夢がかない富豪と結婚した女性の数奇な運命を描く、監督マックス・オフュルス、主演ジェームズ・メイソン、バーバラ・ベル・ゲデス、ロバート・ライアン他共演のフィルム・ノワール。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:マックス・オフュルス
製作:ウォルフガング・ラインハルト
原作:リビー・ブロック”Wild Calendar”
脚本:アーサー・ローレンツ
撮影:リー・ガームス
編集:ロバート・パリッシュ
音楽:フレデリック・ホランダー
出演
ラリー・キナダ医師:ジェームズ・メイソン
レオノーラ・イームズ:バーバラ・ベル・ゲデス
スミス・オールリグ:ロバート・ライアン
ホフマン医師:フランク・ファーガソン
フランヅィ・カルトス:カート・ボウワ
ドロシー・デール:ナタリー・シェーファー
精神科医:アート・スミス
ケヴィン:ジミー・ホーキンス(クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 MGM
1949年製作 88分
公開
北米:1949年2月17日
日本:未公開
製作費 $1,574,420
■ ストーリー ■
レオノーラ・イームズ(バーバラ・ベル・ゲデス)は、ドロシー・デール(ナタリー・シェーファー)のチャームスクールに通いマヌカンとして働きながら、ハンサムな富豪と結婚することを夢見ていた。
そんなレオノーラは、仕事中にフランヅィ・カルトス(カート・ボウワ)に話しかけられ、ウォール街の大物スミス・オールリグ(ロバート・ライアン)のパーティに誘われる。
レオノーラは、気が進まなかったものの、パーティ会場のヨットに向かおうとする。
ボートを待っていたレオノーラは、現われたスミスの仕事に付き合うことになる。
車で移動するスミスは、レオノーラと話をして気に入り、彼女を屋敷に連れて行く。
戸惑うレオノーラがアパートに帰りたがったために、スミスは彼女を送っていく。
翌日、精神科医(アート・スミス)のセラピーを受けるスミスは、レオノーラのことを話す。
普段、金目当ての女のことが心配で結婚できないと言われたたスミスは、レオノーラと結婚することを決めてしまう。
精神科医は、自分に対する反発で結婚しようとするスミスに、2人とも破滅すると忠告する。
ロングアイランド。
スミスと結婚したレオノーラは、考えもしなかった夢のような日々を送るが、金目当てで結婚したと思われているとも考えていた。
その後スミスは、レオノーラの相手をほとんどせず、孤独な彼女を精神的に追い込み、その態度を批判して激怒する。
我慢の限界に達したレオノーラは、スミスと別れて暮らすために家を出る。
その直後にスミスは、持病の心臓発作を起こし、薬を飲んで落ち着く。
ニューヨーク。
職を探したレオノーラは、小児科医のラリー・キナダ(ジェームズ・メイソン)と産婦人科医のホフマン(フランク・ファーガソン)のクリニックで働くようになるのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
リビー・ブロックの小説”Wild Calendar”を基に製作された作品。
ドイツ出身でフランスでも活躍したマックス・オフュルスが監督し、主演はジェームズ・メイソン、バーバラ・ベル・ゲデス他共演のフィルム・ノワールなどが共演した作品。
夢がかない富豪と結婚した女性の数奇な運命を描くフィルム・ノワール。
魅力的なキャスティングとその演技は高く評価されたものの、不快で奇妙なシーンが多く、ロマンスとしても安っぽい内容だったために、公開当時は批判的な声が多かった。
しかし、近年はマックス・オフュルスの最高傑作と言われるほど評価が高い作品となった。
ファーストクレジットは、ヒロインと惹かれ合うようになる小児科医を演じるジェームズ・メイソンだが、彼は上映35分経った時点でようやく登場するため、物語の主人公は、富豪と結婚する夢を叶えるものの、その後、苦しみ続ける女性を好演するバーバラ・ベル・ゲデスと言える作品。
愛もなくヒロインと結婚する精神を病む富豪ロバート・ライアン、ヒロインが働くクリニックの産婦人科医フランク・ファーガソン、スミス(ロバート・ライアン)の部下カート・ボウワ、チャームスクールを運営するナタリー・シェーファー、スミスのセラピストである精神科医アート・スミス、クリニックの待合室の少年ジミー・ホーキンスなどが共演している。