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オペラ座の怪人 The Phantom of the Opera (2004)

1910年に発表された、ガストン・ルルーの小説を題材に、ロンドンで1986年に上演されたアンドリュー・ロイド・ウェバーの大ヒット同名ミュージカルの映画化。
監督ジョエル・シューマッカージェラルド・バトラーエミー・ロッサムパトリック・ウィルソンミランダ・リチャードソン他共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ミュージカル)


スタッフ キャスト ■
監督:ジョエル・シューマッカー

製作:アンドリュー・ロイド・ウェバー
製作総指揮
ポール・ヒッチコック
オースティン・ショウ
ジェフ・アッバリー
ジュリア・ブラックマン
キース・カズンズ
ラルフ・カンプ
原作:ガストン・ルルー
脚本
ジョエル・シューマッカー
アンドリュー・ロイド・ウェバー
撮影:ジョン・マシソン
美術:アンソニー・プラット
衣装:アレクサンドラ・バーン
編集: テリー・ローリングス
音楽:アンドリュー・ロイド・ウェバー

出演
ジェラルド・バトラー:ファントム
エミー・ロッサム:クリスティーヌ・ダーエ
パトリック・ウィルソン:ラウル・シャニー子爵
ミランダ・リチャードソン:マダム・ジリー
ミニー・ドライヴァー:カルロッタ・ジュディチェルリ
キアラン・ハインズ:リチャード・フィルマン
サイモン・キャロウ:ジレス・アンドレ
ジェニファー・エリソン:メグ・ジリー
ケヴィン・マクナリー:ジョセフ・ブーケ

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2004年製作 141分
公開
北米:2004年12月22日
日本:2005年1月29日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $51,225,800
世界 $154,648,890


アカデミー賞 ■
第77回アカデミー賞

・ノミネート
撮影・美術・歌曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1919年、パリ
かつて栄華を極め、今は廃墟と化した”パリ・オペラ座”でオークションが開かれていた。

そこには、車椅子に乗った老紳士ラウル・シャニー子爵(パトリック・ウィルソン)やマダム・ジリー(ミランダ・リチャードソン)などの参加者の姿があった。

そして、迷宮入りの謎の事件に登場した、壊れていた巨大シャンデリアが修復され登場する。

その瞬間、ラウルとマダム・ジリーの脳裏には、かつてのオペラ座が甦る。
__________

1870年。
怪奇な事件が続いていたオペラ座では、新作オペラのリハーサルが気に入らずに、プリマドンナ、カルロッタ・ジュディチェルリ(ミニー・ドライヴァー)が腹を立てていた。
...全てを見る(結末あり)

気を取り戻して歌い始めたカルロッタだったが、背景幕が突然落下し、彼女の怒りは爆発して役を降りてしまう。

その直後、オペラ座に潜むと噂されている”ファントム”からの手紙が舞台で見つかる。

支配人リチャード・フィルマン(キアラン・ハインズ)は、その内容を伝えるマダム・ジリーに、それがたわ言だと伝える。

しかし、シャニー子爵から援助も受ける予定だったフィルマンは、公演中止の危機に追い込まれてしまう。

コーラスラインを仕切るマダム・ジリーは、若いクリスティーヌ・ダーエ(エミー・ロッサム)を代役に推薦し、その素晴らしい歌声をスタッフに聞かせる。

そして、見事に代役をこなし、大喝采を浴びたクリスティーヌの活躍を知り、カルロッタは卒倒してしまう。

舞台の後、楽屋に現れたマダム・ジリーの娘メグ(ジェニファー・エリソン)は、歌の教師は誰かとクリスティーヌに尋ねる。

クリスティーヌは、マダム・ジリーに連れてこられたオペラ座の地下で、死の床の父に祈りを捧げた際、彼から音楽の天子が見守ってくれると言われたとことをメグに話す。

音楽の天子が、父の魂だと信ずるクリスティーヌは、それを支えに生きてきたのだった。

クリスティーヌは、幼馴染のラウル(シャニー子爵)と再会するが、彼が部屋を出た後、自らを”音楽の天使”と呼ぶ、仮面の男”ファントム”(ジェラルド・バトラー)に、地下へと連れ去られて行く。

ファントムは、クリスティーヌに仮面をはがされ、彼女を罵るが、フィルマン達が騒ぎ立てるのを嫌い、彼女を地上に返す。

オペラ座の経営陣、フィルマン、ジレス・アンドレ(サイモン・キャロウ)、そしてシャニー子爵は、新作オペラ”イル・ムート”の主役をクリスティーヌにするようにという、ファントムからの脅迫状を受け取る。

それはカルロッタにも届き、ファントムは、彼女に小姓の役を与えることを指示する。

それに従わない場合は、想像を絶する惨事が襲い掛かるというファントムの警告と、世間のクリスティーヌへの賛美を無視し、フィルマンとアンドレはカルロッタのご機嫌をとろうと、彼女をプリマドンナと称え、再び主役に戻してしまう。

