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ザ・センチネル The Sentinel (2006)

ベテランのシークレットサービスが大統領暗殺計画を阻止するために巨悪に立ち向かう姿を描く、監督クラーク・ジョンソン、製作、主演マイケル・ダグラスキーファー・サザーランドエヴァ・ロンゴリアキム・ベイシンガーデヴィッド・ラッシュ他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:クラーク・ジョンソン
製作総指揮:ビル・カラロ
製作
マイケル・ダグラス
マーシー・ドロギン
アーノン・ミルチャン
原作:ジェラルド・ペティヴィッチ

脚本:ジョージ・ノルフィ
撮影:ガブリエル・ベリスタイン
編集:シンディ・モロ
音楽:クリストフ・ベック

出演
ピート・ギャリソン :マイケル・ダグラス

デヴィッド・ブレッキンリッジ:キーファー・サザーランド
ジル・マリン:エヴァ・ロンゴリア
サラ・バランタイン:キム・ベイシンガー
ジョン・バランタイン大統領:デヴィッド・ラッシュ
ウィリアム・モントローズ:マーティン・ドノヴァン

ザ・ハンドラー:リッチー・コスター
国家安全保障問題担当大統領補佐官ブレア・ブラウン
シンディ・ブレッキンリッジ:クリスティン・レーマン
ウォルター・エグゼビア:レイノール・シェイン
カール・オーヴァーブルック長官:チャック・シャマタ
コルテス副長官:ポール・カルデロン
アジズ・ハサド:ラウール・バネジャ
トム・ディパオラ:サイモン・レイノルズ
ナンシー・メリウェザー:グロリア・ルーベン
チャーリー・メリウェザー:クラーク・ジョンソン
殺し屋:ジャスミン・ジェルジョ
ミラー夫人:ジャッキー・バロウズ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2006年製作 108分
公開
北米:2006年4月21日
日本:2006年10月7日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $36,280,700
世界 $77,920,350


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ワシントンD.C.ホワイトハウス
勤続25年のシークレットサービス、ピート・ギャリソン(マイケル・ダグラス)は、レーガン大統領暗殺未遂事件で大統領を守った経験がある人物だった。

オフィスに向かうピートは、友人でもある同僚のチャーリー・メリウェザー(クラーク・ジョンソン)から、話したいことがあると言われる。

ジョン・バランタイン大統領(デヴィッド・ラッシュ)は、国家安全保障問題担当大統領補佐官ブレア・ブラウン)から予定を知らされて執務室に向かう。

警護責任者のウィリアム・モントローズ(マーティン・ドノヴァン)は、大統領と夫人サラ(キム・ベイシンガー)の警護について部下と確認する。

警護情報課。
ピートの元同僚デヴィッド・ブレッキンリッジ(キーファー・サザーランド)は、配属された新人で、4ヶ国語に堪能なジル・マリン(エヴァ・ロンゴリア)と話す。
...全てを見る(結末あり)

