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誘拐犯 The Way of the Gun (2000)

実業家である富豪夫妻の代理母誘拐事件を描く、監督、脚本クリストファー・マッカリー、主演ライアン・フィリップベニチオ・デル・トロジュリエット・ルイスジェームズ・カーンスコット・ウィルソンジェフリー・ルイス他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:クリストファー・マッカリー

製作:ケネス・コーキン
脚本:クリストファー・マッカリー
撮影:ディック・ポープ
編集:スティーブン・セメル
音楽:ジョー・クレイマー

出演
パーカー:ライアン・フィリップ
ハロルド・ロングボー:ベニチオ・デル・トロ
ロビン:ジュリエット・ルイス
ジョー・サーノ:ジェームズ・カーン
ジェファーズ:テイ・ディグス
オベックス:ニッキー・カット
アブナー・マーサー:ジェフリー・ルイス
アレン・ペインター医師:ディラン・カスマン
ヘイル・チダック:スコット・ウィルソン
フランチェスカ・チダック:クリスティン・リーマン
メキシコの警官:マンド・ゲレロ
クラブで騒ぐ女:サラ・シルバーマン

アメリカ 映画
配給 Artisan Entertainment
2000年製作 119分
公開
北米:2000年9月8日
日本:2001年6月9日
製作費 $8,500,000
北米興行収入 $6,055,660
世界 $13,200,970


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
小銭を稼ぎながら放浪生活を続けるパーカー(ライアン・フィリップ)とハロルド・ロングボー(ベニチオ・デル・トロ)は、クラブの駐車場で女(サラ・シルバーマン)と恋人に因縁をつけられ騒ぎを起こすものの、結局は客たちに痛めつけられる。

精子提供クリニックにいたパーカーとロングボーは、代理母になり、100万ドルの報酬を受け取れるという電話の会話を聞く。

医師アレン・ペインター医師(ディラン・カスマン)の名前も聞いた二人は、妊婦を誘拐して身代金を手に入れることを思いつく。

実業家である富豪のヘイル・チダック(スコット・ウィルソン)は、不仲の妻フランチェスカ(クリスティン・リーマン)と共に、出産を控える代理母のロビン(ジュリエット・ルイス)の容態を気遣う。

ロビンが口を滑らせてしまい、生まれてくるのが男の子だと知ったチダックは喜び、ペインター医師の元に向かう彼女をボディーガードのジェファーズ(テイ・ディグス)とオベックス(ニッキー・カット)に任せる。
...全てを見る(結末あり)

パーカーとロングボーは、クリニックに入るロビンとボディーガードを確認する。

診察が終わったロビンは、ペインターからビデオを受け取り帰ろうとする。

ストッキングを被り近づくパーカーを警戒するジェファーズとオベックスは、ロビンをロングボーが捕らえたことに気づく。

ジェファーズとオベックスに銃を向けて一触即発になったパーカーとロングボーは、その場から離れる。

外に出たパーカーとロングボーは、待機していた者たちと撃ち合い、ジェファーズにエレベーターに乗せられたロビンだったが、降りて外に向かおうとする。

戻って来たパーカーに捕らえられたロビンは、彼らの車に乗せられて連れ去られる。

ジェファーズとオベックスは、三人を追う。

路地に逃げ込んだパーカーらに追いついたジェファーズとオベックスだったが、車を衝突されてダメージを受ける。

二人に銃を向けたパーカーは、撃たずにその場を去る。

ジェファーズとオベックスは、駆け付けた警官に逮捕される。

車を奪いトラックの停車所に寄ったロングボーは、店のデッキを借りて、ロビンが持っていたビデオの内容を確認する。

パーカーは、苦しむロビンのためにペインターに電話をして呼び寄せる。

何者かがペインターを尾行し、彼が向かった場所からチダックに連絡する。

ロングボーに車に案内されロビンの様子を見たペインターは、パーカーに殴られる。

診察バッグの中に隠してあった拳銃を奪ったパーカーは、ペインターを脅す。

ロビンと話したペインターは、彼女に携帯電話を渡す。

身代金の額が分からないために苛立つチダックは、部下である”バッグマン”(仲介人)のジョー・サーノ(ジェームズ・カーン)から、警察から金の出所を聞かれると問題になるため、身代金は払うべきではないと言われたために、他の方法を考える。

ペインターは、ロビンが脱水症状であるため、6日以内に出産しなければまずいとパーカーに伝える。

ロングボーから出産を早めろと言われたペインターは、危険を伴うので無理だと伝える。

子供の両親を知らないパーカーとロングボーに、チダック夫妻だと伝えたペインターは、大実業家であり、裏社会とつながりがあるまともな人間ではないと言って、何も知らない二人の行動に呆れる。

