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スノーマン The Snowman (2017)

2007年に発表された、”刑事ハリー・ホーレ”を主人公にしたジョー・ネスボの小説”The Snowman”を基に製作された作品。
女性失踪殺害事件を担当する刑事の執念の捜査を描く、監督トーマス・アルフレッドソン、主演マイケル・ファスベンダーレベッカ・ファーガソンシャルロット・ゲンズブールクロエ・セヴィニートビー・ジョーンズヴァル・キルマーJ・K・シモンズジェームズ・ダーシーデヴィッド・デンシック他共演のクライム・サスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

マイケル・ファスベンダー / Michael Fassbender / Pinterest
レベッカ・ファーガソン / Rebecca Ferguson / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:トーマス・アルフレッドソン

製作
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
ピオドール・グスタフソン
ロビン・スロヴォ
製作総指揮
マーティン・スコセッシ
トーマス・アルフレッドソン
アメリア・グレインジャー
ライザ・チェイシン
原作:ジョー・ネスボThe Snowman
脚本
ピーター・ストローハン
ホセイン・アミニ
セーアン・スヴァイストロプ
撮影:ディオン・ビーブ
編集
セルマ・スクーンメイカー
クレア・シンプソン
音楽:マルコ・ベルトラミ

出演
ハリー・ホーレ:マイケル・ファスベンダー
カトリーネ・ブラット:レベッカ・ファーガソン
ラケル・ファウケ:シャルロット・ゲンズブール
スヴェンソン刑事:トビー・ジョーンズ
ゲルト・ラフトー:ヴァル・キルマー
アルヴェ・ステープ:J・K・シモンズ
イーダルル・ヴェトレセン医師:デヴィッド・デンシック
ガナー・ハーゲン:ロナン・ヴィバート
シルヴィア・オッテンセン/アーネ・ペデルセン:クロエ・セヴィニー
フィリープ・ベッケル:ジェームズ・ダーシー
ビルテ・ベッケル:ジュヌヴィエーヴ・オライリー
マティアス・ルン=ヘルゲッセン:ヨーナス・カールソン
ヨーナス・ルン=ヘルゲッセン:ピーター・デール
オレグ・ファウケ=ゴセヴ:マイケル・イェーツ
マグヌス:ヤーコブ・オフテブロ
サラ・クヴェンスランド:ソフィア・ヘリン

アメリカ/イギリス/スウェーデン 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2017年製作 119分
公開
イギリス:2017年10月13日
北米:2017年10月20日
日本:未公開
製作費 $35,000,000
北米興行収入 $6,700,040
世界 $43,084,100


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1989年、ノルウェーテレマルク
警官のヨーナス・ルン=ヘルゲッセン(ピーター・デール)が来たことに気づいた少年は、母サラ・クヴェンスランド(ソフィア・ヘリン)にそれを知らせる。

少年に歴史の質問をするヨーナスは、答えを間違える度にサラを殴る。

しっかり教えるようにとサラに伝えたヨーナスは、怯えながら床に落ちたコーヒー豆を拾う少年を見つめる。

そのコーヒー豆と木の枝を使いスノーマン(雪だるま)を作った少年は、ヨーナスとサラが愛し合う部屋を覗く。

サラは、息子があなたの子だと妻に話すとヨーナスに伝える。
...全てを見る(結末あり)

それなら二度と会わないと言い残したヨーナスはその場を去り、少年は彼を引き留めるものの、車の前で突き倒される。

息子を車に乗せたサラはヨーナスを追い、途中でハンドルから手を放す。

車は凍った湖の上に向かい、少年がサイドブレーキを引いて止める。

氷が割れると考えて外の出た少年は、降りようとしないサラが水中に沈む姿を見つめているしかなかった。
__________

オスロ
アルコール依存症の刑事ハリー・ホーレ(マイケル・ファスベンダー)は、公園で目覚めてアパートに戻る。

侵入者に気づいたハリーは発砲してしまい、その場にいたカビの除去業者の男に、大家から依頼されたと言われる。

元恋人のラケル・ファウケ(シャルロット・ゲンズブール)の息子オレグ(マイケル・イェーツ)の誕生日に、コンサートに一緒に行こうと考えて用意していたチケットを確認したハリーは、ラケルの画廊に向かう。

