”同時多発テロ”の容疑者に対するCIAの拷問に関する調査を描く、製作スティーヴン・ソダーバーグ、製作、監督、脚本スコット・Z・バーンズ、主演アダム・ドライヴァー、アネット・ベニング、ジョン・ハム、テッド・レヴィン、モーラ・ティアニー、コリー・ストール他共演の社会派ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:スコット・Z・バーンズ
製作
スティーヴン・ソダーバーグ
ジェニファー・フォックス
スコット・Z・バーンズ
ケリー・オレント
マイケル・シュガー
エディ・モレッティ
ダニー・ガバイ
製作総指揮
ナンシー・デュバック
シェーン・スミス
ナタリー・ファーリー
リラ・ヤコブ
マイケル・ディヴェルディ
ヴィンセント・ランディ
TJ・リノマト
脚本:スコット・Z・バーンズ
撮影:アイジル・ブリルド
編集:グレッグ・オブライアント
音楽:デヴィッド・ウィンゴ
出演
ダニエル・J・ジョーンズ:アダム・ドライヴァー
ダイアン・ファインスタイン:アネット・ベニング
デニス・マクドノー:ジョン・ハム
キャロライン・クラス:ジェニファー・モリソン
レイモンド・ネイサン:ティム・ブレイク・ネルソン
ジョン・オーウェン・ブレナン:テッド・レヴィン
トーマス・イーストマン:マイケル・C・ホール
バーナデット:モーラ・ティアニー
エイプリル:サラ・ゴールドバーグ
ジュリアン:ルーカス・ディクソン
ジェームズ・エルマー・ミッチェル博士:ダグラス・ホッジ
ブルース・ジェッセン博士:T・ライダー・スミス
アリ・スーファンFBI捜査官:ファジャー・アル=カイシ
マーシー・モリス:リンダ・パウエル
ジョージ・テネット:ドミニク・フムザ
マルティン・ハインリヒ:ノア・ビーン
サイラス・クリフォード:コリー・ストール
シェルドン・ホワイトハウス:ジョン・ロスマン
グレッチェン:ジョアン・タッカー
コファー・ブラック:イアン・ブラックマン
アブ・ズベイダ:ズウディ・ブエリ
ホセ・ロドリゲス:カルロス・ゴメス
ハリド・シェイク・モハメド:ラットネッシュ・デュベイ
マーク・ユダル:スコット・シェパード
キャンディス・エイムズ:ケイト・ビーハン
バックリー監察総監:ジェームズ・ヒンドマン
ミラー捜査官:オースティン・マイケル・ヤング
ジョン・リッツォ:ジョセフ・シラヴォ
CIA局員:ベン・マッケンジー
CIA局員:ジェイク・シルバーマン
ニューヨーク・タイムズの記者:マシュー・リス
アメリカ 映画
配給 アマゾン・スタジオ
2019年製作 119分
公開
北米:2019年11月15日
日本:2019年11月29日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
CIAに起訴される可能性がある上院調査委員会のダニエル・J・ジョーンズ(アダム・ドライヴァー)は、弁護士のサイラス・クリフォード(コリー・ストール)に申し立ての相談をする。
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2003年、ワシントンD.C.。
トム・ダシュル上院議員(上院院内総務)の外交政策上級顧問デニス・マクドノー(ジョン・ハム)と面接したジョーンズは、CIAかFBIでテロ対策や外交政策の経験を積んでくるよう指示される。
2007年。
ダイアン・ファインスタイン上院議員(アネット・ベニング)のスタッフになっていたジョーンズは、彼女のアシスタント、マーシー・モリス(リンダ・パウエル)から”ニューヨーク・タイムズ”を渡される。
ファインスタインから、CIAがアルカイダの容疑者の尋問ビデオを破棄したことを知らされたジョーンズは、テープの内容と破棄した理由を調査するよう指示される。
2009年。
仕事場となるCIAの秘密施設に案内されたジョーンズは、プリンターと用紙が用意されていないことを知る。
ジョーンズは、エイプリル(サラ・ゴールドバーグ)、ジュリアン(ルーカス・ディクソン)ら6人で、600万ページに及ぶCIAの資料を調査し始める。
__________
2001年9月11日、CTC/CIAテロ対策センター。
ジョージ・テネット長官(ドミニク・フムザ)、グレッチェン(ジョアン・タッカー)、バーナデット(モーラ・ティアニー)らは、”同時多発テロ”を伝える映像を見つめる。
9月16日。
数日後テネットは、CTC所長コファー・ブラック(イアン・ブラックマン)と共に、ブッシュ大統領にはテロが起きる可能性を警告していたことを話す。
