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007は二度死ぬ You Only Live Twice (1967)

007シリーズ第5作。
1964年に発表された、イアン・フレミング原作のシリーズ第1作”You Only Live Twice”を基に製作された作品。
妨害ロケットによる米ソの全面戦争を阻止しようとするMI6諜報員ジェームズ・ボンドの活躍を描く、製作ハリー・サルツマンアルバート・R・ブロッコリ、監督ルイス・ギルバート、主演ショーン・コネリー丹波哲郎若林映子浜美枝ドナルド・プレザンス他共演のスパイ・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


007
007 / Pinterest

ショーン・コネリー / Sean Connery 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:ルイス・ギルバート

製作
ハリー・サルツマン

アルバート・R・ブロッコリ
原作:イアン・フレミングYou Only Live Twice
脚本:ロアルド・ダール
撮影:フレディ・ヤング
編集:ピーター・ハント
メインタイトル・デザイン:モーリス・ビンダー
音楽:ジョン・バリー
モンティ・ノーマン:ジェームズ・ボンドのテーマ
主題歌:ナンシー・シナトラYou Only Live Twice

出演
ジェームズ・ボンド:ショーン・コネリー

アキ:若林映子
キッシー・スズキ:浜美枝
タイガー・タナカ:丹波哲郎
オーサト: 島田テル
ヘルガ・ブラント:カリン・ドール
アーネスト・スタヴロ・ブロフェルド:ドナルド・プレザンス
M:バーナード・リー
Q:デスモンド・リュウェリン
マネーペニー:ロイス・マクスウェル
ディッコ・ヘンダーソン:チャールズ・グレイ
リン:ツァイ・チン
スペクターNo.3:バート・クォーク
オーサトの運転手:ピーター・メイビア
スペクターNo.4:マイケル・チャウ
アメリカ大統領:アレクサンダー・ノックス
NASAの技術者:エド・ビショップ

イギリス 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1967年製作 117分
公開
北米:1967年6月13日
日本:1967年6月17日
製作費 $9,500,000
北米興行収入 $43,084,790
世界 $111,600,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
アメリカの宇宙船が船体ごと姿を消すという事件が起き、アメリカはソ連の行動を疑う。

しかし、イギリスは正体不明の妨害ロケットが、ソ連のものとの見解を示さなかった。

イギリスは、そのロケットが日本周辺に着陸したことを確認していたために、既に香港で活動を開始していた。

イギリス諜報員ジェームス・ボンド(ショーン・コネリー)は、同僚に扮していたリン(ツァイ・チン)に裏切られ、香港で暗殺される。

しかし、それは、ボンドが新しい任務に就くために仕組まれたカモフラージュで、海底に葬られた彼は回収されて、イギリス海軍潜水艦に運ばれる。

MI6の特設本部が置かれた艦内で、マネーペニー(ロイス・マクスウェル)に迎えられたボンドは、M(バーナード・リー)から、米ソ全面戦争を阻止するために、日本に着陸したと思われるロケットに関する調査を命ぜられる。
...全てを見る(結末あり)

