1983年に発表された、マーク・ヘルプリンのファンタジー小説”Winter’s Tale”を基に製作された作品。 100年の時を生きる青年の恋と運命を描く、製作、監督、脚本アキヴァ・ゴールズマン、主演コリン・ファレル、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、ラッセル・クロウ、ウィル・スミス、エヴァ・マリー・セイント、ウィリアム・ハート、ジェニファー・コネリー他共演のファンタジー。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:アキヴァ・ゴールズマン
製作
アキヴァ・ゴールズマン
マーク・E・プラット
マイケル・タドロス
トニー・アラード
製作総指揮
ケリー・フォスター
ブルース・バーマン
原作:マーク・ヘルプリン”Winter’s Tale”
脚本:アキヴァ・ゴールズマン
撮影:キャレブ・デシャネル
編集
ウェイン・ワーマン
ティム・スクワイアズ
音楽
ハンス・ジマー
ルパート・グレグソン=ウィリアムズ
出演
ピーター・レイク:コリン・ファレル
ベヴァリー・ペン:ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ
パーリー・ソームズ/デーモン:ラッセル・クロウ
判事/ルシファー:ウィル・スミス
ウィラ・ペン(若年期):マッケイラ・トウィッグス
ウィラ・ペン(老年期):エヴァ・マリー・セイント
アイザック・ペン:ウィリアム・ハート
ヴァージニア・ゲイムリー:ジェニファー・コネリー
ピーターの父親:マット・ボマー
ピーターの母親:ルーシー・グリフィス
ガブリエル:フィン・ウィットロック
ロミオ・タン:ケヴィン・コリガン
ハンプストン・ジョン:グラハム・グリーン
シーザー・タン:ケヴィン・デュランド
アビー・ゲームリー:リプリー・ソーボ
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2014年製作 118分
公開
北米:2014年2月14日
日本:2014年5月16日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $12,600,230
世界 $30,800,230
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2014年、ニューヨーク、グランド・セントラル駅。
青年ピーター・レイク(コリン・ファレル)は、駅の天上の星座を見つめる。
__________
1895年、エリス島。
若い移民の夫婦(マット・ボマー/ルーシー・グリフィス)は、入国のために健康診断を受ける。
肺結核と診断された夫は入国を拒否され、乳児だけでもという要望も聞き入れられない。
__________
2014年。
駅の屋根裏部屋に向かったピーターは、隠してあった箱を開けて中身を確認する。
__________
1895年。
客船”シティ・オブ・ジャスティス/正義の都”に戻った夫は、船の模型が入った展示ケースを壊す。
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2014年。
ピーターは、箱の中にあったシティ・オブ・ジャスティスのプレートを確認する。
__________
1895年。
赤ん坊を模型の船に乗せた夫婦は、それを海面に降ろす。
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1916年、ニューヨーク。
ギャングに姿を変えたデーモン/悪魔パーリー・ソームズ(ラッセル・クロウ)に育てられた泥棒のピーターは、一味から抜けることを考える。
逃げるピーターは追い詰められるものの、現れた守護天使である白馬に救われる。