アカデミーの教官だったピートの指示で来たことをジルから知らされたデヴィッドは、複雑な思いだった。

その頃ピートは、地元の小学校を訪問する大統領夫妻の警護を担当していた。

帰宅したチャーリーは現れた殺し屋(ジャスミン・ジェルジョ)に銃撃され、それに気づいた妻ナンシー(グロリア・ルーベン)は助けを求める。

連絡を受けたデヴィッドは、既に警察の捜査が始まっているチャーリーの家にジルと共に向かう。

死体と現場を調べたデヴィッドは、もの取りだと言う刑事の意見を否定して暗殺事件と考え、凶器を捜すことを指示する。

大統領と別れたサラはビーチ・ハウスに向かい、関係を持っていたピートと愛し合う。

同僚のトム・ディパオラ(サイモン・レイノルズ)に呼ばれたピートは、現れたアジズ・ハサド(ラウール・バネジャ)から、チャーリーが殺されたことを知らされる。

長官が非常態勢を発令したと言われたピートは、友人の死にショックを受ける。

ナンシーと話したデヴィッドは、チャーリーが日曜の朝に仕事の件で考え込んでいたことを知る。

ピート・ギャリソン に女がいるようであり、人妻らしいと言っていたと話すナンシーの言葉に、デヴィッドは動揺する。

その場を去るデヴィッドは、現れたピートを無視して帰ろうとするが、まだ根に持っているのかと言われる。

親友のチャーリーに敬意を払えと伝えたピートは、チャーリーが何かで心を痛めていたらしく、デヴィッドから心当たりはないかと訊かれるものの、ないと答える。

教え子のジルから、言い争っていた理由を訊かれたピートは、自分の話がでたら信じるなと伝え、家から出て来たナンシーを抱きしめる。

ピートとの関係を訊かれたデヴィッドは、かつては友人だったとしか答えず、個人的なことだと言って何も話さない。

その後、デヴィッドの元妻シンディ(クリスティン・レーマン)と話したピートは、自分達の間には何もなかったことを確認する。

自分どころか誰とも寝ていないと言うシンディは、デヴィッドが信じなかったために離婚したことを伝える。

ピートは、シンディがまだデヴィッドを愛していると考える。

情報屋のウォルター・エグゼビア(レイノール・シェイン)に会ったピートは、大統領の暗殺計画が進行中であり、シークレットサービスに内通者がいることを知らされる。

身の危険を感じるウォルターは、情報料の100万ドルを要求し、それで高跳びすると言って、まともに話を聞かないピートに資料を渡してその場を去る。

その様子を何者かが撮影していた。

その件をカール・オーヴァーブルック長官(チャック・シャマタ)とコルテス副長官(ポール・カルデロン)に伝えたピートは、大統領の演説会場に向かう。

機密情報のアクセス者名簿を作成させたオーヴァーブルックは、全員に嘘発見器テストを受けさせ特別捜査チームを起ち上げ、チャーリー殺害との関係を調べるようにと命ずる。

コルテスは、デヴィッドを担当にすることをオーヴァーブルックに伝え、ピートも賛成する。

捜査をコルテスから任されたデヴィッドは、新人のジルもチームに入れる考えを伝える。

サラと共に今回の件を知らされた大統領は、暗殺計画と捜査の状況は極秘にするよう指示する。

責任者のモントローズは、予定を変えずに行動する大統領の警護をする。

サラとの密会を盗撮された写真を郵便で受け取ったピートは、動揺しながら現れたデヴィッドからウォルターのことを訊かれ、要求額は100万ドルだと伝える。

今日中に嘘発見器テストを受けるようにという長官命令に従い、職員はテストを受ける。

写真をサラに見せたピートは、戸惑う彼女を落ち着かせて、彼自身もテストを受ける。

写真のメモに書いてあったホテルで指示を待ったピートは、少し離れたカフェに行くようにという電話を受ける。

その場で待っていたピートは、誰も現れないためにカフェを出る。

尾行に気づいたピートは、逆にそれを追うものの、駐車場でFBIに囲まれる。

