チューリップ投機が加熱する中、世継ぎを産むために富豪の妻となった女性と青年画家の恋を描く、製作総指揮、監督ジャスティン・チャドウィック、主演アリシア・ヴィキャンデル、デイン・デハーン、クリストフ・ヴァルツ、ジャック・オコンネル、ホリデイ・グレインジャー、ジュディ・デンチ、ザック・ガリフィアナキス他共演の恋愛ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジャスティン・チャドウィック
製作
アリソン・オーウェン
ハーヴェイ・ワインスタイン
製作総指揮
ポール・トライビッツ
ボブ・ワインスタイン
デヴィッド・グラッサー
ジャスティン・チャドウィック
クリストファー・ウッドロウ
モリー・コナーズ
マリア・セストーン
サラ・E・ジョンソン
パトリック・トンプソン
ローリー・マクドナルド
ウォルター・F・パークス
原作:デボラ・モガー”Tulip Fever”
脚本
デボラ・モガー
トム・ストッパード
撮影:アイジル・ブリルド
編集:リック・ラッセル
音楽:ダニー・エルフマン
出演
ソフィア・サンツフォールト:アリシア・ヴィキャンデル
ヤン・ファン・ロース:デイン・デハーン
コルネリス・サンツフォールト:クリストフ・ヴァルツ
ウィレム・ブロック:ジャック・オコンネル
マリア:ホリデイ・グレインジャー
修道院長:ジュディ・デンチ
ヘリット:ザック・ガリフィアナキス
マテウス:マシュー・モリソン
アナジェ:カーラ・デルヴィーニュ
ヨハン・デ・バイ:ケヴィン・マクキッド
ニコラス・スティーン:ダグラス・ホッジ
スティーン夫人:クレシダ・ボナス
オファーファルト夫人:ジョアンナ・スキャンラン
ソルフ医師:トム・ホランダー
プラーター:デヴィッド・ヘアウッド
イギリス/アメリカ 映画
配給 ワインスタイン・カンパニー
2017年製作 107分
公開
イギリス:2018年12月7日
北米:2017年9月1日
日本:2018年10月6日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $2,455,640
世界 $9,204,550
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
17世紀、オランダ(ネーデルラント連邦共和国)。
チューリップ投機が加熱(チューリップ・バブル)する中で、特に高価なのは、希少な縞模様の入った“ブレイカー(色割れ)”だった。
孤児として聖ウルスラ修道院で育ったソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)は、修道院長(ジュディ・デンチ)に呼ばれる。
香辛料の取引で財を成した、富豪である商人コルネリス・サンツフォールト(クリストフ・ヴァルツ)の元に嫁ぐことになったソフィアは、院長や修道女に祝福されて旅立つ。
ソフィアの犠牲のおかげで、妹達はおばが待つアメリカのニューアムステルダムに向かえることになる。
3年後、1634年、アムステルダム。 サンツフォールト家の使用人マリア(ホリデイ・グレインジャー)は、魚売りのウィレム・ブロック(ジャック・オコンネル)と恋仲だった。 ソフィアは、世継ぎのことしか頭にないコルネリスとの生活に不満を抱きながら、ソルフ医師(トム・ホランダー)の元に向かう。 仕立屋のオファーファルト夫人(ジョアンナ・スキャンラン)の紹介だとソルフに話したソフィアは、子供を授かりたいことを伝える。 自分が役立てると考えたソルフだったが、侮辱されたソフィアは憤慨し、彼を殴りその場を去る。 その後も、祈りを捧げながらソフィアとの行為に励むコルネリスだったが、子供は授からなかった。 コルネリスから肖像画家を雇うことにしたと言われたソフィアは、将来有望な青年画家ヤン・ファン・ロース(デイン・デハーン)をマテウス(マシュー・モリソン)から紹介されたことを知る。 友人のマテウスから話を聞いたヤンは、サンツフォールト家に向かう。 コルネリスと話をしたヤンは、ソフィアの美しさに惹かれながら絵を描き始める。 マリアとの将来を考えるウィレムは、チューリップ市場に足を踏み入れて投資する。 家に戻ったヤンは、助手のヘリット(ザック・ガリフィアナキス)をモデルにして絵を仕上げる。 