分身に襲われる家族の恐怖体験を描く、製作、監督、脚本ジョーダン・ピール、主演ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デューク、シャハディ・ライト・ジョセフ、エリザベス・モス、ティム・ハイデッカー他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョーダン・ピール
製作
ジョーダン・ピール
ショーン・マッキトリック
ジェイソン・ブラム
イアン・クーパー
製作総指揮
ダニエル・ルピ
ベアトリス・セケイラ
脚本:ジョーダン・ピール
撮影:マイケル・ジオラキス
編集:ニコラス・モンスール
音楽:マイケル・エイブルズ
出演
アデレード・ウィルソン/レッド:ルピタ・ニョンゴ
子供時代のアデレード・トーマス/レッド(子供時代):マディソン・カリー
アデレード・トーマス/レッド(10代):アシュリー・マッコイ
ガブリエル“ゲイブ”ウィルソン/アブラハム:ウィンストン・デューク
ゾーラ・ウィルソン/アンブラ:シャハディ・ライト・ジョセフ
ジェイソン・ウィルソン/プルートー:エヴァン・アレックス
キティ・タイラー/ダリア:エリザベス・モス
ジョシュ・タイラー/テックス:ティム・ハイデッカー
ラッセル・トーマス/ウェイランド:ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世
レイン・トーマス/アーサ:アナ・ジョップ
ベッカ・タイラー/イオ:カリ・シェルドン
リンジー・タイラー/ニックス:ノエル・シェルドン
ダニー/トニー:デューク・ニコルソン
ナンシー/シド:カーラ・ヘイワード
グレン/ジャック:ネイサン・ハリントン
トロイ/ブランド:ダスティン・イバラ
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2019年製作 116分
公開
北米:2019年3月22日
日本:2019年9月6日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $71,117,630
世界 $255,184,600
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1986年。
大陸を横断する人々が手をつなぐチャリティーイベント”ハンズ・アクロス・アメリカ”のコマーシャルがテレビで流れる。
サンタクルーズ、サンタクルーズ・ビーチ・ボードウォーク。
両親と一緒にカーニバルで楽しんでいた少女アデレード・トーマス(マディソン・カリー)は、母レイン(アナ・ジョップ)がトイレに行き、父ラッセル(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)がモグラ叩きをしている間に、一人でその場を離れる。
アデレードは、青年が持つ”エレミヤ書 11章11節”と書かれたボードを気にしながらビーチに向かう。
その場に会ったファンハウスに入ったアデレードは、鏡のホールで自分とそっくりの少女に出会い驚く。
現在。 夏の休暇で家族で旅行に出かけたアデレードは、ゲイブからサンタクルーズのビーチに行くことを提案される。 気が進まないアデレードは、友人ジョシュ・タイラー(ティム・ハイデッカー)の家族も来ると言われ、子供時代のことを考える。 ビーチで起きたことのショックによる”心的外傷後ストレス障害”で、アデレードは失語症になった。 サンタクルーズ行きに反対するアデレードだったが、ゲイブから、ジェイソンが楽しみにしていたと言われ、仕方なく出かけることにする。 子供の時に大切にしていたぬいぐるみと、バレエを習っていた時の写真を見て懐かしく思うアデレードは、少女時代の自分の幻覚を見てしまう。 