1968年に発表された、チャールズ・ポーティスの小説”True Grit”を基に製作された作品。 製作、監督、脚本、編集のコーエン兄弟曰くリメイクを否定しているがジョン・ウェイン主演「勇気ある追跡」(1969)の紛れもないリメイク。 主演ジェフ・ブリッジス、ヘイリー・スタインフェルド、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン、バリー・ペッパー共演。 |
・西部劇
・コーエン兄弟 / Joel Coen, Ethan Coen 作品一覧
・マット・デイモン / Matt Damon 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
製作総指揮
スティーヴン・スピルバーグ
ポール・シュウェイク
ミーガン・エリソン
デヴィッド・エリソン
ロバート・グラフ
製作
スコット・ルーディン
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
原作:チャールズ・ポーティス”True Grit”
脚本
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ロデリック・ジェインズ
音楽:カーター・バーウェル
出演
ルーベン・J”ルースター”コグバーン:ジェフ・ブリッジス
マティ・ロス:ヘイリー・スタインフェルド
ラビーフ:マット・デイモン
トム・チェイニー:ジョシュ・ブローリン
”ラッキー”ネッド・ペッパー:バリー・ペッパー
ストーンヒル大佐:デイキン・マシューズ
葬儀屋:ジャーラス・コンロイ
保安官:レオン・ラッソム
ヤーネル・ポインデクスター:ロイ・リー・ジョーンズ
エメット・クインシー:ポール・レイ
ムーン:ドーナル・グリーソン
マティ・ロス(40歳):エリザベス・マーヴェル
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
2010年製作 111分
公開
北米:2010年12月22日
日本:2011年3月18日
製作費 $38,000,000
北米興行収入 $171,243,010
世界 $251,123,790
■ アカデミー賞 ■
第83回アカデミー賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ジェフ・ブリッジス)
助演女優(ヘイリー・スタインフェルド)
脚色・撮影・編集・美術
音響編集・衣装デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
アーカンソー州、フォート・スミス。
牧場主の父親を、雇い人トム・チェイニー(ジョシュ・ブローリン)に殺された、14歳のマティ・ロス(ヘイリー・スタインフェルド)は、使用人のヤーネル・ポインデクスター(ロイ・リー・ジョーンズ)と共に、父親の遺体を確認する。
マティは、葬儀屋(ジャーラス・コンロイ)に予定より多くの金額を請求され、宿泊代が足りずに遺体置き場に寝ることになり、用事を済ませると言ってヤーネルに先に帰るように伝える。
その後、絞首刑を見たマティは、町の保安官(レオン・ラッソム)に会い、チェイニーが先住民居留地に逃げ、悪党の”ラッキー”ネッド・ペッパー(バリー・ペッパー)一味に加わったことを知る。
居留地が保安官の管轄外であることから、自分の手で事件の解決を考えるマティは、人を雇って賞金を払いチェイニーを捕らえようとする。
保安官は、大酒のみではあるが情け容赦のない男、連邦保安官のルーベン・J”ルースター”コグバーン(ジェフ・ブリッジス)他をマティに紹介する。
マティは、迷うことなくコグバーンを選び、用を足していた彼に頼みごとがあることだけを伝える。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
父親を、雇い人のチェイニーに殺された14歳の少女マティ・ロスは、この件を自分で解決しようとする。
そのため人を雇おうとするマティは、大酒のみではあるが、情け容赦ない男、連邦保安官のルーベン・J”ルースター”コグバーンに犯人追跡を依頼する。
同時にマティは、同じくチェイニーを追っていたテキサス・レンジャーのラビーフに、共に行動することを提案されるのだが、彼女はそれを断ってしまう。
ところが、ラビーフと賞金を山分けすることに同意したコグバーンは、マティを置き去りにして、チェイニーがいるはずの先住民居留地に向かう。
マティはそれを追い、コグバーンは仕方なく彼女を同行させ、悪党のネッド・ペッパーに合流したチェイニーを追うのだが・・・。
__________
製作にはスティーヴン・スピルバーグも参加し、スタッフはコーエン兄弟作品の常連が担当している。
上記のように、リメイクを否定しているコーエン兄弟だが、細かいセリフまで旧作と同じ場面がある。
例えば、クライマックスの対決のシーン、ネッド・ペッパー役のバリー・ペッパーは、旧作で同じ役を演じたロバート・デュヴァルを、明らかに意識した演技であり、”片目なのに口は達者だ”と同じセリフまで発している。
旧作に思い入れがある自分は、どうしても二作を比較しながら画面を追ってしまい、原題である”True Grit”そのものという雰囲気のジョン・ウェインのことが頭から離れない。
そのため、随所にコーエン兄弟らしさが窺える、全てにおいて完成度の高い仕上がりの作品であり見応えはあるが、期待以上のものは得られなかったというのが正直なところだ。
ファンとしては、旧作の出演者に、小さな役でも演じてもらいたかったところだなのが、そこはコーエン兄弟のリメイクでないというこだわりなのだろうか・・・。
第83回アカデミー賞では、作品賞以下10部門にノミネートされるものの、受賞はならなかった。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ジェフ・ブリッジス)
助演女優(ヘイリー・スタインフェルド)
脚色・撮影・編集・美術
音響編集・衣装デザイン賞
北米興行収入は約1億7100万ドル、全世界では2億5000万ドルを超す、西部劇としては記録的な大ヒットとなった。
ジョン・ウェインの演じた役柄を、他の役者が演ずること自体が異例なのだが、ジェフ・ブリッジスは、旧キャラクターの”勇気”の描写には及ばないものの、その雰囲気を継承しつつ好演はしている。
当然ではあるが、下手に真似しないところがはさすがで、ウェインのトレードマークである、”ウィンチェスター”などを手にしないところがいい。
豪華共演者を、これ見よがしとばかりに目立たせなのも粋な演出で、重要人物のジョシュ・ブローリンなどは、終盤にわずかしか登場しない。
マット・デイモも三枚目的な役を好演し、13歳のヘイリー・スタインフェルドの役柄と同じ大人顔負けの演技が印象に残る。
悪党一味のリーダーであるバリー・ペッパー、マティ(H・スタインフェルド)から馬を買い取ることになるデイキン・マシューズ、葬儀屋役のジャーラス・コンロイ、保安官レオン・ラッソム、マティの使用人ロイ・リー・ジョーンズ、悪党一味ポール・レイ、ドーナル・グリーソン、そして、ナレーターと40歳のマティ役エリザベス・マーヴェルなどが共演している。