドとのことで相談したいエリーの話を聞く気になれない。
帰宅したクックは、頭痛のことでモリソンの診察を受けたことを話すキャシーの笑顔を見て彼女を抱きしめる。
以前は、キャシーが望んでいた二度目の新婚旅行を、多忙を理由に拒んでいたクックだったが、彼女の残された時間のことを考える。
オフィスからキャシーに電話をしたクックは、旅行に出発することを伝えて、彼女を喜ばせるのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
エルンスト・ローターの小説”Die Muhle der Gerechtigkeit”を基に製作された作品。
不治の病の妻を殺そうとした判事が法と道徳の狭間で苦悩する姿を描くドラマ。
本作は、当時はタブーだった安楽死と法の関係、そして人間の尊厳と愛の苦しみを、重いテーマとして問題提起した社会派ドラマでもある。
また、緊迫感あるシーンは、フィルム・ノワール的であるところも注目したい。
病の妻のことで苦悩し、判事としては、信念を曲げない厳格な人物を演ずる主演のフレドリック・マーチは、妻役であるフローレンス・エルドリッジとは実生活でも夫婦であり、ドラマと同じく20年年連れ添った夫婦であるからこそ、2人の演技はリアルに伝わってくる。
主人公とは意見が対立する優秀な弁護士で、主人公の娘の恋人でもあるエドモンド・オブライエン、彼と愛し合う主人公の娘で法学生のジェラルディン・ブルックス、主人公夫妻の友人である神経科医スタンリー・リッジス、裁かれる主人公の裁判を担当する判事ジョン・マッキンタイア、主人公に頼まれて彼を起訴する検事フレデリック・トゼール、主人公夫妻が立ち寄るガソリンスタンドの店主フランシス・マクドナルド、その妻ヴァージニア・ブリサック、主人公の友人である判事ウィル・ライト、主人公の家の家政婦メアリー・セルヴォス、キャシー(フローレンス・エルドリッジ)に薬を売る薬局の店主ドン・ベドー、主人公に毎日花を売る男性クラレンス・ミューズ、主人公の裁判で証言する検死官ハリー・ハーヴェイ、キャシーの検査結果を診断する医師エドワード・アール、デヴィッド・レナード、レイ・ティール、モリソン医師(スタンリー・リッジス)の助手である看護師ベアトリス・ロバーツ、冒頭の裁判の証人ハリー・ヘイデン、主人公の裁判の陪審員ラス・コンウェイ、カーニバルの出店の女性レニー・リアーノ、冒頭の裁判の被告の母親オルガ・ファビアン 、法廷係官のトーマス・ジャクソン、裁判所の外の老人フランク・ダリエンなどが共演している。