その後ゲイブは、少々難ありのモーターボートを手に入れて戻ってくる。 サンタクルーズに向かう途中、アデレードは、救急車で運ばれる怪我をした男性が”エレミヤ書 11章11節”と書かれたボードを持っていることに気づく。 ビーチに着いたアデレードは、ファンハウスが気になる。 アデレードらは、リッチなジョシュと妻キティ(エリザベス・モス)、双子の娘ベッカ(カリ・シェルドン)とリンジー(ノエル・シェルドン)に歓迎される。 トイレに行ったジェイソンは、腕を上げてビーチに立っている、手から血を流す男性を目撃する。 姿が見えないジェイソンを捜したアデレードは、戻って来た彼を抱きしめる。 家に戻りジェイソンを寝かせようとしたアデレードは、時計が”11時11分”であることを気にする。 ジェイソンが描いた、ビーチで目撃した男性のことを尋ねたアデレードは、知らない人だと言われる。 その後、この場にいたくないとゲイブに伝えたアデレードは、子供の時に、あのビーチの鏡のホールで、自分とまったく同じ容姿の少女に出会ったことを話す。 それからずっと彼女に狙われているような気がすると話し動揺するアデレーを気遣うゲイブは、自分が守ると伝える。 停電で電気が消えてしまい、部屋に来たジェイソンから、外に家族がいると言われたゲイブとアデレードは、それを確認する。 動揺するアデレードは警察に電話し、ゲイブは外に出て家族に声をかけ、敷地から出るようにと言って警告するものの、返事はなかった。 家の中に戻ったゲイブは、警察を呼ぶようにアデレードに指示し、既に呼んだことを知り、バットを持って再び外に向かう。 相手を脅したゲイブは、男性が近づいてきたために家に戻り、家屋に戸締りをさせる。 置き鍵が見つかり、鍵を開けて押し入ろうとする男にバットを奪われたゲイブは、脚を殴られる。 アデレードらは、赤い服を着た自分たちと同じ容姿の女性レッド(ルピタ・ニョンゴ)、男性アブラハム(ウィンストン・デューク)、子供アンブラ(シャハディ・ライト・ジョセフ)とプルートー(エヴァン・アレックス)ら”分身/ドッペルゲンガー”を見て驚く。 話すことができるレッドは、それぞれが魂を共有し、自分たち “影 “が苦しむ間、アデレードらは幸せを手に入れたと伝える。 手錠を渡されたアデレードは、それをテーブルにつなぎ、アブラハムは、ゲイブを引きずり外に連れ出す。 レッドから走れと指示されたゾーラはそれに従い、アンブラが彼女を追う。 目的が自分だと分かったアデレードは、プルートーに近寄られたジェイソンに、得意の手品を見せるようにと指示する。 怯えるゲイブは、アブラハムに殴られる。 火を愛するプルートーと物置に入ったジェイソンは、マッチを点けた彼に、手品で使うライターを点けて見せようとする。 互いに被っていたマスクを脱いだジェイソンは、プルートの焼けただれた醜い顔を見て驚く。 アンブラに追いつかれてゾーラは、車の屋根に乗った彼女が、持ち主の男性に注意されている間に逃げる。 ハサミを持っていたアンブラに刺された男性は、叫び声をあげる。 アデレードから目的を訊かれたレッドは、鎖からの解放だと答えて、彼女の顔をガラスのテーブルに押し付ける。 ボートに乗せられたゲイブは、エンジンが止まった隙に、アブラハムをバッドで殴り突き落とす。 動き出したボートから落ちたゲイブに襲い掛かろうとしたアブラハムだったが、ロープが足に絡まっていたために引きずられる。 ライターを点けてプルートーを驚かせたジェイソンは、その場から逃げて彼を閉じ込める。 プルートーの叫び声に気づいたレッドは、彼を部屋から出し、アデレードの部屋に向かい、その場にあったぬいぐるみの首をハサミで切る。 その間に暖炉の火かき棒を手にしたレッドは、テーブルを壊す。 戻ったボートに乗ろうとしたゲイブは、アブラハムに襲われハサミを向けられる。 アブラハムは、動いたエンジンのスクリューに巻き込まれる。 