その間シラキュースは、その日に起きたことをアニーに話し、彼女は人魚の物語だと考える。
センターから届いた新しい電動車椅子にアニーを乗せて送ったシラキュースは、マウラの恋人アレックス(トニー・カラン)と言葉を交わす。
迎えが遅れたことでマウラに嫌みを言われたシラキュースは、その場を去る。
翌日、女性を船に乗せて漁に出たシラキュースは、彼女から、名前は”水から現れた娘”なので”オンディーヌ”にすると言われる。
大漁に驚くシラキュースは、歌ってくれたオンディーヌのお陰であり、幸運の女神だと伝える。
港に戻り、獲れた魚やロブスターなどを売りに行こうとしたシラキュースだったが、人に会いたくないと言うオンディーヌはそれを拒む。
市場で魚を売ったシラキュースは、オンディーヌのために店内の洋服を盗んで一着は買い、アニーを迎えに行く。
車には乗らずに車椅子で走るアニーを残してオンディーヌの元に向かったシラキュースは、彼女に洋服を渡して感謝され、アニーにはおとぎ話を話していると伝える。
シラキュースが話す物語がおとぎ話か確かめるために、アニーは図書館で数冊の本を借りる。
告解をするために教会に向かったシラキュースは、マウラからアニーを取り戻したいことを神父(スティーヴン・レイ)に伝える。
カウンセラーを紹介すると言われたシラキュースはそれを拒み、盗みをしたことを告白する。
海中から網で引き上げた女性のために盗んだと話すシラキュースは、その話に半信半疑の神父から、彼女とのことは今後も報告するようにと言われる。
神父は、ミサに来る気はないと言うシラキュースのアルコール依存症のことなどを気にする。
その夜アニーは、借りてきた”セルキー伝説集”などを読んで、神話上の生物について調べる。
部屋を片付けたオンディーヌは、シラキュースから渡された下着などを身に着ける。
翌日、海小屋に向かったアニーは、入り江で泳いでいたオンディーヌを見て、父シラキュースが話していた、漁師が釣った女の物語が本当だったため、それを彼女に伝える。
魔法を使い自分を治せるかをアニーから問われたオンディーヌは、彼女が腎臓病であることを知り、自己紹介する。
オンディーヌを水中の生物だと思い込むアニーは、本で読んだ知識を基に質問攻めにする。
正直に話せば友達になれると言われたオンディーヌは、自分を人間に姿を変えたアザラシだと思いながら帰るアニーを見送る。
セルキーの本を探しに図書館に向かったシラキュースは、アニーが全て借りたことを知る。
自転車に乗った少年(ダシール・ジョーダン)達にからかわれたアニーは、車椅子を水溜りで走らせようとしたため動かなくなってしまい、仕方なく押して家に帰る。
車椅子のことをアレックスに話したアニーは、それを直してもらう。
翌日、オンディーヌを連れて漁に出たシラキュースは、彼女の歌と共に大量のサケが引き上げられたために驚く。
トロールではサケは無理だと言うシラキュースは、アニーの口癖である”アリスの言葉”をオンディーヌが口にしたため不思議に思う。
監視船が現れ、サケを見てトロール漁で引き上げたことを信じない監視員は、落し網を捜して隠れていたオンディーヌを見つける。
オンディーヌにトロール網で引き上げたと言われた監視員は、一応それを信じてその場を去る。
人に見られて噂になることを気にするオンディーヌだったが、身を隠さずに港に向かい、魚を売ったシラキュースと買い物に行く。
アニーと出くわしたシラキュースとオンディーヌは、三人で店に向かい買い物を楽しむ。
翌日、アニーはオンディーヌの元に向かい、海に入ろうとする。
アニーを迎えに行ったシラキュースは、マウラから海小屋に行ったと言われ、”人魚”の件と何をする気なのかを訊かれる。
海に入ったオンディーヌは、アニーと共にアザラシの皮と思われるものを見つけて、それを埋めれば7年間は陸にいられると言われる。
オンディーヌとアニーは、海で見つけた物を土に埋めて、秘密にすることを約束する。
レガッタの会場に向かったシラキュースは、車椅子が暴走して海に落ちたアニーをオンディーヌと共に助ける。
アニーをマウラの家に送り届けたシラキュースは、オンディーヌと共に海小屋に向かい、彼女から、自分を試すためにアニーがわざと海に落ちたと言われる。
なぜ”道化役/サーカス”というあだ名なのかとオンディーヌから訊かれたシラキュースは、酒に溺れていたためにそう言われたと答える。
1週間の漁から帰った際にアニーが意識不明となり、マウラも飲みに行っていたために、責任を感じてそれをきっかけに酒を断つものの、家を追い出されたことをシラキュースはオンディーヌに話す。
自分のような男が娘を引き取るのは、アイルランドでは無理だとシラキュースはオンディーヌに伝える。
