フジモト医師(クニ・ハシモト)の治療により別の顔を与えられたエージェント(イーサン・ホーク)は、マイルズとミラーから武器とタイムスリップ装置の時標変界キット(USFF)であるバイオリンケースを渡されて過去に向かう。
1970年11月6日、ニューヨーク。
バーでバーテンダーをするたエージェントは、現れた客ジョン(サラ・スヌーク)からボトルを注文され、告白本を書く彼のペンネームは”未婚の母”だと言われる。
その読者だったバーテンダーは、ジョンが各内容は女の気持ちを汲んでいると伝える。
女の視点だと言われたジョンは、妻か姉妹がいるかと訊かれ、話しても信じないと答える。
話す気はないと言うジョンはボトルの半分を賭けないかと伝え、一瓶賭けることをバーテンダーから提案され、それに乗る。
その頃、市民がフィズル・ボマーを恐れるニュースが連続して報道されていた。
”私が少女の頃”とジョンが話を始めたために驚いたバーテンダーだったが、続きを聞く。
1945年9月13日、クリーブランド。
孤児院の入り口に捨てられていた女の子の赤ん坊は、ジェーンと名付けられる。
職員のベス・フェザレイジ(ケイト・ウルフ)に育てられて成長したジェーンは、家族に興味を抱くようになるが、両親に捨てられた理由は分からなかった。
その後、セックスに違和感を感じたジェーンは、他の女性とは違う人生を歩むだろうということを悟る。
自分の子は両親の元で育てると誓ったジェーンは純潔を守り、他に意識を向けて、喧嘩に明け暮れた。
どの子よりも強かったジェーンは成績もトップだったが、結婚の望みは薄いと感じた。
ある日、ジェーン(サラ・スヌーク)は、政府の仕事を任せるための若い女性を求めているというロバートソン(ノア・テイラー)から、理数系が得意な身体能力の高い人物が必要だと言われ、”スペースコープ”という組織の存在を知る。
宇宙に長期滞在する者のための慰めとして志願者を募ったスペースコープの採用試験を受けたジェーンは、面接官(クリストファー・ストーレリー)からの質問を受ける。
男性経験を訊かれたジェーンはないと答え、知性を備える自分は観光客になる気はないと伝え、次の段階に進む。
他の志願者が苦しむ中、ジェーンは余裕でテストをこなし数か月が過ぎる。
志願者のマーシー(アレクシス・フェルナンデス)と殴り合いの喧嘩をしたジェーンは追放されるが、彼女の才能を高く評価するロバートソンは、手を尽くして必ず迎えに行くことを約束する。
その後、家政婦とした働いたジェーンは、告白話を知り暇をつぶしにそれを読み、昼は仕事、夜は学校に通いマナーなどを学ぶ。
そんな時ジェーンは、ハンサムで金持ちの男性に出会う。
カウンターを離れてジョンとビリヤードを始めたバーテンダーは、ある男性と恋に落ちたと言われる。
ある夜、ベンチに座っていたジェーンは、男性から、この場で待つようにと言われるが、彼は戻ってこなかった。
男性のことは諦めることにしたジェーンは、再び情熱を宇宙に注ぎ込む。
そんな時、現れたロバートソンから、組織の目的が宇宙ではなく悪事を再形成することだと言われたジェーンは、スペースコープはスカウト機関だということを知らされる。
際立った能力と家族がいない身の上であることが条件の選ばれし者、エリートのスカウトが目的だと言われる。
その後、男性の子を身ごもったジェーンは、帝王切開で女の子を出産する。
そのことをハインライン医師(タイラー・コッパン)から知らされたジェーンは、器官構造が普通とは違うと言われる。
どちらも未成熟だが、妊娠可能な女性器と男性器の両方があると知らされたジェーンは驚く。
分娩時の出血が酷かったために子宮と卵巣を摘出したと言われたジェーンは、男性器の尿路を作り出せたために、男性になるための手術を続けられることも知らされる。
改名することになる自分の名を残すために、ジェーンは娘も同じ名前にする。
娘のために尽くすことを誓ったジェーンだったが、2週間後にそれは絶望に変わる。
新生児室で男に娘が誘拐されたことを知ったジェーンは、犯人は父親だろうと考えた。
捜索願を出し孤児院などを回ったジェーンだったが娘は見つからず、父親の行方も分からなかった。
その後、11か月の入院で3度の性転換手術を受けたジェーンは、男になる努力をした。
ようやくジェーンを捨てられた頃、看護師達にもてたと話すジョンは、バーテンダーから、全く普通に見えると言われ、男同士として握手する。
自分を捨てて娘を奪ったと思われる男を憎み命で償わせたいと言うジョンは、スペースコープに戻ったことを話す。
宇宙飛行士を目指したジェーンは、記録により不適格になり絶望する。
名前をジョンに変えてニューヨークに移り住んだジョンは、コックを始めたものの、賃金が低かったため、タイプライターを買い速記を学び4か月後に告白話の原稿を書いた。
あらゆる告白話を読みあさり、”未婚の母”のペンネームで書き続けたことを話したジョンは、これが”女の視線”の真相だとバーテンダーに伝える。
賭けは自分の勝ちかとジョンから訊かれたバーテンダーは、面白い話だが、それで終わりかとジョンに尋ねる。
終わりだと言うジョンは、娘もその父親も過去の亡霊だとバーテンダーに伝える。
人生を壊した男を差し出すと言われ、お咎めなしだとしたら殺すかとバーテンダーから訊かれたジョンは、その場で殺すと答える。
案内すると言うバーテンダーは、なぜ男の居場所が分かるのかと訊かれ、記録があるはずだと伝え、孤児院の職員ベス・フェザレイジの名前を出す。
