ジャンキー(薬物依存症)を克服できない青年と彼を取り巻く仲間達の生き様を描く、監督ダニー・ボイル、主演ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ロバート・カーライル、ジョニー・リー・ミラー、ケヴィン・マクキッド、ケリー・マクドナルド他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダニー・ボイル
製作:アンドリュー・マクドナルド
原作:アーヴィン・ウェルシュ
脚本:ジョン・ホッジ
撮影:ブライアン・トゥファノ
編集:マサヒロ・ヒラクボ
音楽
デーモン・アルバーン
ルー・リード
スリーパー
アンダーワールド
プライマル・スクリーム
パルプ
イギー・ポップ
ニュー・オーダー
エラスティカ
レフトフィールド
ブライアン・イーノ
ブラー
KYO他
出演
マーク・レントン:ユアン・マクレガー
ダニエル”スパッド”マーフィー:ユエン・ブレムナー
フランシス・ベグビー:ロバート・カーライル
サイモン”シック・ボーイ”ウィリアムソン:ジョニー・リー・ミラー
トミー・マッケンジー:ケヴィン・マクキッド
ダイアン・コールストン:ケリー・マクドナルド
スウィーニー:ピーター・マラン
ゲイル:シャーリー・ヘンダーソン
マイキー:アーヴィン・ウェルシュ
イギリス 映画
配給
ミラマックス(北米)
フォックス・サーチライト・ピクチャーズ(イギリス)
PolyGram Filmed Entertainment(世界)
1996年製作 94分
公開
イギリス:1996年2月23日
北米:1996年7月19日
日本:1996年11月30日
製作費 $3,500,000
北米興行収入 $16,501,790
■ アカデミー賞 ■
第69回アカデミー賞
・ノミネート
脚色賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
スコットランド、エディンバラ。
決まりきった堅実な人生などに全く興味のないジャンキー(薬物依存症)の青年マーク・レントン(ユアン・マクレガー)は、ヤクを断ち切る決意をする。
しかし、すぐに耐えられなくなったレントンは、ヤクを手に入れてしまう。
それが、下剤もどきのヤクだったために、何とかシラフで通せたレントンは、同じく禁ヤクした、”007”マニアのシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)に、つまらない理屈を聞かされる。
その後レントンは、仲間のスパッド(ユエン・ブレムナー)に、就職面接を受ける直前にヤクを与えてしまい、それをぶち壊しにしてしまう。
ヤクはやらず大ボラばかり口にして喧嘩っ早いフランシス・ベグビー(ロバート・カーライル)や、同じくヤクはやらないトミー・マッケンジー(ケヴィン・マクキッド)らと、レントンはその後も付き合いを続ける。
トミーの自作ポルノ・ビデオを見たレントンは、ヤクの欲求が性欲へと変わり、ある日、クラブでダイアン・コールストン(ケリー・マクドナルド)を見かけ、一目で恋に落ちてしまう。 ダイアンに声をかけたレントンは、一気に燃え上がり、彼女の部屋でベッドを共にする。 翌朝、ダイアンの家で目を覚ましたレントンは、彼女が高校生だと知り罪悪感を感じてしまう。 しかし、ダイアンは、また会ってくれないと警察に通報すると言ってレントンを脅す。 世の中が狂っていると感じたレントンは、禁ヤクしていたシック・ボーイやスパッドと、再びヤクの世界に戻ることを決める。 さらに、ビデオがなくなったのが原因で、恋人にふられてしまったトミーもヤクを始めてしまう。 盗みや恐喝で、金を奪ってはヤクを手に入れる生活に戻ってしまったレントンだったが、溜まり場で育てていた赤ん坊が、死んでしまう事件が起きる。 その後レントン達は、その苦しみから逃れるために暴走し、ヤクを手に入れるために悪事を続ける。 そして、レントンは逮捕され、同じくスパッドは、禁固6ヶ月となるる。 レントンは、ヘロイン中毒を克服するリハビリ中だと解釈され、それを続ける条件で執行猶予となる。 ベグビーに、これをきっかけにヤクから足を洗うよう言われ、家族からも励まされたレントンは、真剣にリハビリを始めようとする。 しかし、勧められたメタドンの服用で飽き足りないレントンは、再びディーラーのスウィーニー(ピーター・ミュラン)の元に向かいヤクを打ち、病院に運ばれて、その後、自宅に戻る。 部屋に閉じ込められたレントンは、悪夢の禁断症状を乗り切り、エイズ検査もパスする。 体調は回復したレントンだったが、鬱と自己嫌悪に陥ってしまう。 