オスロ警察
記録用端末”エヴィシンク”の説明もまともに聞く気がないハリーは、上司のガナー・ハーゲン(ロナン・ヴィバート)から、無断で休暇を取ったことを責められる。

これ以上は大目に見れないと言われたハリーは、捜査案件が欲しいとハーゲンに伝える。

オスロは殺人が少ないと言ってハーゲンが去った後、ハリーは自分宛ての手紙を開封する。

自分が公園で寝ていたことを知っている者からの不審な内容には、スノーマンが描かれていた。

オレグの誕生日にコンサートのチケットを用意していたことをラケルに伝えたハリーは、オレグは自分を慕い、恋人のマティアス(ヨーナス・カールソン)とは合わないと言われる。

実の父親に会いたがっているオレグだったが、まだ早いと考えているラケルは、家に送ってくれたハリーから、アパートの鍵を渡されて別れる。

仕事を終えて帰宅するビルテ・ベッケル(ジュヌヴィエーヴ・オライリー)は、車(赤いボルボ)が追ってくることに気づかない。

ビルテの娘ヨセフィーネは、父フィリープ(ジェームズ・ダーシー)に禁止されている携帯電話に届いた母からのメールで、遅くなることを知る。

”さびしい”というヨセフィーネに返信しようとしたビルテは車を止めて、停車した後続車(ボルボ)に合図を送り先に行かせる。

帰宅したビルテは庭のスノーマンに気づき、部屋から手を振るヨセフィーネにそれを知らせて写真を撮る。

外にいた男は家に向かい、ビルテは車(ボルボ)が止まっていることに気づかない。

送られてきた母とスノーマンの写真を確認したヨセフィーネは、フィリープが現れたために携帯電話を隠す。

フィリープは、出張のために8時には出ると言ったはずだと、遅れたビルテを非難して出かける。

ベッドに入ったビルテは、雪玉が窓に投げつけられたために驚き、それを気にする。

翌朝、警察署のソファで目覚めたハリーは、ベルゲンから転任してきたカトリーネ・ブラット(レベッカ・ファーガソン)と話し、極秘資料を持つ彼女から、自分と組むよう指示されたと言われる。