話の最中に名を語らなかったジョンがジェーンという名前であることも知っていたバーテンダーは、驚くジョンに男を引き渡すことを伝える。
居場所を知らせる前に見返りを約束してほしいと言われたジョンは、男を引き渡す代わりに自分の仕事を継ぐことをバーテンダーから求められる。
実はバーテンダーではないと言って、不審に思うジョンに、ロバートソンが全てを話すとバーテンダーは伝える。
ジョンを連れて地下に向かったバーテンダーは、時標変界キット(USFF)を使い過去に向かう。
1963年4月3日、クリーブランド。
自分が航時局員でジョンも候補だったと言うエージェントは、ロバートソンは1985年の本部にいることを伝える。
総員11名で構成される犯行阻止が目的の組織で、適任なら自分もエージェントになれると言われたジョンは、エージェントから銃を渡される。
フィズル・ボマー(爆弾魔)かもしれない例の男とジェーンが、大学で出会うところだと、エージェントはジョンに伝える。
済んだら自分を待てと伝えたエージェントは、近くで監視していると言ってその場を去る。
大学で男を探したジョンは、ジェーンと肩が触れ合い、彼女が出会った男が自分だと気づく。
1970年3月2日、ニューヨーク。
フィズル・ボマーを抹殺するためにタイムスリップしたエージェントは、爆弾を仕掛ける相手と格闘になり叩きのめされる。
爆弾を処理しようとして大火傷を負ったジョンに気づいたエージェントは、傍にあった時標変界キットを渡す。
ジョンは、それを使い1992年2月21日に向かう。
エージェントは、1964年3月2日にタイムスリップする。
1963年。
動揺しながらジェーンと話をしたジョンは、互いの抱える問題は同じだと伝える。
1964年。
ロバートソンに会ったエージェントは、フィズル・ボマーの時限装置の破片を渡し、違法なジャンプは重罪だと言われる。
フィズル・ボマーのことを訊かれたエージェントは、捕まえてはいないと答え、違法にジャンプしたのは1度で処罰は受けるとロバートソンに伝える。
エージェントは、自分がタイムトラベルの矛盾から生まれた特別な捜査官で、過去とつながりをもたない唯一の存在だとロバートソンから言われる。
未来を見る日が来たらどうすればいいかをロバートソンに尋ねたエージェントは、普通の人間のように生きるようにと言われ、新生児室からジェーンの娘を連れ去る。
1945年9月13日、クリーブランド。
タイムスリップしたエージェントは、孤児院の入り口にジェーンを置く。
孤児院に電話をしてベスにジェーンのことを伝えたエージェントは、未来に向かう。
1963年6月24日。
エージェントは、ジェーンと共に公園のベンチに座るジョンを監視する。
それに気づいたジョンは、待っているようにとジェーンに伝えて姿を消す。
自分をだましたと言って銃を向けるジョンに、去るしかないと伝えたエージェントは、ロバートソンが全て説明すると伝える。
ジェーンとは別れたくないジョンに、”離れはしない”と伝えたエージェントは、彼女を傷つけてしまうことを気にするジョンに、理解しているはずだと言って説得する。
1985年8月12日。
タイムスリップしたエージェントは、多くの人々を救える重大な任務を成し遂げられると言ってジョンを励まし、22年間の時空の旅で弱っている彼を休養させる。
ロバートソンは、今後、多くの犯罪を阻止できるジョンを育てたエージェントの功績を評価する。
エージェントから、フィズル・ボマーが野放しだと言われたロバートソンは、そのお陰で自分達は腕を磨くことができて、組織は成長したと伝える。
ロバートソンから手掛かりの時限装置を渡されたエージェントは、終点に着けば時標変界キットは停止すると言われる。
1970年に向かいバーテンダーを辞めたエージェントは、その場から未来に向かう。
1975年1月7日。
機能を停止したはずの時標変界キットにエラーが発生し、時限装置と資料を見たエージェントは、時限パネルの”注文書をたどれ”というロバートソンのメモを確認する。
1985年8月13日。
エージェントが残したテープレコーダーを聴いたジョンは、指令が出たことを知り、ロバートソンから時標変界キットを渡される。
1975年。
骨董店に向かい、店員のアリス(フレイヤ・スタッフォード)と話しタイプライターを手に入れたエージェントは、告白話を書き始める。
3月。
フィズル・ボマーの居場所を知ったエージェントは、コインランドリーに向かい、犯人だった自分に銃を向ける。
エージェントから殺人者と言われたフィズル・ボマーは、局の指示で動き多くの人を救ったと話し、その証拠の資料を見せる。
参事の前に爆破を起こし3000人以上もの人を救ったことをエージェントに伝えたフィズル・ボマーは、自分達が正しいことが分かると伝える。
エージェントから自分にはならないと言われたフィズル・ボマーは、変界キットのエラーを局に報告しなかった理由を問う。
今なら一つになれると言うフィズル・ボマーは、それを拒むエージェントに、普通に生きていいけるはずがないと伝え、自分達はお互いが全てだと話す。
”自分を殺してもお前が自分になる”と言われたエージェントは、”人生を壊した男を差し出したら殺せるか”とフィズル・ボマーに問う。
エージェントは、明日の計画を話そうとしたフィズル・ボマーを射殺する。
エージェントは、ジェーン、ジョン、フィズル・ボマーが、それぞれの時空に存在する同一人物だったことを考えながら、目の前の時標変界キットを見つめる。