間違いだったことが分かり解放されたピートはホワイトハウスに戻り、大統領夫妻と共にヘリコプターでキャンプ・デーヴィッドに向かう。

途中、大統領から、情報屋の話をキャンプ・デーヴィッドで詳しく聞きたいと言われたピートは、到着後、脅迫者を気にするサラを落ち着かせる。

ウォルターからの連絡を受けたピートは、現金で10万ドル払い、残額は内通者の逮捕時に払うことを伝えてモールで会うことになる。

同僚のチャミンスキーと共にモールに向かったピートは、ウォルターを捜す。

銃を持った殺し屋に気づいたチャミンスキーは撃たれてしまい、駆け付けたデヴィッドとジルは、ピートと共に殺し屋を追う。

帽子と服を奪った殺し屋はモールを離れ、デヴィッドはそれに気づく。

その頃、キャンプ・デーヴィッドから飛び立った大統領専用ヘリが、ミサイルで撃ち落とされる事件が起きる。

デヴィッドは、狙われた理由が分からないと言うピートに、考えたらどうだと伝えてその場を去る。

ピートは、オーヴァーブルックから大統領のヘリが墜落したことを知らされる。

しかし、その機には大統領夫妻は乗っていなかった。

それを知った暗殺計画実行者のハンドラー(リッチー・コスター)は、内通者に不満を訴え、もう一度、計画を練り直すことを伝える。

内通者の捜査が進む中、ピートは、嘘発見器の結果などにより、反逆罪の容疑でデヴィッドから取り調べを受ける。

カフェから尾行したFBI捜査官だったヒューゴを呼んだデヴィッドは、ピートから、バランキラ・カルテルの話を聞き出そうとする。

4時間もカフェにいた理由を訊かれたピートは、ヒューゴから、店はカルテルの連絡場所だと言われる。

デヴィッドは、機密情報を流し大統領殺害計画に乗ったと思われるピートに、レーガン大統領を救ったにも拘わらず、昇進もできないことで不満に思っているはずだと言われる。

個人的な恨みで話をしている様子のデヴィッドに、シンディとは寝ていないと伝えたピートは、信じようとしないデヴィッドに苛立つ。

長官が来ることを知らされたデヴィッドはその場を離れ、その隙に警官を叩きのめして銃と無線を奪ったピートは逃亡する。

デヴィッドは、同僚であり伝説の男でもあるピートへの私情は忘れて捜査をするよう部下に指示する。

サラが食事をするレストランに忍び込んだピートは、トイレに行くために席を立った彼女に声をかけて、ハメられたことを伝える。

信じていると言われたピートは疑いを晴らすと伝えて、夫に全てを告白する気のサラから、暗殺容疑がかかっている身では逃げられないので自首することを勧められる。

長官が毎日変える合言葉を知りたいとサラに伝えたピートは、彼女を説得する。

レストランでピートが携帯電話を使ったことを知ったデヴィッドは、その場に向かう。

ジルは、席に戻ったサラが5分待って、全てをトムに話したことをデヴィッドに伝える。

自分を警護している男が大統領を殺すはずがないとサラに思い込ませたとジルに伝えたデヴィッドは、ピートは目立たない車を奪い、情報屋と連絡を取るだろうと考える。

郊外に向かったピートは車内で夜を明かし、ある店のインターネット・サービスを使い、雑誌購読サービスの担当者の名刺を作る。

ウォルターの母親ミラー夫人(ジャッキー・バロウズ)の家を訪ねたピートは、息子さんに賞金が当たったと伝えて驚かせる。

連絡先が分からなかったピートは、その場を去る。

ウォルターに電話をした夫人は、警官が来たことをメッセージに残す。

電話線に装置を仕掛けてあったピートは、それを外して店に戻り、ネットでトムの名前を利用してシークレットサービスのシステムにログインし、ウォルターの電話番号から住所を突き止める。

ピートを疑うことができないジルに、友人の妻を寝取る自分本位の男だと伝えたデヴィッドは、ピートがトムのパスワードを使い、システムにログインしてアンドリューボロの住所を調べたことを知らされる。