目覚めたヨセフィーネはビルテがいないことに気づき、外のスノーマンにはビルテのマフラーが巻かれていた。

出かけるカトリーネを呼び止めたハリーは、免許がないことを伝える。

カトリーネの”エヴィシンク”を確認したハリーは、彼女が失踪人”ビルテ・ベッケル”の件を調べようとしていることを知る。

ビルテの近所の住人に話を聞いたカトリーネは、外にいたヨセフィーネが、母がいないことと、父は出張中で連絡がつかないと言っていたということを知る。

車内で待っていたハリーは、カトリーネが、冬季ワールドカップ招致推進のリーダーである、実業家のアルヴェ・ステープ(J・K・シモンズ)を調べていることを知る。

カトリーネの資料を見たハリーは、ベンゲルで疾走した”ライラ・オーセン”のことを知る。

9年前、ベンゲル
ライラの失踪を調べる停職中の刑事ゲルト・ラフトー(ヴァル・キルマー)は、彼女の夫フレデリクから相談を受ける。

フレデリクにライラに愛人がいた可能性を尋ねたラフトーは、妊娠の専門医に通っていたと言われる。

ラフトーは、ライラとは不仲だったフレデリクが、ステープと関係していたことを気にする。
__________

車を降りたハリーは、ビルテの家の庭にあるスノーマンに気づき、それは、送られてきた手紙の絵と似ていた。

ビルテの留守電メッセージが聴こえたハリーは部屋に入り、ロバのマスクをかぶっていたヨセフィーネと話す。

両親のことなどをヨセフィーネから聞いたハリーは、携帯電話の着信音で、その場にカトリーネがいたことに気づく。

フィリープから電話を受けたカトリーネは、事情を話す。

ヨセフィーネにスノーマンのことを訊いたハリーは、彼女が作ったものでないことを知る。

ビルテの予定表には、ゲリオン・クリニックのイーダルル・ヴェトレセン医師(デヴィッド・デンシック)に会う予約の予定が書かれていた。

カトリーネに送ってもらったハリーは、ビルテは浮気なので戻ってくると伝えるものの、玄関が開いたままでコートとバッグが家にあり、子供も残したままだったと言われる。

ビルテ以外にも同じような境遇の女性が失踪していると言われたハリーは、夫フィリープと話すようにとカトリーネに伝えて車を降りる。

アパートに戻り、持ってきたカトリーネの資料にあった、女性の切断遺体の写真を確認する。

9年前、ベンゲル
停職中にも拘わらず、ウルリケン(山)で起きた殺人事件を調べたラフトーは、その場で聞き込みをしていた同僚のスヴェンソン刑事(トビー・ジョーンズ)を無視する。

作られたスノーマンを確認したラフトーは、切断された女性の遺体に群がる鳥を、銃を発砲して追い払う。
__________

翌朝、カフェで資料を見ていたハリーは、現れたカトリーネから、自分の物を返してほしいと言われる。

未解決事件なので自分には調べる権限があると言うハリーは、失踪した”エーリ・クヴァーレ”のことを話してほしいとカトリーネに伝える。

既婚者で3人の母親だったエーリは、6年前の11月12日の雪の日に姿を消した。

雪が降る11月8日に”ヘーゲ・ダール”が失踪、ビルテ・ベッケルが失踪した日も雪だったために、犯人と関係すると言うカトリーネは、全員が既婚者で子供がいるとハリーに伝える。

ビルテの夫フィリープと話をしたかをカトリーネに確認したハリーは、大抵は夫が犯人だと言うものの、フィリープは離れた土地にいたためアリバイがあることを知る。

その後、フィリープと話したハリーは、予定表を見ながら答える彼に、ヴェトレセンに予約した理由を知っているか尋ねる。

知らないと答えたフィリープは、ビルテの失踪に関しての心当たり、結婚生活、そして、どちらかの浮気を訊かれるものの、ヨセフィーネと一緒に妻を捜そうと約束したとしかハリーに答えない。

ヴェトレセンの家を監視していたカトリーネは、ある女性が建物に入る姿を目撃する。

オレグのホッケーの試合をラケルと観戦していたハリーは、現れたマティアスと言葉を交わす。

形成外科医のマティアスは、眠れないと言うハリーに新薬の処方箋を出すと伝えて携帯電話を操作する。

その後、自分を慕うオレグと食事をしたハリーは、家出や飲酒のことを話題にする。

”父と子のキャンプ”があることをラケルから聞いていたハリーは、自分が行くことを提案してオレグを喜ばせる。

オレグと共にコンサート会場に向かったハリーは、カトリーネからの連絡を受けて、ヤイロで再び失踪事件が起きたことを知る。

管轄外であったものの、失踪者の夫から自分を指名されたと言われたハリーは、迎えに来たカトリーネの車でオレグを家に送る。

オレグとキャンプに行くことをラケルに伝えたハリーはその場を去り、ヤイロには翌日行くことにして、 カトリーネにアパートまで送ってもらう。

翌朝、カトリーネと共にヤイロに向かったハリーは、失踪したはずのシルヴィア・オッテンセン(クロエ・セヴィニー)が家にいたために驚き、夫が失踪の通報をしたことを疑問に思う。