そして舞台は開演するが、ファントムは予告通り、カルロッタの声を奪い、舞台係ジョセフ・ブーケ(ケヴィン・マクナリー)を殺害する。

クリスティーヌは、オペラ座の屋上で、恐怖を与えながらも自分に対して憧れを抱く男、ファントムの存在ラウルに語る。

ラウルはクリスティーヌを守ることを約束し、二人は永遠の愛を誓う。

それを知ったファントムは、クリスティーヌに裏切られたことで彼女を呪い復讐を決意する。

大晦日の仮面舞踏会の夜、婚約したラウルとクリスティーヌ、そして出席者の前に、オペラ”ドン・ファンの勝利”のスコアを
携えたファントムが現れる。

ファントムはクリスティーヌに、師である自分の元に戻るように告げて姿を消す。

ラウルはファントムの正体を知りたがり、マダム・ジリーは、自分の少女時代に起こった出来事を話し始める。

その昔マダム・ジリーは、サーカスの一団の中で、虐げられている男を助けた。

マダム・ジリーは、男をオペラ座の地下に匿い、建築家でありデザイナー、作曲家で魔術師でもある、彼の才能に驚いたということだった。

ある日、父親の墓に向かったクリスティーヌは、ファントムの導きの声を聞く。

後を追ってきたラウルが、現れたファントムと剣を交え、彼に止めを刺そうとする。

クリスティーヌにそれを止められたラウルは、彼女を馬に乗せて連れ帰る。

そしてファントムは、ラウルとクリスティーヌに、宣戦布告をする。

オペラ座では、ファントムを誘き出し決着をつける計画が練られ、”ドン・ファンの勝利”の初日を迎える。

ファントムは準備を整え、オペラ座側は、警官を配備した厳重な体制を整えて舞台の幕は上がる。

やがて、仮面を付けたファントムが現れ、クリスティーヌの愛を求める。

しかし、クリスティーヌはファントムの仮面をはいでしまい、その醜い顔が客席の人々を驚かす。

激怒したファントムは、巨大なシャンデリアを客席に落下させてしまう。

ファントムはクリスティーヌと共に地下に姿を消し、オペラ座は出火して大惨事となる。

マダム・ジリーに、地下への入り口を案内されたラウルは二人を追う。

醜い顔のため味わった、過去の悲惨な体験を語るファントムだったが、クリスティーヌは、歪んでいるのは顔ではなく、彼の魂だと言い放つ。

現れたラウルを迎え入れたファントムは、彼の首にロープをかける。

ラウルは、自分を諦めるようにクリスティーヌに語りかける。

その仕打ちを見て、ファントムを哀れむクリスティーヌは、彼を受け入れようとキスをする。

二人を助けようとする人々の声が地下にこだまし、ファントムはクリスティーヌを諦め、ラウルと逃げるようにと彼女に指示する。

ファントムはクリスティーヌに愛を告げるが、結婚を誓う証に渡した指輪を彼女から返される。

そして、ラウルとクリスティーヌは、ファントムの隠れ家から去り、彼は幕の終わりを告げて永遠に姿を消す。

そこに現れたメグは、ファントムが大切にしていたサルのおもちゃの傍らにあった彼の仮面を持ち去る。
__________

1919年。
シャニー子爵(ラウル)は、亡き妻クリスティーヌの墓前に、オークションで競り落としたサルのおもちゃを置く。

そしてシャニー子爵は、ファントムのトレードマークである、黒いリボンが結ばれた一輪のバラを見つける。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
廃墟と化した”パリ・オペラ座”のオークション会場で、かつて、その場の経営に参加した、シャニー子爵と、コーラスラインを仕切った
マダム・ジリーは、修復された大シャンデリアを見て当時の光景が脳裏に甦る。
そこに潜むと噂される、”ファントム”の指導とマダム・ジリーの導きで、主役に抜擢された若きコーラスのクリスティーヌは、一夜にして大喝采を浴びるプリマドンナとなる。
しかし、オペラ座の経営陣は、ファントムの警告を無視して、新作オペラを、プリマドンナのカルロッタの主役で開演してしまう。
それを知ったファントムは、オペラ座に災いを起こし、さらにクリスティーヌとラウル(シャニー子爵)の関係に嫉妬し激怒するのだった・・・。
__________

同名ミュージカルは、ロンドンニューヨーク(1988)共に、現在までロングラン記録を続けている。

ロンドン初演のオリジナルキャスト、アンドリュー・ロイド・ウェバーの当時の妻、サラ・ブライトマンへの彼の想いを込めた雰囲気を感じる作品でもある。
2人は1990年に離婚)

1925年のロン・チェイニー主演のサイレント作品「オペラの怪人」から始まり、本作で8作目の映画化となる、悲しき愛をテーマにした、怪奇サスペンス・ミュージカル大作。

第77回アカデミー賞では撮影、美術、歌曲賞にノミネートされた。

主要キャストは、ミニー・ドライヴァー意外は吹き替えなしで見事な歌唱力を披露し、目を見張る絢爛豪華で迫力ある映像、ダイナミックなジョエル・シューマッカーの演出など、見応え十分な作品に仕上がっている。

とは言っても、舞台装置などは、当初から大きな期待をしていたため、見事ではあるが、想像を上回る驚きがないのも事実だ。

また、世界中の人々に愛されたミュージカルの映画化は大変な話題にはなったものの、北米をはじめ興行成績は、批評家の評価も含め予
想外に低く、約5100万ドルに留まり、全世界トータルで、約1億5500万ドルのまずまずの成績を残した。

主演のジェラルド・バトラーは熱演するものの、ややインパクトに欠ける感じを受け、そのせいか撮影当時17歳の、エミー・ロッサムの新鮮な魅力と歌唱力が際立っている。

年老いたメイクがややどぎつい感じだが、命を懸けて愛する人を救おうとする、正義感ある青年子爵を好演するパトリック・ウィルソン、全てを知る思慮深い女性ミランダ・リチャードソン、わがままなプリマドンナで、劇中は吹き替えだがエンディング・テーマを歌う、ミニー・ドライヴァー、支配人キアラン・ハインズ、経営陣の一人サイモン・キャロウ、マダム・ジリー(M・リチャードソン)の娘ジェニファー・エリソン、殺される舞台係ケヴィン・マクナリー等が共演している。


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