ボンドは、暗号の”アイ・ラブ・ユー”を教えてくれたマネーペニーから日本語の辞書を渡されるものの、ケンブリッジ大学で習ったことを彼女に伝えて任務に向かう。

東京。
ボンドは、”蔵前国技館”で諜報員のアキ(若林映子)と接触し、イギリス人連絡員のディッコ・ヘンダーソン(チャールズ・グレイ)の元に向かう。

ヘンダーソンに会ったボンドは、日本の情報部トップのタイガー・タナカ(丹波哲郎)に会うよう指示される。

しかし、ヘンダーソンは何者かに刺殺されてしまい、犯人を追って殺したボンドは、その男に扮して、待ち構えていた車に乗り込み、大企業”オーサト化学”ビルに向かう。

車を運転していた殺し屋(ピーター・メイビア)に運ばれたボンドは、正体がバレて格闘になる。

男を叩きのめしたボンドは金庫から書類を奪い逃亡するもものの、警備員に追われる。

そこに”トヨタ・2000GT”に乗ったアキが現れてボンドを助け、タナカがいる秘密本部に彼を案内する。

ボンドは、オーサト化学で奪った資料をタナカに見せて、ロケットの燃料を扱っている可能性があることと、手掛かりとなる写真を確認する。

その後ボンドは、タナカの計らいで手厚くもてなされ、アキと一夜を過ごす。

翌日、実業家を装いオーサト化学を訪れたボンドは、ヘリコプターで現れたオーサト(島田テル)と秘書ヘルガ・ブラント(カリン・ドール)に面会する。

ボンドとの商談を済ませたオーサトは、ヘルガに彼の殺害を命ずる。

ビルを出たボンドは命を狙われ、迎えに来たアキの車で逃走する。

アキはタナカに連絡を入れて、彼が手配したヘリが、オーサトの手下たちの車を磁石で海に運び落下させる。

ボンドは、写真に写っていた貨物船”ニン・ポー”が、オーサト化学の所有だという連絡をタナカから受けて、その船が荷積みをしている神戸に向かう。

神戸港でオーサトの手下に襲われたボンドは、アキを逃がすものの捕らえられてしまう。

ボンドをセスナに乗せたヘルガは、彼を拘束してパラシュートで降下する。

何とか拘束を逃れたボンドは不時着し、機体が爆発する寸前に脱出する。

ボンドはQ(デスモンド・リュウェリン)を日本に呼び寄せ、小型ヘリ”リトル・ネリー”で、異変が続くマツ島に向かう。

島を調べたボンドは、数機のヘリに襲われる。

敵のヘリを撃破したボンドは、ソ連がロケットを打ち上げるとの連絡を受ける。

予想通り、ソ連の宇宙船は謎のロケットに飲み込まれてしまい、米ソは一触即発の状態になる。

ロケットは、マツ島の火山の火口湖に見せかけた秘密基地に着陸し、衛星は回収されて宇宙飛行士も拘留される。

それを計画して指揮する、国際秘密組織”スペクター”のアーネスト・スタヴロ・ブロフェルド(ドナルド・プレザンス)は、ボンド殺害に失敗したスペクターの一員オーサトとNo.11のヘルガの責任を追及する。