シルヴィアも不思議に思い、夫のことを訊かれたため、妹を迎えに行ったとカトリーネに伝える。

いたずら電話だと考えたカトリーネは、シルヴィアには子供がいないことを確認して、ハリーと共にその場を去る。

何者かが家に近づくことに気づかないまま、シルヴィアは別居中だった夫に電話をして、通報したことを非難して二度と会いたくないと言いながら、子供は自分の子だと伝える。

電話を切ったシルヴィアは赤ん坊の人形に気づき、男に襲われる。

シルヴィアを眠らせた男は、特殊な器具とワイヤーを使い、彼女の頭部を切断する。

本部からの連絡を受けたカトリーネは、シルヴィアの夫から、2分前に失踪の通報を受けたことを知らされて引き返す。

シルヴィアを殺害した男は、外にスノーマンを作る。

日が暮れてシルヴィアの家に戻ったハリーは、彼女が迎えてくれたために驚くが、双子の妹のアーネ・ペデルセン(クロエ・セヴィニー)だった。

納屋で首を切断されたシルヴィアの死体を確認したハリーは、スノーマンの上に置かれた彼女の頭部を見つける。

家周辺の現場検証が始まり、シルヴィアのことをカトリーネに話すアーネは、姉は妊娠していたが父親は不明で、数週間前に中絶したと伝える。

同じ頃、ワールドカップ招致のイベントが開催され、ステープが会場入りする。

戻ったハリーが、その場にいたハーゲンに事件のことを報告する間、駐車場にいたカトリーネは、ステープの友人だと言うヴェトレセンが、女性を連れて建物に入る姿を目撃する。

スピーチをするステープは、ヴェトレセンが連れて来た女性に気づく。

会場に向かったカトリーネは、”エヴィシンク”でその場を撮影する。

失踪人が最悪の状態で発見されたことをハーゲンに伝えたハリーは、自分に届いた不審な手紙を見せる。

犯人は殺人を犯す前に失踪人の通報をすると言うハリーは、自分達の動きを監視していると伝えて、少人数のチームと捜査本部の設置をハーゲンに求める。

それを許可したハーゲンは、招致が終わるまでは騒ぎ立てないようにとハリーに伝える。

ある場所に向かったステープは、ヴェトレセンが用意した女性の胸を見せられ、それを写真に撮る。

こんな場所に女を連れて来たヴェトレセンを非難したステープは、その場を去る。

アパートに戻ったハリーは、その場にいたカビの除去業者を追い出す。

除去業者は、自分の防護服を着ている男に気づく。

翌日、捜査本部が設置されてスタッフと共に捜査を始めたハリーは、シルヴィアの恋人と住所、彼女が中絶のためにクリニックに行ったことが分かったとカトリーネから知らされる。