ジェイソンと共に外に逃げたアデレードは、戻って来たゾーラを連れて、ホーンを鳴らすボートの元に向かう。 ボートに乗り込んだアデレードらは、ジョシュの家に向かう。 酒を飲んでくつろいでいたジョシュは、キティから、家の外に人がいると言われる。 ジョシュらは、自分たちの分身テックス(ティム・ハイデッカー)、ダリア(エリザベス・モス)、イオ(カリ・シェルドン)、ニックス(ノエル・シェルドン)らに襲われ、ハサミで刺されて倒れ込む。 瀕死のキティは警察を呼ぼうとするものの、ダリアに殺される。 タイラー家に着いたアデレードは、迎えたジョシュが別人だと気づき、火かき棒で彼の頭を殴るものの、家の中に引きずり込まれる。 子供たちを逃がしたゲイブは、テックスに襲われそうになる。 ジェイソンと裏口から家に入ったゾーラは、ゴルフのパターを持って警戒し、ジョシュとキティ、そして二階のベッカとリンジーの死体を確認する。 襲いかかってきたイオを殴り一階に落下させたゾーラは、ニックスも殴り殺す。 アデレードを拘束したダリアは、ハサミで自分の頬を傷つける。 ボートに逃げ込んだゲイブは、追ってきたテックスに向かい照明弾を発射して襲い掛かり殺す。 その様子を窓から確認するダリアは、背後から迫るゾーラに気づく。 ゾーラを押し倒したダリアは、ハサミで彼女を殺そうとする。 アデレードは何とかしようとして叫び声をあげ、ジェイソンがダリアを殴り殺す。 ゲイブも戻り、家族は、カーニバルの客たちが、下水道から現れた赤い服を着たハサミを持つ者たちに襲われているというニュースを見て驚く。 アデレードは、車で海岸線走りメキシコに向かうことを提案し、ゲイブに反対されるものの考えを変えない。 車に乗ろうとしたアデレードは、キーを取りに家に戻り、生きていたイオに襲われる。 ハサミを手にしたアデレードは、様子を見に来たジェイソンの前でイオを刺し殺す。 ゲイブが怪我をしてアデレードが手錠をハメられているために、ゾーラが運転すると言い張る。 そこにアンブラが現れ、車を発進させたゾーラは彼女を轢き殺そうとする。 生きていたアンブラは車の屋根に上り、ゾーラは停車する。 発進して速度を上げたゾーラは急停車し、アデレードは、飛ばされたアンブラを捜しに行く。 林の中で瀕死のアンブラを見つけたアデレードは、彼女の死を見届けて車に戻る。 サンタクルーズ。 その場にプルートーが現れ、火かき棒を持って車から降りたアデレードは彼に近づく。 マスクを脱ぎ焼けただれた顔を見せたプルートーの罠だと気づいたジェイソンは、ゲイブとゾーラに車から降りるよう指示する。 車からはガソリンが漏れ、プルートーがマッチを持っていたため、アデレードは彼の罠に気づく。 プルートーが自分の真似をすることを思い出したジェイソンは、後ずさりする。 プルートーは、後方で燃えるウィルソン家の車に向かい、炎に包まれる。 現れたレッドがジェイソンを連れ去り、アデレードは息子を捜す。 海岸のファンハウスに入ったアデレードは、ウサギに導かれるようにして秘密の入り口を見つけ、無数のウサギがいる地下施設にたどり着く。 救急車を見つけて隠れようとしたゲイブとゾーラは、手をつないだ分身たちを確認する。 レッドを見つけたアデレードは、ジェイソンの居場所を訊く。 人間は肉体を複製する方法を見つけるものの、魂は作れなかった。 分身を造り地上の人間を操るものの失敗し、分身を見捨てたために自分たちが生まれたと、レッドはアデレードに話す。 神があの夜、自分たちを一つにしたと言うレッドは、完璧な計画を立て、殺すだけでなく世界に知らせる時が来たとアデレードに伝える。 レッドに叩きのめされたアデレードは、火かき棒を手にして彼女に襲い掛かる。 再び痛めつけられたアデレードは、背後から迫る彼女に火かき棒を突き刺し、手錠の鎖で首を絞めて息の根を止める。 ロッカーの中にいたジェイソンを見つけたアデレードは、その場から脱出する。 アデレードとジェイソンは、救急車にいたゲイブとゾーラの元に向かう。 救急車を運転するアデレードは、レッドに初めて出会った時のことを思い出す。 レッドを見て気を失ったアデレードは地下に運ばれ、手錠でつながれて拘束される。 アデレードのシャツを着て地上に戻ったレッドは、両親の前で口をきかなかった。 運転するアデレードは、助手席のジェイソンを見つめながら微笑む。 分身たちは、”ハンズ・アクロス・アメリカ”のために手をつなぐ。