テネットから意見を求められた法律顧問ジョン・リッツォ(ジョセフ・シラヴォ)は、大統領がCIA“テロリストを逮捕、拘留する “権限を与えたことを報告する。 同じく法律顧問のトーマス・イーストマン(マイケル・C・ホール)から、容疑者の拘留場所などに関することを訊かれたテネットは、予算無制限で、あらゆる手段を使い対処するよう指示する。 ジョーンズは、大統領の覚書は逮捕と拘留のみで、尋問を実行することにについては、ホワイトハウスではなく、CTCの法務担当が決めたのではないかとファインスタインに伝える。 エイプリルとジュリアンに、CIA職員との接触が出来なくなることを知らせたジョーンズは、ファイルやメールなどの記録情報の調査をすると伝える。 ジョーンズは、容疑者のアブ・ズベイダ(ズウディ・ブエリ)の資料から調べ始める。 2002年3月、グリーン収容所。 スーファンは、ハリド・シェイク・モハメド/KSM(ラットネッシュ・デュベイ)の写真をズベイダに見せて、アルカイダ幹部だと認めさせ、焦らずに情報を得ようとする。 そのことをテネットに報告したバーナデットは、テネットから、ズベイダはCIAが取り調べを行うよう指示される。 CTC所長ブラックは、空軍の心理学者ジェームズ・エルマー・ミッチェル博士(ダグラス・ホッジ)とブルース・ジェッセン博士(T・ライダー・スミス)が、新しい尋問技法を提案していることをイーストマンから知らされ、二人の話を聞く。 ミッチェルとジェッセンから、強化尋問技術(EIT)の説明を受けたバーナデットやイーストマンらは、ホセ・ロドリゲス局長(カルロス・ゴメス)の許可を得る。 ジョーンズはFBIのスーファンに会い、ズベイダの尋問方法と、民間の尋問担当が現れた際の話を聞く。 2002年4月。 それが違法だと判断したスーファンだったが、ミッチェルはトップが許可したと言って、彼の話を聞こうとしない。 FBI長官の指示で現場から外されたことを話すスーファンは、ミッチェルらのせいで機能不全になったことをジョーンズに伝える。 ジョーンズは、ズベイダがアルカイダの幹部であるため、司法省が強硬尋問を許可したことをファインスタインに伝える。 ズベイダが幹部でないことをファインスタインに伝えたジョーンズは、CIAが大統領と司法省に彼が大物だと誇張して報告したのは、新しい尋問技法を合法化するためだった可能性があると考える。 2002年8月4日、グリーン収容所。 仕事を終えたジョーンズに声をかけたネイサンは、EITに立ち会ったことを話し、ズベイダが”溺れた”ことを伝える。 ネイサンは、最終手段である水責めの件などでバーナデットを非難するが、二度と悲劇を起こさないための方法だと言われて、納得するしかなかった。 担当を離れることを希望したネイサンは、ロドリゲス局長から圧力がかかったことをジョーンズに話し、命令で文書は残っていないので、メールを調べろと指示する。 ジョーンズはシェルドン・ホワイトハウス上院議員(ジョン・ロスマン)に会い、CIAが”拷問”を”強化尋問”と言い換えて行っていることなどを伝える。 2002年7月、司法省法律顧問局。 尋問の報告を受けた大統領が、嫌悪感を示したというい記録があることを知ったホワイトハウス議員は、公表する必要があるとジョーンズに伝える。 2010年。 2002年11月、コバルト収容所。 ファインスタインと話したジョーンズは、テロの容疑者ラフマンが、鎖でつながれたまま冷水を浴びせられて一晩放置され、低体温症で死亡したという、監察官の報告を伝える。 裏工作があったことを指摘されたファインスタインは、個人的に見直してみるとジョーンズに伝える。 明らかに殺人行為だと考えるジョーンズは、モリスから、報告書に署名する責任を負い、選挙も控えるファインスタインの気持ちを察するべきだと言われるものの、納得できない。 その後、CIAが、長官レオン・パネッタの内部調査(パネッタ・レビュー)をしていいることを知ったジョーンズは、その調査書をファイルして、ダラム特別検察官に会おうとする。 バーでニュースを見ていたジョーンズは、CIAの尋問により、次のテロを防げたと伝える内容に落胆する。 メディアの主張を否定するために徹夜したジョーンズは、CIAの記録によると、KSMを拷問して得た重要な情報は事前に入手していたことを知り、翌朝それをエイプリルに伝える。 2003年3月、ブルー収容所。 ミッチェルとジェッセンは、アメリカに送り込んだのがイサ・アル・ブリタニで、次の攻撃目標がモンタナであることをKSMから聞き出す。 KSMがモンタナにイサ・アル・ブリタニを送ったことをファインスタインに話したジョーンズは、後に、拷問をやめさせるためのウソだと分かったことを伝えて、報告書の完成を急ぐ。 