クリニックのリストを調べたハリーは、ビルテも予約していたヴェトレセンに、カトリーネと共に会いに行く。

シルヴィアとビルテのことをヴェトレセンに尋ねたハリーは、クリニックの患者だが担当ではないと言われる。

守秘義務があると言うヴェトレセンは多くを語らず、壁の写真を見たカトリーネからステープとの関係を訊かれ、旧知の中であり、自分の研究に対する大口の支援者だと答える。

ハリーは、各地で診療をしているヴェトレセンが、ベンゲルにいたことも確認する。

交友関係や家に人がいるか尋ねたカトリーネは、窓から人影が見えたことをヴェトレセンに伝える。

これ以上、聞きたければ捜査令状を取れと言われたハリーは、カトリーネと共にその場を去る。

今の段階では協力が必要なヴェトレセンを容疑者扱いするカトリーネを、ハリーは批判する。

怪しいヴェトレセンが何か隠していることを、カトリーネはハリーに伝える。

”エヴィシンク”の管理室に向かったハリーは、カトリーネが、異常なほどステープについて調べていることと、パスワードが”クラウドベリー”だということを知る。

録画された映像を見たハリーは、ヴェトレセンが連れて来た女性を撮影するステープの様子を確認する。

カトリーネが帰った後で、彼女の”ゲルト・ラフトー”に関する資料を調べたハリーは、ステープがオーセン産業を買収した新聞記事に気づく。

翌日、電車でベンゲルに向かったハリーは、バイオホルモン療法の学会に向かうマティアスと出くわし、オレグの件はキャンセルしたのかと訊かれる。

キャンプのことを忘れていたハリーは戸惑い、オレグのことを考える。

ハリーを待っていたオレグは、彼が現れないためにラケルと共に帰る。

オレグのことが心配になったマティアスは、彼に電話をして、昨夜ハリーから電話があったのだが、伝言をチェックし忘れたと伝えて謝罪する。

マティアスは次の駅で降りて、ハリーはベンゲルに向かう。

現地に着いたハリーはオーセン産業を訪ねて、フレデリクと話し、ステープと失踪した妻ライラとの関係に気づいたことなどを知る。

ライラの主治医の名前を聞いたハリーは、ヴェトレセンのことを知らないフレデリクから、当時の事件担当者ラフトーは死んだと言われる。
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9年前。
侵入者に気づいたラフトーは、スノーマンが描かれた、自分を岬の小屋に誘うメモに気づく。

ラフトーは、ライラの捜査が進まず行き詰っていた。
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スヴェンソンに会ったハリーは、頭部をショットガンで吹き飛ばして自殺した男の写真を見せて、ラフトーであることを確認する。

写真を見ながら床に落ちているのがコーヒー豆のように見えると伝えたハリーは、その件を詳細に調べていないスヴェンソンから、小屋は中から鍵がかけられ頭部が吹き飛んでいたので、自殺は疑う余地がないと言われる。

ラフトーには、自殺の1年前に別れた妻と娘もいたはずだと知ったハリーは、その場を去る。
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岬の小屋に向かったラフトーは、何者かに拘束され、ショットガンで頭部を吹き飛ばされる。

男はラフトーにスノーマンの頭部を乗せて、それに付いていたコーヒー豆が床に落ちる。
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資料がないことに気づいたカトリーネは、ハリーがベンゲルに向かったことを知り動揺する。