数え切れないほどのヘロインを注射したレントンが陰性だったのに対し、トミーは、数少ない注射で運悪くエイズに感染してしまう。 ようやく正常に近づいたレントンは、ロンドンの不動産会社に雇われることになる。 仕事に馴染んだレントンに、ダイアンから仲間達の近況を知らせる手紙が届く。 ポン引きになったシック・ボーイや、相変わらず堕落した生活を送るスパッド、そして、ベグビーは宝石店を襲撃して、指名手配されていた。 そんな時、レントンの前に運悪くベグビーが現れ居座ってしまう。 やりたい放題のベグビーに苛立つレントンだったが、いかれているが仲間でもある彼を、見捨てられずにいた。 そこに、シック・ボーイも現れて同居することになるが、こちらもやりたい放題を始めたため、レントンは彼らに物件の部屋を与え追い出してしまう。 それが、上司に見つかったレントンはクビになり、結局は故郷に帰ることになる。 レントンが帰る理由の一つはトミーの死だったが、彼は恋人とよりを戻そうとして断られ、結局”トキソプラズマ症”の発作で、ヤクに溺れた挙句に死に至ったのだった。 トミーの葬儀を済ませた後、シック・ボーイが、ヘロイン2キロが4000ポンドで手に入る話を仲間達にする。 ベグビーとシック・ボーイは、レントンに蓄えを提供するよう迫る。 それを断ったレントンだったが、結局はブツを確かめる役になってしまい再びヤクを打つ。 上物だと確認したレントンらは、それをロンドンで売りさばく決心をして、レントンはその後もヤクを打ち続ける。 レントンらは取引現場で、素人と思われ足元を見られながらも、1万6000ポンドでヘロインを売ることに成功する。 祝杯をあげるレントン、ベグビー、シック・ボーイ、スパッドの4人だったが、ベグビーがパブの客に絡み、暴れだすのを見てレントンは嫌気がさしてくる。 その場は平静を装ったレントンは、夜中に金を持ち出して逃亡する。 それを知ったベグビーは荒れ狂い、ホテルで暴れて警察に逮捕される。 ベグビーとシック・ボーイを裏切ったレントンだったが、自分を慕い悪人ではないスパッドには4000ドルを渡そうとする。 そしてレントンは、足を洗ってまともな生活に戻る決心をする、普通の人々と同じような、まともな暮らしを・・・。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
スコットランド。
平凡な人生に興味のない、ジャンキー(薬物依存症)の青年マーク・レントンは、不況下で、スパッド、シック・ボーイ、ベグビー、マッケンジーら仲間と、自堕落な生活を送っていた。
彼らは飽きもせずに、ヤクを手に入れるため、軽犯罪とナンパを繰り返していたが、レントンとスパッドは逮捕されてしまう。
スパッドは禁固刑となり、ヘロイン中毒克服のリハビリ中だと判断されたレントンは、ヤク断ちを条件に執行猶予となる。
しかし、再びヤクに手を出してしまったレントンは、自宅に監禁され、悪夢の禁断症状を乗り切る。
そして、レントンは正常に近づき、ロンドンの不動産会社に雇われ、地道な生活を目指すのだが・・・。
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1993年に発表された、アーヴィン・ウェルシュの同名小説の映画化。
アーヴィン・ウェルシュは、2キロのヘロインを主人公達に流す男の役で出演もしている。
2017年に続編「T2 トレインスポッティング」が公開された。
2008年の「スラムドッグ$ミリオネア」で、自身の監督賞をはじめアカデミー賞を総なめにした、ダニー・ボイルの監督2作目の作品。
決して人生を投げ捨てはしないジャンキーや、暴力行為に走る若者の苦悩する姿を、斬新で過激な映像や音楽、そしてユーモアまじえ描くダニー・ボイルの感性が光る。
興行的には成功したとは言えないが、カルト・ムービーとして若者達を中心に大いに受けた作品で、多くのミュージシャンの曲がジョイントされたサントラも大ヒットした。
第69回アカデミー賞では、脚色賞にノミネートされた。
ダニー・ボイルのデビュー作「シャロウ・グレイブ」(1994)にも出演した若きユアン・マクレガーは、長髪をスキンヘッドにした体当たりの演技でジャンキー役を熱演し、本作をきっかけにブレイクすることになる。
愛嬌はあるが弱腰のダメ青年ユエン・ブレムナー、ヤクはやらないが、即逆上する喧嘩っ早い男を怪演するロバート・カーライル、”007”オタクのジョニー・リー・ミラー、失恋でヤクに溺れ命を落とすケヴィン・マクキッド、妖しげな高校生ケリー・マクドナルド、ヤクの売人ピーター・マランなどが共演している。