1939年に公開された、「地獄への道」の続編。 弟ジェシーを殺した裏切り者フォード兄弟を追うフランク・ジェイムズの復讐を描く、製作ダリル・F・ザナック、監督フリッツ・ラング、主演ヘンリー・フォンダ、ジーン・ティアニー、ジャッキー・クーパー、ヘンリー・ハル、ジョン・キャラダイン他共演の西部劇。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:フリッツ・ラング
製作:ダリル・F・ザナック
脚本:サム・ヘルマン
撮影:ジョージ・バーンズ
編集:ウォルター・A・トンプソン
音楽:デヴィッド・バトルフ
出演
フランク・ジェイムズ:ヘンリー・フォンダ
エレノア・ストーン:ジーン・ティアニー
クレム:ジャッキー・クーパー
ルーファス・コッブ少佐:ヘンリー・ハル
ボブ・フォード:ジョン・キャラダイン
ジョージ・ラニアン:J・エドワード・ブロムバーグ
マッコイ:ドナルド・ミーク
駅員:エディ・コリンズ
判事:ジョージ・バービア
検事:ラッセル・ヒックス
ピンキー:アーネスト・ホイットマン
チャーリー・フォード:チャールズ・タネン
ランドルフ・ストーン:ロイド・コリガン
伝道師:ヴィクター・キリアン
ジャクソン大佐:エドワード・マクウェイド
ロイ:ジョージ・チャンドラー
傍聴人:アーヴィング・ベーコン
ダニエルズ保安官:フランク・シャノン
ネリー・ブレイン:バーバラ・ペッパー
ウィルソン:ルイ・メイソン
モーゼ:スタイミー・ビアード
俳優:フランク・サリー
俳優:ウィリアム・ポーリー
警官:デビットソン・クラーク
老人:ロバート・マッケンジー
デンバーの警官:エイドリアン・モリス
エレノアのメイド:リリアン・ヤーボ
ジェシー・ジェームズ:タイロン・パワー
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1940年製作 92分
公開
北米:1940年8月16日
日本:1952年2月22日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ミズーリ州。
お尋ね者のジェシー・ジェームズ(タイロン・パワー)は、仲間のボブ・フォード(ジョン・キャラダイン)と弟チャーリー(チャールズ・タネン)に裏切られて殺される。
ジェシーの兄フランク(ヘンリー・フォンダ)は、”ベン・ウッドソン”と名前を変えて身を隠し、農夫として暮らしていた。
フランクは、”フランク・ジェイムズ”は死んだと、使用人のピンキー(アーネスト・ホイットマン)に言い聞かせる。
そこに、子供時代から面倒を見ている少年クレム(ジャッキー・クーパー)が戻る。
クレムから、ジェシーがボブとチャーリーに背後から撃たれて殺されたことを知らされたフランクは、復讐は考えなかった。
フォード兄弟は法が裁くと考えるフランクは、それをクレムに伝える。
訪ねて来た伝道師(ヴィクター・キリアン)から、フォード兄弟が絞首刑になることを知らされたフランクは、法の裁きに満足する。 ピンキーから新聞を受け取ったフランクは、フォード兄弟の殺人罪の評決が下った30分後に、知事の恩赦で2人が釈放されたことを知る。 隠してあった銃を手にしたフランクは、クレムをピンキーに任せて町に向かう。 リバティ。 コッブはフランクのことを口にし、警戒するべきだとボブに伝えてその場を去る。 ミッドランド鉄道に雇われている探偵ジョージ・ラニアン(J・エドワード・ブロムバーグ)は、ボブらが西に向かうことを知る。 社に戻り、ロイ(ジョージ・チャンドラー)と記事の確認をしていたコッブは、フランクの合図に気づく。 ロイを部屋から出したコッブは、現れたフランクに、フォード兄弟が数時間前に町を出たことを知らせる。 フランクは、農場に身を隠しているとコッブに話し、ジェシーのことを訊く。 ミッドランド鉄道の社長マッコイ(ドナルド・ミーク)が兄弟をそそのかしてジェシーを殺し、見返りに処刑から救ったと言うコッブは、西に向かったボブとチャーリーを追うつもりのフランクを見送る。 ロイを戻したコッブは、フォード兄弟の死亡記事の準備をするよう指示する。 ジェシーの墓に向かったフランクは、現れたピンキーからクレムが逃げたことを知らされる。 フォード兄弟を追うために資金がいるフランクは、鉄道会社の賃金であるマッコイの金を奪おうとする。 鉄道会社の集配所に向かったフランクは、夜警のウィルソン(ルイ・メイソン)を脅して現金を奪おうとする。 誰かが来たために身を隠したフランクはクレムだと気づき、彼を家に返そうとする。 クレムが誤って発砲してしまい、町の男たちは銃声に気づき、ラニアンは集配所を包囲して入口を壊そうとする。 フランクとクレムは、天上から脱出する。 発砲しながらドアを破ったラニアンは、ウィルソンが死んでいることに気づく。 