新聞社社主アイザック・ペン(ウィリアム・ハート)の娘ベヴァリー(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)は、結核を患い死期が近かった。 8年前に妻を亡くしたアイザックは、べヴァリーと妹ウィラ(マッケイラ・トウィッグス)と暮らしていた。 アイザックは、体温が高いべヴァリーのために屋敷内を冷やし、彼女は屋上のテントを寝室にしていた。 ピーターがグランド・セントラル駅に隠れていることを知ったパーリーは、部下のロミオ・タン(ケヴィン・コリガン)と共にその場に向かい、屋根裏部屋を調べる。 ウィラは防寒をしてべヴァリーの元に向かい、荷造りを済ませ、明日、湖に行くことを姉に伝える。 べヴァリーは、父がテントを用意した後で向かうことをウィラに伝え、人は一生を終えた後、空に上って星になるという話をする。 白馬と共にフロリダに旅立とうとしたピーターは、その前に盗みをする。 出発するつもりのピーターは、白馬が動かない場所でペン邸に忍び込もうとする。 体温が上がっていることに気づいたべヴァリーは、冷水に入り体温を下げる。 屋敷に侵入したピーターは、金庫を見つけて開けようとするが、ピアノを弾く音に気づき、その場にあった拳銃を手にして様子を見に行く。 ピアノを弾く赤毛のべヴァリーに気づかれたピーターは、銃のことを訊かれて盗みに入ったと答え、その気はなくなったと彼女に伝える。 警戒しないべヴァリーにお茶を入れてもらったピーターは、彼女が結核だと知る。 べヴァリーは、21歳なのにキスどころか外出もできず、高熱を抑えるために寝室もテントだとピーターに伝える。 余命短いと言うべヴァリーに自己紹介したピーターは、出身を訊かれて小舟だと答え、ブルックリンの浜にたどりついたことを話す。 泥棒だが以前は機械工志望だったと言うピーターは、ボスと対立していることをべヴァリーに伝える。 今までの最高の盗品をピーターに尋ねたべヴァリーは、まだ盗んでいない自分だと言われて嬉しく思う。 数か月、街を離れることを伝えたピーターは、田舎に行くので戻ったころには死んでいると言うべヴァリーを、愛おしく思いながら白馬の元に戻る。 レストランに向かったパーリーは、指示通りの食事を出せないと言うウエイターを殺し、その血で赤毛の女を描く。 その女を捜せばピーターも見つかると考えるパーリーは、それをロミオらに伝える。 ピーターは、自分が乗せられた小舟を見つけてくれたハンプストン・ジョン(グラハム・グリーン)にべヴァリーのことを話し、結核の彼女を昔から知っているような気がすると伝える。 ピーターは、べヴァリーは運命の人だろうが、悪の力も働くと言うハンプストン・ジョンの言葉を信じ、気持ちを抑えきれず彼女の元に向かう。 赤毛の女べヴァリーの居場所を突き止めたパーリーは、ピーターの育ての親だと言って、彼女にナイフを向けて脅そうとする。 白馬に乗り現れたピーターがべヴァリーを救い、パーリーに追われながら北に向かう。 空を飛んだ白馬は凍った川に着地し、北には向かえない掟があるパーリーは追跡を諦め、その理由を訊くロミオを殺す。 ピーターとべヴァリーは上流に向かい、コヒーリーズの湖畔の別荘に到着する。 その場にいたウィラはべヴァリーに気づいて抱きつき、ピーターに姉の恋人か尋ねる。 べヴァリーにアイザックを紹介されて話をしたピーターは、泥棒と気づいていた彼から様々なことを訊かれる。 泥棒だと認めたピーターは、べヴァリーを愛しているだけだと率直に伝え、アイザックに気に入られる。 その後、ピーターはべヴァリーと夜道を散歩し、地元の人に拾われて数年、孤児院を転々として盗みを覚え、パーリーに出会い才能があると言われたことを話す。 雪道をはだしで歩くべヴァリーは、それを気にするピーターに手を握られたために、さらに体温が上がる。 ピーターは、高熱を気にするべヴァリーに、何気ない言葉の羅列で心を落ち着かせる方法を教える。 星や星座の名前を口にして穏やかな気持ちになったべヴァリーは、体温が下がる。 屋敷に戻りべヴァリーの絵を描いていたピーターは、ウィラから姉を愛しているか訊かれる。 心から愛していると答えたピーターは、ウィラと共に温室に向かい、彼女が作ったお姫様のベッドを見せてもらう。 死んだお姫様に王子様がキスすると生き返るという話を聞いたピーターは、ここでキスすればべヴァリーも生き返ると言うウィラに、その言葉を信じると伝える。 パーリーは判事/ルシファー(ウィル・スミス)の元に向かい、北に向かう許可を求める。 ピーターが愛する赤毛の女の話をしたパーリーは、北に向かうことを却下され、怒りを露にするものの許可は得られない。 その後ピーターは、屋敷を壊してしまう恐れがあるボイラー修理にアイザックが梃子摺っていることを知り、それを手伝う。 