ジュリアンと食事をしていたジョーンズは、現れたグレッチェンから、報告書はゴミクズで葬られると言われて非難される。 検察側が起訴しないことをホワイトハウス議員に話したジョーンズは、司法省からの情報提供もなく、調査を続けているのは自分たちだけだと伝える。 エイプリルから、新しい仕事に就くために、感謝祭後にチームを抜けたいと言われたジョーンズは、2か月はあると思うものの、ジュリアンから、今は11月で感謝祭は来週だと知らされる。 数千ページの報告書は公開されないかもしれないと言うエイプリルは、CIAは拷問がうまくいかないことを1978年に知っていたが、それでも続けているとジョーンズに伝えて、2年間この場で苦労したが、誰も自分たちに期待していないと伝える。 2004年4月。 法律顧問局のジャック・ゴールドスミスがEITを否認していることを知ったミッチェルは、自分のやり方を変える気がないことをロドリゲスとイーストマンに伝えて支持してもらう。 2011年。 ホワイトハウスにその件をつたえファインスタインだったが支援は期待できず、ジョーンズは、CIAの協力なくして大統領の再選がなかったことをモリスから知らされる。 2012年。 2007年7月。 ジョーンズは、ラヒームの件を境にCIAが方針転換をしたことをファインスタインに報告し、これまでの収容者は少なくとも119人で、1/4は拘留の必要もなく、EITの効果はなかったと伝える。 2012年12月13日。 2013年。 マーク・ユダル上院議員(スコット・シェパード)から、EITに関して、CIAに責任があるかを問われたブレナンは、それを認める。 2013年5月。 情報委員会に対する回答が遅れていることを指摘されたブレナンは、回答書をマクドノーに渡す。 ファインスタインとジョーンズらと会合を設けたブレナンは、EITは欠陥だらけで間違いだったと認める。 しかしブレナンは、それで得た情報は他の方法では入手できないものであり、テロ攻撃阻止やテロリストを捕らえ、人命を守るために必要だったと伝える。 ジョーンズの質問を遮ったブレナンは、情報はビン・ラーディンにつながったと伝えて、効果がなかったという考えを否定する。 ジョーンズは、報告書はCIAの記録を基にして書かれたものであり、局員が役に立っていないと言っているのと同じだと伝えるものの、ブレナンは、関係者とは接触できないはずだと反論する。 ファインスタインから、司法省の捜査に支障があるため、CIA法律顧問に禁じられたと言われたブレナンは、ホワイトハウスや議会、マスコミに虚偽報告をしたという報告書の内容も否定する。 証拠の文書があると言うブレナンは、すべてを提供する約束だったことを指摘され、CIAのシステムにアクセスする権利を与えたので、ジョーンズはすべて確認できたはずだと伝える。 ファインスタインは、今までCIAに協力してきたが、今回の調査で明らかになったのは、監督と報告義務の必要性だとブレナンに伝える。 要求に対して回答しただけだと言うブレナンは、過ちは認めるものの、事実を正確に伝えていないという言葉を残して退席する。 納得できないジョーンズは、妥協案を探ろうとするファインスタインに意見するものの、聞き入れてもらえない。 ランニングをしていたジョーンズは、サイクリング中のマクドノーに出くわし、かつて経験を積むようにと言われたことなどを話す。 マクドノーは、CIAに関係することで、議員に忠誠を尽くすべきではないと言って、CIAとの話し合いを設定することをジョーンズに約束する。 ファインスタインとジョーンズはCIA側と話し合い、ミッチェルとジェッセンが尋問技法に関するアドバイスをする資格がないにも拘わらず、8100万ドルもの税金を支払っていたことなどを知り、報告書の修正を求められる。 修正箇所すべてに反論できるジョーンズだったが、歴史にも残るすばらしい報告書を作ったことをファインスタインに評価される。 ファインスタインの”公開されなくても・・・”という言葉が気になるジョーンズは、モリスから、確かな証拠が必要だと言われて戸惑う。 ユダルと話し合ったジョーンズは、ジョン・ユーの同僚だった、元大統領法律顧問キャロライン・クラス(ジェニファー・モリソン)を公聴会で発言させるつもりがあることを知り、参考になる内部調査文書(パネッタ・レビュー)があることを伝える。 ジョーンズは、規則違反と知りながら”パネッタ・レビュー”を持ち出し、”ハート上院ビル”の金庫に保管する。 2013年12月17日。 