ヤンに惹かれてしまったソフィアはそのことが気になり、コルネリスに彼を解雇してほしいと伝える。 しかし、ヤンに対する気持ちを抑えきれないソフィアは、直ぐに考えを変えてしまい、今後も彼に描かせようとする。 マリアは、現れたウィレムからチューリップに投資したことを知らされる。 その後、互いに恋に落ちたことに気づいたソフィアとヤンは、愛し合うようになる。 修道院に向かい、庭でチューリップを栽培している院長と取引したウィレムは、手に入れたチューリップを見に行く。 その中に”ブレイカー”が咲いていることに気づいた院長は驚き、球根をウィレムに渡す。 厨房の窓際にあったチューリップ(ブレイカー)に気づいたマリアは、訪ねて来たのが他の魚売りだったために不思議に思う。 魚売りでは手に入れられない大金を市場で手に入れたウィレムは、サンツフォールト家に向かう。 マリアのマントを被っていたソフィアに気づかないウィレムは、彼女を追う。 ヤンの元に向かったのがマリアだと思い込んだウィレムは、ショックを受ける。 酒場に向かったウィレムは酔ってしまい、迫って来たアナジェ(カーラ・デルヴィーニュ)に金を奪われてしまう。 騒ぎを起こしたウィレムは、アナジェの兄達に叩きのめされ、海軍に入れられてしまう。 ヤンの元を去ったソフィアは、外出しているコルネリスよりも先に帰宅する。 ウィレムが姿を消したことで悩むマリアを気遣うソフィアは、彼女が妊娠していることを知る。 マリアに優しく接するソフィアだったが、この件を秘密にしてくれなければ、コルネリスにヤンとのことをすべて話すと言われたために戸惑う。 ソフィアは、マリアに知られたことをヤンに伝える。 前妻と二人の子を亡くしたことは天罰だと考えるコルネリスに、ソフィアは子供を授かったと伝える。 マリアの子を自分の子にすることを考えたソフィアは、それで今後も屋敷にいられることを彼女に伝える。 その件をヤンにも話したソフィアは、ソルフに協力してもらい、コルネリスには気づかれないようにする。 ゆとりがあればソフィアを連れてこの地を去ることを考えるヤンは、彼女が育った修道院にチューリップの庭園があることを知る。 片足が不自由なヘリットと共に修道院に侵入したヤンは、チューリップの球根を盗もうとするものの見つかってしまう。 院長に痛めつけられたヤンは謝罪し、チューリップの取引をしたいことを伝える。 正直に話すヤンを許した院長は、海軍に入れられてしまったウィレムの球根を彼に与える。 その後、チューリップ市場に出入りするようになったヤンは、取引を始めて成功する。 マリアの陣痛が始まり、ソフィアが産気づいたと思ったコルネリスはソルフを呼ぶ。 ソルフから、ソフィアの最近の体調について訊かれたコルネリスは心配になり、もしもの時は、子供ではなく彼女を助けてほしいと伝える。 ヤンと逃亡するつもりのソフィアは、無事に娘を出産したマリアに感謝する。 コルネリスは、娘を出産したソフィアが亡くなったことをソルフから知らされる。 マリアが抱く娘と対面したコルネリスは、疫病で亡くなったソフィアに触れることができず、感染を恐れるソルフは彼を強引に部屋から出す。 子供より自分を助けるようにと、コルネリスがソルフに指示した話を聞いたソフィアは、夫を騙したことを後悔する。 棺桶に入れられたソフィアは、運び出される。 ソフィアを失い悲しむコルネリスは、マリアから、自分がわが子のように育てると言われ、娘を抱く。 ヨハン・デ・バイ(ケヴィン・マクキッド)との取引を済ませたヤンは、修道院に球根を取りに行くようヘリットに指示する。 ヤンの元に向かうものの後悔したソフィアは、その場を去る。 修道院のプラーター(デヴィッド・ヘアウッド)から球根を受け取ったヘリットは、途中で人々にからかわれ、酒を浴びるように飲んでしまう。 家に戻ったソフィアは、コルネリスが子供を抱く姿を窓越しに見ながら、自分の行いを恥じてその場を去る。 街に戻ったウィレムはサンツフォールト家に向かい、憤慨するマリアからどこにいたのか訊かれアフリカだと答える。 ヤンとのことを責めるウィレムは、それがソフィアと彼の密会だったことを知り、コルネリスは二人の会話を聞いてしまう。 娘を抱き、あなたの子だとウィレムに伝えたマリアは、コルネリスに気づく。 