ウォルターが死んでいることを確認したピートは、車が現れたためにその場から逃げる。

デヴィッドに追われたピートは、車を捨てて浚渫船に逃げ込む。

船を降りたピートはデヴィッドに追いつめられ、走り去ろうとして肩を撃たれる。

防弾チョッキを着ていたピートは、頭を撃ってみろと言い残してその場から逃げる。

ボートで対岸に向かったピートを見つめるデヴィッドは、止めを刺せなかったことをジルに伝える。

大統領がトロントで行われるG8サミットに出席することをモントローズから知らされたデヴィッドは、ピートが犯人だと確信が持てるかを問われ、答えを返せない。

ナンシーの元に向かったピートは、チャーリーは同僚が暗殺に関与していることを知っていたという考えを彼女に伝える。

チャーリーのパソコンのファイルを見せてほしいと伝えたピートは、家を監視している車に気づき、警察に通報するようにとナンシーに指示して車を借りる。

車を追ったピートは、男が向かった家に侵入して彼を銃撃し、誰に雇われたか聞くものの男は息絶える。

男に電話をかけていたハンドラーは銃声を聴き、相手が携帯電話を拾ったことに気づく。

家の中を探ったピートは、冷蔵庫の扉に隠されていた現金や銃、そしてパスポートなどを見つける。

ジルに電話をしたピートは、家の住所と撃った男が外国人工作員であることを伝えて、G8の通行パスを持っていることを知らせる。

家に急行したデヴィッドは、死体も通行パスなどもないことをピートに電話をして伝える。

G8で大統領が狙われるとデヴィッドに伝えたピートは、電話を切る。

夫(大統領)から今夜トロントに発つことを知らされたサラは、ピートからの着信にコールバックする。

ピートは、殺されても仕事は全うするというメッセージを残していた。

デヴィッドを呼んだサラは、ピートと関係を持ったことを話し、密会時の盗撮写真を見せて、嘘発見器の件と彼がカフェで誰を待っていたかは理解できると伝える。

トロント
市警本部に向かったピートは、殺した男の指紋をつけたコップを持参して、鑑識でそれを採取してもらう。

ジルに電話をしたピートは、指紋をメールで送るので、FBICIAのデータと照合するよう指示する。

結果を待つピートは、現れたデヴィッドから、サラが全てを話したことを知らされる。

裏切り者を探すと言うデヴィッドと共に、ピートはG8の会場に向かう。

ジルからの連絡を受けたピートとデヴィッドは、指紋の結果が分かり、男が元KGBの大統領警護官だったことを知る。

裏切り者は嘘発見器のテストを逃れているのではないかと考えるデヴィッドに、モントローズが管理者だと伝えたピートは、彼が内通者だという可能性を探る。

ハンドラーらと話し、計画続行を断ったモントローズは、家族を殺すと言われて脅され、指示に従うしかなかった。

ジルに連絡したデヴィッドは、嘘発見器のテストを受けていない者を調べさせて、それがモントローズだけだということを確認する。

同じ頃、国際会議場でのバランタイン大統領の演説が始まる。

メールの記録で、チャーリーがモントローズの通話記録を調べていたことを知らせるジルと話したピートは、サラだけにモントローズが内通者だと伝えることを指示する。

会場の外ではデモが行われ、その場に到着したピートは容疑者だったために銃を向けられるものの、デヴィッドがモントローズが裏切り者だと言って同僚に説明する。

サラに近づいたジルは、ピートから指示されたようにモントローズが内通者だと伝える。

ピートらは会議場に押し入り、大統領はモントローズと共に非難し、サラは合言葉は”クリスタル”だとデヴィッドに伝える。

特殊部隊に扮した敵の攻撃を受けたモントローズは、大統領を連れてその場から逃れ、発信機を切らないと相手に知られると伝える。

モントローズが内通者だと知った大統領は驚く。

身を乗り出したモントローズは銃撃されて倒れ、その場に現れたピートは大統領を守りながら車に向かう。

デヴィッドとジルは、撃たれた同僚を救いながら狙撃者と殺し屋を倒す。

銃弾を受けたピートは装甲車に連絡し、大統領を連れて建物の外に向かう。

男の部屋で見た通行パスを付けた、警官に扮したハンドラーに気づいたピートは、サラに襲い掛かった彼を射殺する。

大統領の車はその場を離れ、サラは傷ついたピートを気遣う。

その後、オーヴァーブルックに全てを話したピートは、同僚に別れを告げて退任し、仲間達から介護オムツを贈られる。

ジルにも声をかけられたピートは、デヴィッドがシンディと寄りを戻したことを知って喜び、彼らに別れを告げてその場を去る。

サラは、ホワイトハウスからピートの後ろ姿を見つめていた。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
レーガン大統領暗殺未遂事件で大統領を守った経験もあるベテランのシークレットサービス、ピート・ギャリソンは、元同僚のデヴィッドの妻との関係を疑われ、彼との間には大きな溝ができていた。
デヴィッドの元には、4ヶ国語が堪能な新人のジルが配属され、一方ピートは、警護を担当する大統領夫人と関係を持ってしまう。
ある日、ピートの親友である同僚のチャーリーが自宅前で何者かに射殺され、デヴィッドとジルが捜査を始める。
ピートは、大統領暗殺計画の情報を入手し、同僚の中に内通者がいることを知る一方、大統領夫人との情事を盗撮されて脅迫を受けてしまう・・・。
__________

2003年に発表された、元シークレットサービスジェラルド・ペティヴィッチによる小説”The Sentinel”を基に製作された作品。

バンテージ・ポイント」(2008)同様、こともあろうに、世界で最も厳しい警護と、それを担当するアメリカ大統領直属のシークレットサービスの精鋭の内部に裏切り者が存在するという設定にやや難はあるものの、ラストまで飽きのこない展開で一気に鑑賞できるサスペンス。

国家を危機から守る組織が、素人目からも、あまりにもろく見えてしまうところなどは、製作を兼ねるマイケル・ダグラスが、自分の思い通りに娯楽作を作ってみたかったという感じがしなくもない。

シークレットサービスのエリート捜査官を演ずるキーファー・サザーランドは、若くしてデビューしたものの長く低迷していたのだが、「24-TWENTY FOUR」の大成功もあり貫禄もつき、なかなかいい雰囲気で好演している。

学生時代運動学を学んでいただけあり、新人警護官役のエヴァ・ロンゴリアの、知的で軽快な身のこなしはかなり板に付いている。

キム・ベイシンガーの大統領夫人役も悪くはない。
妖艶過ぎるところを抑え気味に、落ち着いた美しさも際立つ。

大統領役のデヴィッド・ラッシュは、1980年代の人気TVコメディ「Sledge Hammer!」で大いに笑わせてくれたことを懐かしく思い出す。
これは「ダーティハリー」(1971)のパロディ。

内通者だった主人公の同僚マーティン・ドノヴァン、暗殺計画の首謀者リッチー・コスター、デヴィッド(キーファー・サザーランド)の元妻クリスティン・レーマン、情報屋のレイノール・シェイン、その母親ジャッキー・バロウズシークレットサービス長官のチャック・シャマタ、副長官のポール・カルデロン、主人公の同僚サイモン・レイノルズラウール・バネジャ、本作の監督である、主人公の同僚で親友のクラーク・ジョンソン、その妻グロリア・ルーベン、殺し屋のジャスミン・ジェルジョなどが共演している。


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