犯人はフランクだと確信するマッコイは、1万ドルの賞金を出すことを考える。 ラニアンは、西に行く許可をマッコイに求め、フランクが狙うフォード兄弟を捜すことを伝える。 それを許可したマッコイは、犯人が2人だと知り、ジェシーの墓を確認しに行こうとする。 コロラド準州、デンバー。 クレムから農場が見つかったことを知らされたフランクは、”フランク・ジェイムズ”殺害の目撃者を捜している女性エレノア・ストーン(ジーン・ティアニー)と話をする。 フランクは、エレノアが”デンバー・スター”の記者で社主の娘であり、特ダネをものにするつもりだということを知る。 クレムから”フランク”の話を聞いたエレノアは、その内容に満足して彼に感謝する。 フランクは、そんなエレノアに惹かれる。 その後、”フランク・ジェイムズ殺される”という記事が新聞に掲載される。 記事を書いたエレノアは、父ランドルフ(ロイド・コリガン)がそれを評価してくれないことを悲しむ。 ある町に着いたフランクは、フォード兄弟の”ジェシー・ジェームズの死”という演劇が上演されていることを知る。 それを観たフランクは、役者として登場したボブとチャーリーに気づかれる。 桟敷席にいたフランクにランプを投げつけたボブとチャーリーは、その場から逃げる。 火事になった劇場は混乱し、フランクとクレムは、馬で逃げたボブとチャーリーを追う。 山岳地帯で兄弟を追い詰めたフランクは、チャーリーと共に落馬してしまう。 フランクと岩場で銃撃戦になったチャーリーは弾がなくなり、誤って崖から川に転落してしまう。 エレノアを訪ねたラニアンは、フランク殺害の話をした者の人相を訊き、16歳くらいの少年だったことを知る。 もう一人のことも訊いたラニアンは、ウッドソンと名乗ったその男はフランクだとエレノアに伝える。 それが信じられないエレノアは、ラニアンからフランクの写真を見せられて驚き、無法者には思えない好人物だったためにショックを受ける。 ホテルのボーイ、モーゼ(スタイミー・ビアード)と話したエレノアは、”ウッドソン”が戻ったら自分に連絡するように伝えることを指示する。 フランクとクレムはホテルに戻り、モーゼはそれに気づかず、2人は部屋に向かう。 その場にいたラニアンに銃を向けられたフランクとクレムは、隙を見て彼に襲いかかり拘束する。 少年が届けたという封筒を受け取ったエレノアは、30分後にホテル近くの広場に来てほしいという、ウッドソンからのメッセージを確認する。 ホテルのメイドからの通報を受けた警官(エイドリアン・モリス)は、拘束されて閉じ込められたラニアンを見つける。 エレノアと話したフランクは逃げるようにと言われ、ピンキーが縛り首になると書かれたその新聞記事を見せられる。 フランクは、ピンキーが集配所の殺人に関わったことになっているため驚き、マッコイの仕業だと考える。 クレムからボブの居場所が分かったと言われたフランクは、それが鉱山町のクリードだと知り、その場に向かおうとする。 ピンキーを救うべきだと言うエレノアの意見を聞かずに、フランクはボブを捜しに行く。 フランクが生きていたため、死亡記事はウソだったことになり、ランドルフはエレノアを責める。 エレノアがフランクに会ったことを知り驚いたランドルフは、彼女を大学に戻そうとする。 ミズーリのリバティに行き黒人のピンキーを救うと言うエレノアは、反対するランドルフを黙らせる。 ピンキーのことを考えると辛いフランクは、戻ることを決めるが、ボブを殺すべきだと考えるクレムからエレノアのためだと言われ、それを無視してリバティに向かう。 途中で馬を替えて馬車に乗り換えたフランクとクレムは、ある町の駅で駅員(エディ・コリンズ)を脅し、郵便列車を強引に止めさせる。 リバティ。 マッコイとラニアンの策略だと考えるコッブは、2人を非難しながらエレノアと共にその場を去る。 コッブと共に諦めかけたエレノアは、フランクが現れたために驚く。 ラニアンに銃を向けられたフランクは逮捕され、連行される。 ランドルフに電報を打ったエレノアは、ピンキーの処刑は延期され、フランクが裁判にかけられることを知らせる。 エレノアは、残って取材する許可を得ようとするものの、戻るように指示され、裁判終了後に戻ると返事をする。 翌日、法廷に向かったエレノアは、記者席に座る。 フランクはコッブに弁護人を頼み、判事(ジョージ・バービア)は開廷する。 検事(ラッセル・ヒックス)は、フランクが集配所を襲い夜警のウィルソンを殺したことを証明しようとする。 ダニエルズ保安官が証人として呼ばれ、コッブは、夜警は外からの弾丸で死んだと言う彼に質問し、前職がミッドランド鉄道の警護官だったことを確認する。 法廷を出たエレノアはクレムに気づき、裁判の様子を気にする彼に、フランクが強盗は認めているため不利だと伝える。 