これにより”パネッタ・レビュー”が公になり、その件に関する説明をファインスタインに求められたジョーンズは、CIAも自分たちの調査と同じ結論に至ったことになると伝える。 ファインスタインは、内部告発なら、その存在を世間にバラしてしまったので、身の危険を覚悟するようにとジョーンズに伝える。 ジョーンズの仕事場である立入禁止の部屋を調べさせたブレナンは、CIAの機密文書を盗んだ証拠があることをファインスタインに伝え、ジョーンズがハッキングしたと決めつける。 同席したイーストマンは、ジョーンズの即時解雇をファインスタインに提案し、ブレナンは機密文書にアクセスする許可は与えていないことを伝える。 それを知らされたジョーンズは、自分にはハッキングのスキルがないことをモリスに伝えるものの、告発されるので弁護士を雇うべきだと指示される。 クリフォードの弁護士事務所を訪ねたジョーンズは、文書を盗んだのではなく、保管場所を移しただけだと伝える。 ハッキングをしていないことはCIAも承知だと言うクリフォードは、ジョーンズの上院職員報酬が年額10万ドルであることを確認し、前金で30万ドル、裁判になれば桁が1つ増える弁護料の話をする。 財政を圧迫するのが目的だと言うクリフォードは、これは法的な問題ではなく、明るみに出せないことが問題だと、ジョーンズに無料で助言する。 その後ジョーンズは、”ニューヨーク・タイムズ”の記者(マシュー・リス)に会い、上院情報委員会の閉鎖された部屋にCIAが侵入して、コンピューターをハッキングしたことについて調べることを提案する。 そのことが記事になり、ファインスタインに呼ばれたジョーンズは、演説の原稿を書くよう指示される。 ファインスタインは議場で演説を行い、CIAが上院のコンピューターを違法にハッキングしたことを正式に告発するが、ブレナンはそれを否定する。 サンフランシスコ。 問題は誰が不正を一掃するかということだと言うファインスタインに、協力を求められたマクドノーは、ブレナンは自分とスタッフに謝罪する必要があるという彼女の意見を聞く。 バックリー監察総監(ジェームズ・ヒンドマン)の訪問を受けたブレナンとイーストマンは、CIAを調査すると言われ、立ち入り禁止の部屋に局員が5人入ったことで、三権分立に反している可能性を指摘する。 バックリーは、CIAに対する徹底的な調査を監察総監として命ずることを、ブレナンとイーストマンに伝える。 ブレナンとイーストマンと話し合ったファインスタインは、起訴が取り下げられたことをジョーンズに伝え、仕事に戻り、重要な調査結果のみを400ページ以下に要約するよう指示する。 2014年。 それを知ったジョーンズは、意味不明になった文書をモリスに見せる。 ファインスタインとジョーンズは、マクドノーが立ち会ったCIA側との協議の場で話し合うが、妥協点を見つけられない。 マクドノーは、オバマ政権による隠ぺいは許されないと言うファインスタインに対し、”拷問”と認め、根絶のために大統領令まで出したと伝えて、再びテロ攻撃があれば、民主党は20年は政権をとれないという考えを話す。 コロラド州の現職ユダルが民共和党のガードナー議員に敗れ、ジョーンズは落胆する。 ファインスタインに呼ばれたジョーンズは、ケリー国務長官からの電話で、報告書の公表により、反イスラム国同盟に亀裂が入る懸念があると言われたたことを知るものの、公表の先延ばしだと考える。 報告書を一旦、大統領に預けることをケリーに案されたファインスタインだったが、ジョーンズはそれに反対する。 共和党が多数派になればどうなるかは理解しているファインスタインは、公表はしたいものの、ケリーを信頼していることもジョーンズに伝える。 自分しか公表できないと言われたファインスタインは、このままでは隠蔽の共犯者になると指摘するジョーンズに、帰って休むよう指示する。 ニューヨーク・タイムズの記者と地下駐車場で会ったジョーンズは、拷問に効果がないと知りながら、なぜCIAは継続したかを訊かれ、”911”後に皆が恐れ、再び起これば責任を問われ、恥だと考えたからだと答える。 効果がなければ違法行為になると付け加えたジョーンズは、報告書を渡してくれれば明日のフロントページを飾れるし、英雄にも裏切り者にもなれる言われて考え込む。 公表するなら正しい方法を選ぶと伝えたジョーンズは、何も渡さずにその場を去る。 民主党幹部会。 マルティン・ハインリヒ議員(ノア・ビーン)は、我々が責めてきた他国と同じ行為をしたと意見する。 現政権は情報を隠蔽して、関係者を守るという考えなのかと問われたマクドノーは、政府の見解ではないとハインリヒに伝える。 