戻って来たヘリットに球根のことを尋ねたヤンは、食べてしまったと言われて驚く。 マリアから話を聞いたコルネリスは、彼女に手紙を書く。 コルネリスは、マリアを赦し、ソフィアをもののように買い、子供を望み彼女を苦しめた自分の罪を認める。 マリアとウィレムそして子供に家を譲ることを決めたコルネリスは、子供を自分の”跡継ぎ”だと考え、オランダ領東インドへと旅出つ。 ソフィアが去ったことを知ったヤンは、彼女を捜す。 市場では、チューリップの球根の価格が大暴落する。 川に落ちていたソフィアのマントが見つかり、彼女は死んだと言われたヤンは絶望する。 政府はチューリップの取引を禁止し、一晩で価格は大暴落した。 8年後。 壁画を描いていたヤンは、修道院に戻ったソフィアが、自分を見つめながら微笑んでいることに気づく。 オランダ領東インド、バタヴィア(現ジャカルタ)。 ソフィアをはじめ何人もの子供たちに囲まれたウィレムとマリアは、コルネリスとソフィアに感謝して祈りを捧げる。 ウィレムとの最初の子を、今もこれからも自分の”ソフィア”だと考えるマリアは幸せを願う。
コルネリスの世継ぎを産むことを義務付けられる日々を送るソフィアは、その”任務”を果てせないでいた。
...全てを見る(結末あり)
デ・バイと共にヤンを訪ねた修道院長は、ソフィアを描いた彼の絵の才能を認め、礼拝堂の壁画を描くことを彼に依頼する。
コルネリスにも新しい家族ができた。
*(簡略ストー リー)
17世紀、オランダ。
チューリップ投機が加熱(チューリップ・バブル)していた時代、孤児として修道院で育ったソフィアは、富豪の商人コルネリスの元に嫁ぐ。
世継ぎを産むことを義務付けられたソフィアは、善人ではあるが、そのことだけにこだわるコルネリスとの生活に不満を抱くようになる。
そんなソフィアは、コルネリスが雇った青年画家ヤンに惹かれ、二人は恋に落ちてしまう・・・。
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1999年に発表された、デボラ・モガーの小説”Tulip Fever”を基に製作された作品。
「ブーリン家の姉妹」(2008)で長編デビューしたジャスティン・チャドウィックが、製作総指揮を兼ねて監督した作品。
チューリップ投機(チューリップ・バブル)が加熱する17世紀のオランダ(ネーデルラント連邦共和国)を舞台に、世継ぎを産むために富豪の妻となった女性と青年画家の恋を描く恋愛ドラマ。
2004年に企画され、スティーヴン・スピルバーグとドリームワークスが製作する予定が休止状態となり、2014年にジャスティン・チャドウィックの監督で撮影がはじまるもののそれが延びてしまい、北米公開は2017年となった経緯がある。
孤児として修道院で育ち、妹達のために豪商の元に嫁いだ女性が手に入れた生活には幸せはないのだが、突然、現れた青年画家と恋に落ちる物語に発展する。
それに絡む、狂乱の時代とも言えるチューリップ・バブルの様子が興味深く描かれている。
恋を選び逃亡を選んだ主人公が、人の優しさななどに触れて、自分だけの幸せのために夫を騙したことを悔い、再び修道院に戻る姿で救われる、すべての人が幸福感を味わいながら穏やかに終わるラストもいい。
主演のアリシア・ヴィキャンデルは、富豪に嫁ぎ世継ぎを産むことを義務付けられる中で、青年画家との恋を経験して自分を見つめ直す女性を好演している。
主人公と愛し合う青年画家デイン・デハーン、善人ではあるが、世継ぎを産ませるために主人公を妻にする富豪の商人クリストフ・ヴァルツ、彼の使用人ホリデイ・グレインジャーと愛し合う魚売りの青年ジャック・オコンネル、主人公を育てた修道院長で、チューリップ栽培を行うジュディ・デンチ、ヤン(デイン・デハーン)の助手ザック・ガリフィアナキス、ヤンの友人マシュー・モリソン、ウィレム(ジャック・オコンネル)が投機で得た金を奪う酒場の女カーラ・デルヴィーニュ、チューリップの取引業者ケヴィン・マクキッド、コルネリス(クリストフ・ヴァルツ)と主人公の友人ダグラス・ホッジ、その妻クレシダ・ボナス、仕立屋のジョアンナ・スキャンラン、主人公に協力する医師トム・ホランダー、修道院のチューリップ取引の担当者デヴィッド・ヘアウッドなどが共演している。