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映画 寒い国から帰ったスパイ The Spy Who Came in From the Cold (1965) | That's Movie Talk!
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寒い国から帰ったスパイ The Spy Who Came in From the Cold (1965)

1963年に発表された、イギリスのスパイ小説家ジョン・ル・カレ同名小説の映画化。
冷戦下、東西両陣営の諜報員達が目まぐるしいスパイ戦の中で消耗品のように利用されていく姿を描く、製作、監督マーティン・リット、主演リチャード・バートンクレア・ブルームオスカー・ウェルナーペーター・ファン・アイクバーナード・リー他共演による社会派サスペンスの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:マーティン・リット

製作:マーティン・リット
原作:ジョン・ル・カレ
脚本
ポール・デーン

ガイ・トロスパー
撮影:オズワルド・モリス
編集:アンソニー・ハーヴェイ
美術・装置
ハル・ペレイラ

タンビ・ラーセン
テッド・マーシャル
ジョジー・マクエイヴィン
音楽:ソル・カプラン

出演
リチャード・バートン:アレック・リーマス
クレア・ブルーム:ナン・ペリー
オスカー・ウェルナー:フィードラー
ペーター・ファン・アイク:ハンス=ディーター・ムント
サム・ワナメーカー:ピーターズ
シリル・キューザック:管理官
マイケル・ホーダーン:アッシュ
ルパート・デイヴィス:ジョージ・スマイリー
ロバート・ハーディー:カールトン
バーナード・リー:パットモア
ウォルター・ゴテル:ホルテン
トム・スターン:CIA情報員

イギリス 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1965年製作 112分
公開
イギリス:1966年1月13日
北米:1965年12月16日
日本:1966年5月7日


アカデミー賞 ■
第38回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優(リチャード・バートン
美術賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
冷戦下の西ベルリン
ベルリンの壁”の検問所でイギリスの諜報員が殺され、支部主任であるアレック・リーマス(リチャード・バートン)が職務を解任され、帰国の命令を受ける。

ロンドンに戻ったリーマスは、管理官(シリル・キューザック)からデスクワークを勧められるが、彼はそれを断る。

管理官は、ターゲットである元ナチスの東側のスパイで、諜報機関の大物ハンス=ディーター・ムント(ペーター・ファン・アイク)を倒すためには、平和的ポリシーを守りつつも手段を選ばない方針をリーマスに語る。

職を失ったリーマスは、職業案内所で図書館員を紹介される。

書籍資料の分別係になったリーマスは、酒に溺れて生活も乱れ、パットモア(バーナード・リー)の食料品店のつけも溜まってしまう。

そんな時、リーマスは職場の同僚ナン・ペリー(クレア・ブルーム)に自宅に招かれ、彼女がコミュニスト(共産主義者)だと知らされる。

そしてある日、リーマスは酔ってパットモアの店に現れ、つけを受け入れない彼を殴り倒し、逮捕されて投獄される。
...全てを見る(結末あり)

