1943年に第二次大戦中にメジャーリーグに代わる娯楽として登場し1954年まで続いた女子プロ野球リーグ(AAGPBL)発足時のエピソードに基づく実話の映画化。 製作総指揮、監督ペニー・マーシャル、主演トム・ハンクス、ジーナ・デイヴィス、マドンナ、デヴィッド・ストラザーン、ビル・プルマン他共演のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ペニー・マーシャル
製作総指揮:ペニー・マーシャル
製作
ロバート・グリーンハット
エリオット・アボット
脚本
ババルー・マンデル
ローウェル・ガンツ
撮影:ミロスラフ・オンドリチェク
編集
ジョージ・バワーズ
アダム・ベルナルディ
音楽:ハンス・ジマー
出演
トム・ハンクス:ジミー・ドゥーガン
ジーナ・デイヴィス:ドティ・ヒンソン
マドンナ:メイ・モーダビート
ロリ・ペティ:キット・ケラー
ジョン・ロヴィッツ:アーニー・キャパディーノ
デヴィッド・ストラザーン:アイラ・ローウェンスティン
ゲイリー・マーシャル:ウォルター・ハーヴェイ
ビル・プルマン:ボブ・ヒンソン
ミーガン・カヴァノー:マーラ・フーチ
ロージー・オドネル:ドリス・マーフィ
トレイシー・ライナー:ベティ・ホーン
ビッティ・シュラム:エヴリン・ガードナー
ティア・レオーニ:ラシーンの一塁手
アン・キューザック:シャーリー・ベイカー
エディ・ジョーンズ:デイヴ・フーチ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1992年製作 128分
公開
北米:1992年7月1日
日本:1992年12月
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $107,458,790
世界 $132,440,070
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1988年。
1954年に幕を閉じた、女子プロ野球リーグの元選手のドティ・ヒンソン(ジーナ・デイヴィス)は、殿堂入りセレモニーに招待される。
ドディは出席には消極的だったのだが、娘に勧められてニューヨーク州のクーパーズタウンに向かう。
そして、グラウンドに立ったドディに、当時の想い出が甦る。
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1943年。
第二次大戦に次々と選手が駆り出され、メジャーリーグの存亡が危ぶまれる中、キャンディー・バー製造業で財を成したウォルター・ハーヴェイ(ゲイリー・マーシャル)が、女性のプロ野球リーグ(AAGPBL)を発足させる。
オレゴン州、ウィラメット(現ウェストリン)。
田舎町でソフトボールに興じる、ドディとキット(ロリ・ペティ)姉妹の元に、女子リーグのスカウトで、不躾で下品なアーニー・キャパディーノ(ジョン・ロヴィッツ)が現れる。
キャパディーノはドディに目を付けてリーグのテストに誘うが、夫ボブ(ビル・プルマン)が出征中の彼女は興味を示さない。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
かつて所属した女子プロ野球リーグ(AAGPBL)の殿堂入りセレモニーに招待された元選手のドティ・ヒンソンは、気乗りしないまま会場に向かう。
そこでドディは、かつての選手時代を想い起こす。
戦争中、メジャーリーグに代わる女子リーグ発足が決まり、ドディは妹キティとプロテストを受け、見事に入団が決まる。
メジャーの強打者ではあったが、怪我で引退して酒に溺れるジミー・ドゥーガンが監督する、ピーチズに所属することになったドディらは、見世物のような試合に戸惑いながら活躍を始める。
しかし、本物を求める観客からリーグは見放されてしまい、運営を任されていたローウェンスティンは、選手達に派手なパフォーマンスをさせる。
そのお陰で、リーグの人気は盛り上がり、スタンドは大入りとなる。
しかし、ようやく軌道に乗ったリーグだったが、終戦が近づき、その存続が危ぶまれてしまう・・・。
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オーナー達の身勝手な行動に対し、健気に野球に取り組む女性の姿や姿勢に心を動かされる、リーグ運営者や監督などの努力の日々を、ヒューマン・ドラマとして繊細に描いたペニー・マーシャルの演出は冴える。
クライマックスの、殿堂での元選手達の再会シーンは涙なしでは見られない。
主演のジーナ・デイヴィスは、その美しさや見事なプレイだけでなく、45年後の老いた主人公までを熱演している。
とかく違和感を感じやすい老け役だが、実際に彼女が老いたかのように見えるメイクは出色の出来だ。
クレジットではトップのトム・ハンクスは脇役に徹している感じなのだが、本作をきっかけにして、演技派としての才能も開花させたと言っていいほどの熱演を見せる。
感動的な内容はもとより、主演のジーナ・デイヴィスをはじめとした出演者のプレイや身のこなしは素晴らしい。
野球をやっていた者ならわかるが、経験のない女性が、にわか仕立てであれほどのプレイはできるものではない。
やはり、影で指導したスタッフの努力とプロ意識の賜物だろう。
その見事なプレイを見せてくれる、選手達マドンナ、ロリ・ペティ、ロージー・オドネルらの奮闘ぶりも見ものだ。
最初はボスの言いなりだったリーグ運営責任者デヴィッド・ストラザーンが、次第に選手に情が移り、リーグ消滅を阻止しようと努力する物語も心を打ち、彼の好演は光る。
出番は少ないジョン・ロヴィッツは、皮肉屋で下品だが人間味のあるスカウトマン役で印象に残る。
ビル・プルマンも、ジーナ・デイヴィスの夫役で地味に登場するが、彼は演技の教師から遅咲きで俳優になった経歴故に、まだまだ下積みという雰囲気だ。
監督ペニー・マーシャルの兄、リーグ創設者役のゲイリー・マーシャル、猛打を誇るミーガン・カヴァノー、その父親のエディ・ジョーンズ、夫を戦地で亡くすピッチャーのトレイシー・ライナー、子連れの選手ビッティ・シュラム、ジョン、ジョーン・キューザックの姉、字が読めないアン・キューザック、選手ティア・レオーニなどが共演している。
気になるのは、史上最悪タイトルと言いたい邦題で、内容を観れば分かるであろう、感動のドラマ、製作者、スタッフの努力が窺える素晴らしい作品イメージをぶち壊しにしている。