妻の愛した屋敷を救おうとするアイザックは、諦めずに問題を見つけて修理してくれたピーターを抱きしめる。 ピーターに感謝したべヴァリーは、誘われていたニューイヤーズ・イヴのダンスに行くことを彼に伝える。 パーリーは、貸しがあるガブリエル(フィン・ウィットロック)に興奮薬を渡し、自分の指示に従わせる。 ニューイヤーズ・イヴ。 給仕に扮したガブリエルは、べヴァリーのシャンパン・グラスに興奮薬を入れる。 ピーターとべヴァリーは、舞踏会を楽しむ。 屋敷に戻ったべヴァリーは、テントからピーターを見つめて彼を誘い、2人は愛し合う。 しかし、興奮薬によりべヴァリーは意識を失い、焦るピーターは彼女をお姫様のベッドに運ぶ。 ピーターは、キスしても生き返らないべヴァリーに寄り添い泣き崩れる。 べヴァリーの葬儀が行われ、ピーターが街に戻ったことを知ったパーリーは、”ブルックリン橋”で白馬に乗る彼を追い詰める。 捕らえられそうになったピーターは白馬を逃がし、パーリーに頭突きで痛めつけられ、橋から突き落とされる。 一命を取り留めたピーターだったが記憶を失い、100年の歳月が流れる。 2014年。 ある日の夕暮れ、歩いていたピーターは、アビー(リプリー・ソーボ)という名の少女にぶつかり、その母親であるヴァージニア・ゲイムリー(ジェニファー・コネリー)と出会う。 グランド・セントラル駅。 パーリーは、ピーターが生きていたことに気づく。 ”ニューヨーク公共図書館”に向かったピーターは、持っていたコヒーリーズの箱を手掛かりに、アイザックが市に寄贈した”コヒーリーズ劇場”を見つける。 ロミオの孫シーザー(ケヴィン・デュランド)を呼んだパーリーは、100年前のピーターの手配書を見せて、彼を捜すよう指示する。 パーリーは、殺す赤毛の女を間違えたと考える。 新聞社”ニューヨーク・サン”に向かったピーターは、アイザックに会おうとするものの、受付係から90年前に他界したと言われ、コヒーリーズ劇場のことを知りたいと伝える。 記録の閲覧に2週間かかると言われたピーターは戸惑うが、記者だったヴァージニアから声をかけられ、以前、会ったことがないか訊かれる。 記憶を失っていることを話したピーターは、記者のヴァージニアが記録を閲覧できるために協力してもらう。 コヒーリーズに関するマイクロフィルムをチェックしたヴァージニアは、それが劇場ではないことを知る。 ピーターは、アイザックやべヴァリーの写真を見て、涙を浮かべながら名前を思い出す。 ヴァージニアは、今の姿と変わらないピーターが写真に写っていたために驚く。 涙するピーターは、べヴァリーらは遠い昔に亡くなったことをヴァージニアに伝える。 皆ではないと言うヴァージニアは、新聞社の社主と面会しようとする。 その場に現れた社主のウィラ(エヴァ・マリー・セイント)は、ヴァージニアに声をかけられる。 ピーターから名前を呼ばれたウィラは驚き、彼との再会を喜び抱き合う。 その後、ピーターはウィラとヴァージニアと共にペン邸に向かい、べヴァリーと出会った日に、彼女がお茶を入れてくれたテーブルが残っていることを知る。 ウィラは、べヴァリーとピーターのことやテーブルを残しておいたことをヴァージニアに話し、結核で死んだ姉を捜そうとして星を見つめた話をする。 この世で役目を終えた者は星になると言っていたべヴァリーの話をしたウィラは、昔と変わらないピーターには、まだ役割があるはずだと考える。 ウィラに別れを告げたピーターは、娘を迎えに行くと言うヴァージニアから住所を教えてもらい、夕食に誘われる。 用があると伝えたピーターはヴァージニアと別れるが、それをパーリーの部下が監視していた。 ルシファーと話をしたパーリーは、ピーターの存在はべヴァリーの奇跡であり、彼女の愛が死なせないことを知る。 パーリーは、ピーターを永遠に葬るために北に向かい、人間として戦うことをルシファーに求め、それを許可される。 ヴァージニアの家を訪ねたピーターは、3人で食事をする。 ピーターは、アビーにシティ・オブ・ジャスティスのプレートを見せながら、その小舟に乗ってたどりついたことを話す。 突然、発作を起こしたアビーのことを心配するピーターは、通りに何者かがいることに気づく。 アビーが赤毛だと知ったピーターは、自分が描いていたのは彼女だとヴァージニアに伝える。 