ハリーは、岬にあるラフトーの小屋に向かう。

ビルテの携帯電話の電源を入れた犯人は、ヨセフィーネからの無数の着信を確認する。

通信会社からの連絡を受けたカトリーネは、ビルテの携帯電話の信号をキャッチしたことを知り、発信されている住所がヴェトレセンの家であることを確認する。

ヴェトレセンの家に向かい侵入したカトリーネは、ビルテの携帯電話に発信するものの、マナーモードだったために、それがその場にあることに気づかない。

ハリーは、床下から小屋に入り内部を調べる。

その場にあった絵本を開いたハリーは、父(ラフトー)から子供”クラウドベリー”に誕生日に贈られたものであることを知る。

資料の中にあった写真の少女はカトリーネであると考えたハリーは、その場にあったレインコートに”カトリーネ・B”と書かれていることを確認する。

ガレージの隙間の明かりに気づいたカトリーネは扉を開けて、ヴェトレセンが頭部を撃ち抜いて自殺していることを知る。

動揺するカトリーネはその場を去り、庭にはスノーマンが作られていた。

ステープは、ヴェトレセンがガレージで自殺したことを知る。

オスロに戻りヴェトレセンの家に向かったハリーは、現場検証の最中だったハーゲンから、見つかった切断遺体がビルテとヘーゲだということを知らされる。

通信会社からの連絡を報告しなかったカトリーネが停職になったことを知ったハリーは、ヴェトレセンの頭部が水平に撃たれていることを疑問に思う。

しかし、状況証拠から自殺と断定したハーゲンは、捜査を終了することをハリーに伝える。

その頃、オレグが再び家出してしまい、マティアスに電話をしたラケルは苛立つ。

警察の資料からラフトーとヴェトレセンの”自殺”の写真を手に入れたハリーは、カトリーネのアパートに向かい、隠れていた彼女に襲われる。

カトリーネを押さえつけたハリーは、事件は解決とされるだろうと伝えるものの、ヴェトレセンは犯人でなく自殺でもないと言われる。

自分達の捜査が進んだために殺されたと考えるカトリーネは、父親(ラフトー)と同じかと言われ、父は絶対に自殺などしないとハリーに伝える。

酔っ払いだと言われたハリーは、ラフトーと同じだとカトリーネに伝えて、冷静になった二人は話をする。

ライラ・オーセンはステープの愛人で、殺される直前に父が調べていたことを話すカトリーネは、ハリーから、捜査から外されるのを恐れてヴェトレセンの家に侵入したのかと訊かれる。

最初の事件の時に、ヴェトレセンはステープと共にベンゲルにいたと言うカトリーネは、想像で断定するなと意見するハリーに、ビルテが予約した日のヴェトレセンはクリニックを休んでいたと伝える。

二体の死体とビルテの携帯電話が家にあったと言われたカトリーネは、ヴェトレセンが犯人だと思っているハニーにそれを問う。

分からないと答えたハリーは、お互いに確信はないはずだと伝えて、やる気になるようにと言うカトリーネから、酒のグラスを渡される。

それを飲まずにカトリーネの銃を持ち去ろうとしたハリーは、ラフトーが”クラウドベリー”と呼んだ理由を尋ねる。

クラウドベリー・ジャムを添えたアイスクリームが好きだったからだと答えるカトリーネを抱きしめたハリーは、その場を去る。

アパートに戻ったハリーは、訪ねて来たラケルから、オレグがまた家出したことを知らされる。

カトリーネは、ステープが主催する、ワールドカップ招致決定を待つイベントが開かれている会場に向かう。

オレグは友人の家にいるが、連絡をくれなかったと話すラケルは、家出した理由を訊かれ、街を出ることが不満のようだとハリーに伝える。

テレマルクにマティアスの家があると言うラケルに、電車で会った時には何も言っていなかったと伝えたハリーは、本気で街を離れる気なのか彼女に尋ねる。

分からないと答えたラケルは、あなたが恋しいとハリーに伝える。

ステープに声をかけたカトリーネは、素晴らしいスピーチに感謝し、両親を亡くしてベンゲルのケアセンターで働いていることなどを話す。

カトリーネが気に入ったステープは、連絡が欲しいと伝えて彼女の写真を撮り別れる。

ステープの補佐は、カトリーネにステープの部屋のカード・キーを渡す。

ハリーに迫るラケルだったが、行為をやめる。

部屋に向かったカトリーネは、セットした”エヴィシンク”を棚に置き、銃をベッドの枕の下に隠す。

マティアスからの電話に出たラケルはハリーの家にいることを伝えて、オレグが友人の家にいないことを知らされる。

別の友人の家にいることを知らせたラケルは、マティアスから、用があるので朝、戻ったら電話をすると言われる。

洗面台にあった、マティアスが処方した薬を見つけたラケルは、他にも医者はいるはずだとハリーに伝えてその場を去る。

誰かいる気配を感じたカトリーネは、拳銃がなくなっていることに気づく。

拳銃を探したカトリーネは襲われ、薬を投与されて意識を失う。

ワールドカップ開催地はオスロに決まり、会場の人々は歓喜する。

男は、カトリーネの右人差し指を切断する。

ステープは部屋に向かうものの、カトリーネはいなかった。

カトリーネの指で指紋を認証し、”エヴィシンク”を起動させた男は、データをすべて消去する。

翌朝、道路に停まっているカトリーネの車に気づいたハリーは、ルーフに積もった雪にスノーマンが描かれていたためにその場に向かう。

運転席のカトリーネの死体を確認したハリーは、警察署で、自分が留守中の彼女の電話と行動の記録を調べるようマグヌス(ヤーコブ・オフテブロ)に指示する。

カトリーネがフィリープと会い撮影した最後の映像をチェックしたハリーは、マグヌスの携帯電話と車を借りてベッケル家に向かう。

フィリープと話したハリーは、ヴェトレセンと会う理由は知らないと言っていたはずなのに、カトリーネには夫婦で会ったと話した理由を訊く。

聞き違いだと言うものの、映像が録画されていることを知ったフィリープは、ヨセフィーネは自分の子ではなく、妻とやり直すために、もう一人子供が欲しかったことをハリーに伝える。

