弟の仇を討とうとする騎兵隊大尉が悪事を暴こうとする復讐劇を描く、監督アンソニー・マン、主演ジェームズ・スチュワート、コンビによる、アーサー・ケネディ、ドナルド・クリスプ、キャシー・オドネル他共演の正統派西部劇。 |
・西部劇
・ジェームズ・スチュアート / James Stewart / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンソニー・マン
製作:ウィリアム・ゲッツ
原作:トーマス・T・フリン
脚本
フィリップ・ヨーダン
フランク・バート
撮影:チャールズ・ラング
編集:ウィリアム・ライオン
音楽:ジョージ・ダニング
主題歌:レスター・リー
出演
ウィル・ロックハート:ジェームズ・スチュワート
ヴィック・ハンスブロウ:アーサー・ケネディ
アレック・ワゴマン:ドナルド・クリスプ
バーバラ・ワゴマン:キャシー・オドネル
デイヴ・ワゴマン:アレックス・ニコル
ケイト・キャナディ:アリーン・マクマホン
チャーリー・オレアリー:ウォーレス・フォード
クリス・ボルト:ジャック・イーラム
トム・キグビー保安官:ジェームズ・ミリキャン
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1955年製作 102分
公開
北米:1955年8月31日
日本:1956年3月
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ワイオミング州ララミーから、西部のコロナドの町に積荷を運んできたウィル・ロックハート(ジェームズ・スチュワート)は、目的の店に到着する。
ウィルはそこで、店を任されているバーバラ・ワゴマン(キャシー・オドネル)に出会う。
店にあった”ウィンチェスター”に目を止めたウィルは、それが先住民から手に入れた物だと知る。
積荷を降ろしたウィルは、塩田の塩を馬車に積んで帰ることにする。
そこに、バープ牧場のデイヴ・ワゴマン(アレックス・ニコル)らが現れ、ウィルを泥棒呼ばわりし、馬車を焼きラバを撃ち殺してしまう。
それを見た、牧場主アレック・ワゴマン(ドナルド・クリスプ)の使用人ヴィック・ハンスブロウ(アーサー・ケネディ)は、デイブらの行き過ぎた行為を制止しウィルらを助け、この場を去るように忠告する。
アパッチに銃を売る者を捜す目的があったウィルは、仲間達と別れてその地に留まろうとする。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ララミーから積荷を運び、西部の町コロナドに着いた騎兵隊大尉ウィル・ロックハートは実は、先住民に虐殺された弟の仇を討つことが目的だった。
そこでウィルは、地元を支配する大牧場主ワゴマンの姪である、雑貨店を任されているバーバラに出会う。
その後ウィルは、ワゴマンの息子デイヴの嫌がらせに遭う。
しかし、ワゴマンが実子のように目をかける使用人ヴィックが、それを制止してウィルを助ける。
アパッチに銃を売る者を捜す目的があったウィルは、町に留まることになる。
そして、ウィルは牧場主ケイトに雇われながら、ワゴマンの周辺に探るのだが・・・。
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1954年、”The Saturday Eening Post”に掲載された同名の物語を基に製作された作品で、翌年に小説として出版もされた。
1950年代半ばまでに9作品でコンビを組んだ、アンソニー・マンとジェームズ・スチュワートの最後の共同作品で、二人にとっては5作目の西部劇。
のどかで穏やかに始まる冒頭から一転、復讐を目的とした男と尊大な牧場主との微妙な駆け引きと緊張感、無能な後継ぎと牧童
頭の裏切り、主人公のほのかな恋愛と、過去を持つ女牧場主との交流など、雄大な牧草地や山岳地帯を、効果的に生かした描写なども含め、多くの見せ場を見事にまとめ上げたアンソニー・マンの演出手腕は光る。
線が細く、一見弱々しい青年にしか見えないジェームズ・スチュワートは、軍人という肩書きを隠しての、芯の強さを秘めている雰囲気が実に彼らし。
復讐の目的を果たし、心惹かれる女性と結ばれるのかと思いきや、多くを語らず去っていく、男らしい後ろ姿なども逞しさも感じる。
牧場主が、後継ぎを亡くすまではいいのだが、途中までは正義感があり、信頼する牧童頭までもが悪事を働いていたという物語は、やや後味が悪い。
アーサー・ケネディが善人なのか?と思っていると、やはり一癖あったということで終わり、彼らしい役柄で納得もできる。
同じA・マンとJ・スチュワートの「怒りの河」(1952)の時も、アーサー・ケネディは途中から悪党に変貌する。
周辺地域を牛耳る大牧場主を演ずるドナルド・クリスプは、尊厳を重んじる筋の通った人物を貫禄十分に熱演している。
その姪で主人公に惹かれていくキャシー・オドネル、無能な牧場の後取り息子アレックス・ニコル、豪快な女牧場主アリーン・マクマホン、主人公を慕う仲間ウォーレス・フォード、情報屋ジャック・イーラム、保安官のジェームズ・ミリキャンなどが共演している。