成長したアデレード(ルピタ・ニョンゴ)はガブリエル“ゲイブ”ウィルソン(ウィンストン・デューク)と結婚し、娘ゾーラ(シャハディ・ライト・ジョセフ)と息子ジェイソン(エヴァン・アレックス)と共に、平穏な日々を送っていた。
...全てを見る(結末あり)
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翌日、街の惨状を見て驚くアデレードらは、自分たちの車が炎上していることに気づく。
*(簡略ストー リー)
1986年。
サンタクルーズ、サンタクルーズ・ビーチ・ボードウォーク。
カーニバルを楽しんでいた少女アデレードは、両親と離れビーチに向かい、ファンハウスの鏡のホールに迷い込み、自分にソックリの少女に出会う。
現在、夫ゲイヴと子供たちゾーラとジェイソンと共に夏の休暇旅行を楽しむアデレードは、サンタクルーズに向かうことになるものの気が進まない。
友人のジョシュとキティの家族とビーチで楽しんだアデレードらは、家に戻る。
その夜、ゲイブに子供時代の嫌な体験をしたアデレードは、突如として現れた自分たちの分身”ドッペルゲンガー”に襲われる・・・。
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俳優、脚本家として活躍し、初監督作品「ゲット・アウト」(2017)で世界的な評価を得たジョーダン・ピールが、製作、脚本を兼ねて監督した注目作。
幼いころの体験がトラウマとして残る女性と家族が、突如として現れた自分たちの分身”ドッペルゲンガー”に襲われる恐怖体験を描くホラー。
幸福や自由を感じることができる人の陰に、苦しんでいる人々がいるのであって、恵まれない人のために闘うことの必要性を問う作品のテーマは、現代社会へのジョーダン・ピールの熱いメッセージだと言える。
一般の評価は低かったものの、前作「ゲット・アウト」(2017)同様、ジョーダン・ピールの意欲が感じられる斬新な演出は、批評家から絶賛された。
北米興行収入は約7100万ドル、全世界では約2億5500万ドルの大ヒットとなった。
*製作費 $20,000,000
物語の中で、主人公が子供時代と現在で二度目撃する”エレミヤ書 11章11節”は、不吉な言葉として世の破滅を予言している。
参考:
”エレミヤ書 11章11節”
”それゆえに、主はこう言われる
見よ、わたしは彼らに災をもたらす
彼らはそれから逃れられない
彼らがわたしに向かって叫んでも、わたしは彼らの言うことを聞かない”
幼いころの体験がトラウマとなり、自分の分身から逃れることができない主人公を好演するルピタ・ニョンゴ、その子供時代と分身マディソン・カリー、主人公の10代と分身アシュリー・マッコイ、主人公の夫と分身のウィンストン・デューク、その娘と分身シャハディ・ライト・ジョセフ、息子と分身のエヴァン・アレックス、主人公の友人と分身エリザベス・モス、その夫と分身ティム・ハイデッカー、その双子の娘と分身カリ・シェルドンとノエル・シェルドン、主人公の父親と分身ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、母親と分身のアナ・ジョップ、他デューク・ニコルソン(ジャック・ニコルソンの孫)、カーラ・ヘイワード、ネイサン・ハリントン、ダスティン・イバラなどが共演している。