ピーターは、末期ガンのアビーは自分が助けると言って、奇跡を信じられないヴァージニアに、自分が奇跡だと伝える。 自分が生きていたのはアビーのためだと言うピーターは、信じてほしいとヴァージニアに伝えて屋上に向かう。 その場にいた白馬に乗ったピーターは、ヴァージニアとアビーと共に飛び立つ。 その場に現れたパーリーは発砲するものの、逃げられてしまう。 コヒーリーズの湖に着いたピーターは、ヴァージニアとアビーを連れて屋敷に向かおうとするが、追って来れないはずのパーリーらが現れる。 白馬が湖の氷を砕き、パーリーの部下を溺れさせる。 パーリーと殴り合いになったピーターは叩きのめされるが、天から光が差し込む。 反撃したピーターは、シティ・オブ・ジャスティスのプレートでパーリーの首を刺す。 その瞬間、パーリーは凍りついてしまう。 ピーターは、アビーをお姫様のベッドに運び救おうとするものの、彼女の意識は戻らない。 諦めたピーターとヴァージニアだったが、アビーの意識は戻り、奇跡が起きたことを喜ぶ。 その後ピーターは、ヴァージニアとアビーをアパートに送り、べヴァリーの墓に向かう。 役目を終えたピーターは、白馬に乗り夜空の星に向かい飛び立つ。 ウィラは、ピーターの昇天を見守る。
...全てを見る(結末あり)
ピーターとべヴァリーは舞踏会に出席する。
街をさ迷うピーターは、舗道に赤毛の少女のチョークアートを描く。
屋根裏に向かったピーターは、隠してあった”コヒーリーズ”の箱と”シティ・オブ・ジャスティス”のプレートを見つめる。
*(簡略ストー リー)
1916年、ニューヨーク。
移民の孤児としてギャングに育てられ泥棒になったピーター・レイクは、悪魔が姿を変えていたボスのパーリーから逃げようとする。
現れた守護天使の白馬と共に逃げたピーターは、街を離れる決心をして、資金を手に入れるためにペン邸に侵入する。
ピーターは、結核を患う余命短いべヴァリーに見つかり、彼女に惹かれてしまう。
べヴァリーを運命の人と思い、パーリーに襲われた彼女を助けたピーターは、ペン家の別荘があるコヒーリーズの湖に向かうのだが・・・。
__________
マーク・ヘルプリンのファンタジー小説”Winter’s Tale”を基に製作された作品。
「ビューティフル・マインド」(2001)でアカデミー脚色賞を受賞した脚本家、そして製作者として知られるアキヴァ・ゴールズマンの初監督作品(製作、脚本兼)。
アキヴァ・ゴールズマンの作品ということで、「ビューティフル・マインド」(2001)で組んだラッセル・クロウとジェニファー・コネリーが出演し、他、新旧、豪華スター競演が話題になった作品。
アキヴァ・ゴールズマンの演出と脚本は、壮大な物語であるマーク・ヘルプリンの原作を表現しきれず、批評家から酷評されてしまった。
興行的にも予想をはるかに下回り、北米興行収入は約1300万ドル、全世界では約3100万ドルに終り、6000万ドルをかけた製作費の半分しか回収できなかった。
悪魔や守護天使が登場するファンタジーであり、主人公が100年の年月を経て奇跡を起こす物語自体は受け入れられるのだが、現実的な役柄であるヒロインの妹が、新聞社の社主として現役で登場するシーンは実に奇妙だ。
約100年の歳月を経て主人公と再会する感動的なシーンとなるのだが、彼女が100歳を超える女性として生存していたとしても、あまりにも不自然だ。
主演のコリン・ファレルは、移民の孤児として悪魔に育てらえながら、不治の病の女性と出会い、100年の時を超えて奇跡を起こす主人公を好演している。
主人公と出会い愛し合う余命短い富豪令嬢のジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、主人公の育ての親である、ギャングのボスに姿を変えた悪魔ラッセル・クロウ、彼が従う判事/ルシファーのウィル・スミス、ヒロインの妹マッケイラ・トウィッグス、その老年期エヴァ・マリー・セイント、ヒロインの父親ウィリアム・ハート、現代で主人公に出会う記者のジェニファー・コネリー、余命短いその娘リプリー・ソーボ、主人公の両親マット・ボマーとルーシー・グリフィス、パーリー(ラッセル・クロウ)の部下フィン・ウィットロック、ケヴィン・コリガン、その孫ケヴィン・デュランド、乳児の主人公を助けた男グラハム・グリーンなどが共演している。