自分たちに構わなければフランクは逮捕されずに済んだとエレノアに伝えたクレムは、彼女を非難する。 証人席に座たフランクは、コッブにこの場にいる理由を訊かれ、出頭したのは、無実のピンキーを救うためだと答える。 集配所を襲った理由を訊かれたフランクは、盗んだ金でフォード兄弟を追うためだったと答え、それはマッコイの金だと言いながら、ジェシーを殺された恨みも話す。 検事に夜警を殺す理由がないと伝えたフランクは、外から撃たれたと言い張る。 フランクをよく知り信頼するジャクソン大佐(エドワード・マクウェイド)が証人として呼ばれ、検事は、誇り高い軍人である彼から何も聞き出せなかった。 検事は、強盗を認めたフランクが夜警も殺したのは明らかだと陪審員に話しかけ、縛り首が妥当だと伝える。 判決を待つコッブは、自分の行いを後悔するエレノアに、フランクは君に出会わなくてもピンキーを救う男だと伝える。 法廷に戻ったコッブは、ジェシーの復讐だけを考えたフランクは、その資金のために集配所を襲ったが、庶民のためを思いながら犯罪を冒してきたことを陪審員に伝える。 夜警がフランクの銃で殺された証拠はないと言うコッブは、犯行時の彼の銃を手にし、南部のために使われたことを話しながら、天上に向けて発砲してしまう。 その場にボブが現れ、フランクは彼からのメモを受け取り、法廷内はざわつく。 評議を終えた陪審員は、無罪だと判事に伝える。 その場から逃げたボブを追おうとしたフランクは、エレノアらに制止される。 銃声がしたために外に出たフランクは、クレムがボブに撃たれたことを知る。 ボブも銃弾を受けたはずだとフランクに伝えたクレムは、農場をピンキーと共に任せると言い残し、息を引き取る。 クレムの銃を手にしたフランクは、ボブが逃げ込んだ厩舎に向かう。 ボブに発砲されたフランクは二階に向かい、更に発砲した彼が、クレムの銃弾を受けていたために死んだことを確認する。 フランクは、残りの一人を仕留めたと天国のジェシーに語りかける。 その後コッブは、フランクの恩赦についての記事をロイと共に考える。
...全てを見る(結末あり)
酒場にいたボブとチャーリーは、新聞社”リバティ・ウィークリー”の編集長ルーファス・コッブ少佐(ヘンリー・ハル)に非難される。
ホテルに滞在していたフランクとクレムは、フォード兄弟を誘き出すために、人々の前で”フランク・ジェイムズ”が死んだという話をする。
ダニエルズ保安官(フランク・シャノン)にピンキーの無実を訴えたエレノアは、フランクが来ることを伝える。
*(簡略ストー リー)
ミズーリ州。
お尋ね者のフランク・ジェイムズは、裏切った仲間のボブ・フォードとチャーリーに弟ジェシーが殺されたことを知る。
復讐を誓いリバティの町に向かったフランクは、協力者である新聞社社主コッブ少佐から、フォード兄弟が町を出たことを知らされる。
ミッドランド鉄道の社長マッコイが絡んでいることも知ったフランクは、世話をしている少年クレムと共にマッコイの金を奪い、フォード兄弟を追うのだが・・・。
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前年の1939年に公開された西部劇の秀作「地獄への道」の続編。
製作は前作同様ダリル・F・ザナックが担当し、フリッツ・ラングが監督した作品。
主人公のフランク・ジェイムズを演ずる主演のヘンリー・フォンダをはじめ、前作の多くのキャラクターがそのまま登場する。
軽快で切れのいいフリッツ・ラングの演出、無法者ではあるが、正義感や誠実さが感じられる主人公を演ずるヘンリー・フォンダの好演、また、ヒロインを演ずる、本作がデビュー作となる撮影当時19歳のジーン・ティアニーの輝くような美しさなど、西部劇の醍醐味も満載の快作に仕上がっている。
主人公の世話になっている少年を印象的に演じ熱演するジャッキー・クーパー、今回も味のある演技で主人公の協力者を演ずる新聞社社主ヘンリー・ハル、主人公の仇役であるボブ・フォードのジョン・キャラダイン、その弟チャーリー・フォードのチャールズ・タネン、鉄道会社に雇われる探偵のJ・エドワード・ブロムバーグ、鉄道会社社長のドナルド・ミーク、駅員のエディ・コリンズ、判事のジョージ・バービア、検事のラッセル・ヒックス、主人公の使用人アーネスト・ホイットマン、ヒロインの父親である新聞社社主ロイド・コリガン、伝道師のヴィクター・キリアン、主人公の恩師である大佐エドワード・マクウェイド、新聞社の社員ジョージ・チャンドラー、裁判の傍聴人アーヴィング・ベーコン、保安官のフランク・シャノン、集配所の夜警ルイ・メイソン、ホテルのボーイ役スタイミー・ビアード、舞台俳優のフランク・サリーとウィリアム・ポーリー、警官のデビットソン・クラークとエイドリアン・モリス、老人のロバート・マッケンジー、ヒロインのメイド役リリアン・ヤーボ、他バーバラ・ペッパーなどが共演している。