1987年に発表された、スティーヴン・キングの小説”ミザリー”を基に製作された作品。 雪山で事故に遭った人気作家が熱狂的な女性ファンに助けられるものの監禁される恐怖体験を描く、製作、監督ロブ・ライナー、主演ジェームズ・カーン、キャシー・ベイツ、リチャード・ファーンズワース、ローレン・バコール共演によるサスペンス・スリラーの秀作。 |
・ローレン・バコール / Lauren Bacall / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロブ・ライナー
製作
ロブ・ライナー
アンドリュー・シェインマン
原作:スティーヴン・キング”ミザリー”
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影:バリー・ソネンフェルド
編集:ロバート・レイトン
音楽:マーク・シェイマン
出演
ポール・シェルダン:ジェームズ・カーン
アニー・ウィルクス:キャシー・ベイツ
バスター:リチャード・ファーンズワース
マーシャ・シンデル:ローレン・バコール
ヴァージニア:フランシス・スターンハーゲン
シャーマン・ダグラス:J・T・ウォルシュ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1990年製作 107分
公開
北米:1990年11月30日
日本:1991年2月2日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $61,276,870
■ アカデミー賞 ■
第63回アカデミー賞
・受賞
主演女優賞(キャシー・ベイツ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
コロラド州、シルバー・クリーク。
人気作家ポール・シェルダン(ジェームズ・カーン)は、山中のロッジに篭り、題名を決めないまま、ある物語を完結させる。
いつものように、一本の煙草を吸い、”ドン・ペリニヨン”を開けたポールは、原稿を持参して、雪の中、車で山を下るが、吹雪となり事故を起こす。
ベストセラー”ミザリー”シリーズを、主人公”ミザリー”を死なせることで終了させたポールは、その原稿を、苦労していた頃の古い鞄に入れて、出版エージェントのマーシャ・シンデル(ローレン・バコール)に渡すことを、朦朧とする意識の中で考えていた。
暫くして、傷を負ったポールを見つけた者が、彼に人口呼吸などを施して事故現場から運ぶ。
2日間意識不明だったポールは、自分の”ナンバーワン・ファン”だというアニー・ウィルクス(キャシー・ベイツ)の家で目覚め、彼女に救われたことを知る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
小説”ミザリー”シリーズのベストセラー作家ポール・シェルダンは、主人公”ミザリー”の死で物語を完結させる。
その原稿を持参し、滞在先の雪山を下りようとしたポールは、自動車事故に遭ってしまう。
たまたまポールを追っていた、熱狂的ファンのアニー・ウィルクスは、彼を助けて家に運び看病する。
看護師であったアニーは、重傷のポールを手厚く看護して、お礼に、彼の持参していた原稿を読むことを許される。
アニーは、ポールの”ナンバーワン・ファン”だと言って興奮するのだが、”ミザリー”が死亡することを知って激怒し豹変する・・・。
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「スタンド・バイ・ミー」(1986)でもスティーヴン・キングと組んだロブ・ライナーが、ウィリアム・ゴールドマンにより脚色されている部分はあるものの、原作に迫るスリラーとして完成度の高い仕上げた力作だ。
作家と熱狂的なファンは同じ空間で接するものの、2人の間には”ミザリー”という作品が存在しながら描かれる恐怖というところが実に興味深い。
単なる人に対する怒りなどではなく、”作品”内ファンの女性は容の変化で、献身的な女性や狂人に変貌する二重人格者のように描写されているところがポイントで、感受性豊かな作家は、身動きできずに怯えるだけでなく、彼女に対して臨機応変に接するのも面白い。
狂人としか思えない、小説家の熱狂的なファンを演じたキャシー・ベイツは、その圧倒的な存在感、喜怒哀楽を自在に表現する見事な演技で大役演じ切り、第63回アカデミー賞で見事に主演女優賞を受賞した。
ファースト・クレジットのジェームズ・カーンも、それまでのイメージを一新して人気作家を好演している。
出版エージェントとして、物語に重厚さを加えるローレン・バコール、原作には登場しない人物、保安官のリチャード・ファーンズワース、その妻フランシス・スターンハーゲン、そして、端役ではあるが、J・T・ウォルシュが州警察官で出演している。