自分は不妊症だと言うフィリープは、ヨセフィーネは”自分の子”だとハリーに伝えて、ホルモン検査をしたのはヴェトレセンか訊かれる。

マティアスがバイオホルモン療法の学会に行くと言っていたことを思い出したハリーは、ヴェトレセンではないと答えたフィリープに医者の名前を尋ねる。

ラケルに電話をしたハリーだったが、誰かが来たことに気づいた彼女は電話に出なかった。

戻ったマティアスに、薬の処方をハリーから頼まれたのか尋ねたラケルは、違うと答える彼に、自分のためなら気遣いはいらないと伝える。

マティアスが結束バンドを手にしてバッグから何かを出そうとしたために、ラケルは不思議に思う。

ラケルに電話が通じないために同僚を向かわせたハリーは、マティアスの家に着き内部に侵入する。

被害者の女性達と共にあるラケルとオレグの資料を確認したハリーは、二人の身を案ずる。

愛車の赤いボルボでオレグを迎えに行ったマティアスは、着信があったラケルの携帯電話を持っている理由を問われる。

ラケルに電話をかけながらハリーは、マティアスが撮った、カトリーネが車に乗っている写真を確認する。

マティアスは、自分達は父親を知らない点で似ているとオレグに伝える。

ハリーは、自分が路上で酔い潰れている様子を撮影した写真も確認する。

ラケルの携帯電話を追跡するようマグヌスに指示を出したハリーは、テレマルク方面に向かう赤いボルボの登録者が”マティアス・ルン=ヘルゲッセン”であることと、彼の家の住所を知る。

ヘリコプターが雪で飛べないため特殊部隊が向かうことをハリーに知らせたマグヌスは、マティアスの家族は元警官の”ヨーナス・ルン=ヘルゲッセン”で、1989年に湖で車ごと沈み自殺したサラ・クヴェンスランドの事件に絡み失職したことを伝える。

サラには息子がいて父親は不明であり、息子は施設に入ったということだった。

ヨーナスが事件を担当したことを確認したハリーは、テレマルクに向かう。

家に着いたマティアスは、眠らせて拘束したオレグとラケルを運び込む。

その場に到着したハリーは、拳銃を手にしてドアに向かい、そこに釘で打ち付けられている指に気づく。

ラケルに電話をして着信音がする場所に誰もいないことを確認したハリーは、拘束されているオレグと首にワイヤーをかけられているラケルが、マティアスに脅されていることを知る。

マティアスから座れと言われ、銃を置くようにと指示されたハリーは、それに従う。

銃を奪ったマティアスは、ハリーがフィリープと話したことを知り、彼が実の父親でないとヨセフィーネが知ったらどう思うか尋ねる。

ヨセフィーネにとっては父親だと言うハリーは質問され、マティアスは、間違えるたびにラケルの首にかかったワイヤーを絞めようとする。

父親が分からないという理由で、シルヴィアが胎児を殺したのは正しいかと訊かれたハリーは、彼女の選択だと答える。

答えが不満なマティアスは、ワイヤーを絞める。

シルヴィアは不安だったと言うハリーは、自分はどうなんだと訊かれる。

愛する女と慕う少年を見捨てた理由を訊かれたハリーは、二人のためだと答える。

ワイヤーが絞められたためにラケルの首は傷つくが、マティアスはそれを緩める。

自分はアルコール依存症であり、心に余裕がないと伝えたハリーは、マティアスから、初めて新聞で勲章をつけた勇士を見た時、完璧な家庭を持つ男だと思ったと言われる。

ヨーナスに受けた仕打ちを思い出すマティアスは、オレグは父親が誰か知らないが、自分達のような男が父親代わりになるしかないと言って、母親には生きる資格はあるかのかをハリーに問う。