チダックの資産を訊かれたペインターは、見当もつかないが、交渉には応じるはずだと二人に伝える。

自殺しようとしていたアブナー・マーサー(ジェフリー・ルイス)は、ジョーからの連絡を受けて監視役を頼まれる。

ペインターをチダックの元に向かわせようとしたロングボーは、身代金の要求書を渡し、出産の準備をしてメキシコに来るよう指示し、彼から名刺を受け取る。

拘留されているジェファーズとオベックスに会ったジョーは、チダックの掃除屋であることを伝える。

二人から状況を聞いたジョーは、チダックは今後も仕事を任せるつもりだと伝えてその場を去る。

事件の際、ロビンをエレベーターに乗せたジェファーズは、オベックスから彼女が逃げたと思うか訊かれ、今後は犯人同様、彼女は敵だと思えと伝える。

ペインターに電話をしたロングボーは、つながらないために苛立つ。

チダックの元に向かったペインターは状況を話し、犯人が子供の親が誰か知らないことを伝える。

フランチェスカから、自分がチダックと親子だといことも犯人は知らないのかと訊かれたペインターは憤慨する。

身代金を払うなら警察に行くと言うペインターを制止したチダックは、かつてボルチモアで問題を起こし資金援助していることなどを話し、自分に従わせようとする。

チダックとペインターは、戻ったジェファーズとオベックスから、ロビンは自ら逃げたことを知らされる。

そこにロングボーからの電話が入り、それを受けたジェファーズは取引場所を知らされ、1500万ドルを12時間以内に用意するよう指示される。

ペインターが持ってきたビデオを見たフランチェスカは、子供の超音波映像を確認する。

電話を切ったロングボーは現れたジョーと話し、100万ドルでロビンを引き渡す提案をされる。

チダックは、組織の金を身代金に使えば、自分を含めて全員が殺されることをペインターに話し、こんな人生に巻き込んだことを謝罪する。

ジェファーズと関係を持っていたフランチェスカは、ロビンは始末しても、自分の子供は連れ帰るよう彼に指示する。

バーで話をしたロングボーとジョーは、親しみを感じるようになる。

ジェファーズとオベックスは、子供だけを連れ戻せばいいことで意見が一致し、犯人やペインターを殺し金を奪うことを考え、フランチェスカは二人の話を聞いてしまう。

ロングボーが気に入ったジョーは、足を洗うべきだと言いながら、100万ドルで手を打つ提案をする。

ジョーがバッグマンであるために警戒するロングボーは、握手だけして別れる。

振り向いて銃を構えたロングボーだったが、ジョーの姿はなかった。

監視していたアブナーと話したジョーは、今すぐロビンを取り戻せると言われるものの、チダックの元に戻ると伝え、監視しているよう指示する。

モーテルの部屋に戻ったロングボーは、パーカーとロビンと共に”ハーツ”を始める。

突然、涙しながら話しだしたロビンは、お金が必要だったために代理母になったことを二人に伝える。

お腹の子は自分の息子だと言うロビンは、チダックには知られたくないことをパーカーとロングボーに話す。

父親はペインターだと言うロビンは、お金のために彼に頼んだことを二人に伝える。

ジョーから提案された計画を却下したチダックは、彼と意見の会わないジェファーズとオベックスに、今回は任せることを伝える。

ペインターに協力を約束させたチダックは、身代金を届けるようジョーに指示する。

アブナーに連絡がとれないジョーは、ペインターからロビンを殺す気だと言われ、魔物である1500万ドルのために行動すると伝える。

チダックとの関係や、ボルチモアで失敗したことなどすべてを知っていいるとペインターに伝えたジョーは、それを繰り返すのは許さないと言って彼を納得させる。

チダックとジョーの関係が気になるジェファーズは、ロビンがジョーの娘であることに気づく。

パーカーとロングボーが外で話し合っている間、ショットガンを奪ったロビンはドアに発砲し、警察に通報する。

チダックから1500万ドルを預かったジョーは、モーテルに向かう。

パトカーのサイレンが聴こえたため、パーカーとロングボーは車で走り去る。

暫くしてメキシコの警官が到着し、そこにジェファーズとオベックスそしてペインターも現れる。

アブナーも姿を現し、警官がジェファーズらに銃を向けて調べている間に、ロビンはパトカーを奪い逃げようとする。

一人の警官(マンド・ゲレロ)が丘の上から狙撃したロングボーに撃たれ、オベックスは別の警官に撃たれる。

アブナーもロングボーの銃弾を受け、その場は銃撃戦になる。

ペインターがロビンを車に呼び寄せ、ジェファーズが運転して走り去る。