誰かがオンディーヌを捜していたことを知ったアニーは、捜していたのは別の名前だったとアレックスから知らされる。
オンディーヌと愛し合ったシラキュースは、翌日、教会に向かい、神父に彼女とのことを話し、運が向いてきたと伝える。
網で引き上げたオンディーヌを救ったと言う話を信じない神父に、それ故に、素晴らしいことが起きるか悪夢かを考えると怖いとシラキュースは話す。
オンディーヌを捜しているヴラディック(エミール・ホスティナ)から声をかけられたシラキュースは、彼女のことを訊かれても相手にしなかった。
アニーの人工透析を終えたシラキュースは家に送るが、マウラはパブにいると言われてその場に向かう。
ヴラディックが現れたことに気づいたオンディーヌは、身を隠す。
パブで家の鍵を受け取ろうとしたシラキュースは、マウラに相手にされないために、大丈夫だと言うアニーを残してその場を去る。
海小屋に向かったシラキュースは、姿が見えないオンディーヌを捜し、隠れていた彼女から、”セルキーの男”が来たことを知らされる。
アニーとアレックスを乗せて、酔って車を運転して帰ろうとしたマウラは、ヴラディックの車と衝突して建物に突っ込む。
フロントガラスを突き破ったアレックスは、車から放り出される。
町に向かったシラキュースは事故に気づき、マウラの車だと知りアニーを捜す。
取り乱すシラキュースは、その場にいた神父から、アニーは無事だと言われる。
シートベルトをしていたアニーは助かり病院に運ばれ、亡くなったアレックスがドナー登録をしていたことが分かり、適合したために、アニーに腎臓が移植されることになる。
病院にいたヴラディックと話したオンディーヌは、彼の話を聞こうとしない。
手術は成功し、シラキュースはアニーに付き添う。
その後、アレックスの葬儀が行われ、遺灰は海に撒かれる。
足の怪我が完治しないマウラは、アニーをシラキュースに預けることにする。
マウラとパブに向かったシラキュースは、アレックスのためだと言われて、断っていた酒を勧められる。
オンディーヌと別れるようにとマウラから言われたシラキュースは、幸運の次は悪運が訪れると忠告され、酒を口にする。
酒を飲みながら船に隠れていたオンディーヌの元に向かったシラキュースは、故郷に帰すと言って船を出す。
オンディーヌを島に連れて行ったシラキュースは、その場で彼女と話し、酒を取りに行くと言って船に戻る。
島にオンディーヌを置き去りにしようとしたシラキュースは、追って来る彼女に、現実をおとぎ話にするためだと伝えて船を出す。
その後オンディーヌは、海に飛び込み泳ぎ始める。
陸に戻り木の上で休んでいたシラキュースは、自転車で通り過ぎようとした神父から声をかけられ、飲んだが酔いは醒めたことを伝える。
オンディーヌは去ったと言うシラキュースは、アニーを引き取り酒はやめることを神父に話す。
退院したアニーを自分の家に連れて行ったシラキュースは、翌朝、彼女が見ていた”シガー・ロス”の歌が、オンディーヌが歌っていた曲だと気づく。
アニーを残して島に向かったシラキュースは、その場にいないオンディーヌを捜し、付近のアザラシが集まる島に彼女が泳いで行ったことを知る。
島に着きオンディーヌと話したシラキュースは、例の歌をテレビで聴いたことを伝える。
真実を話すようにと言われたオンディーヌは、自分はルーマニアの麻薬の運び屋で、ヘロインを運ぶ途中に捕えられそうになり、ヴラディックから海に飛び込むよう指示されたことを伝える。
泳ぎは得意だったが力尽きたオンディーヌは、ヘロインのバッグを手放して海に沈み、そしてシラキュースの船の網にかかったことを話す。
やっと見つけた家もないと言うオンディーヌに、家はあると伝えたシラキュースは、彼女の名前がヨアナだと知る。
家に戻ったシラキュースとオンディーヌだったが、その場にいたヴラディックとケトル(ドン・ウィチャリー)に襲われ、ヘロインの在りかを言うようにと脅される。
埋めてあった場所を掘るヴラディックだったが、その場にヘロインはなく、それを毛皮だと思うアニーは、見つかったら7年いられないとオンディーヌに伝える。
どこにも行かないと約束するオンディーヌに、アニーは、ロブスターのカゴに隠して海に沈めてあることを教える。
船でそれを引き揚げに行ったオンディーヌは、隙を見てヴラディックとケトルを海に落とす。
ロープに絡まったヴラディックは溺死し、泳げないケトルは駆け付けた警官に逮捕される。
拘留されたオンディーヌの裁判を控え、彼女の国籍を取得するため、誰かと結婚すれば強制送還は免れることを、シラキュースは神父に話す。
その後、父シラキュースとアザラシではなかったオンディーヌが結婚することを、アニーは神父に伝える。
そして、シラキュースとオンディーヌは、アニーと共に船で結婚式を挙げる。