オレグに訊いてみろと言うハリーは、隙を見てラケルの首からワイヤーを外し、左手の薬指を失いながらマティアスに襲い掛かる。

揉み合うマティアスはその場から逃げ去り、ラケルを助けたハリーは、彼を殺すようにと言われる。

マティアスを追ったハリーは湖に向かい、彼を捜して叫び声をあげ、銃弾を受ける。

近づくマティアスにハリーは、母親を憎むのは間違いで、拒んだのは母親ではない父親だと伝える。

ヨーナスはお前のことを望んでいなかったと言うハリーは、氷の穴に落ちたマティアスが沈んでいく姿を見つめる。

ハリーは、ラケルとオレグの元に戻る。

その後、新たに発生した事件の担当になることを、ハリーはハーゲンに伝える。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ノルウェーオスロ
アルコール依存症の刑事ハリー・ホーレは、ベンゲルから転任してきたカトリーネと共に女性失踪事件の捜査を始める。
複数の失踪した女性には共通点があり、産婦人科に通い子供がいたことなどが分かっていた。
ハリーは、自分に届いた”スノーマン”(雪だるま)が描かれた不審な手紙と、そのスノーマンが必ず事件現場にあることを気にしながら、カトリーネと共に捜査を続けるのだが・・・。
__________

”刑事ハリー・ホーレ”を主人公にした推理小説で知られるジョー・ネスボの”The Snowman”を原作に、「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008)、「裏切りのサーカス」(2011)などで世界的に知られるスウェーデンの映画監督トーマス・アルフレッドソンの演出、国際色豊かな豪華スター競演などが注目のクライム・サスペンス。

人生に行き詰まりアルコール依存症で苦しむ主人公”ハリー・ホーレ”の人間性を描きながら、多発する女性失踪殺人事件の捜査が展開し、ホラー・タッチの内容に面白味はあるのだが、一度の鑑賞では理解し憎いストーリーでもある。

登場人物名や家族の状況、職業、居住地など、頭の中で整理して観ると非常に解り易い内容であり、上記のように、そのような下調べなどができない劇場で初めて観た場合は、戸惑ってしまうことが考えられる。

出演者はハリウッドで活躍するスターが揃っているので、その点では見応えある。

雰囲気を出すために行われたノルウェーのロケは、あまり馴染みがないので逆に興味深いのだが、その地名や位置関係なども予習して鑑賞した方がいい。

豪華スター競演の意欲作なのだが、残念ながら各方面で酷評されてしまい、主人公”ハリー・ホーレ”の今後の活躍を見たいというファンの希望は叶わないだろう・・・。

主演のマイケル・ファスベンダーは、アルコール依存症に苦しみながら、捜査を担当することで自分を取り戻そうと苦悩する主人公を熱演している。

事件の担当刑事というだけでなく、それが家族と過去に関係していたレベッカ・ファーガソン、主人公の元恋人シャルロット・ゲンズブールベンゲルの刑事トビー・ジョーンズ、その同僚であるカトリーネ(レベッカ・ファーガソン)の父親ヴァル・キルマー、地元の名士である実業家のJ・K・シモンズ、彼と関係する産婦人科医のデヴィッド・デンシック、被害者と双子の妹の二役を演ずるクロエ・セヴィニー、被害者(ジュヌヴィエーヴ・オライリー)の夫ジェームズ・ダーシー、主人公の上司ロナン・ヴィバート、ラケル(シャルロット・ゲンズブール)の恋人である犯人の形成外科医ヨーナス・カールソン、その父親ピーター・デール、主人公を慕うラケルの息子マイケル・イェーツ、主人公の部下ヤーコブ・オフテブロ、湖で水死する犯人の母親ソフィア・ヘリンなどが共演している。


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