1954年に発表された、フランソワーズ・サガンの小説”悲しみよこんにちは”を基に製作された作品。 夏のバカンスで大人の世界に踏み込もうとする少女の思い出を描く、製作、監督オットー・プレミンジャー、主演デボラ・カー、デヴィッド・ニーヴン、ジーン・セバーグ、ミレーヌ・ドモンジョ他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:オットー・プレミンジャー
製作:オットー・プレミンジャー
原作:フランソワーズ・サガン”悲しみよこんにちは”
脚本:アーサー・ローレンツ
撮影:ジョルジュ・ペリナール
編集:ヘルガ・クランストン
ポスター・デザイン:ソウル・バス
音楽:ジョルジュ・オーリック
出演
アンヌ・ラルセン:デボラ・カー
レイモン:デヴィッド・ニーヴン
セシル:ジーン・セバーグ
エルザ・マッケンブール:ミレーヌ・ドモンジョ
フィリップ:ジェフリー・ホーン
ロンバール:ローランド・カルヴァー
エレン・ロンバール:ジーン・ケント
ジュリエット・グレコ:ジュリエット・グレコ
パブロ:ワルテル・キアーリ
フィリップの母親:マーティタ・ハント
アメリカ/イギリス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1958年製作 94分
公開
イギリス:1958年4月
北米:1958年1月15日
日本:1958年4月29日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
パリ。
18歳の少女セシル(ジーン・セバーグ)は、父レイモン(デヴィッド・ニーヴン)と彼の恋人と共にあるパーティーに向かい、その後クラブに立ち寄る。
レイモンと踊りながら、セシルは1年前のことを思い出す・・・。
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フレンチ・リヴィエラ。
レイモンとその恋人エルザ・マッケンブール(ミレーヌ・ドモンジョ)と共に三人で夏バカンスを楽しんでいたセシルは、法律を学ぶ学生フィリップ(ジェフリー・ホーン)に海で出会い意気投合する。
その夜レイモンは、妻の親友でデザイナーのアンヌ・ラルセン(デボラ・カー)が翌週に訪ねて来るという手紙を受け取り、それをセシルとエルザに伝える。
セシルは、レイモンが盛んにアンヌを誘っていたことを気にするものの、休暇を楽しむことに専念する。
6日後。
フィリップと惹かれ合うようになっていたセシルは、車で訪れたアンヌを迎え、やや気を使いながら彼女と話をする。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
18歳の少女セシルは、1年前に起きた出来事を思い出す・・・。
フレンチ・リヴィエラ。
父レイモンと恋人のエルザと共に夏のバカンスを楽しんでいたセシルは、亡くなった母の親友でデザイナーのアンヌ・ラルセンの訪問を歓迎する。
エルザの存在を知り気分を害したアンヌは帰ろうとするのだが、気を取り戻し、その後バカンスを楽しむ。
レイモンはアンヌの魅力に惹かれ、二人は結婚を決意し、エルザは去る。
驚きながらも二人の結婚に賛成したセシルだったが、知り合った法学生フィリップとの付き合いについてなどをアンヌに意見され、彼女を憎むようになる。
そしてセシルは、エルザとフィリップを巻き込み、アンヌを追い出す方法を考え実行するのだが・・・。
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子供から大人へと成長する少女のひと夏の体験、その若い世代の心理をオットー・プレミンジャーが繊細かつ微妙な映像表現で描いている。
少女の考えた計画は悪戯の延長のような行動として実行されるのだが、優雅に遊びまくる大人達の世界も虚構のように映し出しているところにも注目。
現在のシーンはモノクロで過去はカラー撮影し、少女が忘れたいと考える過去を消し去れない気持ちを、観客にも印象付ける凝った手法だとも言える。
ポスター・デザイン他はオットー・プレミンジャー作品でお馴染のソウル・バスで、クラブ歌手役で出演するジュリエット・グレコの歌声も心に沁みる。
美しい大人の女性を演ずるデボラ・カーと恋多き奔放な父親を演ずるデヴィッド・ニーヴンが主演なのだが、小悪魔的な魅力と大流行した”セシル・カット”で画面を占領する、主人公と言える少女を演ずるジーン・セバーグは、撮影当時18歳とは思えない、感受性豊かな見事な演技を見せてくれる。
軽い女性として登場するが、本作の中で最も男性の心を掴んだとも言える父親の若い恋人ミレーヌ・ドモンジョ、彼女と親密になる富豪ワルテル・キアーリ、前年の「戦場にかける橋」(1957)で注目された、少女と親交を深める法学生ジェフリー・ホーン、その母親マーティタ・ハント、父親のビジネス・パートナー夫妻ローランド・カルヴァーとジーン・ケントなどが共演している。