出所したリーマスはナンに迎えられるが、職を失ってしまい、その彼に、出所者更生援助会のアッシュ(マイケル・ホーダーン)が接触してくる。

管理官の元を訪れたリーマスは、堕落した男のまま東側に侵入し、ムントを再起不能に陥れる証拠を掴むという、綿密に練られた計画の任務に就くことになる。

リーマスは、アッシュの紹介したカールトン(ボブ・ハーディー)という、国際的な記事を収集している男に会うよう管理官から言われ、彼に今後の行動を指示される。

ナンの元に向かったリーマスは、彼女に旅立つことを伝え愛を確かめ合う。

カールトンと共にオランダハーグに着いたリーマスは、連絡員ピーターズ(サム・ワナメーカー)に会い、自分が本国で指名手配になっていることを知らされる。

リーマスはピーターズと東側に入り、ムントの部下であり、必ず寝返るだろうと思われる、ユダヤ人のフィードラー(オスカー・ウェルナー)と接触する。

その後リーマスは、ムントが二重スパイだとフィードラーから聞かされる。

現れたムントに痛めつけられたリーマスは、フィードラーも捕らえたことを知らされる。

リーマスは、フィードラーを裁判で有罪にするために、法廷で証言するようムントから強要される。

しかしムントは、フィードラーの証言により、東ドイツ最高会議命令で逮捕状が発令されて拘束される。

フィードラーは査問会で、ムントが二重スパイであることを証言するが、リーマスは、西ベルリンの主任諜報員だった自分が、知らない訳がないとそれを否定する。

ムント側の弁護士は、ナンを証人として呼び出し、自分とリーマスに接触していた諜報員ジョージ・スマイリー(ルパート・デイヴィス)の名前を出してしまう。

リーマスは自ら証言を始め、自分が解任されたと見せかけてフィードラーを牽制し、ムントの抹殺を企んでいたことを明きらかにする。

査問会は終了し、リーマスとフィードラーは逮捕されて、ムントは復職となる。

しかし、その夜、ムントはリーマスをナンと共に逃亡させる。

途中、リーマスはナンに真相を伝える。

実はムントは西側の人間で、それに気づいたフィードラーから、彼を守ろうとしていたのだ。

フィードラーは殺され、リーマスは自分達がただの道具であり利用されたことと、現場で任務に就く諜報員の現実をナン話して聞かせる。

協力者に誘導され、リーマスとナンは”ベルリンの壁”に到着して壁を登り始める。

しかし、ナンが、ムントの送り込んだ協力者に射殺されてしまう。

壁の西側で、スマイリーがリーマスを手招きするが、彼はナンを置き去りにはできず、壁を降りて銃弾に倒れる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
冷戦下の西ベルリン
ベルリンの壁”の検問所で、イギリス諜報員が殺される。
支部主任のアレック・リーマスは、その責任を問われ職務を解任され帰国を命ぜられる。
デスクワークを拒んだため失職したリーマスは、何とか図書館員の職を得るものの、酒に溺れ自堕落な生活を続け、トラブルを起こして逮捕され投獄される。
刑を終えたリーマスは、元上司の管理官の元を訪れ、堕落した男のまま、東側に潜入する任務を命ぜられる。
そしてリーマスは、元ナチスで、諜報機関の大物ムントを倒すため、東ドイツに送り込まれるのだが・・・。
__________

どこまでが真実で、誰が誰を騙しているのか?当時、世界を席捲していたスパイ・アクション、007シリーズのような娯楽作品とは違う、正真正銘の”スパイ劇”を堪能できる、見応えある作品。

表舞台に出ることない者達の苦悩や悲劇、又は冷徹さなどを、製作も兼ね鋭い視点で描くマーティン・リットの演出は光る。

第38回アカデミー賞では、主演男優(リチャード・バートン)と美術賞にノミネートされた。

クレオパトラ」、「予期せぬ出来事」(両作1963)でエリザベス・テイラーとの共演が続き、恋が芽生え、前年、ついに彼女と結婚したリチャード・バートンの、終始苦悩の表情で通す諜報員の悲劇的な運命は、彼の名演と共に強く印象に残る。

西側のコミュニストという、難しい立場の女性を好演するクレア・ブルームも、政治的犠牲者として描かれている。
これは、かつて”赤狩り”のターゲットとなったマーティン・リットの反骨精神の表れだったようにも思う。

ユダヤ人として、元ナチスであった諜報員の二重スパイ疑惑を追求するオスカー・ウェルナー、西側の二重スパイだったペーター・ファン・アイク、連絡員サム・ワナメーカー、管理官シリル・キューザック、東側から送り込まれるマイケル・ホーダーン、西側諜報員ルパート・デイヴィス、そして既に007シリーズの”M”役で活躍していたバーナード・リーや、同じく同シリーズの顔ウォルター・ゴテルも出演している。


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