オーサトは生かされるものの、ヘルガはピラニアの餌食となり殺される。

そしてオーサトは、再びボンド殺害を命ぜられる。

ボンドは、火口湖を調べる考えをタナカに話し、日本側が忍者部隊を使って攻め込む準備を始めていることを知る。

タナカは、ボンドを日本人漁師に変装させてマツ島の海女と結婚し、現地に潜伏する計画を伝える。

しかし、アキがボンドの身代わりとなり何者かに毒殺されてしまい、ボンドは、計画実行の準備のために武道訓練に励む。

そしてボンドは、タナカの部下である島の海女キッシー・スズキ(浜美枝)と結婚して、島で暮らし始める。

タナカから、アメリカのロケット打ち上げが早まるとの報せを受けたボンドは、不審な死を遂げた村人が向かった洞窟を調べようとする。

現場に向かったボンドとキッシーは、人を近寄らせないようガスが噴出していたためにその場を逃れ、火山の火口を調べる。

火口に向かったヘリが姿を消し、ボンドとキッシーは火口湖に向かい、同じ頃、アメリカがロケットを打ち上げる。

夜となり、火口湖に到着したボンドとキッシーは、湖の表面が金属だということに気付く。

その時、火口が開き始め、地下の秘密基地が姿を現す。

ボンドはタナカの元にキッシーを向かわせて、基地内に侵入する。

捕らえられていた宇宙飛行士を救出したボンドは、スペクター側の宇宙飛行士に扮してロケットに乗り込もうとする。

しかし、ブロフェルドはボンドの正体を見破り、予定通りロケットを発射させる。

そこに、キッシー報告を受けたタナカ率いる援軍が火口に到着する。

ボンドは、装備品のロケット・タバコで敵を混乱させて、火口を開ける。

ブロフェルドに再び捕らえられたボンドだったが、タナカの部隊が基地内に侵入して攻撃を仕掛ける。

ロケットはアメリカの宇宙船に迫り、アメリカ大統領(アレクサンダー・ノックス)はソ連との開戦準備を指示する。

オーサトを殺したブロフェルドは、ボンドも射殺しようとするものの、タナカの手裏剣攻撃を受けて阻止され逃亡する。

ボンドは司令室に向かい、ロケットの爆破スイッチを押し、ロケットは爆破され米ソの開戦は回避される。

ブロフェルドは、基地の爆破装置を作動させて大爆発が起こる。

それから逃れたボンドらは、洞窟を抜けて海へ脱出する。

ボンドとキッシーは、救援のゴム・ボートに乗り抱き合っていた。

ボートの真下からイギリス海軍の潜水艦が浮上し、Mは、マネーペニーにボンドらの回収を指示する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
アメリカの宇宙船が船体ごと姿を消すという事件が起き、アメリカはソ連の行動を疑う。
正体不明の妨害ロケットがソ連のものではないと判断したイギリスは、それが、日本周辺に着陸したことを確認していたため、既に香港で活動を開始していた。
イギリス諜報員ジェームス・ボンドは、現地で暗殺されたように見せかけて、現地入りしていたMの元に向かう。
ボンドは、米ソ全面戦争を阻止するために、日本のどこかに着陸したと思われるロケットに関する調査を、Mから命ぜられる。
東京に着いたボンドは諜報員のアキと接触し、イギリス人連絡員のヘンダーソンの元に向かい、現地情報部のトップ、タナカに会うよう指示されるのだが・・・。
__________

日本が舞台ということで話題にはなったものの、本来のスパイ劇から、秘密兵器や派手なアクションばかりが目立つ内容は歓迎しないファンも多かった。
良くも悪くも、その後のシリーズの方向性を決定するきっかけになった作品でもある。

右肩上がりだった興行成績は、1億ドルは超すものの一気に落ち込んでしまい、そのためか、次回作「女王陛下の007」(1969)では、主演のショーン・コネリーの降板と、純粋なスパイ劇に戻る工夫が見られた。

”日本観光地巡り”のような展開は、外国人の目からは楽しめたはずだ。
しかし、何もかも詰め込み過ぎという感じの、荒削りにしか思えない内容と陳腐な脚本は、日本人の目から見て頭を傾げたくなるような場面の連続で、当時の日本の総力結集と言いたいところだろうが、日本人そのものを含めた日本社会の描写が滑稽にしか見えない。

頼みのショーン・コネリーも、ボンド役に飽きてきている感じがが窺える。
わずか5年前の、ボンド初登場時の精悍さは全くない。
太めになってきたとはいえ、首に手ぬぐいを巻いた麦わら帽子の漁師姿のボンドなどは、見るに耐えない。

張り切り過ぎて大袈裟な演技ばかりが目立つ日本の俳優陣の中で、浜美枝の初々しさは新鮮だ。

情報機関など存在するはずがない日本の組織のリーダー丹波哲郎、その部下の若林映子、シリーズ中、初めて顔を見せるものの、終盤で僅かな登場に留まり、いつの間にか姿を消してしまう、彼としてはやや存在感が薄いブロフェルド役のドナルド・プレザンス、その部下オーサトの島田テル、同じくカリン・ドール、ボンドの協力者でイギリス側連絡員のチャールズ・グレイ、スペクターの科学者で「ゴールドフィンガー」(1964)にも出演したバート・クォーク、アメリカ大統領役のアレクサンダー・ノックス、そしてレギュラーのM役バーナード・リー、Qのデスモンド・リュウェリン、マネーペニーのロイス・マクスウェル、「カジノ・ロワイヤル」(2006)にも出演している、香港でボンドの同僚に扮して彼を殺そうとするツァイ・チン、オーサトの部下ピーター・メイビア、スペクターの一員マイケル・チャウNASAの技術者エド・ビショップなどが共演している。


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