もう一人の警官も死亡し、アブナーはパトカーを奪ってジェファーズらを追う。

パーカーとロングボーは、オベックスを連れ去る。

ジョーに電話をしたアブナーは、モーテルの銃撃戦のことを伝えて、ロビンが連れ去られ南に向かっていることを伝える。

オベックスを拷問したパーカーとロングボーは、ロビンの居場所を聞き出そうとする。

売春宿に連れて行かれたロビンは苦しみ、ペインターは帝王切開が必要だとジェファーズに伝える。

子供だけ助かればいいと言うジェファーズは、ペインターに銃を向けてその場で手術をさせる。

ロビンから、子供がペインターとの子だと知らされたジェファーズは驚く。

その場に着いたパーカーとロングボーは、売春婦たちを追い払う。

停車していたアブナーと話したジョーは、ロビンらの居場所を知り、しくじったことを謝罪される。

死を恐れず覚悟する瀕死のアブナーと握手をしたジョーは、その場を去る。

ジェファーズと銃撃戦になったパーカーは、脚を撃たれる。

ジョーと仲間は現金を持って到着し、噴水にそれを置く。

ペインターが手術する部屋に押し入ったパーカーとロングボーは、ジェファーズに銃を向ける。

バッグの中の銃を手にしたペインターは、ジェファーズの首を銃撃する。

ジェファーズは息絶え、ペインターに手術を続けさせたパーカーとロングボーは、金を取りに行く。

ジョーに気づいたパーカーとロングボーは銃撃し、一人の男を殺す。

部屋に入ったジョーは、ペインターから、用はないので出て行けと言われる。

敵を倒しながら噴水に近づくロングボーは、銃弾を受ける。

涸れた噴水に飛び込んだパーカーは、割れた瓶の破片が腕に刺さる。

大金のバッグを担いで建物に戻るパーカーは、ジョーに脚を撃たれる。

パーカーを引きずって戻ろうとするロングボーは、背後のジョーに気づき振り向くものの弾切れだった。

ジョーはロングボーの脚を撃ち、待機していた救急車を呼ぶ。

子供の泣き声が聴こえ、パーカーとロングボーから、ロビンとペインターの子だと知らされたジョーは、それを確かめようとする。

救命士に運ばれるロビンの手を握ったジョーは、ペインターと共に救急車に向かう彼女を見つめる。

ロングボーに声をかけらたジョーはそれに応え、現金を持ってその場を去る。

ロングボーは、神に何て話すかパーカーに尋ねる。

その後フランチェスカは、チダックに妊娠したことを伝る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
小銭を稼ぎながら放浪生活を続けるパーカーとロングボーは、代理母となり100万ドルの報酬を受け取る女性ロビンを誘拐する計画を実行する。
実業家である富豪のチダックは、代理母のロビンにボディーガードのジェファーズとオベックスをつけていたのだが、ペインター医師の診察を受けた彼女は、パーカーとロングボーに誘拐される。
実は裏社会との関係が深いチダックの部下である”バッグマン”(仲介人)のジョーは、犯人に接触してロビンを取り戻そうとするのだが・・・。
__________

ユージュアル・サスペクツ」(1995)でアカデミー脚本賞を受賞したクリストファー・マッカリーが、脚本を兼ねた初監督作品。

小銭を稼いでその日暮しをしている小悪党が、多額の報酬を得る代理母を誘拐し、身代金を得ようとする物語自体は平凡だが、主人公他、事件に関わる様々な立場の者たちの人間模様などが実に興味深く描かれている。

表向きは実業家である富豪は裏社会と深く関わり、その取り巻きがチンピラ相手に手際よく対処していく様や、彼らにとっては小物ではあるが、一筋縄では行かない、なかなかしぶとい主人公二人の抵抗など、それぞれの個性を繊細に描写する、クリストファー・マッカリーの脚本と演出はまずまず見応えある。

物語にマッチした、ジョー・クレイマーのダイナミックな音楽も印象に残る。

その日暮しの放浪者である小悪党を熱演するライアン・フィリップベニチオ・デル・トロ、秘密を抱えながら代理母となるジュリエット・ルイス、彼女の父親だった、”バッグマン”として主人公と交渉する人間味のある男を好演するジェームズ・カーン、彼に協力する男ジェフリー・ルイスジュリエット・ルイスの実父)、代理母のボディーガード、テイ・ディグスニッキー・カット、ロビン(ジュリエット・ルイス)の主治医であり、お腹の子の父だったディラン・カスマン、その父親である実業家で富豪のスコット・ウィルソン、不仲であるその妻クリスティン・リーマンメキシコの警官マンド・ゲレロ、冒頭で主人公たちと揉める女サラ・シルバーマン などが共演している。


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