ロックフェラー議員からは、安全保障会議でブレナンと連携し、長官となった彼はホワイトハウスと共に無人機作戦を進めていると言われたマクドノーは、ユダルからも、自分の任期が終わるまでに報告書を公表しないのなら、上院の議場で読み上げると言われて戸惑う。 CIAを追及すれば混乱を招くと言うマクドノーは、このような報告書が完成すること自体が世界ではまれだと伝える。 ファインスタインは、報告書を完成させるだけでなく、公表する国でありたいと意見する。 その後ファインスタインは、議会で報告書の内容を要約したスピーチを行う。 ブレナンやCIA職員、そしてマクドノーは、ベトナム戦争で捕虜となり拷問を受けたジョン・マケイン上院議員が、報告書を支持してEITを批判する映像を見つめる。 その後、現在では廃止されたEITを、CIAが使用した過去が公表される。 ファインスタインは、ジョーンズがやり遂げたことに感謝する。 報告書が公表された後で、ダニエル・J・ジョーンズは委員会を去った。 2015年、オバマ大統領は、拷問禁止修正案に署名し、CIAが考案したEITは禁止となった。 報告書に書かれていた局員で、罪に問われた者はいない。 その多くが後に昇進し、そのうちの1人はCIA長官となった。
...全てを見る(結末あり)
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アリ・スーファンFBI捜査官(ファジャー・アル=カイシ)は、逮捕したズベイダを拘束して治療を受けさせる。
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バーナデットからミッチェルとジェッセンを紹介されたスーファンは、尋問の経験もない彼らを疑い、その尋問方法を知る。
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バーナデットは、ミッチェルとジェッセンがズベイダに水責めをする様子を、医療サービス局の医師助手レイモンド・ネイサン(ティム・ブレイク・ネルソン)と共に映像で確認する。
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イーストマンとリッツォは、ジョン・ユーから、強化尋問を正当化するための意見を聞く。
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ジョーンズとエイプリルは、2002年に拘束されたグル・ラフマンの所在が不明であることに目をつける。
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ミッチェルとジェッセンは、ラフマンに新しい尋問技法を試す。
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バーナデットとグレッチェンは、ミッチェルとジェッセンから、水責めによってKSMがウソをついていることが分かったと言われ、尋問を継続させる。
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ブッシュ大統領が、国連演説で拷問の使用を非難したことを受けて、テネット、バーナデット、ミッチェル、ジェッセン、イーストマン、ロドリゲス、リッツォが会合を開き、その対応について話し合う。
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ジョーンズの説明を受けたファインスタインは、ビン・ラーディンを殺して人命を救えば、EITがそれに貢献したと思えるので、説明責任など必要ないとCIAが考えていたという結論に達する。
テロリストに対する拷問が描かれる”ゼロ・ダーク・サーティ”の公開を前に、ジョーンズは、ムハンマド・ラヒームが最後の収容者だとジュリアンから知らされる。
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バーナデットは、ラヒームから情報を聞き出せないミッチェルとジェッセンを批判し、効果を出さなければ合法にならないことを伝える。
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ジョーンズは6,200ページに及ぶ報告書を仕上げ、ファインスタインが議長を務める上院情報委員会で承認され、それがCIAに送られて最終コメントを求めることになる。
CIA長官に就任するジョン・オーウェン・ブレナン(テッド・レヴィン)が、上院情報委員会の公聴会に呼ばれる。
オバマ政権の大統領首席補佐官となったマクドノーは、CIA長官に就任したブレナンを迎える。
上院情報委員会の公聴会で、家族と共に出席したクラスは、報告書の正確さに、これまで以上に自信を示すユダルから、内部調査との整合性を訊かれ、今は言えないと答える。
ファインスタインを訪ねたマクドノーは、司法省がCIAの起訴を見送ったことを伝える。
ブレナンの要望を聞き入れたマクドノーは、CIAに報告書を編集する権限を与え、その部分はマーカーで塗り潰される。
ファインスタインはCIAの報告書に関する協議を求めるが、マクドノーは、今回の議題ではないと伝える。
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*(簡略ストー リー)
2009年、ワシントンD.C.。
ファインスタイン上院議員(アネット・ベニング)のスタッフであるダニエル・J・ジョーンズは、CIAが”同時多発テロ”の容疑者の尋問ビデオを破棄したことを知らされ、その内容と破棄した理由を調査するよう指示される。
その後ジョーンズは、数人のスタッフと共にCIAの秘密施設で、600万ページに及ぶ資料を調査し始める。
地道な作業を続けるジョーンズは、CIAが民間の心理学者ミッチェルとジェッセンを雇い、彼らが考案した強化尋問技術(EIT)を実行したことを知るのだが・・・。
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「ボーン・アルティメイタム」(2007)他、脚本家、製作者としても活躍しているスコット・Z・バーンズが、製作と脚本を兼ねた監督作品であり、スティーヴン・ソダーバーグが製作に加わっている。
”同時多発テロ”の容疑者に対するCIAが指示した拷問の調査を行ったダイアン・ファインスタイン上院議員とそのスタッフ、ダニエル・J・ジョーンズらの真実の追及を描く社会派ドラマ。
アメリカ国民を守ることを優先したCIAが、テロの容疑者から情報を得るために採用した強化尋問技術(EIT)が描かれる作品は他にもあるが、その実態について精査し、禁止に追い込んだ政治家とスタッフの地道な行動が描かれている。
忠実に職務を遂行する役人の行動が淡々と描かれている中で、アメリカの闇や汚点を厳しく見つめる姿が見事に描かれた、骨太の作品に仕上がっている。
当初のタイトルは”The Torture Report”であり、後に”Torture”(拷問)の部分がマーカーで消されたデザインに変更されるのだが、終盤で、CIAにより報告書が同じ様に大幅に修正されるシーンと重なる、なかなか粋なタイトルだ。
主演のアダム・ドライヴァーは、国家のために尽くし公務員としての職務を果たそうとする主人公のダニエル・J・ジョーンズを見事に演じている。
主人公に調査を命じて支える民主党上院議員ダイアン・ファインスタインを好演するアネット・ベニング、オバマ政権大統領首席補佐官・デニス・マクドノーのジョン・ハム、元大統領法律顧問キャロライン・クラスのジェニファー・モリソン、拷問に立ち会うCIA医療サービス局医師助手のティム・ブレイク・ネルソン、調査委員会と対立するCIA長官ジョン・オーウェン・ブレナンのテッド・レヴィン、CIA法律顧問マイケル・C・ホールとジョン・リッツォのジョセフ・シラヴォ、拷問を指揮するCIA局員のモーラ・ティアニーとジョアン・タッカー、主人公のスタッフ、サラ・ゴールドバーグとルーカス・ディクソン、強化尋問技術(EIT)を考案した心理学者ジェームズ・エルマー・ミッチェル博士のダグラス・ホッジとブルース・ジェッセン博士のT・ライダー・スミス、テロ容疑者アブ・ズベイダのズウディ・ブエリ、彼を逮捕し尋問するFBI捜査官アリ・スーファンのファジャー・アル=カイシ、ファインスタインのスタッフ役リンダ・パウエル、CIA長官ジョージ・テネットのドミニク・フムザ、民主党議員マルティン・ハインリヒのノア・ビーン、同じくシェルドン・ホワイトハウスのジョン・ロスマン、主人公に助言する弁護士コリー・ストール、CTC/CIAテロ対策センター所長コファー・ブラックのイアン・ブラックマン、CIA局長ホセ・ロドリゲスのカルロス・ゴメス、テロ容疑者ハリド・シェイク・モハメドのラットネッシュ・デュベイ、上院調査委員会の議員マーク・ユダルのスコット・シェパード、ニューヨーク・タイムズの記者マシュー・リス、CIA長官ブレナンの秘書ケイト・ビーハン、監察総監のジェームズ・ヒンドマン、CIA局員のベン・マッケンジーとジェイク・シルバーマンなどが共演している。